

「クリエイターに頼みたいが、そもそもどうやって連絡を取るのか分からない」「10人に打診したら、返事が来たのは2人で、そのうち1人は予算が合わなかった」――キャスティングのご相談は、この手前で止まっている状態から届くことが多いです。
結論からお伝えすると、キャスティングで時間がかかるのは選ぶ工程ではなく打診と交渉の工程です。候補を30人挙げても、日程と予算と条件が合うのは3〜5人。ここを見込まずに始めると、発売日に間に合いません。
solezoreでは、提携するクリエイターが1,000名を超えます。この規模を持っている理由は単純で、打診から契約までの歩留まりが低いからです。10人に声をかけて3人と組めれば良いほう、という前提で設計しています。
この記事では、キャスティングが担う範囲から、自社で直接依頼する場合との違い、目的別の選定基準、依頼から公開までの手順、費用の内訳、契約で決めること、進行管理の実務までを解説します。
TikTokキャスティングとは
結論: TikTokキャスティングは、目的に合うクリエイターを選び、条件を交渉し、投稿までを進行管理する業務です。人選そのものより、打診と条件のすり合わせに手間がかかります。
まず、業務の範囲を整理します。
担う範囲と、直接依頼との違い
キャスティングと呼ばれる業務には、次の工程が含まれます。
候補の選定、打診と交渉、契約書のやり取り、商品の送付、撮影の日程調整、投稿内容の確認、公開後の数値の集計。
このうち、外から見えているのは最初の選定だけです。実際に時間がかかるのは、交渉と進行の部分になります。
| 項目 | 自社で直接依頼 | キャスティング会社に依頼 |
|---|---|---|
| 費用 | クリエイターへの支払いのみ | 支払い+手数料20〜30% |
| 候補の数 | 自分で探せる範囲 | 提携先から提案が出る |
| 交渉 | 自社で行う | 代行される |
| 条件の相場感 | 判断が難しい | 過去の実績から適正が分かる |
| 進行管理 | 自社の工数がかかる | 任せられる |
| トラブル対応 | 直接やり取り | 間に入ってもらえる |
直接依頼が向くのは、起用したい人が最初から決まっている場合です。1人だけなら、手数料を払う意味は薄い。
会社に頼む価値が出るのは、5人以上を同時に動かす場合と、相場が分からない場合です。連絡だけで週に5〜10時間かかるため、その工数を外に出せます。
キャスティング会社の役割
キャスティング会社は、クリエイターとの繋がりを持っています。事務所に所属している方は、個人へ直接連絡しても事務所経由になるため、慣れた窓口があるほうが早い。
もう1つの役割は、条件の適正化です。同じフォロワー規模でも、提示される金額は相手によって幅があります。過去の取引を知っていると、高すぎる提示に気づけます。
目的別の選定基準
結論: 選定の基準は目的によって変わります。認知ならフォロワー規模と拡散力、購入ならコメント欄の質と商材との相性、世界観ならその人の投稿の一貫性を見ます。
同じ人選でも、目的が違えば正解が変わります。
認知を広げたい場合
届く人数を重視します。フォロワー規模の大きいクリエイターや、拡散されやすいジャンルの方を選びます。
このとき、商材との相性は多少ゆるくても構いません。名前を覚えてもらうことが目的だからです。
ただし、無関係な層に届いても意味がありません。年齢層と性別は、最低限そろえます。
届く人数は公表値ではなく、直近10本の平均再生数で見ます。
購入を取りたい場合
コメント欄を見ます。商品への質問が並ぶアカウントは、フォロワーが実際に買う姿勢を持っている証拠です。
「かわいい」「すごい」だけが並ぶアカウントは、届く人数は多くても購入に繋がりにくい。フォロワーとの関係が、鑑賞に寄っているためです。
過去に同じジャンルの商品を紹介していて、その投稿が伸びているかも確認します。実績があれば、再現の可能性が高くなります。
世界観を作りたいときと、継続して出してほしいとき
その人の投稿の一貫性を見ます。扱うジャンル、色の使い方、話し方。ブランドの方向と合うかを確認します。
このタイプの起用では、単発ではなく継続契約が向いています。3か月から半年、定期的に投稿してもらうことで、そのブランドの人という印象が育ちます。
