

「ブランドごとにアカウントを分けたほうがいいのか、1つにまとめるべきか判断がつきません」「店舗ごとに作ったら、どれも数字が伸びなくなりました」――複数アカウントについてのご相談は、この2つが典型です。
結論からお伝えすると、分けるかどうかの判断で見るのは投稿の本数を維持できるかです。1つのアカウントで週3本出せていた体制で2つに分けると、それぞれ週1〜2本になり、どちらも当たる型が見つかりません。
solezoreでは、担当者が1人なら1つにまとめることをおすすめしています。畑を2つに分けても、耕す人が1人なら収穫は増えません。
この記事では、切り替えられる数から、企業が分ける判断の基準、分けたときに起きること、作り方の手順、制限を受ける行為、複数運用の実務、まとめ直す手順までを、実際に運用している立場から解説します。
TikTokの複数アカウントは何個まで作れるか
結論: 1つのアプリで切り替えられるアカウント数には上限があります。作成できる数そのものに厳密な制限はありませんが、同一の端末や情報で大量に作ると、規約違反と判断されることがあります。
数の話から整理します。
アプリで切り替えられる数
TikTokのアプリでは、複数のアカウントを登録して切り替えられます。切り替えられる数には上限が設けられており、仕様の変更で数が変わることもあります。
実務では、企業が扱うのは2〜3個までです。それ以上になると、投稿の管理そのものが回らなくなります。
上限を超えて管理したい場合は、端末を分けるか、パソコンの管理画面を併用する形になります。
作成できる数の考え方・規約上の扱い
1つのメールアドレスにつき1アカウント、というのが基本です。複数作るなら、それぞれ別のメールアドレスを用意します。
企業の場合、部署やブランドごとにメールアドレスを分けておくと管理しやすい。担当者個人のアドレスで作ると、退職時に引き継げなくなります。
複数アカウントを持つこと自体は、規約で禁止されていません。ブランドや店舗ごとに分けるのは、正当な使い方です。
問題になるのは、同じ動画を複数のアカウントから同時に投稿する、相互にいいねを送り合って数字を作る、といった行為です。これらは規約違反と判断される可能性があります。
企業がアカウントを分ける判断
結論: 分けるかどうかは、視聴者層が重なるかで判断します。同じ層に向けたブランドなら1つにまとめ、10代向けと50代向けのように層が違う場合は分けます。
判断の基準を示します。
視聴者層で分ける・ブランドで分ける
同じ人が両方の商品を買う可能性があるなら、まとめます。動画の本数が集まり、初速も安定するためです。
層が違う場合は分けます。10代向けと50代向けの動画が同じアカウントから出ると、おすすめ表示の精度が下がり、どちらの層にも届きにくくなります。
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 同じ顧客層の複数商品 | まとめる | 本数が集まり初速が安定する |
| 年齢層が20歳以上離れる | 分ける | 配信の精度が下がる |
| BtoCとBtoBの両方 | 分ける | 求められる内容が違う |
| 店舗が複数、商圏も別 | 分ける | 地域の設定を変えられる |
| 担当者が1人 | まとめる | 本数を維持できない |
複数のブランドを持つ会社では、ブランドごとに分けたくなります。
ただし、判断の軸はブランドの数ではなく顧客層です。ブランドが3つあっても、買う人が同じならまとめて構いません。
世界観を厳密に分けたい場合は、分ける理由になります。この場合、それぞれで週3本を出せる体制があるかを先に確認します。
地域・店舗で分ける
飲食店や美容室など、商圏が限られる業種では、店舗ごとに分ける形が有効です。
地域の情報を動画に入れられるため、その地域の人に届きやすくなります。1つのアカウントで複数の地域を扱うと、どの地域の人にも中途半端に届く状態になります。
ただし、店舗が10店ある場合に10アカウントを回すのは現実的ではありません。主要な3店舗だけ分ける、といった判断が要ります。

分けたときに起きること
