

「担当者が個人の携帯で作ってしまい、退職時に引き継げませんでした」「アカウント名を後から変えたら、検索で出てこなくなりました」――アカウント作成に関するご相談は、作った後に起きた問題として届くことがほとんどです。
結論からお伝えすると、アカウント作成で最も重要なのは操作の手順ではなく、作る前に決めておくことです。名前、遷移先、誰の名義で作るか。この3つを決めずに作ると、後から直せない部分が残ります。
solezoreでは、開設の作業そのものは10分で終わるとお伝えしています。時間をかけるのはその前の設計です。家を建てる前の地縄張りに近い。位置を決めてから掘り始めます。
この記事では、作成の前に決めること、登録の手順、ビジネスアカウントとの違い、プロフィールの作り方、最初にやる設定、開設直後の動き方、複数アカウントの扱いまでを、実際に支援している立場から解説します。
アカウント作成の前に決めること
結論: 作成の前に決めるのは、アカウント名・何のアカウントか・遷移先の3つです。とくにアカウント名は、後から変えると検索での見つかりやすさが一度リセットされます。
ここが本題です。
名前は変えない前提で決める
アカウント名には、表示名とユーザー名の2つがあります。表示名は自由に変えられますが、ユーザー名は変更が制限されており、変えると影響が残ります。
ブランド名をそのまま入れるのが基本です。動画を見た人が社名やブランド名で検索したときに、見つからないアカウントでは指名検索に繋がりません。
同じ名前が既に使われている場合、記号や地域名を足します。ただし、複雑になりすぎると覚えられません。読んで一度で入力できる範囲に収めます。
「後で変えればいい」と思われがちですが、変更には制限があり、変えた直後は検索での表示にも影響します。最初に決めるほうが安全です。
何のアカウントかを1行で決める
何を発信するアカウントかを、1行で言えるようにします。
商品の使い方を伝えるのか、店の雰囲気を見せるのか、社員の日常を出すのか。ここが曖昧なまま始めると、投稿の内容が毎回ぶれます。
内容がぶれると、おすすめ表示の精度も下がります。システムが、誰に配信すればよいアカウントかを判断できなくなるためです。
決めた1行は、プロフィールにそのまま置きます。
遷移先を先に決める
動画を見た人をどこへ送るのか。自社サイト、TikTok Shop、公式LINE、予約ページ。
ここが決まっていないアカウントは、動画が伸びたときに受け皿がありません。開設の時点で、少なくとも1つは用意します。
会社のトップページを設定するのは避けます。そこから商品にたどり着けずに離脱するためです。商品ページか、専用のページを用意します。
作成の手順
結論: 作成そのものは10分で終わります。電話番号かメールアドレスで登録し、ビジネスアカウントへ切り替え、プロフィールを埋める。この順番で進めます。
具体的な手順を示します。
登録の方法
- アプリをインストールし、登録画面を開く
- 電話番号かメールアドレスで登録する
- 生年月日を入力する
- ユーザー名を設定する
- プロフィールを埋める
法人で運用する場合、登録には会社のメールアドレスを使います。担当者個人の電話番号やメールで作ると、退職時に引き継げなくなります。
実際に、担当者の個人アカウントで運用していて、退職時にフォロワーごと失った事例があります。この失敗は取り返しがつきません。
複数人で管理する場合を考えて、共有できるメールアドレスを使うのが基本です。
ビジネスアカウントへの切り替え・生年月日と地域の設定
登録後、設定画面からビジネスアカウントへ切り替えます。
無料で切り替えられ、いつでも戻せます。切り替えると分析画面が使えるようになり、広告の配信も可能になります。
法人で運用するなら、開設と同時に切り替えて構いません。後回しにすると、初期のデータが取れないままになります。
生年月日は、実際の担当者ではなくアカウントの登録情報として扱われます。ここが実態と違っていると、収益化の申請などで問題になることがあります。
地域の設定も確認します。実際の所在地と違う設定になっていると、配信される相手がずれることがあります。

