

「社内に人前で話せる人がいないので、配信だけ任せたい」「見積もりを3社から取ったが、金額が3倍近く違って比べられない」――ライブ配信の代行についてのご相談は、この2つが出発点になります。
結論からお伝えすると、費用の差は依頼する範囲の違いでほぼ説明がつきます。配信者だけを手配するのか、企画から撮影・切り抜きまで含むのか。同じ代行という言葉でも、中身がまったく違います。
solezoreでは、見積もりを比べる前に依頼範囲を紙に書き出すことをおすすめしています。誰が話すか、誰が場所を用意するか、誰が商品を選ぶか。この3つを決めるだけで、比較できる状態になります。
この記事では、代行で依頼できる範囲から、費用の相場と料金体系、依頼先の種類、選び方の基準、契約前に確認すること、内製と外注の分岐、依頼後の進め方、よくある失敗までを解説します。
ライブ配信代行とは|依頼できる範囲
結論: 代行という言葉には、配信者の手配から運用全体の委託までが含まれます。範囲を決めずに見積もりを取ると、金額を比べられません。
まず、何を任せられるのかを整理します。
依頼できる業務
- 配信者の手配:話す人を用意する
- 企画と台本の設計:何をどの順で紹介するかを組む
- 配信の運営:機材の設置、コメント管理、進行
- 撮影場所の用意:スタジオの手配
- 切り抜きの制作:配信後の動画編集と投稿
- 数値の管理と報告:結果の集計と改善提案
この6つのうち、どこまで頼むかで費用が変わります。配信者の手配だけなら1回数万円、全体を任せると月額数十万円という幅が生まれます。
範囲を決めるときの考え方・ライブコマース代行との違い
社内に残すべきなのは、商品知識が要る部分です。どの商品を推すか、在庫はどうか、返品の方針は何か。ここを外部に丸投げすると、質問に答えられない配信になります。
逆に、外に出しやすいのは技術と手間の部分です。機材、編集、進行の技術。ここは経験の差が大きく、内製すると立ち上げに時間がかかります。
呼び方の違いで、実質は重なります。ライブコマース代行という言葉が使われる場合、商品の販売を前提とした設計が含まれることが多い。
配信代行と言うと、配信の実施そのものを指すことがあります。見積もりを取るときは、販売設計が含まれるかどうかを必ず確認します。
費用の相場と料金体系
結論: 料金体系は、1回あたりの都度契約と月額契約に分かれます。月2回以上やるなら、月額のほうが単価は下がります。
金額の目安を整理します。依頼先や内容によって幅があるため、あくまで参考としてご覧ください。
| 依頼範囲 | 料金の目安 | 契約の形 |
|---|---|---|
| 配信者の手配のみ | 1回3万〜10万円 | 都度 |
| 配信の運営(進行・機材) | 1回5万〜15万円 | 都度または月額 |
| 企画から配信まで | 月額20万〜50万円 | 月額 |
| 切り抜き制作を含む運用全体 | 月額30万〜80万円 | 月額 |
金額が変わる要因
同じ範囲でも、次の条件で金額が動きます。
配信の頻度。月1回と月8回では、単価が大きく変わります。回数が多いほうが1回あたりは下がります。
配信者の規模。フォロワーを持つ配信者を起用する場合、その分の費用が乗ります。認知を借りる形になるためです。
撮影場所。スタジオを手配するか、自社の店舗や倉庫で行うかで数万円の差が出ます。
成果報酬という形
売上に対する報酬を組み合わせる形もあります。固定費を抑えられる反面、売れたときの支払いが大きくなります。
確認すべきは、何を成果とするかの定義です。配信中の売上だけか、その日1日の売上か、期間中の全売上か。定義が曖昧なまま契約すると、後から解釈の違いが出ます。
固定と成果報酬の組み合わせが一般的です。固定を抑えて成果報酬を高くするか、その逆か。事業の資金繰りに合わせて選びます。

依頼できる会社の種類
結論: 依頼先は、配信に特化した会社・広告代理店・EC支援会社の3種類に分かれます。得意な領域が違うため、課題によって選び分けます。
同じ代行でも、成り立ちが違えば強みも違います。
配信に特化した会社・広告代理店
配信者の手配と運営に強みがあります。機材や進行の技術が高く、配信そのものの質は安定します。
