

「3社から見積もりを取ったら、月15万円と月60万円で4倍の差がありました」「1本3万円と書いてあったのですが、これは高いのか安いのか判断できません」――外注のご相談は、この2つで始まります。
結論からお伝えすると、金額の差は品質の差ではありません。含まれている本数と、撮影が入っているかどうかで説明がつきます。総額でなく1本あたりに割り戻すと、比べられる形になります。
solezoreでは、この比較を引っ越しの見積もりにたとえて説明しています。金額だけ見ても判断できません。荷物の量と、梱包を頼むかどうかで変わります。条件を揃えないと、安いほうが得とは限りません。
この記事では、費用の相場、金額が変わる要因、依頼先の3タイプ、見積もりの読み方、依頼の流れ、契約前に確認する箇所までを、実際に請け負っている立場から解説します。
ショート動画制作の費用相場
結論: 編集のみで1本3,000〜1万5,000円、撮影を含めて1本2万〜5万円が目安です。月額の契約では月8万〜60万円の幅があります。
まず、金額の全体像を押さえます。
1本あたりと月額、それぞれの相場
| 依頼の範囲 | 費用 | 補足 |
|---|---|---|
| 編集のみ(カットと字幕) | 1本3,000〜5,000円 | 素材は自社で撮影 |
| 編集のみ(演出あり) | 1本8,000〜1万5,000円 | 効果音・図の作成を含む |
| 撮影+編集 | 1本2万〜5万円 | 撮影スタッフが出る |
| 撮影1日のパッケージ | 15万〜30万円 | 8〜12本を1日で撮る |
| 企画から運用まで | 月30万〜60万円 | 企画・制作・投稿・報告 |
撮影を1日にまとめると、1本あたり1万5,000〜3万円まで下がります。単発で1本ずつ頼むより、まとめるほうが安く済みます。
月額で契約する場合、本数によって金額が決まります。
編集のみの月額契約は、月16本前後で月8万〜15万円が目安です。演出を含める場合は月20万〜40万円に上がります。
企画から投稿までを含めると月30万〜60万円です。ここには撮影の同行、台本の作成、投稿の作業、月次の報告が含まれます。
社内に出せる人がいない場合、演者の手配が別途かかります。1回3万〜10万円が目安です。
外部のクリエイターに投稿してもらう形は別の打ち手で、報酬は1本3万〜80万円とフォロワー規模によって大きく開きます。制作の外注とは分けて考えます。
費用が変わる要因
結論: 金額を動かしているのは、本数・撮影の有無・修正の回数の3つです。品質の差として説明されることは、ほとんどありません。
差の理由を分解します。
本数で説明がつく
月30万円の見積もりが2社から出てきたとき、含まれる本数が月8本と月16本なら、実質の単価は2倍違います。
この確認をせずに総額だけで比べると、安いほうを選んだつもりで単価が高くなります。見積もりを受け取ったら、最初に本数を確認します。
本数の定義も確認します。撮影した本数なのか、投稿した本数なのか、面ごとに数えるのかで変わります。
撮影が入るかどうか
撮影スタッフが出るかどうかで、1本あたり1万5,000円以上の差が出ます。人が動く費用と、機材の費用が入るためです。
社内で撮影できる場合、編集だけを外に出すほうが安く収まります。撮る人がいて、寄る・明るく・2〜3アングルの3点を守れれば、素材としては足ります。
撮影を頼む価値が出るのは、演者の手配が要る場合と、質を大きく上げたい場合です。
修正の回数
見積もりに含まれる修正の回数を確認します。2回までが一般的で、3回目以降は1回5,000円前後の追加になります。
修正が多くなる原因は、依頼の段階で内容が決まっていないことです。台本を先に確認しておけば、修正は表現の調整だけで済みます。
修正の回数が無制限と書かれている場合は、単価にその分が乗っています。回数を絞って単価を下げる交渉ができます。
依頼先の3タイプ
結論: 依頼先はフリーランス、制作会社、運用代行会社の3つです。費用の順に並びますが、任せられる範囲も変わります。
タイプごとの違いを押さえます。
3つの比較・フリーランスに頼む場合
| 依頼先 | 費用 | 品質の安定 | 対応の速さ | 向いている状況 |
|---|---|---|---|---|
| フリーランス | 1本3,000〜1万円(編集) | 人による | 速い | 撮影は社内でできる |
