

「見積もりが1本3万円と書いてあったが、これは高いのか安いのか判断がつかない」「社内で作った動画が明らかに見劣りする。どこから直せばいいのか」――動画制作についてのご相談は、この2つが入口になることがほとんどです。
結論からお伝えすると、TikTokの動画制作で費用を左右するのは、編集の技術ではなく撮影に人が動くかどうかです。編集だけなら1本3,000円から、撮影に人が出るなら1本2万円から。同じ1本でも、桁が変わります。
solezoreでは、まず撮影と編集を分けて考えることをおすすめしています。この2つを1つの見積もりとして受け取るから、高いのか安いのか分からなくなるのです。
この記事では、制作の3つの選択肢から、1本あたりの費用相場、依頼から納品までの流れ、自作で質を上げる方法、外注先の選び方、渡すべき材料、素材と権利の扱いまでを、実際に制作を請けている立場から解説します。
TikTok動画制作の3つの選択肢
結論: 制作の方法は、自社で作る・フリーランスに頼む・制作会社に頼むの3つです。判断の分かれ目は、社内に撮影できる人がいるかと、月に何本必要かの2点になります。
それぞれの性質を整理します。
自社で作る
スマートフォンと三脚があれば始められます。費用は人件費だけで、1本あたりの単価という考え方自体がなくなります。
利点は、商品を知っている人が作れることです。TikTokでは、映像の綺麗さより、何を撮るかのほうが結果を左右します。
弱点は、時間です。慣れるまでは1本に2〜3時間かかります。週3本なら月に30時間近く。この時間を確保できるかが分かれ目になります。
フリーランスに頼む
編集だけを頼む形が中心です。素材を送って、編集済みの動画を受け取る。1本3,000円から1万円が相場になります。
撮影から頼める方もいますが、機材と場所の制約があるため、対応できる範囲は人によります。
「安く済むと思って頼んだら、修正のやり取りに時間を取られました」というご相談も受けます。指示が曖昧だと往復が増えるので、最初の1〜2本は丁寧に方向をすり合わせる時間が要ります。
制作会社に頼む
企画から撮影、編集までを一括で請けます。1本2万〜5万円が相場で、月8〜16本の契約が中心です。
利点は、体制が組まれていること。撮影のプロ、編集のプロ、進行管理が分かれているため、質と納期が安定します。
一方で、商品の理解には時間がかかります。最初の1〜2か月は、こちらから説明する手間が発生すると考えておいてください。
| 選択肢 | 1本あたりの費用 | 質の安定 | 立ち上げの速さ | 向いている状況 |
|---|---|---|---|---|
| 自社で作る | 人件費のみ | ばらつく | 遅い(習得に3か月) | 週3本以上を長く続けたい |
| フリーランス | 3,000円〜1万円(編集) | 人による | 速い | 撮影は社内でできる |
| 制作会社 | 2万〜5万円(撮影込み) | 安定する | 速い | 撮影も含めて任せたい |
費用相場|1本あたりで見る
結論: TikTok動画の制作費は、編集のみで1本3,000〜1万円、撮影込みで1本2万〜5万円が目安です。月額の見積もりを受け取ったら、本数で割って1本あたりに直すと比較できます。
金額の内訳を分解します。
編集のみの単価
素材が手元にある状態で、カット、字幕、音源の選定を頼む形です。
簡単なカットと字幕だけなら1本3,000〜5,000円。演出や効果音を入れると1本8,000〜1万5,000円。テロップの動きにこだわると、さらに上がります。
TikTokの場合、凝った編集が結果に繋がるとは限りません。字幕が読みやすく、テンポが良い。この2つが満たされていれば、単価の安い編集でも十分に戦えます。
撮影込みの単価・追加費用になりやすいもの
撮影に人が動くと、金額の性質が変わります。半日の撮影で10本分を撮る場合、1回15万〜30万円。1本あたりに直すと1万5,000〜3万円です。
つまり、まとめて撮るほど1本あたりは下がります。1本ずつ撮ると、移動と準備の時間が毎回かかるため割高になります。
| 依頼の形 | 費用の目安 | 本数の目安 |
|---|---|---|
