

「AI Overviewに競合ばかり出てくる。何をすれば自社が載るのか」「対策と言われても、Googleの中身が見えないので手の打ちようがない」――こうしたご相談を、オウンドメディアの担当者から続けていただいています。
結論からお伝えすると、AI Overview対策の中身は既にある記事の並べ替えとラベル付けです。新しい記事を書く必要も、特別なツールを入れる必要もありません。1本あたり2〜4時間で、既存記事を引用されやすい形に組み直す作業になります。
solezoreでは、対策の前に「候補に入っているかどうか」を確認することを最初にお願いしています。1ページ目にいない記事をいくら整えても、参照される場所にいないためです。
この記事では、引用元に選ばれる4条件、1本の改修手順、対象記事の選び方、成果の測り方、避けるべき施策までを、実際にEC・D2Cブランドの検索集客を支援している立場から解説します。
対策の前に確認すること
結論: AI Overviewの参照元は、そのクエリで1ページ目に入っているページが中心です。2ページ目以降の記事は、構造を直しても候補に入りません。
順位が前提条件になる
参照元を並べて見ていくと、そのクエリで検索上位に表示されているページが大半を占めます。AI Overviewは検索結果とまったく別の仕組みで動いているわけではなく、Googleの評価を土台にしているためです。
順位が20位のページを整えても、参照される場所にいません。土台のない場所に2階は建たないということです。
自社の位置を先に確認する・技術条件も先に見る
Search Consoleで、対象にしたい記事の平均掲載順位を確認してください。5〜15位の帯にいるなら、候補には入っています。この帯が改修の投資対効果が最も高い場所です。
20位以降なら、AI Overview対策よりSEOの整備が先になります。ここを飛ばすと、改修に時間を使っても結果が出ません。
もうひとつ、記事に入る前に確認したいものがあります。
- サーバーサイドレンダリングになっているか
- robots.txtでクローラーを弾いていないか
30分ほどで済む確認です。確認せずに100本改修してから技術的な問題に気づくのが、いちばん割に合わない進め方になります。
引用元に選ばれる4条件
結論: 選ばれる記事には、冒頭で答えている・段落が独立している・見出しが具体的・表があるという4つの共通点があります。
条件1|冒頭で答えている・条件2|段落が独立している
記事の1文目で、その記事が扱う問いに答えます。「近年〜が注目されています」という背景説明から始まる記事は、答えが冒頭にないと判断されます。
各見出しの直下も同じです。60〜120文字の結論を置き、そこだけを切り出しても意味が通る形にします。
AI Overviewは段落を抜き出して使います。「これ」「その場合」といった指示語で前の段落を受けていると、抜き出された側だけでは意味が通りません。
主語と対象を毎回書く。地味ですが、抜き出されるかどうかを分ける差になります。書いている側は前の段落を覚えていますが、抜き出す側は覚えていません。
条件3|見出しが具体的・条件4|表がある
もっとも見落とされているのがここです。1記事に見出しが2〜3本しかないと、本文がどれだけ厚くても引用できる面がありません。
見出しは、読者が迷っている一点に1対1で当てます。
- 弱い:注意点/基本的な考え方/ポイント
- 強い:解約後のデータ保持期間/導入後にかかる月額費用/繁忙期に間に合わせる手順
抽象的な見出しが弱いのは、AIが質問と照らし合わせられないためです。「解約したらデータはどうなる?」と聞かれたとき、「注意点」という見出しは候補に上がりません。
引き出しにラベルを貼る作業に近い、と考えていただくと分かりやすいかもしれません。中身が同じでも、その他とだけ書かれた引き出しは開けてもらえない。ラベルが具体的なほど、必要なときに開かれます。
なお、見出しを増やすために本文を書き足す必要はありません。ひとつの見出しの下に3つの論点が入っているなら、見出しを3つに割るだけで本数は3倍になります。既に書いてある内容が、AIから見える形になっていなかっただけ、というケースがほとんどです。