結論: 分けると、1アカウントあたりの投稿本数が減ります。週3本の体制を2つに分けると、それぞれ週1〜2本。この本数では、当たる型が見つかるまでに1年かかります。
現実的な影響を書きます。
本数が半分になる・運用の手間が倍になる
これが最も大きな影響です。
TikTokは動画1本ごとに評価されるため、本数がそのまま試行回数になります。週3本なら月12本、2つに分けると月6本ずつ。
月6本のペースだと、型が見つかるまでに半年から1年かかります。1つにまとめていれば3か月で済んだ判断が、倍以上の時間を要することになります。
企画、撮影、編集、投稿、コメント対応、数字の確認。この工程が、アカウントの数だけ発生します。
撮影をまとめられる場合は負担が軽くなりますが、それでも投稿とコメント対応は別々です。担当者が1人なら、2つが限界だと考えてください。
数字の比較はしやすくなる
分ける利点もあります。層ごとの反応が、数字で分けて見られることです。
1つのアカウントで両方の層に向けた動画を出していると、どちらが受けているのか分かりにくい。分けておくと、それぞれの数字を独立して評価できます。
とくに、地域を分けた場合の効果は明確です。地域ごとの反応が見えるため、次の出店や広告の判断材料にもなります。
作り方の手順
結論: 2つ目以降のアカウントは、別のメールアドレスで作成し、アプリ内で切り替えられるように登録します。会社の共有アドレスを使い、担当者個人の情報では作りません。
手順を示します。
追加の手順・名前の付け方
- 別のメールアドレスを用意する:会社のドメインで作る
- アプリのプロフィールから切り替えメニューを開く
- アカウントを追加を選ぶ
- 新しいメールアドレスで登録する
- ビジネスアカウントへ切り替え、プロフィールを設定する
新しいアカウントも、開設時に名前・遷移先・何のアカウントかを決めておきます。1つ目と同じ手順です。
複数のアカウントを持つ場合、名前に規則性を持たせます。
ブランド名+店舗名、ブランド名+対象層。この形にしておくと、見た人がどういう関係のアカウントかを理解できます。
プロフィールに、他のアカウントの案内を入れておく方法もあります。ただし、リンクは1つしか置けないため、文字での案内になります。
管理の準備
アカウントが増えたら、管理表を作ります。
アカウント名、登録メールアドレス、担当者、投稿の頻度、遷移先。この5項目を1枚にまとめておくと、担当者が代わったときにも引き継げます。
パスワードの管理も決めておきます。個人の記憶に頼っていると、担当者が休んだ日に誰も投稿できません。会社として管理する仕組みに入れておきます。
二段階認証を設定する場合、認証コードの受け取り先にも注意が要ります。担当者個人の携帯に届く設定にすると、その人がいないとログインできません。共有の連絡先を使うか、複数人が受け取れる形にします。
実際に、担当者の退職後にログインできなくなり、復旧に3週間かかった事例があります。アカウントそのものは会社名義でも、認証の経路が個人に紐づいていると同じことが起きます。
制限を受ける行為
結論: 複数アカウントで制限を受けやすいのは、同じ動画の重複投稿、相互のいいねやフォローによる数字の操作、短期間での大量作成です。いずれも規約違反と判断される可能性があります。
避けるべき行為を整理します。
| 行為 | 判断されるリスク | 対応 |
|---|---|---|
| 同じ動画を複数アカウントで同時投稿 | 高い | 編集を変える、時期をずらす |
| アカウント間で相互にいいね・フォロー | 高い | やらない |
| 短期間に大量のアカウントを作成 | 高い | 必要な数だけ作る |
| 同じ端末で10個以上を切り替え | 中程度 | 端末を分ける |
| ブランドごとに分けて運用 | 低い | 問題ない |
同じ動画の重複投稿
複数のアカウントで同じ動画を出すのは、避けたほうが無難です。
システムから見ると、同じ内容が複数の場所から出ている状態になります。重複と判断されると、どちらか、あるいは両方の配信が抑えられることがあります。
どうしても同じ素材を使いたい場合は、編集を変えます。冒頭の言い回し、字幕、尺。この3つを変えれば、別の動画として扱われます。
相互のいいねとフォロー・短期間での大量作成
