

「おすすめの会社を検索したら、ランキング記事がいくつも出てきて、どれも書いてあることが違う」「5社に問い合わせたら、返ってきた提案がバラバラで比べられない」――業者選びのご相談は、この2つから始まります。
結論からお伝えすると、どこが良いかを探すより、自社の条件を先に決めるほうが速いです。目的と予算と本数が決まっていれば、候補は自然に3社ほどに絞られます。決まっていないと、10社見ても選べません。
solezoreも代行を請けている立場なので、自社をおすすめするランキングは書きません。代わりに、私たちが相見積もりで負けたときに何が決め手だったかも含めて、選び方の実務を書きます。
この記事では、探す前に決めることから、会社のタイプ別の向き不向き、候補の集め方、相見積もりの取り方、提案書の読み方、費用の目安、契約前の確認点、避けたほうがいい会社の特徴までを解説します。
おすすめの会社を探す前に決めること
結論: 探す前に、目的・予算と本数・社内でできることの3つを決めます。この3つが決まっていれば、候補は自然に絞られ、提案の比較もできるようになります。
順番を逆にすると、選べなくなります。
目的を1つに絞る
認知を広げたいのか、注文を取りたいのか、採用の応募を増やしたいのか。まず1つに決めます。
「全部やりたい」という依頼を受けると、代行会社側は無難な提案を出すしかありません。目的が絞られていれば、そこに合わせた具体的な提案が返ってきます。
目的が決まると、見るべき数字も決まります。認知なら再生数とリーチ、注文なら遷移率と購入率。この指標を提案依頼の時点で伝えると、提案の質が変わります。
予算と本数の枠を決める
月にいくらまで出せるか、何本の動画が要るか。この2つは先に決めます。
「予算は提案を見てから」と伝える会社が多いのですが、そうすると各社が違う規模の提案を出してきます。月20万円の提案と月80万円の提案を並べても、比べようがありません。
枠を伝えたうえで、その中で何ができるかを出してもらう。これが最も比較しやすい形です。
社内でできることを棚卸しする
撮影できる人はいるか、商品知識を持つ人は関われるか、確認の窓口は誰か。
社内でできることが多いほど、外注の範囲は狭くなり、費用も下がります。逆に、窓口すら置けない状態なら、範囲を広く任せる前提で予算を組む必要があります。
「外注すれば社内の作業はなくなる」と思われがちですが、月に3〜5時間は必ずかかります。ここを見込んでいない体制だと、どの会社を選んでも同じことが起きます。
会社のタイプ別の向き不向き
結論: 代行会社は、制作に強い・広告に強い・販売に強いの3タイプに分かれます。自社の課題がどこにあるかで、選ぶタイプが変わります。会社の規模でも、得られるものが違います。
看板は同じでも、中身は違います。
制作に強い会社・広告に強い会社
映像制作から広がってきた会社です。動画の質が高く、企画の引き出しが多い。
映像で世界観を作りたいブランドには向いています。一方、売上や利益の設計まで踏み込むかは会社によります。再生数は伸びたが注文が動かない、という状態になったときの打ち手を持っているかを確認します。
運用型広告の代理店から来た会社です。数字の管理が速く、配信の改善も的確です。
短期間で結果を出したい場合に向いています。ただし、広告を止めると数字が戻る設計になっていないかは見ておきます。オーガニックの投稿をどう位置づけているかを聞くと、姿勢が分かります。
販売に強い会社、そして大手と中小の違い
モールやECの運用支援から広がってきた会社です。商品ページ、価格、在庫、レビューまで含めて見ます。
動画からの遷移だけでなく、その後の購入まで面倒を見る点が強みです。動画の見栄えでは制作会社に譲る場面もあります。
| 項目 | 大手 | 中小 |
|---|---|---|
| 費用 | 月60万円以上が中心 | 月20万〜50万円 |
| 体制 | 分業。担当が複数 | 少人数。担当が近い |
| 実績の量 | 多い | 業種が偏ることがある |
| 融通 | 契約の範囲で固い | 柔軟に対応しやすい |
| 経験者が担当するか | 新人が付くこともある | 主要メンバーが直接見ることが多い |