| 編集のみ(簡易) | 1本3,000〜5,000円 | 制限なし |
| 編集のみ(演出あり) | 1本8,000〜1万5,000円 | 制限なし |
| 撮影+編集(半日) | 15万〜30万円 | 8〜12本 |
| 撮影+編集(1日) | 30万〜50万円 | 15〜20本 |
| 出演者の手配 | 1人3万〜15万円 | 拘束時間による |
見積もりに含まれていないことが多い項目を挙げます。
撮影場所の使用料、出演者への報酬、遠方への出張費、修正の3回目以降、広告用に作り直す費用、そして急ぎの納品に対する割増。
とくに修正の回数は、契約前に確認しておきたい部分です。2回までは無料でその後は1回5,000円、といった形が一般的になります。

制作の流れ|依頼から納品まで
結論: 制作の流れは、方向の決定・台本・撮影・編集・納品の5段階です。撮影の前日までに台本が固まっていないと、当日の本数が半分に落ちます。
進み方を段階で分けます。
- 方向の決定:誰に何を伝えるか、参考にする動画を3本共有する(1週間)
- 台本:1本ごとに、冒頭の一言と流れを文字にする(3〜5日)
- 撮影:まとめて8〜20本分を撮る(半日〜1日)
- 編集:字幕、カット、音源。初稿の提出まで1週間前後
- 納品と修正:確認して2回まで修正、最終データを受け取る(1週間)
依頼から最初の動画が上がるまで、おおむね3〜4週間かかります。急ぎたい場合でも、台本の工程は削らないほうがいい。ここを飛ばすと、撮り直しになります。
事前に決めることと、当日の進め方
参考動画を3本渡すのが、最も伝わる方法です。言葉で説明するより速く、認識のずれも小さい。
「明るい感じで」「若い人向けに」という伝え方だと、受け取る側の解釈で仕上がりが変わります。実際の動画を見せて、この空気感で、と伝えます。
10本以上を撮るなら、衣装や場所の切り替えを事前に決めておきます。当日に考え始めると、本数が出ません。
商品の扱い方も、その場で伝えられるようにしておきます。触り方、置き方、見せたい角度。撮影のプロでも、商品のプロではありません。
初稿を受け取ったら、修正はまとめて伝えます。1つずつ小出しにすると往復が増え、納品が遅れます。
修正の伝え方も、時間の位置で指定すると誤解がありません。「12秒あたりの字幕が読みにくい」という形です。
自作で品質を上げる方法
結論: 自作の質を上げるのに、高価な機材は要りません。三脚・照明・外部マイクの3つがあれば、多くの動画は十分な水準になります。合計で2万円ほどです。
内製を選ぶ場合の要点です。
機材は3つで足りる
三脚は、手ぶれを消すために必須です。スマートフォン用なら3,000円台からあります。
照明は、顔色と商品の色を安定させます。リングライトが1万円前後。窓際で撮れるなら、日中は不要なこともあります。
外部マイクは、話す動画では効果が大きい。スマートフォンの内蔵マイクは周囲の音を拾いすぎます。5,000円台のもので十分です。
高いカメラを買うより、この3つを揃えるほうが仕上がりは変わります。TikTokは縦型でスマートフォンで見られるため、画質の差が出にくいのです。
撮影の基本
明るさは、被写体の正面から光を当てます。逆光になると、顔が暗くなって表情が見えません。
背景は、なるべく整理します。散らかった机が映っているだけで、印象が落ちます。壁1面だけ片付けておけば、撮影場所として使い回せます。
音は、静かな場所で撮ります。エアコンの音、外の車の音は、意外と入ります。撮影前に一度、無音で10秒録音して確認する習慣をつけると失敗が減ります。
外注先の選び方
結論: 外注先を選ぶときは、過去の制作物を3本以上見せてもらいます。得意な系統がはっきり分かれるため、自社の商材に近い実績があるかで判断します。
見るべき点を挙げます。
確認する4点
対象となるのは、次の4つです。
- 過去の制作物:同じ系統の商材を扱った実績があるか
- 本数の実績:月にどのくらい制作しているか
- 修正の条件:何回まで無料か、期限はあるか
- 納期:素材を渡してから何日で初稿が上がるか
制作物を見るとき、綺麗さより字幕の読みやすさを見てください。TikTokは音を消して見られる割合が高いため、ここが弱い動画は最後まで見てもらえません。
