

「おすすめに乗るタグを付ければ伸びると聞いて、毎回20個つけています」「タグを変えても再生数が変わりません」――ハッシュタグについてのご相談は、この2つに集約されます。
結論からお伝えすると、ハッシュタグは動画の内容をシステムに伝える補助情報であって、伸ばすための道具ではありません。付け方を変えて数字が動く幅は、動画の中身を変える幅よりずっと小さい。
solezoreでは、タグは3〜5個で十分だとお伝えしています。荷物に貼る宛名ラベルに近い。正しく書いてあれば届きますが、ラベルを増やしても中身は変わりません。
この記事では、ハッシュタグが果たす役割から、つける個数と規模の組み合わせ、選び方、避けるべきタグ、検索流入を意識した使い方、効果の測り方までを、実際に運用している立場から解説します。
TikTokのハッシュタグは何のためにあるか
結論: ハッシュタグは、動画の内容をシステムに伝える補助情報です。これによって誰に配信するかの判断が助けられます。タグ自体が再生数を増やすわけではありません。
役割から整理します。
内容を伝える補助情報
システムは、動画の映像・音声・文字・タグを見て、内容を判断します。タグはその材料の1つです。
正しいタグが付いていると、関心の近い人に配信されやすくなります。逆に、内容と関係のないタグを付けると、興味のない人に配信され、反応が悪くなります。
つまり、タグの役割は増やすことではなく、正確に伝えることにあります。
動画の中で話している言葉と、タグの言葉を揃えると精度が上がります。映像だけで判断させるより、同じ語が複数の場所にあるほうが確実です。
検索からの流入・タグで伸びるわけではない
TikTok内で検索する人が増えています。タグを付けておくと、その検索結果に表示される可能性が生まれます。
とくに、商品名や地域名のタグは検索と結びつきやすい。「渋谷 ランチ」のような検索をする人に届く経路になります。
「おすすめ」「バズりたい」といったタグを付けても、配信量は増えません。
こうしたタグは、内容を説明していないためです。システムに伝わる情報が増えないので、判断の助けになりません。
「タグを工夫すれば伸びる」と思われがちですが、影響の大きさは冒頭の3秒や尺のほうがはるかに上です。タグの調整は、他を整えた後の作業になります。
何個つけるか
結論: 3〜5個が目安です。多く付けても配信量は増えず、むしろ内容がぼやけて配信の精度が下がることがあります。
個数の考え方です。
3〜5個を目安に、大中小を混ぜる
動画の内容を説明するのに必要な数だけ付けます。多くの動画では、3〜5個で足ります。
内訳の目安は、内容を表すタグを2〜3個、規模の大きいタグを1個、商品名や地域名を1個。この配分にすると、幅と正確さの両方が確保できます。
タグには規模があります。投稿数が数億件のものから、数百件のものまで。
| 規模 | 投稿数の目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 大 | 1億件以上 | 幅広く拾われる可能性。埋もれやすい |
| 中 | 100万〜1億件 | 内容が近い人に届きやすい |
| 小 | 数千〜100万件 | 検索からの流入、競合が少ない |
大きいタグだけを並べると、投稿の量が多すぎて埋もれます。中規模と小規模を混ぜるほうが、届く精度は上がります。
20個も30個も付けると、内容の中心が分からなくなります。
システムから見ると、あれもこれもと書かれた説明書のようなものです。どこに配信すべきかの判断が難しくなります。
また、キャプションの文字数には上限があります。タグで埋めると、動画の内容を説明する文が入らなくなります。

選び方
結論: 選ぶ基準は、動画の内容と一致しているかです。あわせて、タグの規模を確認し、大中小を混ぜます。競合が使っているタグを見るのも近道になります。
具体的な手順です。
動画の内容と一致させる・規模を確認する
タグを決めるとき、その動画を一言で説明する言葉を考えます。
料理の手順を見せる動画なら、料理名と調理法。商品の紹介なら、商品カテゴリと使う場面。この言葉がそのままタグになります。