ビジネスアカウントと個人アカウントの違い
結論: ビジネスアカウントでは分析画面と広告配信が使えますが、使える音源が商用利用可能なものに限られます。企業として運用するなら、この制約を受け入れて切り替えます。
違いを整理します。
使える機能の差と、音源の制約
| 項目 | 個人アカウント | ビジネスアカウント |
|---|---|---|
| 分析画面 | 一部のみ | 詳細に見られる |
| 広告の配信 | できない | できる |
| プロフィールのリンク | 条件あり | 設置できる |
| 使える音源 | 一般の楽曲を含む | 商用利用可能なものに限られる |
| 問い合わせボタン | なし | 設置できる |
| 予約投稿 | 制限あり | 使える |
最も影響が大きいのが、音源の制約です。ビジネスアカウントでは、流行している一般の楽曲が使えないことがあります。
TikTokが用意している商用音源のライブラリから選ぶ形になります。曲数は多いものの、いま流行している曲が含まれないことがある。
この制約を嫌って個人アカウントのまま運用する企業もありますが、著作権の観点では危険が伴います。企業活動として使う以上、商用利用可能な音源を選ぶのが筋です。
開設と同時に切り替えるのが基本です。
すでに個人アカウントで運用している場合も、切り替えは可能です。フォロワーや過去の投稿は引き継がれます。ただし、過去の投稿に使った音源が商用利用の対象外だと、その動画が非公開になることがあります。
切り替える前に、使用した音源を確認しておきます。
プロフィールの作り方
結論: プロフィールに書くのは、何をしている会社か・誰のための商品か・次にどこへ行けばいいかの3つです。動画を見て気になった人が最初に見る場所なので、ここが空だとフォローされません。
短い文字数で伝えます。
3つの要素
1行目に、何をしている会社かを書きます。業種と扱う商品が分かる形です。
2行目に、誰のためかを書きます。「30代からの肌悩みに」「一人暮らしのごはん」といった形で、読んだ人が自分ごとにできる文にします。
3行目に、次の行動を書きます。リンクの説明です。「商品はこちら」「予約はプロフィールのリンクから」。
アイコンと表示名・リンクの設定
アイコンは、小さくても判別できるものにします。細かいロゴは、スマートフォンの画面では潰れます。
表示名には、検索されやすい言葉を含めます。ブランド名だけでなく、「◯◯(革製品のブランド)」のように補足を入れると、検索で見つかりやすくなります。
プロフィールに設置できるリンクは、基本的に1つです。複数を並べたい場合は、リンクをまとめるページを使う方法もあります。
ただし、選択肢が増えるほどタップ率は下がります。1つに絞るほうが、多くの場合で結果は良くなります。
最初にやる設定
結論: 開設直後に確認するのは、コメントの管理・ダウンロードの可否・年齢設定の3つです。とくにコメントの設定は、公開後のトラブルを防ぐために先に決めておきます。
見落とされやすい設定を挙げます。
コメントの管理と、保存を許すかどうか
コメントを許可するか、特定の語を含むコメントを自動で非表示にするか。設定画面で決められます。
企業アカウントでは、フィルターに商品名の誤用や、競合の名前を入れておくと管理が楽になります。
コメントを完全に閉じるのは避けます。コメント数はおすすめ表示の判断材料の1つであり、閉じると伸びにくくなります。
自分の動画を、他の人が保存できるようにするかを決めます。
保存されることは、多くの場合で有利に働きます。シェアの経路が増えるためです。ただし、無断で他のアカウントに転載されるリスクもあります。
商品の紹介動画なら、保存を許可しておくほうが広がりやすい。
登録した生年月日と地域が、実態と合っているかを確認します。
ここがずれていると、配信される相手が意図と違ってきます。後から変更できない項目もあるため、開設時に正しく設定します。
開設直後にやること
結論: 開設したら、投稿を始める前にプロフィールを完成させ、最初の3本を用意します。空のアカウントに人が来ても、フォローには繋がりません。
最初の2週間の動き方です。