得意分野の見分け方も知っておくと便利です。企業案件が中心の制作者は、整った映像が得意な一方、素の空気感を出すのは苦手なことがあります。逆に、個人アカウントの運用出身の方は、素の見せ方が上手い。
商材によって、どちらが合うかは変わります。化粧品なら整った映像、飲食店なら素の空気感。この向き不向きは、事前に相談しておくと外しません。
依頼時に渡すもの
結論: 制作を依頼するときに渡す材料は、商品の要点・参考動画・使えない表現の3つです。この3つがそろっていれば、初稿の精度が大きく変わります。
渡す材料が薄いと、修正の往復で時間を失います。
3つの材料
商品の要点は、A4で1枚にまとめます。何ができる商品か、誰向けか、他と違う点は何か、価格はいくらか。長い資料は読まれません。
参考動画は3本。自社の商材に近いもの、演出の参考になるもの、避けたい方向のもの。避けたい例を1本入れておくと、ずれが減ります。
使えない表現の一覧は、化粧品・健康食品・医療系では必須です。薬機法に触れる表現を制作者が判断するのは無理があります。この一覧を渡さずに任せると、公開後に削除するはめになります。
商品の扱い方も添えておきます。触っていい部分、映してはいけない部分、置き方の指定。実物を送るときに一筆入れておくだけで十分です。
素材と権利の扱い
結論: 撮影した元データを受け取れるかを、契約前に確認します。編集済みの動画だけを納品する契約だと、後から別の形に作り直せません。
見落とされやすい部分です。
元データの受け取り
撮影した映像は、編集で使われるのは一部です。残りの素材にも価値があります。
元データがあれば、後から別の切り口で編集し直せます。広告用に短くする、別の商品と組み合わせる、翌年に使い回す。こうした二次利用ができるかどうかは、元データを持っているかで決まります。
制作会社によっては、元データの受け渡しに追加費用がかかります。契約時に確認しておくと、後の交渉を避けられます。
出演者の肖像
出演者を立てた場合、その映像をいつまでどこで使えるかを決めます。
TikTokへの投稿だけなのか、広告にも使えるのか、期間は1年か無期限か。ここを決めずに撮ると、広告に使いたくなった時点で再交渉になります。
あわせて、使用が終わった後の扱いも決めておきます。契約期間が終わった動画を残したままにすると、権利の面で問題が生じることがあります。
つまずきやすい点
結論: 制作でつまずくのは、本数を決めずに始める場合と、修正のやり取りが長引く場合です。どちらも発注の仕方で防げます。
相談の中で繰り返し出てくる3つを挙げます。
本数を決めないまま発注する
「まず1本作ってみて、良かったら継続で」という始め方は、一見合理的に見えます。ただ、TikTokでは1本で判断できません。
同じ制作者が作った10本のうち、伸びるのは1〜2本です。これは技術の問題ではなく、当たりを引くまで試行が要るという性質によるものです。1本目が伸びなかったから合わないと判断すると、まだ何も分かっていない段階で結論を出すことになります。
最低でも8本、できれば16本をひとまとまりとして発注してください。判断はそこからです。
修正の往復が増える
初稿を受け取って、修正を1つずつ小出しに伝える。これをやると、納品が2週間遅れます。
一度に全部を見て、まとめて伝える。時間の位置を指定して、何をどう変えてほしいかを具体的に書く。この2つで、往復は1回で収まります。
抽象的な指示も往復の原因です。「もう少しおしゃれに」ではなく「字幕のフォントを細くしてほしい」と伝えます。感覚を言葉にするのが難しいときは、参考動画を1本送るほうが速い。
社内の確認が長い
制作側の納期より、社内の確認に時間がかかるケースもよくあります。
確認の担当を1人に決め、その人が判断できる範囲を先に定めておきます。すべてを役員決裁に回す運用だと、月16本の制作は物理的に回りません。
薬機法など法規制の確認が要る商材では、確認の工程を最初から日程に組み込みます。後から差し込むと、公開日が動きます。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、撮影から編集、内製への移行までを支援しています。制作の形は、社内に誰がいるかで変わります。