| 制作会社 | 1本2万〜5万円(撮影込み) | 安定する | 速い | 撮影も含めて任せたい |
| 運用代行会社 | 月30万〜60万円 | 安定する | 普通 | 企画から投稿まで任せたい |
費用を抑えたい場合はフリーランス、体制を整えたい場合は制作会社か運用代行会社という分かれ方になります。
編集だけを頼む形が中心です。1本3,000〜1万円で、対応も速い傾向があります。
注意点は、1人に依存する体制になることです。体調や別案件の都合で止まると、代わりがいません。月8本以上を安定して出す場合は、2人に分けて依頼する形も検討します。
契約の形も確認します。個人への支払いでは、源泉徴収の扱いが発生する場合があります。
制作会社・運用代行会社に頼む場合
複数人の体制で対応するため、担当者が変わっても品質が保たれます。撮影も含めて任せられます。
確認するのは、ショート動画の実績があるかどうかです。横型の映像制作を長く手がけてきた会社は、引いた構図で綺麗に撮る技術を持っていますが、縦型では逆に働きます。
運用代行会社は企画から投稿まで含みますが、現場の情報が届かないと内容が薄くなります。窓口を1人決めて、材料を渡す体制が要ります。
見積もりの読み方
結論: 総額でなく1本あたりに割り戻します。含まれる本数、撮影の有無、修正の回数の3つを揃えてから比べます。
比較の土俵を作ります。
揃える3つの条件・含まれていない作業を探す
- 月あたりの本数(撮影した本数か、投稿した本数か)
- 撮影が含まれるかどうか
- 修正の回数(3回目以降の追加費用も確認する)
この3つを揃えると、4倍あった差が2割程度に縮まることがよくあります。残った差が、実際の単価の違いです。
見積もりに書かれていない作業が、後から追加になる場合があります。確認するのは次の4つです。
- 台本の作成(含まれない場合、社内で用意する)
- 投稿の作業(編集だけの契約では含まれない)
- 素材の保管(期間の指定がある場合がある)
- 月次の報告(含まれない場合、数字は自社で見る)
このうち1番目が最も見落とされます。台本がないまま撮影日を迎えると、その場で決めることになり、内容が薄くなります。
相見積もりの取り方
3社に打診する場合、同じ条件で依頼書を出します。会社ごとに違う条件で見積もりを取ると、比べられません。
依頼書に書くのは4つです。
- 月に必要な本数
- 撮影を含むかどうか
- 修正の回数の上限
- 素材の権利とアカウントの名義に関する条件
4番目を最初に書いておくと、後から交渉する手間がなくなります。契約の直前に持ち出すと、条件が通らないことがあります。
提案書を受け取ったら、過去の制作実績を3本見せてもらいます。完成品だけでなく、その動画の数字も聞きます。数字を出せない場合、成果でなく納品だけを見ている体制の可能性があります。
依頼の流れ
結論: 打診から1本目の納品まで、3〜4週間が目安です。台本の確認と撮影日の調整に時間がかかります。
段取りを把握します。
4週間の流れ・初回に渡すもの
- 打診と見積もり(1週間)
- 契約と台本の確認(1週間)
- 撮影(1日)
- 編集と修正(1〜2週間)
2番目を省くと、後の修正が増えます。台本の段階で内容を確認しておけば、撮影後の直しは表現の調整だけで済みます。
撮影日は、依頼先の空きと社内の都合を合わせるため、2週間以上先になることが一般的です。
依頼先に渡すのは、完成した台本ではなく材料です。渡すものは4つです。
- 5部品の形式で書いた台本の下書き
- 証明に使える社内の情報(実績・仕組み・利用者の声)
- 過去に反応が良かった動画(あれば)
- 使ってはいけない表現の一覧(業種による制約)
証明の材料は社内にしかありません。これを渡さずに「良い感じの動画を」と依頼すると、当たり障りのない構成が戻ってきます。
契約前に確認すること
結論: 素材の権利とアカウントの名義を先に決めます。ここが曖昧なまま進めると、契約終了時に何も残りません。
後戻りできない部分です。
素材の権利
確認するのは、編集後の完成品だけでなく、撮影した素材そのものです。素材が残っていれば、後から別の形に編集し直せます。
契約終了時に素材を引き渡す条件を、契約書に入れます。口頭の約束では、担当者が変わったときに引き継がれません。
演者が社外の人の場合は、二次利用の範囲も決めます。投稿だけの契約になっていると、広告に出せません。