自社の複数アカウントで、相互にいいねやフォローを送り合う。これは数字の操作と判断される可能性があります。
短期的に数字は動きますが、長期では不利になります。反応の質が低いと評価されるためです。
1日に何個もアカウントを作ると、システムが異常な動きとして検知することがあります。
必要な数を、期間を空けて作ります。3つ必要なら、1週間ずつ間を空けて作るくらいの感覚で構いません。
複数運用の実務
結論: 複数を回すなら、撮影をまとめて、投稿とコメント対応だけを分ける形が現実的です。撮影日を共通にすると、負担の増え方を抑えられます。
回し方の工夫です。
撮影をまとめる・投稿の管理
月に1回の撮影日を設けて、全アカウント分の素材をまとめて撮ります。
場所と機材の準備が1回で済むため、負担が大きく変わります。衣装や小物を変えれば、同じ日に複数ブランドの素材が撮れます。
アカウントごとに、投稿の曜日を決めます。月水金はA、火木土はB、というように分けると、混乱しません。
予約投稿を使うと、まとめて設定できます。1か月分を一度に予約しておけば、日々の作業は数字の確認だけになります。
コメント対応・数字の管理
コメントは、アカウントごとに毎日確認します。ここは分けざるを得ない部分です。
1日10分ずつ、朝と夕方に見る。この程度の時間でも、返信があるアカウントとないアカウントでは印象が変わります。
月に1回、全アカウントの数字を1枚の表に並べます。
投稿本数、平均再生数、フォロワーの増減、遷移数。並べると、どのアカウントが伸びていて、どこに力を入れるべきかが見えます。
数字が動かないアカウントは、思い切って止める判断もあります。3つを薄く回すより、2つに集中したほうが結果が出ることは珍しくありません。
判断の目安は、6か月です。週3本を6か月続けて、平均再生数が1,000回に届かないなら、そのアカウントは商材か設計に無理があります。他のアカウントに資源を寄せる検討をします。
まとめるときの手順
結論: 分けたアカウントを1つにまとめる場合、フォロワーの統合はできません。片方を残し、もう片方から誘導する形になります。数か月かけて移す前提で進めます。
統合の実務です。
フォロワーは移せないので、移ってもらう
TikTokには、アカウントを統合する機能がありません。
残すほうを決めて、閉じるほうのフォロワーに移ってもらう形になります。全員が移るわけではないため、一定の減少は覚悟します。
- 残すアカウントを決める:フォロワー数と反応の質で判断する
- 閉じるほうで告知する:2〜3か月かけて繰り返し伝える
- 両方で同じ内容を出す期間を作る:ただし動画は別に作る
- 閉じるほうの投稿を止める:プロフィールに案内を残す
- 半年後に判断する:アカウントを消すか、残すか
閉じるアカウントを、すぐに削除する必要はありません。過去の動画から流入が続くこともあるため、プロフィールに案内を置いたまま残す選択もあります。
まとめた後は、投稿の本数が増えます。これが統合の最大の利点です。
週3本ずつだった2つのアカウントが、週6本の1つになる。試行回数が倍になるため、型が見つかる速度も上がります。
つまずきやすい点
結論: つまずくのは、分ける理由が曖昧なまま増やす場合と、体制を確認せずに分ける場合です。どちらも、増やす前に投稿本数を計算すれば避けられます。
繰り返し起きるものを挙げます。
何となく分けてしまう・担当者の体制を見ずに分ける
ブランドが違うから、部署が違うから。この理由だけで分けると、たいてい両方が伸び悩みます。
分ける前に、それぞれで週3本を出せるかを確認します。出せないなら、まとめたほうが結果は出ます。
1人の担当者が3つのアカウントを回すのは、現実的ではありません。
企画から数字の確認まで、1アカウントあたり週10時間ほどかかります。3つなら週30時間。他の業務と兼任している担当者には無理があります。
作ったものの、更新が止まっているアカウントが残っている。これは印象を悪くします。
3か月更新がないアカウントは、閉じるか、プロフィールに案内を置いて休止を明示します。放置は避けてください。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、アカウントを分けるかの判断から支援しています。多くの場合、まとめる提案になります。