内容と関係のないタグは、付けないほうがいい。関心のない人に配信され、反応が悪くなるためです。
タグを入力すると、そのタグの投稿数が表示されます。
1億件を超えるタグは、埋もれる前提で考えます。100万件前後のタグは、内容が近い人に届きやすい水準です。数千件のタグは、検索からの流入を狙う枠になります。
伸びている競合を見てから、手順に沿って決める
同じジャンルで伸びているアカウントを10件ほど探し、どのタグを使っているかを見ます。
そのジャンルで機能しているタグが分かります。全部を真似する必要はありませんが、判断の材料になります。
見るのは、伸びている動画だけです。同じアカウントでも、伸びていない動画のタグは参考になりません。
慣れるまでは、この順番で決めると迷いません。
- 動画を一言で説明する:何の動画かを短い文にする
- その言葉をタグにする:2〜3個。これが中心になる
- 規模を確認する:入力時に出る投稿数を見て、大中小を混ぜる
- 固有名詞を1つ足す:商品名、ブランド名、地域名のいずれか
- 内容と合わないものを外す:迷ったら外す
慣れれば1本あたり1分で終わります。最初に型を決めておけば、動画ごとに変えるのは1〜2個だけで済みます。
季節の言葉やイベント名は、その時期だけ検索が増えます。母の日、夏休み、年末年始。
該当する商材なら、時期に合わせて足す価値があります。ただし、時期が過ぎると意味がなくなるため、常設のタグとは分けて考えます。
使ってはいけないタグ
結論: 内容と無関係なタグ、規約に触れる語を含むタグ、他社の商標を含むタグは避けます。とくに商標の無断使用は、動画の削除につながることがあります。
避けるものを整理します。
内容と無関係なタグ・他社の商標
「おすすめ」「バズれ」「拡散希望」といったタグは、内容を説明していません。
付けても配信量は増えず、むしろシステムの判断を混乱させます。習慣で付けているなら、外して構いません。
競合の商品名やブランド名をタグに入れると、商標の無断使用と判断されることがあります。
比較の文脈で使いたくなる場面がありますが、リスクがあります。一般名詞に置き換えるほうが安全です。
規約に触れる語・大量の無関係タグ
医薬品的な効能を表す語、誇大な表現、誤解を招く語。これらを含むタグは避けます。
化粧品や健康食品では、タグにも表現の制約が及びます。本文で使えない言葉は、タグでも使えません。
ジャンルの違うタグを大量に付けて、どこかに引っかかることを狙う。この方法は機能しません。
反応の悪い配信が増えるため、かえって次の配信が抑えられます。
検索流入を意識した使い方
結論: TikTok内の検索は増えています。商品名・地域名・悩みの言葉をタグに入れておくと、検索から見つけてもらう経路ができます。
検索を意識する場合の使い方です。
検索される言葉を、タグと本文の両方に入れる
利用者が検索するのは、商品名、地域名、悩みや目的の言葉です。
「◯◯(商品名)レビュー」「渋谷 カフェ」「肩こり 解消」。こうした言葉をタグに含めると、検索結果に表示される可能性が生まれます。
タグだけでなく、キャプションの本文にも同じ言葉を入れます。
検索の判断には、タグ・キャプション・動画内の文字・音声が使われます。複数の場所に同じ言葉があるほうが、内容として認識されやすい。
地域を意識する
実店舗の場合、地域名は必須です。
市区町村名だけでなく、最寄り駅の名前も入れます。検索する人は、駅名で探すことが多いためです。
あわせて、位置情報も設定します。タグと位置情報の両方があると、地域の人に届きやすくなります。
支援先の飲食店では、市名のタグだけを付けていた状態から、最寄り駅名を足したところ、検索からの流入が2か月で3倍になりました。市の名前で店を探す人より、駅の名前で探す人のほうが多かったためです。
効果の測り方
結論: タグの効果は、単独では測りにくい要素です。同じ型の動画でタグだけを変えて8本以上比べると、傾向が見えてきます。
検証の方法です。
同じ型でタグだけ変える・検索からの流入を見る
比較するには、他の条件をそろえます。
同じ長さ、同じ構成、同じ時間帯の投稿で、タグだけを変える。これを8本以上続けると、差が見えてきます。