大手が良い、中小が良いという話ではありません。予算が月30万円なら、大手では優先度の高い案件になりにくい。逆に、複数の媒体を同時に動かすなら、体制のある大手が向きます。

候補の集め方
結論: 候補は3社に絞ります。集め方は、検索・事例からの逆引き・紹介の3つ。このうち事例からの逆引きが、最も精度が高い方法です。
集め方によって、出会える会社が変わります。
検索より、事例からの逆引きが確実
検索で出てくるランキング記事は、掲載料を取っているものが少なくありません。順位が実力を表しているとは限らないと考えておきます。
見るなら、記事の中身より各社の公式サイトです。料金を公開しているか、実績の業種は何か、誰が書いているか。ここに姿勢が出ます。
最も確実な方法です。伸びている企業アカウントを10件ほど見つけ、そのアカウントを誰が運用しているかを調べます。
多くの場合、代行会社の実績ページに載っています。載っていなくても、問い合わせて聞けば教えてもらえることがあります。
自社と似た商材のアカウントを伸ばした実績があるなら、それが最も強い判断材料です。
同業者や取引先からの紹介は、相性の確認が済んでいる分だけ失敗が少ない。
ただし、紹介元と自社では、規模も課題も違います。紹介だからと無条件に選ばず、他の候補と同じ基準で見比べます。
紹介の場合、断りにくいという難点もあります。最初に「他社にも声をかけています」と伝えておくと、後の判断が楽になります。
相見積もりの取り方
結論: 相見積もりは3社が上限です。同じ条件を書いた依頼書を渡し、同じ形式で出してもらうと比較できます。条件を伝えずに集めた見積もりは、比べる意味がありません。
取り方で、比較のしやすさが変わります。
同じ条件で出してもらう・3社が上限
依頼書に書くのは、次の5つです。
- 目的:認知か、注文か、採用か
- 予算の枠:月◯万円まで
- 本数:月◯本
- 社内でできること:撮影は可、企画は可、など
- 開始したい時期:◯月から
この5つを揃えて渡すと、返ってくる提案が比較可能な形になります。渡さないと、各社が違う前提で作るため、金額だけが目立つ提案になります。
5社、6社と集めると、比較そのものに時間を取られます。各社と1時間の打ち合わせをして、提案を読み込んで、質問を返す。3社でも2週間はかかります。
候補を絞る段階で、公式サイトと実績を見て3社まで落とします。この段階で迷ったら、自社と同じ商材の実績がある会社を優先します。
打ち合わせで聞くこと
初回の打ち合わせは、提案を聞く場であると同時に、相手を見る場でもあります。次の5つを聞いておくと、判断の材料がそろいます。
- 担当するのは誰か:営業と実務の担当が別なら、実務側と話せるか
- 抱えている案件数:1人が何社を見ているか
- うまくいかなかった事例:どんな商材で伸びなかったか
- 3か月目に何が起きるか:立ち上げの見通しをどう説明するか
- やらないと決めていること:得意でない領域を正直に言えるか
3つ目と5つ目の答え方に、その会社の姿勢が出ます。失敗を話せる会社は、原因を分析している会社でもあります。すべてうまくいっていますという答えが返ってきたら、実績の数がそもそも少ない可能性を考えます。
打ち合わせの時間も見ておきます。1時間の枠で、自社の話を聞く時間が10分しかない会社は、提案の型が先に決まっていることが多い。
提案書の読み方
結論: 提案書で見るのは、数字が入っているかと、自社の商品に触れているかの2点です。どちらも欠けている提案書は、他社に出したものの使い回しである可能性があります。
読むべき箇所を絞ります。
数字が入っているか
月に何本作るのか、いつまでに何を目指すのか、報告は何を見るのか。ここに数字が入っていない提案書は、後で認識のずれを生みます。
「バズる動画を作ります」「ブランドの世界観を大切にします」といった言葉だけで構成された提案書は、判断の材料になりません。
とくに本数は、契約書にも入れてもらいます。ここが曖昧なまま契約して、月4本しか出てこなかったという相談は実際にあります。
自社の商品に触れているか
自社の商品や、競合の状況に触れているか。ここが、提案の準備にかけた時間を表します。