一方で、商品の売り方や在庫の設計まで踏み込むことは少ない。売上の設計は自社で持つ必要があります。
大規模な施策との組み合わせに向きます。広告と配信を連動させ、認知から購入まで一体で設計できます。
費用は高くなる傾向があり、小規模な事業者には合わないことがあります。
EC支援の会社・フリーランスに依頼する場合
商品の売り方から設計します。配信を単体ではなく、商品ページや動画投稿と合わせた全体の中で捉えます。
配信の技術そのものは、特化型の会社に劣ることがあります。ただし、売上につながる設計という点では相性が良い。
会社ではなく、個人の配信者や制作者に直接依頼する形もあります。費用は法人より抑えられ、1回あたり3万円前後から相談できることもあります。
注意点は、担当が1人であることです。体調不良や別案件で動けなくなると、その回の配信が飛びます。代わりの手配ができる体制かを確認します。
複数のフリーランスと関係を持っておく、あるいは会社に頼みつつ一部をフリーランスに出す形が、実務としては安定します。
選び方の基準
結論: 実績の本数ではなく、自社と似た商材の経験があるかを見ます。配信の技術は共通でも、売り方は商材で変わります。
比較の軸を持たないまま話を聞くと、印象で決めてしまいます。
確認する4点
- 同じ商材カテゴリの経験があるか:化粧品と家電では設計が違う
- 配信者は誰が用意するか:自社の社員か、外部の配信者か
- 切り抜きは含まれるか:配信外の売上に直結する
- 数値の報告があるか:何を測って報告するか
3番目を見落とすと、配信した日にしか売れない状態が続きます。切り抜きが含まれていないなら、その部分を誰がやるのかを決めておきます。
実績の見方・相性の確認
配信の回数や視聴者数を提示されることがありますが、見るべきは売上への貢献です。
質問としては、配信あたりの注文数、注文単価、配信外の売上比率。この3つを聞きます。答えられない場合、売上の設計まで見ていない可能性があります。
初回の打ち合わせで、こちらの商品について質問が出るかを見ます。良い依頼先ほど、商品や顧客について細かく聞いてきます。
逆に、自社のサービス説明ばかりで質問がない場合は注意が必要です。どの商材でも同じ進行をする、という形になりがちです。
もうひとつ、過去の配信を見せてもらえるかも判断材料になります。実際の映像を見れば、進行の速さやコメントの拾い方が分かります。資料の実績数より、1本の配信を見るほうが多くを伝えてくれます。
契約前に確認すること
結論: 揉めやすいのは、成果の定義・配信者の権利・解約の条件の3つです。契約書に書かれているかを確認してください。
後からの認識違いを防ぐための項目です。
成果報酬の定義・配信者と映像の権利
売上に対する報酬がある場合、対象範囲を明記します。
- 配信中の注文だけか
- 配信当日の注文すべてか
- 配信を見た人が後日買った分を含むか
3番目まで含める場合、どう計測するかの取り決めが要ります。曖昧なまま進めると、請求の段階で食い違います。
外部の配信者を起用する場合、その映像をどこまで使えるかを決めます。
配信の切り抜きを動画として投稿するのは含まれるか。広告に使えるか。契約終了後も使い続けられるか。この3点は必ず確認します。
決めていないと、せっかく作った切り抜きが使えなくなります。契約終了とともに映像資産がゼロになる事態は、実際に起きています。
解約の条件と、追加費用が発生する場面
最低契約期間と、解約の通知期限を確認します。半年契約が最低という条件も珍しくありません。
試験的に始めたい場合、短期の契約が可能かを相談してください。3か月ほど試して判断する形が現実的です。
基本料金に含まれない作業を、事前に洗い出します。よくあるのは次の4つです。
- 配信の回数を月の途中で増やしたとき
- 撮影場所を変更したとき
- 切り抜きを想定より多く作ったとき
- 商品の追加や差し替えが発生したとき
いずれも運用の中で普通に起きることです。都度の見積もりになるのか、一定回数まで含むのか。ここを決めておくと、請求の段階で驚きません。