投稿を3本ためてから始める・最初の1か月は正解探し
1本目を投稿する前に、3本用意しておきます。
最初の動画で興味を持った人がプロフィールを見に来たとき、動画が1本しかないと判断材料になりません。3本あれば、どんなアカウントかが伝わります。
開設直後の再生数は、ほとんど伸びません。これは普通のことです。
この期間は、型を探す時間と割り切ります。競合や人気アカウントを20件ほど見て、伸びている動画の型を3つ抜き出し、そのまま試します。
数字に一喜一憂せず、本数を出すことに集中します。週3本なら、開設から30日で12本。ここから傾向が見え始めます。
揃えておく道具と時間
開設に費用はかかりませんが、続けるための準備は要ります。
必要なのは、三脚・照明・外部マイクの3点です。合計2万円ほどで揃います。高いカメラは要りません。TikTokは縦型でスマートフォンから見られるため、画質の差が伝わりにくいためです。
人の時間は、担当者1人で週に10時間ほど見ておきます。撮影に4時間、編集に4時間、投稿と数字の確認に2時間。この時間が確保できるかが、内製で回せるかの分かれ目になります。
確保できない場合は、編集だけを外に出す形があります。月8万円から15万円で、月16本前後の編集を任せられます。開設の段階で体制まで決めておくと、3か月目に止まる事態を避けられます。
やってはいけないこと
開設直後にフォロワーを購入するのは避けてください。
購入したフォロワーは動画を見ないため、反応率が下がります。開設したばかりのアカウントで反応率が低いと、その後の配信が伸びにくくなります。
相互フォローで数を増やす方法も同じです。届く相手の属性がずれていきます。
最初の10本は、数字が出なくても型を変えずに出し切ります。
複数アカウントの扱い
結論: ブランドが複数ある場合、視聴者層が重なるかどうかで分けるかを判断します。同じ層に向けたブランドなら、1つにまとめたほうが本数が集まり、伸びやすくなります。
分けるかどうかの判断です。
分けるかどうかの基準・切り替えの方法
顧客層が同じなら、まとめます。動画の本数が集まり、初速も安定します。
顧客層が違うなら分けます。10代向けと50代向けの動画が同じアカウントから出ると、おすすめ表示の精度が下がり、どちらにも届きにくくなります。
ただし、分けた分だけ運用の手間は倍になります。担当者が1人なら、まとめる判断のほうが現実的です。
もう1つの判断材料が、投稿の本数です。2つに分けると、1アカウントあたりの本数が半分になります。週3本を2つに分けると、それぞれ週1〜2本。この本数では、どちらのアカウントも当たる型が見つかりません。
分けるなら、それぞれで週3本を出せる体制が前提になります。フォロワー1,000人を超えるとライブ配信も使えるようになりますが、その水準に達するのも本数次第です。
同じアプリ内で、複数のアカウントを登録して切り替えられます。ただし、切り替えられる数には上限があります。
投稿の際に、アカウントを間違えないよう注意が要ります。実際に、社長の個人アカウントで会社の動画を出してしまった事例もあります。
つまずきやすい点
結論: つまずくのは、個人の情報で作ってしまう場合と、名前を後から変える場合です。どちらも開設の時点で防げます。
繰り返し起きるものを挙げます。
担当者個人の情報で作る・名前を後から変える
個人の携帯番号やメールアドレスで作ると、その担当者が退職したときに引き継げません。
登録情報を変更できる場合もありますが、認証の段階で本人確認が求められることがあります。会社の共有メールアドレスで作るのが基本です。
ユーザー名の変更には制限があり、変えると検索での見つかりやすさに影響が出ます。
すでに一定のフォロワーがいる状態で名前を変えると、以前の名前で探していた人が見つけられなくなります。変えるなら、投稿で告知してからにします。
動画が伸びても、プロフィールが空だとフォローされません。
投稿を始める前に、3行のプロフィールとアイコン、リンクを設定しておきます。作業としては15分です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、アカウントの設計から開設、初期の運用までを支援しています。開設の作業は短時間で終わりますが、その前の設計に時間をかけます。