アンバサダー契約という形になります。期間中は競合商品を扱わない条件を含むことが一般的です。
費用は上がりますが、その人のアカウントがブランドの顔として機能します。契約の期間は、半年から1年が中心です。
対象となるのは、長期の投資ができる商材です。単発の販促では割に合いません。

依頼の全手順|7ステップ
結論: キャスティングの手順は7段階です。打診から契約まででおおむね3週間、公開まで含めると1か月半を見込みます。発売日がある場合は、2か月前から動き始めます。
進め方を段階で示します。
- 目的と予算を決める:何を成果とするか、総額いくらか(3日)
- 候補を集める:必要人数の3倍を目安に(1週間)
- 打診する:条件の概要を伝え、可否と金額を聞く(1週間)
- 契約する:本数、時期、二次利用、表示のルールを書面に(1週間)
- 商品と資料を送る:使える表現の一覧を必ず同封(3日)
- 投稿内容を確認する:公開前に一度見せてもらう(3日)
- 公開と集計:公開当日に表示を確認し、2週間後に数字をまとめる
事前に決める3つ
打診の前に、目的・予算・時期の3つを固めます。
とくに時期は重要です。「いつでもいいので」という打診は、後回しにされます。この週に投稿してほしい、と伝えるほうが返事も早い。
予算も、範囲を先に示します。金額を伏せて打診すると、相場より高い提示が返ってくることがあります。
3つとも最初の連絡文に書きます。往復が1回減ります。
打診から契約まで
打診の文面には、商品名、依頼したい内容、投稿の時期、予算の範囲を書きます。長い挨拶は要りません。
返事が来ない場合もあります。人気のあるクリエイターは打診の数が多く、条件が曖昧なものから見送られます。
契約書は、簡易なもので構いません。本数、投稿の時期、投稿を残す期間、二次利用の範囲、表示のルール。この5つがあれば足ります。
撮影と公開
商品を送るとき、使える表現の一覧を必ず同封します。化粧品や食品では、これがないと公開後の修正が発生します。
投稿の内容は、公開前に確認させてもらう取り決めにしておきます。ただし、細かく修正を求めるとその人らしさが消えるため、法令に関わる点だけに絞ります。
公開されたら、その日のうちにブランドコンテンツの表示が入っているかを確認します。
費用の内訳
結論: キャスティングの費用は、クリエイターへの報酬に加えて、手数料20〜30%、商品の原価と送料、二次利用の追加分で構成されます。総額は報酬の1.5倍前後になると見込んでおきます。
支払いの全体像を整理します。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| クリエイター報酬 | 1本3万〜80万円 | フォロワー規模による |
| キャスティング手数料 | 報酬の20〜30% | 会社に依頼する場合 |
| 商品の原価と送料 | 実費 | 返却なしが一般的 |
| 二次利用 | 報酬の30〜100% | 広告に使う場合 |
| 撮影の実費 | 場合により発生 | 移動費、スタジオ代 |
報酬30万円で3人に依頼する場合、報酬だけで90万円。手数料25%で22万5,000円。二次利用を半分の人数分取ると15万円前後。合計で130万円ほどになります。
予算を立てるときは、報酬の1.5倍を見ておくと収まりやすい。報酬額だけで組むと、二次利用の段階で足りなくなります。
候補の絞り方
結論: 候補は必要人数の3倍を集めます。打診しても、日程・予算・競合の条件で3分の1程度しか成立しないためです。
歩留まりを前提に動きます。
3倍を集める理由
10人に打診して、返事があるのが6人、条件が合うのが4人、日程が合うのが3人。これが一般的な歩留まりです。
3人に投稿してもらいたいなら、候補は10人前後を用意します。5人なら15人。この計算をせずに始めると、日程が後ろにずれます。
断られる理由で最も多いのは、競合との契約です。同じジャンルの商品を扱っている期間中は受けられない、という取り決めがある方が少なくありません。
探し方
検索から探す方法と、実績から逆引きする方法があります。