実際、solezoreで支援した案件では、本文の分量をほぼ変えずに見出しを7本から19本へ組み直しただけで、参照元に入るようになった記事がありました。書き足す作業だと思って身構えると着手が遅れるので、まず既存の見出しを数えるところから始めるといいでしょう。
比較・要件の一覧・金額の水準は、箇条書きより表のほうが引用されやすい傾向があります。「AとBの違い」を聞かれたAIにとって、表はそのまま答えの形になっているからです。
なお、これら4条件を満たすと、通常の検索でも評価が上がることがあります。AI Overviewのためだけの投資ではありません。

記事1本の改修手順
結論: 1本の改修は、見出しの切り直し・結論の追加・表の作成・数値の補強の4作業です。合計2〜4時間が目安になります。
見出しを切り直す(30〜60分)
既存の見出しを見て、ひとつの見出しの下に複数の論点が入っていないかを確認します。入っていれば論点ごとに分けます。
目安はクラスター記事で16本以上。本文を増やさなくても、切り直すだけで本数は増えます。
ここで注意したいのが、見出しを疑問形にしないことです。判定に関わるのは見出しとサブクエリの意味の一致であって、疑問符の有無ではありません。「〜とは?」が並ぶと、かえってよくあるSEO記事に見えます。疑問形はFAQの中だけにとどめます。
結論と表を足し、数値で補強する(90〜120分)
各見出しの直下に60〜120文字の結論を置きます。指示語で前の段落を受けていないかも、このタイミングで確認します。
表は、比較・要件・金額を扱うセクションに置きます。既に箇条書きで書かれている内容を組み直すだけのことも多く、思ったより時間はかかりません。
「改善します」「効果があります」といった表現を、数値に置き換えられないか見ていきます。期間・金額・回数・割合のいずれかで書けることがほとんどです。
プリンストン大学とAllen Institute for AI の検証では、統計の追加により生成AIでの可視性が25.9%向上したと報告されています。引用の追加で27.8%、出典の明記で24.9%。3つ合わせて最大40%という結果でした。
対象記事の選び方
結論: 対象は表示回数の多い順に、平均掲載順位5〜15位の記事から選びます。20本に絞れば、四半期で回せる分量に収まります。
3つの基準を重ねる・全記事を対象にしない
- 表示回数が多い:既に検索結果に出ている記事のほうが、改修の効果が早く出ます
- 平均掲載順位が5〜15位:候補には入っているのに選ばれていない帯です
- 購買に近いテーマ:「おすすめ」「比較」「費用」を含むクエリで表示されている記事
3つを重ねると、200本のサイトでも対象は20本ほどに絞れます。一覧を作るのに1時間もかかりません。
「せっかくやるなら全部」と考えたくなるところですが、200本を一度に直すのは現実的ではありません。1本2〜4時間なら、400〜800時間かかる計算になります。
週2本のペースで四半期に20本。この速度を守るほうが、結果として早く終わります。
| 記事数 | 対象の絞り方 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 50本未満 | 上位10本 | 1〜2か月 |
| 50〜200本 | 上位20本 | 四半期 |
| 200本超 | 上位20本+四半期ごとに更新 | 継続 |
成果の測り方
結論: AI Overviewでの成果は順位計測ツールでは追えません。質問文を固定した月次の手作業確認と、指名検索数の推移で見ます。
月次で見るもの
決めておいた15〜20本の質問文で検索し、AI Overviewが表示されるか、参照元に自社が入っているかを記録します。入っていない場合は、代わりにどこが入っているかまで控えておくと次の材料になります。
あわせてSearch Consoleで指名検索数を確認します。AI Overviewで名前を見た利用者が、そのあとブランド名で検索してくることがあるためです。
4つの数字を並べて判断する
- 表示回数(維持されていれば順位は無事)
- 平均掲載順位(下がっていればSEOの問題)