バラバラの動画でタグを比べても、何が結果を動かしたのか分かりません。
分析画面で、動画がどこから見られたかを確認できます。おすすめ、検索、プロフィール、フォロー中。
検索からの流入が増えていれば、タグとキャプションの言葉が機能している証拠です。この数字は、タグの効果を最も直接に示します。
動く幅は1〜2割と考え、記録を残して確かめる
タグの調整で動く幅は、多くの場合で1〜2割です。動画の冒頭を変えると数倍動くことと比べると、小さい。
この前提を持っておくと、タグに時間をかけすぎずに済みます。5分で決めて、次の動画を作るほうが結果に繋がります。
検証するなら、記録が要ります。投稿日、動画の型、使ったタグ、再生数、検索からの流入数。この5項目を1枚の表に残します。
3か月続けると、どのタグが検索流入を生んでいるかが見えてきます。感覚で「このタグは良さそう」と言うより、数字で判断できるようになります。
記録がないと、担当者が代わったときに一からやり直しになります。表計算ソフトで十分なので、投稿のたびに1行足す運用にしておきます。
投稿後にタグを変更することもできます。ただし、配信の判断は投稿直後に行われるため、後から変えても初速には影響しません。
誤字や無関係なタグに気づいた場合は直しますが、伸びないからといって後からタグを付け替えるのは、あまり意味がありません。次の動画で試すほうが早く判断できます。
キャプションとの関係
結論: キャプションは、タグより先に読まれる部分です。動画の内容を補い、行動を促す文を1〜2行入れます。タグはその後ろに並べます。
本文の書き方です。
冒頭の1行が読まれる・行動を促す文を入れる
キャプションは、初期状態では1行程度しか表示されません。続きを読むには、利用者がタップする必要があります。
つまり、伝えたいことは最初の1行に入れます。長い説明は、読まれない前提で書きます。
商品の動画なら、買い方を1行で書きます。「プロフィールのリンクから購入できます」。
問いかけを入れる方法もあります。コメントを誘発すると、反応の数が増えます。「どっちが好みですか」といった短い問いが機能します。
タグは本文の後ろに置き、文字数も抑える
キャプションの文を書いてから、その後ろにタグを並べます。
タグを先頭に置くと、本文が読まれにくくなります。読む順番を考えると、文が先です。
キャプションには文字数の上限があります。仕様の変更で上限が広がることもありますが、長く書けるからといって長文にする意味はありません。
初期表示で見えるのは1行程度です。それより後ろは、タップしないと読まれません。実質的に伝わるのは30文字前後だと考えておきます。
タグを10個並べると、それだけで100文字を超えます。本文を書く余地がなくなるため、この点でもタグは3〜5個に絞るほうが合理的です。
キャプションは読まれない前提で、重要な情報は動画の中に文字で入れます。
価格、買い方、店舗の場所。これらは動画内のテロップに入れておくほうが確実です。キャプションは補足、という位置づけで構いません。
つまずきやすい点
結論: つまずくのは、タグに期待しすぎる場合と、毎回同じタグを機械的に付ける場合です。どちらも、動画ごとに内容を見て決めれば避けられます。
繰り返し起きるものを挙げます。
タグで伸ばそうとする、毎回同じものを使う
再生数が伸びないとき、タグを疑う方が多くいます。ただ、影響の幅は1〜2割です。
先に見るのは、冒頭3秒と尺とテーマです。ここを整えてから、タグの調整に進みます。
テンプレートを作って、全部の動画に同じタグを付ける。手間は減りますが、内容と合わないタグが混ざります。
固定するのは、ブランド名など共通のタグ1〜2個までにします。残りは動画ごとに決めます。
ブランド名のタグを固定しておく利点は、後から自社の投稿をまとめて見られることです。そのタグを開けば、これまでの投稿が一覧で並びます。利用者にとっても、他の動画を探す入口になります。
1億件を超えるタグばかり並べると、埋もれます。