検索では、商材に関連する言葉で調べ、上位に出てくる動画の投稿者を見ます。すでにそのジャンルで見られている人が分かります。
逆引きは、競合ブランドのタイアップ投稿を探す方法です。誰が起用されているかを見れば、そのジャンルで実績のある人が見つかります。ただし、競合と契約中の可能性もあります。
除外する基準
候補から外す条件も決めておきます。
毎週のようにPR投稿を出しているアカウントは、フォロワーも広告として見ています。届く人数は多くても、購入に繋がりにくい。
フォロワー数に対して再生数が極端に低いアカウントも避けます。フォロワー3万人で再生数が1,000回台なら、休眠状態か、フォロワーの実態に疑問があります。目安として、直近10本の再生数の中央値がフォロワー数の3分の1を下回るなら、慎重に判断します。
コメント欄が閉じられている、または返信が一切ないアカウントも見送ります。フォロワーとの関係が一方通行だと、紹介された商品への反応も薄くなりがちです。
契約で決めること
結論: 契約書に入れるのは、本数・投稿の時期・掲載を維持する期間・二次利用の範囲・表示のルールの5つです。とくに掲載期間と二次利用は、後から揉めやすい部分になります。
書面にする項目を挙げます。
5つの項目
- 本数と投稿の時期:何本を、いつまでに
- 掲載を維持する期間:投稿を消さずに残す期間。6か月から1年が一般的
- 二次利用の範囲:広告に使えるか、期間はいつまでか、どの媒体か
- 表示のルール:ブランドコンテンツ表示と本文での明記
- 使えない表現:薬機法や景品表示法に関わる部分
2つ目は見落とされがちです。取り決めがないと、翌月に削除されることがあります。せっかく費用をかけた投稿が消えると、後から広告に使うこともできません。
3つ目の二次利用は、依頼の時点で含めておくほうが安く済みます。事後の交渉では、元の費用と同等の金額を求められることもあります。
進行管理の実務
結論: 5人以上を同時に動かすと、連絡だけで週5〜10時間かかります。管理表を1枚作り、誰がどの段階にいるかを可視化しておくと、抜けが防げます。
実務の負荷を見込んでおきます。
管理表を1枚作る・やり取りの窓口を1人にする
管理するのは、打診日、返答、金額、契約の状態、商品の発送日、投稿予定日、公開日、数字の集計。
これを1枚の表にまとめておくと、誰が止まっているかがすぐ分かります。個別のやり取りだけで進めると、必ず抜けが出ます。
社内で複数の人が同じクリエイターに連絡すると、条件の伝わり方がずれます。窓口は1人に決めます。
返信は、なるべく当日中に返します。相手も複数の案件を抱えているため、返事が遅い相手の優先度は下がります。
あわせて考えたいのが、公開後の関係です。良い結果が出た方には、その数字を共有して感謝を伝えます。次の依頼が通りやすくなり、条件の交渉もしやすくなります。
つまずきやすい点
結論: つまずくのは、日程の逆算不足と、条件の伝え漏れです。とくに二次利用と競合の扱いは、後から追加できないため最初に決めておきます。
繰り返し起きる3つを挙げます。
日程が間に合わない・二次利用を後から言い出す
発売の3週間前から動き始めて、間に合わなかった事例があります。
打診から公開までは1か月半かかります。発売日に合わせるなら、2か月前から動き始めてください。年末や新学期など、クリエイター側が忙しい時期はさらに余裕が要ります。
投稿が伸びたので広告に使いたい、と後から相談する。この場合、費用は高くなります。
最初から二次利用込みで契約しておけば、追加は30%前後で済むことが多い。事後だと、元の費用と同額を求められることもあります。
依頼した翌月に、同じ人が競合の商品を紹介する。取り決めがなければ、これは止められません。
気になる場合は、期間を区切って競合を扱わない条件を入れます。ただし、その分だけ費用は上がります。1か月程度なら受け入れられることが多い条件です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、1,000名を超える提携クリエイターから、目的に合う人選と手配を行っています。人選だけでなく、進行管理と公開後の広告配信まで請けています。
アパレル|候補30人から4人に絞った