- クリック率(下がっていればAI Overviewの影響を疑う)
- 指名検索数(増えていれば別の出口ができている)
引用の有無だけを見せると、変化のなかった月に説明が苦しくなります。4つを並べた形で社内に報告するほうが、話が通りやすくなるはずです。
避けるべき施策
結論: 現時点で成果が確認されていない施策があります。llms.txtの設置・会話体での執筆・自社を1位にした比較記事の3つは、優先度を下げて構いません。
検証で否定されているもの・自己推薦型の比較記事は逆効果
- llms.txt の設置:検索への効果は現時点で確認されていません
- 本文を細切れにする、チャットボット風の会話体で書く:複数の検証で効果が薄いと指摘されています
- ドメインオーソリティなど外部指標を上げる取り組み:AI検索での評価への影響は小さいとされています
自社を1位に据えた比較記事は避けたほうが無難です。100クエリを対象にした調査では、自己推薦型の記事のうち20件がまったく引用されず、引用された80件でも69%で他社が推薦される結果が出ています。
比較記事を作るなら、選定基準を示す形にとどめます。読者が自分で判断できる材料を並べるほうが、結果として引用されます。
構造化データの位置づけ
構造化データは入れる意味がありますが、目的を取り違えないようにしたいところです。推奨されやすくするためではなく、AIが情報を正確に読み取れるようにするためのものです。
FAQのリッチリザルトは2026年5月7日にサポートが終了しました。ただし記事内のFAQセクション自体はAI引用に有効なので、削らずに残しておきます。
記事の外側で整える条件
結論: 著者情報・レンダリング方式・外部との情報の一貫性の3点は、記事本文では解決できません。制作会社との調整が必要になる場合もあります。
著者情報を明示する・外部の情報と食い違わせない
誰が書いたか分からないページと、氏名・経歴・資格が明示されたページでは、信頼性の評価が変わります。医療・金融など判断の重い領域では、著者と監修者の明示は必須に近い扱いです。
自社サイトと外部の掲載メディアで、料金・所在地・サービス内容が食い違っていないか。AIは複数の情報源を照らし合わせるため、食い違いがあると情報の揃っている側が選ばれます。
あわせて考えたいのが、外部からの言及を増やす取り組みです。プレスリリースや業界メディアへの寄稿は、被リンクとしてSEOに働くだけでなく、AIが参照する情報源そのものを増やすことになります。記事の改修が一巡したら、次はこちらに手をつけると流れが繋がります。
対策が進まない理由と、その外し方
結論: 改修が止まる原因は、たいてい対象の多さです。20本の一覧を前に動けなくなるより、5本ずつ終わらせるほうが前に進みます。
一覧を眺めて動けなくなる
「リストは作ったんですが、どれから触ればいいか決められなくて」というご相談をよくいただきます。着手できないまま2か月が過ぎた、という話も珍しくありません。
対策は単純で、5本に絞ることです。20本でも多いなら5本。終わったら次の5本を選ぶ。一覧の完成度を上げる時間より、1本目に手をつける時間のほうが価値があります。
もうひとつの原因が、完璧に直そうとすることです。1本に半日かけるくらいなら、4本に2時間ずつかけたほうが引用される面は増えます。見出しと結論だけ足して次へ進み、表と数値は二巡目に回す。そういう分け方もできます。
社内の合意が取れない
「効果が出るまで3〜6か月」と説明した時点で止まる、というのもよくある形です。予算を通す側からすると、判断材料のないまま半年待てと言われているように聞こえます。
この場合、Perplexityを先に狙う手があります。その都度Webを読みにいく設計のため、1〜2か月で引用が確認できることがあるためです。小さく試して1件でも示せれば、そこから範囲を広げる話ができます。
| つまずき方 | 原因 | 外し方 |
|---|---|---|
| 一覧を作ったまま着手できない | 対象が多すぎる | 5本に絞る |
| 1本に時間をかけすぎる | 完璧に直そうとしている | 見出しと結論だけ先に |