食品|撮影だけを月1回頼む形にした
「毎週の撮影が負担で、担当者が疲弊している」というのが相談の中身でした。動画は作れているものの、続けられる形になっていない状態です。
やり方を変えました。月に1回、半日の撮影日を設けて、その日に12本分を撮る。編集と投稿は社内で回します。
最初の撮影日は、想定より時間がかかりました。何を撮るか決まっていなかったためです。2回目からは台本を前日までに用意する運用に変え、半日で14本まで撮れるようになっています。
担当者の負担は、月30時間から10時間ほどに下がりました。本数は変わっていません。
医療|表現の一覧を作ることから始めた
クリニックからのご相談です。動画を作りたいが、医療広告のルールがあって何を撮れるか判断できない、という状態でした。
制作に入る前に、院長と一緒に使える表現と使えない表現の一覧を作りました。この作業に2週間かけています。
一覧ができてからは、制作が速く進みました。判断の基準があるため、撮影の現場で迷わなくなったためです。
3か月で36本を制作しています。担当者が「先に線を引いたから、かえって自由に作れました」と話していたのが印象に残りました。

よくある質問
Q. TikTokの動画制作は1本いくらくらいですか?
A. 編集だけなら1本3,000〜1万5,000円、撮影から頼むと1本2万〜5万円が目安です。撮影はまとめるほど1本あたりが下がるため、半日で10本撮る形にすると1万5,000円前後まで落ちます。
Q. 自作と外注、どちらがいいですか?
A. 週に10時間ほど動画に使える人が社内にいるなら自作から始められます。確保できない場合は外注です。ただし、企画と商品の判断は社内に残したほうが、結果は良くなります。
Q. 高いカメラを買ったほうがいいですか?
A. 必要ありません。三脚・照明・外部マイクの3つで、合計2万円ほど。この3つのほうが仕上がりへの影響が大きく出ます。TikTokは縦型でスマートフォンで見られるため、画質の差は伝わりにくいのです。
Q. 依頼してから納品までどのくらいかかりますか?
A. 初回はおおむね3〜4週間です。方向の決定に1週間、台本に3〜5日、撮影が半日、編集の初稿に1週間、修正に1週間という内訳になります。2回目以降は短くなります。
Q. 修正は何回までできますか?
A. 2回までを無料とする契約が一般的です。3回目以降は1回5,000円前後の追加になることが多いため、契約前に確認してください。修正はまとめて伝えると、往復が減って納品も早まります。
Q. 撮影した元のデータはもらえますか?
A. 契約によります。編集済みの動画だけを納品する形もあるため、元データが必要なら契約時に伝えてください。元データがあると、後から広告用に作り直したり、別の商品と組み合わせたりできます。
まとめ
動画制作の選び方について、要点を整理します。
- 費用を左右するのは編集の技術ではなく、撮影に人が動くかどうか
- 編集のみは1本3,000〜1万5,000円、撮影込みは1本2万〜5万円が目安
- 撮影はまとめるほど1本あたりが下がる。半日で10本が目安
- 自作なら三脚・照明・外部マイクの3つ。合計2万円ほどで質が変わる
- 依頼時は商品の要点・参考動画3本・使えない表現の一覧を渡す
- 元データを受け取れるかを契約前に確認する
補足すると、制作の相談を受けたとき、最初にお伝えするのは本数の話です。
質の高い動画を月4本作るより、そこそこの動画を月16本出したほうが、伸びる型が見つかります。TikTokは1本ごとに評価されるため、試行の回数がそのまま学習の量になるのです。
予算が限られているなら、質を上げるより本数を確保する。この順番のほうが、多くの場合で結果が出ます。
solezoreでは、撮影から編集、社内で撮れる体制づくりまでを支援しています。まず何本必要かの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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