アカウントの名義
アカウントは自社名義で開設し、制作会社には権限を付与する形にします。
制作会社の名義で開設すると、契約終了時にフォロワーごと失います。実際にこの形で1年分の蓄積を失った例があります。
すでに制作会社の名義になっている場合は、移管できるかを確認します。面によっては移管の手順が用意されています。
移管できるかは、契約を結ぶ前に確かめます。
内製との比較
結論: 社内で作る場合も、担当者の時給を換算すると1本4,000〜7,500円かかります。無料ではありません。
比較の基準を揃えます。
社内の実質費用・外注しても残る時間
| 体制 | 1本あたり | 社内の時間 |
|---|---|---|
| 全部社内(時給2,500円換算) | 実質4,000〜7,500円 | 1.5〜3時間 |
| 編集だけ外注 | 3,000〜1万5,000円 | 30〜50分 |
| 撮影から任せる | 2万〜5万円 | 10分 |
編集だけを外注すると、金額はほぼ変わらず時間が空きます。空いた時間を企画や撮影に回すと、本数が増えます。
編集を外に出しても、社内の窓口には月3〜5時間が残ります。素材の受け渡し、内容の確認、修正の指示です。
ここをゼロにできると考えて計画すると、回らなくなります。窓口を1人決めて、時間を確保しておきます。
削るなら作業、残すなら判断です。企画と演者と確認は社内に残し、編集と書き出しから外に出すのが破綻しにくい分け方になります。
失敗する依頼の共通点
結論: うまくいかない依頼には共通点があります。材料を渡していない、本数を確認していない、判断まで任せている、の3つです。
避け方を決めます。
材料を渡していない・判断まで任せている
証明に使える情報を渡さずに依頼すると、当たり障りのない構成が戻ってきます。実績、仕組みの説明、利用者の声は社内にしかありません。
依頼先が悪いのではなく、材料がない状態では作れません。初回に4つの材料を渡す工程を、必ず入れます。
何を撮るか、誰が出るか、何を伝えるか。ここは社内の判断です。任せると、現場の情報が動画に載りません。
外注できるのは作業であって、判断ではありません。この線引きが曖昧な契約は、3か月ほどで成果が見えなくなります。
月初にネタと台本をまとめて確認する形にすると、判断は社内に残しながら作業だけを外に出せます。
本数を確認していない
見積もりの総額だけを見て契約すると、月4本しか含まれていなかった、という形で気づきます。契約後に本数を増やすと、追加の費用がかかります。
契約の前に、月あたりの本数と、その数え方を確認します。撮影した本数なのか、投稿した本数なのか、面ごとに数えるのかで実質の量が変わります。
本数が足りないと、摩耗する速度に追いつきません。同じ動画を出し続けると1〜2週間から1か月で反応が落ちるため、月4本では在庫が持ちません。契約する本数は、この速度から逆算します。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: 見積もりの比較は、条件を揃えるだけで判断が変わります。安く見えた側が高かった例が複数あります。
2つの事例を挙げます。
アプリ|4倍の差が2割まで縮まった
アプリを提供する企業から、3社の見積もりが月15万円から月60万円まで開いていて判断できない、という一点でのご相談でした。
条件を揃えたところ、月15万円の会社は月4本・撮影なし・修正1回まで、月60万円の会社は月16本・撮影込み・修正3回まででした。1本あたりに割り戻すと、3万7,500円と3万7,500円で同額です。
社内で撮影できる体制があったため、編集のみの契約に切り替えています。月16本で月12万円となり、当初の見積もりより本数を4倍にしながら費用を下げました。
美容|アカウントの名義を移して蓄積を守った
サロンを運営する企業から、制作会社との契約を終える予定だが引き継ぎ方が分からない、という相談をいただきました。
確認したところ、アカウントが制作会社の名義で開設されていました。このまま契約を終えると、フォロワー4,200人と過去68本の投稿を失う状態です。
移管の手順を確認し、契約終了の1か月前に名義を移しています。撮影した素材も、契約書に記載がなかったため個別に交渉して引き渡しを受けました。この交渉に3週間かかっています。開設時に自社名義にしていれば、発生しなかった作業です。