商品の特徴を踏まえた企画案が1つでも入っていれば、本気度が読み取れます。逆に、どの会社にも出せる一般論だけなら、優先度の低い案件として扱われている可能性があります。
打ち合わせのときの質問も同じです。原価や在庫、これまでの施策を聞いてくる会社は、成果から逆算しています。
費用相場の目安
結論: 費用は、編集のみで月8万〜15万円、制作代行で月20万〜40万円、運用全体で月40万〜80万円が目安です。金額の差は、月の本数と分析・広告が含まれるかで説明できます。
比較の基準として押さえておきます。
範囲別の目安・安すぎる提案の見方
| 依頼の範囲 | 月額の目安 | 動画の本数 |
|---|---|---|
| 編集のみ | 月8万〜15万円 | 月8〜16本 |
| 制作代行 | 月20万〜40万円 | 月8〜16本 |
| 運用代行 | 月40万〜80万円 | 月12〜20本 |
| 広告運用(別枠) | 広告費の20%前後 | ー |
相場より明らかに安い提案には、理由があります。
本数が少ない、撮影が含まれない、担当が新人、テンプレートで量産している。どれも悪いわけではありませんが、何が省かれているのかは確認します。
月5万円で運用全部という提案を受けたら、月に何本で、誰が作るのかを聞いてみてください。答えが曖昧なら、避けたほうが無難です。
契約前チェックリスト
結論: 契約の前に確認するのは、本数・アカウントの名義・制作物の権利・解約条件・担当者の5点です。この5つを書面で確認できれば、大きな失敗はほぼ防げます。
署名の前に、この形で確認します。
5つの確認点
- 月の本数が契約書に書かれているか
- アカウントは自社名義か:代行会社の名義だと引き継げません
- 制作物を契約後も使えるか:期間中のみの利用だと素材が消えます
- 解約の通知期限は何日前か:自動更新の条項も確認します
- 実際の担当者は誰か:営業と担当が別なら、事前に会っておきます
このうち2つ目は、後から直せません。すでに代行会社の名義で運用されている場合は、移管の手順を先に決めておきます。
追加費用の条件も見ておきます。本数を増やしたとき、修正が3回を超えたとき、出演者を立てたとき。どこから追加になるかを確認しておくと、請求書で驚きません。
3か月契約から始める
最低契約期間が6か月や1年という条件は珍しくありませんが、初回は3か月から相談してみる価値があります。
3か月あれば、動画は30本前後出ます。当たる型が見つかるかどうか、担当者と噛み合うかどうかは、この期間でおおむね判断できます。
短期の契約に応じない会社もあります。その場合、応じない理由を聞いてみてください。立ち上げに時間がかかるからという説明であれば妥当ですし、実際そのとおりでもあります。理由を説明できるかどうかが、判断の材料になります。
避けたほうがいい会社の特徴
結論: 注意したいのは、成果を保証する会社、何でもできると答える会社、実績を具体的に説明できない会社の3つです。いずれも、初回の打ち合わせで判断できます。
見分けるための材料を挙げます。
成果を保証する
フォロワー1万人を保証します、必ずバズらせます。この手の説明をする会社は避けたほうがいい。
TikTokのおすすめ表示は各社が管理できるものではありません。保証できるのは本数と作業の範囲までです。保証をうたう場合、購入したフォロワーで数字を作る手法が使われることもあります。
購入したフォロワーは反応しないため、かえって配信が伸びなくなります。数字は増えても、事業には何も残りません。
何でもできると答える・実績を具体的に説明できない
制作も広告もライブもECも全部できます、と即答する会社には、その根拠を聞いてみます。
得意な領域を正直に言い、苦手な部分は他社を勧められる会社のほうが信頼できます。断らない会社は、受注が目的になっていることがあります。
守秘義務があるため社名は出せません、という説明自体は妥当です。ただ、業種と規模、開始前と現在の数字は説明できるはずです。