入力時に表示される投稿数を見て、大中小を混ぜます。数十秒の作業で、届く精度が変わります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、タグとキャプションの設計も含めて運用を支援しています。ただし、タグの調整で結果が変わるのは、動画の質が一定に達してからです。
医療|地域名を入れてから来院につながった
クリニックから寄せられた相談です。動画は伸びているのに、来院に結びついていない状態でした。
分析画面を見ると、視聴者の8割が他県。全国に届いていましたが、来院できる範囲の人にはほとんど届いていませんでした。
タグを、症状名だけから「症状名+最寄り駅名」に変えています。あわせて、キャプションにも駅名を入れ、位置情報も毎回設定しました。
2か月後、検索からの流入が3倍になりました。再生数は下がりましたが、来院の問い合わせは増えています。届く相手が変わったためです。
日用品・家電|タグの数を20個から4個に減らした
毎回20個以上のタグを付けていたアカウントです。担当者は、多いほど拾われると考えていました。
4個に減らす形へ変更しました。商品カテゴリ、使う場面、ブランド名、そして中規模のタグを1つ。
3週間で、平均再生数が1.3倍になっています。劇的な変化ではありませんが、下がることはありませんでした。
担当者から「減らしても平気なんですね」と言われました。減らしたことより、キャプションに説明の文を書けるようになったことのほうが、効果としては大きかったと見ています。

よくある質問
Q. ハッシュタグは何個つければいいですか?
A. 3〜5個が目安です。内容を表すタグを2〜3個、規模の大きいタグを1個、商品名や地域名を1個という配分にすると、幅と正確さの両方が確保できます。20個付けても配信量は増えません。
Q. おすすめや拡散希望のタグは効果がありますか?
A. ありません。これらのタグは動画の内容を説明していないため、システムに伝わる情報が増えません。習慣で付けているなら、外して構いません。
Q. タグを変えれば再生数は伸びますか?
A. 動く幅は1〜2割程度です。冒頭の3秒や尺を変えると数倍動くことと比べると、影響は小さくなります。タグの調整は、他を整えた後の作業と考えてください。
Q. 競合のブランド名をタグに入れてもいいですか?
A. 避けてください。商標の無断使用と判断されると、動画が削除されることがあります。比較の文脈で使いたい場合も、一般名詞に置き換えるほうが安全です。
Q. 検索からの流入を増やすにはどうすればいいですか?
A. 商品名・地域名・悩みの言葉をタグに入れ、同じ言葉をキャプションにも書いてください。実店舗の場合は、市区町村名だけでなく最寄り駅の名前も入れると見つけてもらいやすくなります。
Q. タグの効果はどう測ればいいですか?
A. 同じ型の動画でタグだけを変えて、8本以上比べてください。あわせて、分析画面で検索からの流入がどれだけあるかを確認します。この数字が、タグの効果を最も直接に示します。
まとめ
ハッシュタグについて、要点を整理します。
- タグは内容を伝える補助情報。伸ばすための道具ではない
- 3〜5個が目安。多くても配信量は増えない
- 規模の大中小を混ぜる。1億件超のタグだけでは埋もれる
- おすすめ・拡散希望のタグは機能しない
- 検索を意識するなら、商品名・地域名・悩みの言葉を入れる
- 効果の幅は1〜2割。冒頭や尺のほうが影響は大きい
補足すると、タグに時間をかけている場合、その時間の使い道を見直してみてください。
1本あたり5分をタグの検討に使うと、月16本で80分。この時間を撮影や編集に回したほうが、結果には繋がります。タグは、一度型を決めてしまえば、動画ごとに1〜2個変えるだけで済む部分です。
考える価値があるのは、キャプションの1行目のほうです。ここは読まれる場所であり、行動を促せる場所でもあります。
solezoreでは、タグとキャプションの設計も含めて運用を支援しています。いまの投稿で何を直すべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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