よくある質問
Q. ショート動画1本の制作費はいくらですか?
A. 編集のみで1本3,000〜1万5,000円、撮影を含めて1本2万〜5万円が目安です。撮影を1日にまとめて8〜12本撮る形にすると、1本あたり1万5,000〜3万円まで下がります。単発で1本ずつ頼むより、まとめるほうが安く済みます。
Q. 見積もりの金額に4倍の差があるのはなぜですか?
A. 含まれる本数と、撮影が入っているかどうかで説明がつきます。総額でなく1本あたりに割り戻してください。本数・撮影の有無・修正の回数の3つを揃えると、4倍あった差が2割程度に縮まることがよくあります。
Q. フリーランスと制作会社はどちらがいいですか?
A. 撮影が社内でできるなら、編集をフリーランスに頼む形が最も安く収まります。ただし1人に依存する体制になるため、月8本以上を安定して出す場合は2人に分ける形も検討してください。撮影も含めて任せたい場合は制作会社です。
Q. 依頼してから何日で納品されますか?
A. 打診から1本目まで3〜4週間が目安です。撮影日の調整に2週間以上かかることが一般的で、編集と修正に1〜2週間です。台本の確認を省くと後の修正が増えるため、この工程は入れてください。
Q. 契約前に確認すべきことは何ですか?
A. 素材の権利とアカウントの名義です。完成品だけでなく、撮影した素材そのものが自社に残るかを契約書に入れてください。アカウントは自社名義で開設し、制作会社には権限を付与する形にします。制作会社の名義だと、契約終了時にフォロワーごと失います。
Q. 社内で作るのと外注するのはどちらが安いですか?
A. 社内で作る場合も、担当者の時給を2,500円として換算すると1本4,000〜7,500円かかります。編集だけを外注すると金額はほぼ変わらず、社内の時間が1.5〜3時間から30〜50分に減ります。空いた時間を企画や撮影に回すと本数が増えます。
まとめ
ショート動画制作の外注について、要点を整理します。
- 編集のみで1本3,000〜1万5,000円、撮影込みで1本2万〜5万円が目安
- 撮影を1日にまとめると1本あたり1万5,000〜3万円まで下がる
- 金額の差は品質でなく、本数・撮影の有無・修正の回数で説明がつく
- 総額でなく1本あたりに割り戻してから比べる
- 依頼先はフリーランス・制作会社・運用代行会社の3タイプ
- 縦型の実績があるかを確認する。横型中心の会社は構図の作り方が違う
- 打診から1本目まで3〜4週間。台本の確認を省くと修正が増える
- 初回に渡すのは台本の下書き・証明の材料・過去の動画・禁止表現の一覧
- 素材の権利とアカウントの名義を契約書に入れる
- 外注できるのは作業であって、判断ではない
補足すると、見積もりを取る前に、社内で撮影できるかどうかを確かめてみてください。
スマートフォンで、寄って・明るい場所で・2アングル撮る。この3点ができれば素材としては足ります。1本試してみて成立するなら、編集だけの外注で済みます。ここで判断が変わると、費用は3分の1以下になります。
もう1つ、いま運用中のアカウントがある場合は、名義を確認してください。制作会社の名義で開設されている場合、契約終了時に蓄積を失います。移管には時間がかかるため、契約が続いているうちに手を打つほうが確実です。
solezoreでは、制作の代行と、見積もりの比較の支援を承っています。他社の見積もりを条件で揃えて読むところからでも構いません。
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