新ブランドの立ち上げで、認知がまったくない状態から相談をいただきました。
候補を30人集めることから始めています。ブランドの方向に合う投稿をしている方を、系統別に分けて並べました。
打診したのは12人。返答があったのが8人、条件が合ったのが5人、日程まで合ったのが4人です。歩留まりとしては良いほうでした。
4人には同じ週に投稿してもらい、うち2人の動画が伸びています。二次利用の許諾を取ってあったため、その2本を広告に回しました。担当者が「投稿より、その後の配信のほうが動きましたね」と話していたのが印象に残っています。
食品|断られ続けた末に方針を変えた
地方の食品メーカーから寄せられた相談です。当初は、フォロワー10万人以上の方を1人起用する計画でした。
打診を8人に出して、成立したのは0人。単価が予算に合わない、日程が合わない、地方への撮影に来られない。理由はさまざまでした。
方針を変え、1万人規模で食の投稿をしている方を6人に絞りました。商品を送り、それぞれの家で撮ってもらう形です。1人あたり5万円前後に収まっています。
結果として、6本のうち3本が予想を超えて伸びました。撮影に来てもらう必要がなかったことで、地方という条件も外れています。この形は、その後の定番になりました。

よくある質問
Q. キャスティング会社に頼むといくらかかりますか?
A. クリエイターへの報酬に加えて、手数料が報酬の20〜30%かかります。報酬30万円なら手数料は6万〜9万円です。あわせて、商品の原価と送料、二次利用の追加分を見込むと、総額は報酬の1.5倍前後になります。
Q. 自分で直接依頼したほうが安いですか?
A. 手数料の分だけ安くなります。起用したい人が1人に決まっているなら、直接のほうが合理的です。5人以上を同時に動かす場合は、連絡だけで週5〜10時間かかるため、その工数と手数料を比べて判断してください。
Q. 何人くらいに打診すればいいですか?
A. 必要な人数の3倍が目安です。10人に打診して、条件と日程が合うのは3人程度。断られる理由で最も多いのは、競合との契約期間中であることです。
Q. 依頼から公開までどのくらいかかりますか?
A. おおむね1か月半です。候補集めに1週間、打診に1週間、契約に1週間、商品の送付と撮影に2週間、確認と公開に1週間という内訳になります。発売日に合わせるなら2か月前から動いてください。
Q. クリエイターはどう選べばいいですか?
A. 目的によって変わります。認知ならフォロワー規模、購入ならコメント欄に商品への質問が並んでいるか、世界観なら投稿の一貫性を見ます。フォロワー数だけで選ぶと、購入には繋がりにくくなります。
Q. 投稿を消されることはありますか?
A. 掲載を維持する期間を契約で決めていない場合、起こり得ます。6か月から1年を目安に、投稿を残す期間を書面に入れてください。消えると、後から広告に使うこともできなくなります。
まとめ
キャスティングについて、要点を整理します。
- 時間がかかるのは人選ではなく、打診と交渉の工程
- 候補は必要人数の3倍。10人打診して成立するのは3人程度
- 目的によって選定基準が変わる。認知なら規模、購入ならコメント欄
- 費用は報酬の1.5倍を見込む。手数料20〜30%と二次利用が乗る
- 契約には本数・時期・掲載期間・二次利用・表示のルールを入れる
- 発売日に合わせるなら2か月前から動き始める
補足すると、キャスティングで最も見落とされているのは、公開後の関係づくりです。
投稿が終わったら関係も終わり、という進め方をしていると、毎回ゼロから探すことになります。数字を共有し、次の企画も相談する。この関係になると、2回目以降は条件も交渉しやすく、内容の質も上がります。
良かった方とは続ける。この単純なことが、長い目で見ると最も費用を下げます。
solezoreでは、1,000名を超える提携クリエイターから、目的に合う人選と手配を行っています。予算に対する人数の配分からでもご相談を受けていますので、現状をお聞かせください。
この記事を書いた solezore に相談する
記事に書ききれない具体策・料金・事例は、無料相談で。SNS/EC/SEO の領域別に専門家が対応します。

