

「3社に見積もりを出してもらったら、月15万円と月70万円が並んでいて、どちらが妥当なのか分からない」「前に別の会社へ頼んだが、動画が月に4本しか出てこなかった」――運用代行のご相談は、この2つがほぼ毎回出てきます。
結論からお伝えすると、金額の差の大半は依頼する範囲と月の動画本数で説明がつきます。月15万円の提案には編集だけ、月70万円の提案には企画から撮影・投稿・広告・分析まで入っている。中身が違うものを金額だけで比べているのが、判断できない原因です。
solezoreでは、見積もりを取る前に、月に何本の動画が要るかを先に決めることをおすすめしています。ここが決まると、各社の提案を同じ土俵に載せられます。決まっていないと、安い提案が必ず魅力的に見えてしまうのです。
この記事では、運用代行で任せられる業務の範囲から、費用の相場と料金体系、会社の種類と見分け方、選び方の基準、契約前に確認すること、依頼した後の進め方、部分委託と内製への移行までを、実際に代行を請けている立場から解説します。
TikTok運用代行とは|任せられる業務の範囲
結論: TikTok運用代行は、企画から撮影・編集・投稿・分析までを外部に委託する形です。範囲は6つの領域に分かれ、全部を任せる必要はありません。商品知識が要る部分を社内に残したほうが結果は良くなります。
まず、何を任せられるのかを整理します。この整理をしないまま相見積もりを取ると、比べようのない数字が並びます。
業務の6領域
代行会社が請け負う業務は、おおむね次の6つに分かれます。
- アカウント設計:コンセプト、プロフィール、遷移先の設計
- 企画・台本:何を撮るか、どう見せるかの設計
- 撮影:出演者の手配、撮影の実施、機材の用意
- 編集:カット、字幕、音源の選定
- 投稿・運用:投稿の実施、コメント対応、ハッシュタグ設計
- 分析・改善:数字の集計、次月の方針づくり
このうちどこまで任せるかで、費用は3倍から5倍変わります。編集だけなら月8万円台から、全部なら月70万円ということも起こります。
社内に残す部分・外に出しやすい部分
商品知識が要る部分は社内に残します。どの商品を推すか、在庫はどれだけあるか、使ってはいけない表現は何か。
ここを丸ごと外に出すと、実態と合わない動画が生まれます。化粧品や食品では、法規制に触れる表現が出てくることもある。外部の制作者に薬機法や景品表示法の知識を求めるのは、そもそも無理があります。
判断する役だけでも社内に置く。これが最低条件です。
技術と手間の部分です。撮影、編集、字幕入れ、投稿作業。
この領域は経験の差が大きく、内製すると立ち上げに半年ほどかかります。最初から外注したほうが速いことが多い。
| 業務 | 社内に残すか | 理由 |
|---|---|---|
| アカウント設計 | 一緒に決める | 事業の方針そのもの |
| 企画・台本 | 残したい | 商品知識が動画の質を左右する |
| 撮影 | 外に出しやすい | 機材と経験の差が大きい |
| 編集 | 外に出しやすい | 時間がかかる割に差がつきにくい |
| 投稿・コメント対応 | どちらでもよい | 顧客対応の方針だけ社内で決める |
| 分析・改善 | 一緒に見る | 任せきりにすると本数だけが目的になる |
この表のとおりに分ける必要はありませんが、判断の出発点にはなります。全部を外に出す前提で見積もりを取ると、金額は跳ね上がります。
費用相場と料金体系
結論: TikTok運用代行の費用は、編集のみで月8万〜15万円、制作代行で月20万〜40万円、運用全体で月40万〜80万円が目安です。金額の差は、月の動画本数と広告・分析が含まれるかで説明できます。
金額の目安を整理します。依頼先や商材によって幅があるため、参考としてご覧ください。
範囲別の相場・動画1本あたりで比べる
| 依頼の範囲 | 月額の目安 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 編集のみ | 月8万〜15万円 | 素材は自社で撮影、編集と字幕 |
| 制作代行 | 月20万〜40万円 | 企画・撮影・編集で月8〜16本 |
| 運用代行 | 月40万〜80万円 | 制作に加えて投稿管理・分析・改善 |
| 広告運用 | 広告費の20%前後 | 配信設定と改善(広告費は別途) |
| アカウント設計のみ | 20万〜50万円(一括) | 初期の方針づくり、競合分析 |
このほかに、初期費用として20万〜50万円が別途かかることがあります。アカウント設計、初回の撮影場所の確保、トンマナの設計。1回きりの作業ですが、初月の請求で驚かないよう先に確認しておきます。
範囲がそろわないときは、動画1本あたりの単価に換算します。