「3倍になりました」だけで、何から何になったかを答えられない場合は、その実績が自社に当てはまるか判断できません。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、代行の提案の前に、社内でできることの棚卸しから入ります。任せる範囲が狭いほうが結果が良くなる場合は、そう伝えます。
通信|依頼範囲を狭めて契約した
「運用全部を月60万円で任せたい」というご相談でした。ただ、話を聞くと社内に撮影できる担当者がいます。
提案したのは、企画と編集と分析だけを請ける形です。撮影は社内で続けてもらい、費用は月28万円に収まりました。
浮いた予算は広告の配信に回しています。動画の質が上がったうえに、配信量も確保できたため、3か月目には遷移数が開始時の5倍を超えました。
範囲を広げて受注したほうが売上にはなりますが、この案件ではそうしないほうが結果が出ると判断しました。
宿泊|3社の相見積もりで負けた案件
相見積もりで他社に決まった案件もあります。
条件は月30万円で月16本、撮影は現地。私たちの提案は月32万円で、他社は月26万円でした。決め手は、撮影の頻度です。他社は月2回の訪問を提案し、私たちは月1回でした。
宿泊施設は季節で見せる景色が変わるため、訪問の回数が意味を持ちます。この点で、相手の提案のほうが適していました。
半年後、その担当者から別件でご相談をいただいています。判断としては、そのとき正しかったと思っています。

よくある質問
Q. おすすめのTikTok運用代行会社を教えてもらえますか?
A. 目的と予算によって適した会社が変わるため、一律のおすすめはありません。制作の質を重視するなら映像制作出身の会社、短期の数字なら広告代理店出身の会社、売上まで見るならEC支援出身の会社が向きます。まず自社の目的を1つに絞ってから探してください。
Q. 何社から見積もりを取ればいいですか?
A. 3社が上限です。5社以上になると比較そのものに時間がかかりすぎます。公式サイトと実績を見て3社まで絞り、同じ条件を書いた依頼書を渡して提案を出してもらう形が最も効率的です。
Q. ランキング記事は参考になりますか?
A. 掲載料を取っている記事も多いため、順位そのものは参考程度に見てください。それより、伸びている同業のアカウントを探して、誰が運用しているかを調べるほうが精度が高くなります。
Q. 費用が安い会社を選んで大丈夫ですか?
A. 何が省かれているかを確認してから判断してください。本数が少ない、撮影が含まれない、担当が新人。理由が説明できる安さなら問題ありません。説明が曖昧な場合は避けたほうが無難です。
Q. 契約前に必ず確認すべきことは何ですか?
A. 月の本数、アカウントの名義、制作物の権利、解約の通知期限、実際の担当者の5点です。とくにアカウントの名義は後から直せないため、自社名義で開設し権限を付与する形にしてください。
Q. 提案書のどこを見ればいいですか?
A. 数字が入っているかと、自社の商品に触れているかの2点です。本数や目標に数字がなく、一般論だけで構成された提案書は、他社への提案の使い回しである可能性があります。
まとめ
業者選びの要点を整理します。
- 探す前に、目的・予算と本数・社内でできることの3つを決める
- 会社は制作寄り・広告寄り・販売寄りの3タイプ。自社の課題で選び分ける
- 候補は3社まで。伸びているアカウントから逆引きすると精度が高い
- 同じ条件の依頼書を渡し、同じ形式で提案を出してもらう
- 提案書は、数字が入っているかと自社の商品に触れているかを見る
- 成果を保証する会社、何でもできると答える会社は避ける
補足すると、最終的な判断で迷ったときは、担当者と話した感触を優先して構いません。
提案書の完成度は営業の力量で決まりますが、実際に1年間やり取りするのは担当者です。質問への答え方、分からないことを分からないと言えるか、商品に興味を持っているか。ここが噛み合う相手のほうが、長く続きます。
条件が近い2社で迷ったら、そういう選び方でいいと考えています。
solezoreでは、依頼範囲の整理から提案までを行っています。他社と比較する前提でのご相談でも構いませんので、現状をお聞かせください。
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