配信で使う商品を依頼先に預ける場合、返却の条件も決めます。使用後の商品を戻すのか、消費した分は買い取りか。
食品や化粧品では、開封した商品は返却できません。この分を費用に含めるか、別途請求とするかを明確にしておきます。
内製と外注の分岐
結論: 分岐点は人です。話せる人がいて、週2回の時間を確保できるなら内製が成立します。どちらかが欠けるなら外注を検討します。
すべてを外に出す必要はありません。
| 状況 | 向いている進め方 |
|---|---|
| 話せる人がいて時間もある | 内製。機材と進行だけ相談する |
| 話せる人はいるが時間がない | 企画と切り抜きを外注、配信は自社 |
| 話せる人がいない | 配信者の手配を外注、商品説明は資料で渡す |
| 何から始めるか分からない | 立ち上げの3か月だけ運用全体を委託 |
4番目の形は、期間を区切るのが要点です。3か月で型を作り、その後は内製に切り替える。この前提で契約すると、費用も抑えられます。
段階的に内製へ移す
最初から全部を内製しようとすると、立ち上がりに時間がかかります。外注で型を作り、慣れてきた部分から社内に移す進め方が現実的です。
移しやすいのはコメント管理と商品の切り替えです。逆に、切り抜きの編集は最後まで外注のままにする事業者が多い。技術の差が出やすく、時間もかかるためです。
移す順番を契約のときに決めておくと、引き継ぎが揉めません。
依頼した後の進め方
結論: 依頼して終わりにすると成果が出ません。商品知識の共有と、数値の確認は自社で持ち続けます。
外注した後の関わり方で、結果が変わります。
商品知識を渡す・数値を一緒に見る
配信者が質問に答えられないと、視聴者の信頼を落とします。渡すのは3つです。
商品の要点を3つに絞ったもの。よく来る質問と回答の一覧。使ってよい表現と避ける表現の一覧。
とくに3つめは、化粧品や食品では必須です。外部の配信者に法規制の知識を求めるのは無理があります。
配信ごとの結果を、依頼先と一緒に確認します。同時視聴、平均視聴時間、商品ページへの遷移、注文数。
任せきりにすると、配信の実施が目的になります。売上という結果で会話する関係を最初に作ってください。
報告の頻度を決める・社内の担当を1人決める
配信のたびに長い報告書を求めると、依頼先の工数が増え、その分が費用に乗ります。
現実的なのは、配信ごとに数値だけを共有し、月1回まとめて振り返る形です。数値は表計算ソフト1枚で足ります。
月次の場では、次の月に何を変えるかを1つだけ決めます。複数を同時に変えると、何が結果を動かしたのか分からなくなります。
窓口が複数いると、依頼先への指示が食い違います。商品の情報を出す人、数値を見る人、判断する人。せめて判断する役は1人に絞ってください。
その担当が配信に毎回同席すると、社内に知見が溜まります。内製に切り替える判断ができるのも、この蓄積があるときです。
よくある失敗
結論: 相談を受ける失敗の多くは、範囲の認識違いか、商品知識の共有不足です。どちらも契約前に防げます。
実際に起きた例から整理します。
切り抜きが範囲外だった、配信者が商品を知らなかった
運用全体を任せたつもりが、配信の実施だけの契約だった。配信した日にしか売れず、月の売上が回数に連動する状態が続いた例です。
契約書を読み直すと、切り抜きは範囲外でした。追加費用で対応することになり、当初の想定より月10万円ほど増えています。
外部の配信者を起用したものの、資料を渡していなかったケースです。視聴者からの質問に答えられず、コメント欄で指摘が出ました。
配信の技術は高くても、商品の知識は別です。ここは発注側が用意する部分になります。
半年の契約が終わり、それまでに作った切り抜きが使えなくなった例です。配信者との取り決めに、契約期間中の利用しか含まれていませんでした。
半年分の映像資産が消えた形になります。契約前に確認していれば防げた失敗です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは配信の立ち上げから体制づくり、内製への移行までを支援しています。依頼の形は業種によって変わります。
宿泊|配信者を外部に頼み、企画は社内で持った