| 社内の合意が取れない | 判断まで3〜6か月かかる | Perplexityで先に示す |
| 効果が判断できない | 着手前の記録がない | 改修前に半日かけて保存 |
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは対象記事の選定から改修・観測までを支援しています。業種によって最初に手をつける場所が変わります。
日用品・家電|最初の一手が外れた話
最初に打った手は、実は外れでした。
「型番 比較」で引用されたいというご要望だったので、比較記事を厚くする方向で進めたのです。ところが3か月経っても参照元に入りません。改めて確認すると、そのクエリでの平均掲載順位が23位でした。候補にすら入っていなかったわけです。
そこから方針を変えました。
- 順位の底上げを先に:内部リンクの整理とインデックスの確認から着手
- 1ページ目に入ってから構造を直す:8位まで上がった時点で、見出しと表を組み直し
順序を入れ替えてから、参照元に入るまでは早かったです。順位を確認せずに構造だけ直していた3か月が、そのまま無駄になりました。同じ失敗を繰り返さないよう、今は必ず順位の確認から入っています。
美容|数字で残した経過
こちらは記録が残っているので、数字だけ並べます。
- 改修前:質問文18本中、参照元に入っていたのは3本
- 対象記事:12本(平均掲載順位6.8位・表示回数の多い順)
- 作業時間:合計38時間
- 改修2か月後:18本中8本で参照元に入る
- 記事のクリック数:前年同月比マイナス12%
- 指名検索数:前年同月比プラス64%
クリックは戻っていません。それでも問い合わせは増えました。どこを成果と見るかを決めておかないと、この結果は失敗にも成功にも読めてしまいます。

よくある質問
Q. 順位が20位でも対策すれば載りますか?
A. 難しいのが実情です。AI Overviewの参照元は、そのクエリで1ページ目に入っているページが中心なので、20位の記事は候補に入りません。この場合はAI Overview対策より、通常のSEOで順位を上げるほうが先になります。順位を確認せずに構造だけ直すと、時間が無駄になりかねません。
Q. 1本あたりどのくらい時間がかかりますか?
A. 2〜4時間が目安です。内訳は見出しの切り直しに30〜60分、結論と表の追加に60〜90分、数値の補強に30分ほど。慣れると短くなりますが、最初の数本は時間がかかると見ておいたほうが計画が崩れません。
Q. 何本くらい直せばいいですか?
A. 表示回数の多い20本からで十分です。200本を一度に直すと400〜800時間かかる計算になり、途中で止まります。週2本のペースで四半期に20本。この速度を守るほうが結果的に早く終わります。
Q. 効果が出たかどうか、どう判断しますか?
A. 決めておいた質問文で月次に検索し、参照元に自社が入っているかを記録します。順位計測ツールでは追えないため、手作業になります。着手前の状態を保存していないと比較できないので、改修を始める前の記録だけは残しておいたほうがいいでしょう。
まとめ
AI Overview対策は、既にある記事の並べ替えとラベル付けです。新しい記事を書く作業でも、ツールを入れる作業でもありません。
- 前提条件:そのクエリで1ページ目にいること。20位の記事は候補に入りません
- 4つの条件:冒頭で答える・段落の独立・見出しの具体化・表
- 1本の作業:見出しの切り直し・結論の追加・表の作成・数値の補強で2〜4時間
- 対象の絞り方:表示回数が多く順位5〜15位の記事を20本
- 避けること:llms.txt・会話体での執筆・自社を1位にした比較記事
本文で触れなかった点を最後に一つ。この改修を進めると、記事の構造が整うぶん通常の検索でも評価が上がることがあります。 社内で予算を通すときは、AI検索のためだけの投資ではないと添えると、話が進みやすくなるはずです。
solezoreでは、対象記事の選定から改修、月次の観測までを支援しています。料金は公開しているので、比較の材料としてご覧ください。
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