月30万円で20本なら1本1万5,000円。月20万円で8本なら1本2万5,000円。後者は総額が安くても、単価では高い計算になります。
ただし、単価だけで選ぶと質が伴わないことがあります。過去の制作物を3本以上見せてもらってから判断してください。編集の質は、実物を見れば数分で分かります。
初期費用と追加費用
後から加算されやすい項目を挙げておきます。
出演者を手配する場合の費用、撮影場所を借りる費用、遠方への出張費、広告用に動画を作り直す費用、そして本数を増やしたときの追加分。
とくに出演者の費用は、見積もりに入っていないことが多い項目です。社員が出るのか、外部のモデルを立てるのかで、月額が10万円単位で変わります。契約前に確認しておきたい部分です。

代行会社の種類と得意分野
結論: 運用代行の会社は、制作を軸にする会社・広告を軸にする会社・販売を軸にする会社の3タイプに分かれます。自社の課題がどこにあるかで、選ぶタイプが変わります。
同じ運用代行という看板でも、成り立ちによって得意な領域が違います。
制作を軸にする会社・広告を軸にする会社
映像制作からTikTokに入ってきた会社です。動画の質が高く、企画の引き出しも多い。
一方で、売上や利益までは踏み込まないことがあります。再生数は伸びるが注文が動かない、という状態になったときに、原因を商品ページや価格まで遡って見てくれるかは会社によります。
運用型広告の代理店から広がってきた会社です。数字の管理に強く、配信の最適化が速い。
オーガニックの投稿を軽視する傾向がある会社もあります。広告を止めた瞬間に数字がゼロに戻る設計になっていないか、契約前に確認しておきます。
販売を軸にする会社と、その見分け方
Amazonや楽天市場の運用支援から広がってきた会社です。商品ページ、価格、レビュー、在庫まで含めて設計します。
動画の見栄えは制作会社に劣ることもありますが、売上と利益の両面で見てくれる点が強みです。solezoreはこの系統に近い位置にいます。
初回の打ち合わせで、何を質問されるかを見ます。
動画の世界観やトンマナの話が中心なら制作寄り。配信予算やCPA(顧客獲得単価)の話から入るなら広告寄り。原価、在庫、注文単価、リピート率の話が出てくるなら販売寄りです。
どれが良いということではありません。いま自社が困っているのが「動画が作れない」なのか「数字が読めない」なのか「売上に繋がらない」なのかで、選ぶ相手が変わります。
選び方の基準
結論: 実績の本数より、同じ商材カテゴリの経験を見ます。動画の作り方は共通でも、売り方は商材によって変わるためです。見積もりを取る前に、自社側で決めておくことが3つあります。
比較の軸を持ってから臨みます。
決めておく3つ
見積もりを依頼する前に、自社で決めておく項目です。
- 月に何本の動画を出すか:週3本なら月12本、週5本なら月20本
- 誰が出演するか:社員か、外部の出演者か、手元だけか
- 何を成果とするか:再生数か、プロフィール遷移か、注文数か
この3つが決まっていれば、各社の提案を同じ形で比べられます。決まっていないと、各社が違う前提で見積もりを出してきます。
3つ目は特に大事です。成果を再生数と置くか注文数と置くかで、提案される動画の中身がまるごと変わります。
確認する5点
提案を受けたら、次の5点を確認します。
- 同じ商材カテゴリの経験があるか
- 月に何本の動画が含まれるか
- 撮影の場所と出演者はどちらが用意するか
- 担当者は誰で、その人の経験はどうか
- 毎月どこまで報告するか
3番目と4番目は、後から追加費用や不満に繋がりやすい部分です。
とくに担当者については、営業に来た人と実際に動かす人が別であることが珍しくありません。契約前に一度、担当者と話す機会をもらいます。商品への関心があるか、質問が具体的かで、その後の進み方が想像できます。
実績を聞くときは、開始前と現在の数字を両方聞きます。3倍になりましたという説明だけでは判断できません。月商10万円が30万円になった話と、月商1,000万円が3,000万円になった話では、意味がまるで違います。
契約前に確認すること
結論: 揉めやすいのは、制作物の権利・アカウントの所有・解約の条件の3つです。契約書に書かれているかを、署名の前に確認します。
後の認識違いを防ぐ項目を挙げます。
制作物の権利とアカウントの所有
作った動画を、契約終了後も自社で使えるかを確認します。契約期間中のみの利用と定められていると、終了と同時に1年分の素材が使えなくなります。実際に起きている事例です。
アカウントの所有はさらに重要です。代行会社の名義でアカウントを作られていると、契約終了時にフォロワーごと引き継げないことがあります。