物販ではないため、何を売るかの設計から必要でした。宿泊券と食事つきプランをライブ限定で販売する形にしています。
配信者は外部に依頼しました。社内に人前で話せる人がいなかったためです。ただし、企画と施設の説明資料は自社で用意しています。
進め方は3段階でした。
- 見せる順番を決める:到着から翌朝までの流れで施設を回る構成に
- 想定質問を集める:予約時に多い質問を30件まとめて配信者に渡す
- 切り抜きを制作:配信から3〜5本の動画を毎回作り、翌日以降に投稿
配信は月2回。4か月目に、配信経由の予約が直販の1割強を占めるようになりました。費用は月額20万円台に収まっています。
美容|3か月の委託から内製へ移した
立ち上げの型を作ることを目的に、期間を区切って運用全体を委託した事例です。
最初の3か月で、配信の進行、機材の設置、コメント管理の手順を社内に記録しました。担当者が毎回同席し、作業を見て覚える形です。
4か月目から、配信の実施を社内に移しました。外注として残したのは切り抜きの編集だけです。月額の費用は35万円から8万円に下がっています。
配信の質は落ちていません。3か月で型ができていたためです。最初から内製にこだわらず、期間を区切って教わる形が結果的に速いことがあります。

よくある質問
Q. ライブ配信の代行はいくらくらいかかりますか?
A. 依頼範囲によって幅があります。配信者の手配だけなら1回3万〜10万円、企画から配信までで月額20万〜50万円、切り抜き制作を含む運用全体では月額30万〜80万円が目安です。月2回以上やるなら月額契約のほうが単価は下がります。
Q. 見積もりを比べるとき、何を確認すればいいですか?
A. 月に何回の配信が含まれるか、切り抜きの制作は含まれるか、配信者と撮影場所はどちらが用意するか。この3点を揃えると比較できます。金額の差はほぼこの範囲の違いで説明がつきます。
Q. 成果報酬型のほうが安く済みますか?
A. 売れなければ支払いは少なくなりますが、売れたときの負担は大きくなります。確認すべきは何を成果とするかの定義です。配信中の売上か、当日の全売上かで金額がまったく変わります。
Q. 社内に話せる人がいなくても始められますか?
A. 始められます。外部の配信者を手配する形が一般的です。ただし商品知識をまとめた資料は自社で用意してください。質問に答えられない配信は、視聴者の信頼を落とします。
Q. 契約前に確認すべきことは何ですか?
A. 成果の定義、配信者と映像の権利、解約の条件の3つです。とくに映像の権利は見落とされやすく、契約終了後に切り抜きが使えなくなる事例があります。
Q. 途中から内製に切り替えられますか?
A. 切り替えられます。最初の3か月だけ委託し、その間に手順を社内に記録する進め方が現実的です。支援先では、4か月目から配信を内製に移し、切り抜きだけ外注として残した例があります。
まとめ
ライブ配信の代行は、範囲を決めることから始まります。この記事の要点です。
- 費用の差は依頼範囲の違い。まず何を任せるかを紙に書き出す
- 商品知識が要る部分は社内に残す。技術と手間の部分は外に出しやすい
- 依頼先は配信特化・広告代理店・EC支援の3種類。得意領域が違う
- 実績の本数より、同じ商材カテゴリの経験を見る
- 契約前に、成果の定義・映像の権利・解約条件を確認する
- 期間を区切って委託し、型ができたら内製に移す進め方もある
補足すると、代行を使った事業者から後で聞くのは、社内の意識が変わったという話です。配信の場に立ち会うと、顧客が何を気にしているかが直接見えます。外注は作業を減らすためだけのものではなく、学ぶ手段としても使えます。
TikTokショップ全体の設計や販売経路とあわせて考えたい場合は、ピラー記事もご覧ください。
solezoreでは、ライブ配信の企画設計から配信体制の構築、切り抜き制作、内製への移行までを支援しています。まず何を任せるべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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