飲食|5店舗を3つにまとめた
5店舗それぞれでアカウントを作っていた飲食チェーンから受けた相談です。どの店も月3〜4本の投稿で、数字は伸び悩んでいます。
商圏を確認すると、5店舗のうち3店舗は同じ市内にありました。この3店舗は、同じ人が行き来する範囲です。
3店舗分を1つのアカウントにまとめ、離れた2店舗は個別に残す形へ変更しました。まとめたアカウントは、投稿が月12本になっています。
3か月後、まとめたアカウントの平均再生数は5倍を超えました。本数が集まったことで、当たる型が見つかったためです。
アプリ|あえて2つに分けた
1つのアカウントで、一般向けと開発者向けの両方の内容を出していた会社です。
数字を見ると、動画ごとに視聴者の属性がばらついていました。システムが、どちらの層に配信すべきか判断できていない状態です。
2つに分け、それぞれ週3本を出せる体制を組みました。制作の担当を1人増やしています。
分けてから2か月で、両方のアカウントで視聴完了率が上がりました。届く相手が定まったためです。担当者から「分けるなら人を増やす覚悟が要ると分かった」と言われました。

よくある質問
Q. TikTokのアカウントは何個まで作れますか?
A. アプリで切り替えられる数には上限があり、仕様の変更で数が変わることもあります。実務で企業が扱うのは2〜3個までです。それ以上は投稿の管理そのものが回らなくなります。
Q. 複数アカウントを持つと規約違反になりますか?
A. 複数を持つこと自体は禁止されていません。問題になるのは、同じ動画を複数のアカウントから同時に投稿する、相互にいいねを送り合って数字を作る、短期間に大量に作成するといった行為です。
Q. ブランドごとに分けるべきですか?
A. 判断の軸はブランドの数ではなく顧客層です。同じ人が両方の商品を買う可能性があるならまとめてください。分けると1アカウントあたりの投稿本数が半分になり、型が見つかるまでの期間が倍以上に延びます。
Q. 店舗ごとに作ったほうがいいですか?
A. 商圏が離れているなら分ける価値があります。地域の情報を動画に入れられるためです。ただし、同じ市内の店舗は1つにまとめたほうが、本数が集まって伸びやすくなります。
Q. 同じ動画を複数のアカウントで出してもいいですか?
A. 避けてください。重複と判断されると、配信が抑えられることがあります。同じ素材を使うなら、冒頭の言い回し・字幕・尺を変えて別の動画にします。
Q. 分けたアカウントを後からまとめられますか?
A. 統合の機能はありません。残すほうを決めて、閉じるほうのフォロワーに移ってもらう形になります。2〜3か月かけて告知し、全員は移らない前提で進めてください。
まとめ
複数アカウントについて、要点を整理します。
- 実務で扱えるのは2〜3個まで。それ以上は管理が回らない
- 判断の軸はブランドの数ではなく顧客層が重なるか
- 分けると1アカウントあたりの本数が半分になる。ここが最大の影響
- 担当者が1人なら、まとめる判断のほうが結果は出る
- 同じ動画の重複投稿、相互のいいねは避ける
- 統合の機能はない。まとめるなら数か月かけて誘導する
補足すると、分けたくなったときは、増やす前に1か月だけ実験してみてください。
1つのアカウントの中で、片方の層に向けた動画を週1本混ぜてみる。それが伸びるなら、分ける価値があります。伸びないなら、分けても同じことです。
アカウントを増やすのは簡単ですが、減らすのは難しい。実験してから決めるほうが、後戻りの手間を避けられます。
アカウントを増やすと、投稿も返信も本数分だけ増えます。社内で回しきれないと感じた時点で、運用を外に出すときの費用の目安を見ておくと、どこまで自社でやるかの線を引きやすくなります。
solezoreでは、アカウントを分けるかの判断から運用の設計までを支援しています。いまの体制で何本出せるかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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