アカウントは必ず自社の名義で開設し、管理権限を代行会社へ付与する形にします。ここを最初に決めておかないと、後から移すのは困難です。
解約の条件
最低契約期間と、解約の通知期限を確認します。半年や1年が最低という条件も珍しくありません。
試験的に始めたい場合は、3か月からの契約が可能かを相談します。立ち上げに3か月はかかるため、それより短い契約では判断材料が集まりません。
自動更新の条項も見ておきます。解約の申し出が更新日の2か月前まで、という条件だと、実質的に判断を早めに迫られます。
依頼した後の進め方
結論: 外注しても社内の工数はゼロになりません。窓口として月に数時間は必要です。商品情報の提供と数値の確認を自社で持ち続けたアカウントほど、成果が出ています。
契約して終わりではなく、その後の関わり方が結果を左右します。
渡す情報を整える
依頼先に渡すものを、最初にまとめておきます。
商品の要点、よくある質問と回答、使える表現と避ける表現、在庫の状況、価格の方針。この5つがそろっていると、初月から制作の質が安定します。
表現の一覧は、化粧品・健康食品・医療系では必須です。ここを渡さずに任せると、公開後に修正依頼をすることになり、双方が消耗します。
月1回、数字を一緒に見る
月に1回、結果を並べて確認する場を持ちます。見るのは、動画の本数、視聴完了率、プロフィール遷移率、注文数の4つで足ります。
任せきりにすると、動画を出すこと自体が目的になります。本数は達成しているのに数字が動かない、という報告が半年続くこともある。
変える点は、1か月に1つに絞ります。複数を同時に変えると、何が結果を動かしたのか分からなくなります。
可能であれば、月に1回は撮影に立ち会ってください。商品の扱い方や、伝わっていない点がその場で分かります。内製への移行を考えている場合は、学習の機会にもなります。
よくある失敗
結論: 相談を受ける失敗は、本数の認識違いと社内の窓口不在の2つに集約されます。どちらも契約の前に防げるものです。
実際に起きた例から整理します。
本数が想定と違った・社内に窓口がいなかった
月40万円で運用全体を依頼したところ、動画が月4本しか出てこなかったという事例です。
契約書を読み直すと、本数の記載がありませんでした。依頼側は月16本を想定し、依頼先は月4本のつもりだった。数字を1行書いておけば防げた食い違いです。
担当者が他業務と兼任で、依頼先からの確認に返答できない状態が続いた例もあります。
商品情報の提供が遅れ、撮影の日程も決まらず、3か月で動画が10本しか出ていません。外注先が悪いわけではなく、動ける材料が届いていなかったのです。
窓口として月に3〜5時間は見込んでおきます。ここを見込んでいない体制だと、どの会社に頼んでも同じことが起きます。
もう1つ、報告を受け取るだけの関係になってしまう失敗もあります。毎月の報告書に目を通すだけで、質問も要望も出さない。この状態が半年続くと、代行会社側も改善の材料を持てなくなります。
部分委託と内製への移行
結論: 全部を任せる形だけが選択肢ではありません。編集だけ、撮影だけといった部分委託のほうが、費用を抑えながら成果が出ることもあります。3か月だけ委託して内製へ移す進め方も現実的です。
丸ごと任せる前に、検討する価値のある形を挙げます。
部分委託の形
もっとも多いのは、編集だけを外に出す形です。撮影は社内、編集は外部。月8万〜15万円で、月16本前後の編集を任せられます。
撮影だけを外に出す形もあります。月に1回、撮影のプロに来てもらって10〜20本分の素材を撮り、編集と投稿は社内で回す。この形なら、費用は月15万円前後に収まることが多い。
企画だけを外に出す会社もあります。何を撮ればいいか分からないという課題に対して、月4万〜8万円で台本を提供してもらう形です。
段階的に内製へ移す
3か月だけ運用全体を委託し、その間に手順を社内へ記録する進め方があります。
担当者が毎回の撮影に同席し、企画会議にも入り、編集の考え方を教わる。4か月目から内製に切り替えると、費用は大きく下がります。支援先では、月35万円だった委託費が月8万円になった例があります。
この形が成立する条件は、社内に動画を担当できる人が1人いることです。ここが確保できないなら、外注を続けるほうが現実的です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、アカウント設計から動画制作、投稿運用、広告、ショップ連携までを支援しています。任せる範囲は業種と社内体制で変わります。
美容|前の代行会社から巻き取った
「1年間別の会社に頼んでいたが、再生数もフォロワーも横ばいのまま」という相談です。