宿泊|名前の設計に1週間かけた
旅館から届いた相談です。すでに同名の施設が他県にあり、そのままの名前では区別がつかない状況でした。
検討したのは、地域名を入れるか、旅館の特徴を入れるかです。検索されたときにどう表示されるかを、いくつかの案で比べました。
最終的に、地域名を入れる形に決めています。この地域で温泉を探している人が検索したときに、見つかりやすくなるためです。
開設は10分で終わりましたが、名前を決めるまでに1週間かけています。後から変えられない部分だからです。
医薬品|表現の確認体制を作ってから開設した
相談をくださったのは一般用医薬品を扱う会社です。表現の制約が厳しく、社内でも慎重な意見がありました。
開設の前に、使える表現と使えない表現の一覧を作りました。あわせて、公開前に薬事の担当者が確認する工程を決めています。
この準備に3週間かけました。開設後は、迷わず投稿できる状態になっています。
担当者から「先に線を引いたから、社内の反対もなくなった」と言われました。制約の強い商材ほど、開設前の準備が動きやすさを決めます。

よくある質問
Q. アカウントは誰の名義で作ればいいですか?
A. 会社の共有メールアドレスで作ってください。担当者個人の携帯番号やメールで作ると、退職時に引き継げなくなります。実際にフォロワーごと失った事例があります。
Q. ビジネスアカウントに切り替えるべきですか?
A. 法人で運用するなら切り替えてください。分析画面と広告配信が使えるようになります。ただし、使える音源が商用利用可能なものに限られるため、流行の楽曲が使えないことがあります。
Q. アカウント名は後から変えられますか?
A. ユーザー名の変更には制限があり、変えると検索での見つかりやすさに影響が出ます。フォロワーがいる状態で変えると、以前の名前で探していた人が見つけられなくなります。最初に決めておくほうが安全です。
Q. 開設したらすぐ投稿すべきですか?
A. 投稿を3本用意してから始めてください。最初の動画で興味を持った人がプロフィールを見たとき、動画が1本しかないと判断材料になりません。プロフィールとリンクも先に設定します。
Q. ブランドごとにアカウントを分けるべきですか?
A. 顧客層が重なるならまとめてください。動画の本数が集まり、初速が安定します。10代向けと50代向けのように層が違う場合は分けます。ただし、運用の手間は倍になります。
Q. 開設直後にフォロワーを買うのはどうですか?
A. 避けてください。購入したフォロワーは動画を見ないため反応率が下がり、開設直後のアカウントではその後の配信が伸びにくくなります。
まとめ
アカウント作成について、要点を整理します。
- 作業は10分。時間をかけるのは、その前の設計
- 決めるのは、名前・何のアカウントか・遷移先の3つ
- 登録は会社の共有メールアドレスで。個人の情報で作らない
- ビジネスアカウントに切り替える。音源の制約は受け入れる
- プロフィールは3行。何をしている会社か、誰のためか、次にどこへ
- 投稿を3本ためてから始める
補足すると、開設を急ぐ必要はありません。
「まず始めてみましょう」と背中を押されることが多いと思いますが、名前と遷移先は後から直しにくい部分です。1週間かけて決めても、遅すぎることはありません。
逆に、決まらないまま何か月も止まっているなら、それは決めきれない理由が別にあります。誰に何を届けるかが定まっていない場合が多いので、そこから整理してみてください。
初期設定を終えたあと、投稿が続かずに止まるアカウントは多いです。続ける体制を先に決めたいなら、運用を任せた場合の費用の目安もあわせて見ておくといいです。
solezoreでは、アカウントの設計から開設、初期の運用までを支援しています。名前や遷移先の整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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