引き継いで最初にやったのは、過去1年分の投稿を全部見ることです。すると、動画のテーマが毎月変わっていて、当たった型を掘り下げていないことが分かりました。本数は出ているのに、学習が積まれていない状態でした。
前の会社が作った素材のうち、反応の良かった3本の型に絞り、そこから派生させる形に変えています。新しい型を試すのは月に2本までと決めました。
2か月目に、1本が10万回再生を超えました。以降はその型の複製が中心です。フォロワーの増加ペースも、それまでの4倍になっています。
食品|企画は社内、撮影と編集だけを外へ
社内に商品知識を持つ担当者がいて、企画は自分で作れる。ただ撮影と編集の経験がない、という状態でした。
分担を決めました。企画と台本、商品の選定は社内。撮影と編集はsolezore。月16本の制作で、費用は月25万円です。
3か月目に、遷移率の高い型が2つ見つかりました。どちらも調理の手元から始まる動画です。担当者が「うちの商品は、人より鍋を映したほうが伝わるんですね」と話していたのが印象に残っています。
全部を任せていたら、この型は見つからなかったと考えています。商品を知る人が企画に関わっていたことが要因でした。

よくある質問
Q. TikTok運用代行の費用はいくらくらいですか?
A. 編集だけなら月8万〜15万円、企画から撮影・編集まで任せると月20万〜40万円、投稿管理や分析まで含めると月40万〜80万円が目安です。初期費用として20万〜50万円が別途かかることもあるため、月額だけで判断しないでください。
Q. 見積もりを比べるときは何を見ればいいですか?
A. 月に何本の動画が含まれるか、撮影と出演者はどちらが用意するか、分析と改善が入るか。この3点をそろえると比較できます。動画1本あたりの単価に換算すると、さらに分かりやすくなります。
Q. 全部を任せてしまってもいいですか?
A. 商品知識が要る部分は社内に残すことをおすすめします。どの商品を推すか、使ってはいけない表現は何か。ここを丸ごと出すと、実態と合わない動画が出てきます。判断する役だけでも社内に置いてください。
Q. 契約前に確認すべきことは何ですか?
A. 制作物の権利、アカウントの所有、解約の条件の3つです。とくにアカウントを代行会社の名義で作られると、契約終了時にフォロワーごと引き継げないことがあります。自社名義で開設し、権限を付与する形にします。
Q. 外注すれば社内の作業はなくなりますか?
A. なくなりません。窓口として月に3〜5時間は必要です。商品情報の提供や確認への返答が遅れると、外注先が動けなくなります。兼任の担当者しか置けない場合は、依頼する範囲を狭めたほうがうまくいきます。
Q. どのくらいの期間で成果が出ますか?
A. 当たる型が見つかるまでが2〜3か月、売上として安定するまでが4〜6か月が目安です。3か月で判断するなら、その間に週3本以上を維持できているかを条件にしてください。本数が足りないまま判断すると、材料が不足したままの結論になります。
Q. 途中から内製に切り替えられますか?
A. 切り替えられます。3か月だけ運用全体を委託し、その間に担当者が撮影と企画に同席して手順を記録する形が現実的です。支援先では、4か月目から内製に移して月額が35万円から8万円になった例があります。
まとめ
運用代行の選定は、範囲を決めることから始まります。要点を整理します。
- 任せられるのは6領域。全部を出す必要はない
- 費用の差は、月の動画本数と分析・広告が含まれるかで説明がつく
- 比べるときは動画1本あたりの単価に換算する
- 会社は制作寄り・広告寄り・販売寄りの3タイプ。自社の課題で選び分ける
- 契約前に、制作物の権利・アカウントの所有・解約条件を確認する
- 外注しても社内の窓口は要る。月3〜5時間を見込んでおく
補足すると、成果が出た事業者に共通しているのは、代行会社を作業者ではなく相談相手として扱っていたことです。数字を一緒に見て、次に何を試すかを一緒に決める。この関係になると、契約の範囲を超えた提案が出てくることもあります。
逆に、最初から丸投げの姿勢で始まった案件は、金額の大小にかかわらず伸びにくい。ここは何年やっても変わらない傾向です。
TikTok全体の設計や、他の経路との組み合わせから考えたい場合は、ピラー記事もあわせてご覧ください。
solezoreでは、アカウント設計から動画制作、投稿運用、広告運用、TikTok Shopとの連携までを支援しています。まず何を任せるべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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