

「3回申請して3回とも差し戻された」「通知に書かれている理由が短すぎて、何を直せばいいのか分からない」――審査についてのご相談で最も多いのが、この2つです。
結論からお伝えすると、差し戻しの原因は書類の不備・情報の不一致・商材の適合性の3つに収まります。前の2つは数十分で直せますが、3つめだけは書類を直しても通りません。
solezoreでは、差し戻しを受けたらまず登記事項証明書を印刷して、画面と一字ずつ照合することをおすすめしています。地味な作業ですが、原因の大半はここで見つかります。商号の略記、旧姓、丁目の表記。この程度のずれで審査は止まります。
この記事では、審査の種類から、事業者審査と商品審査それぞれの原因、通知の読み方、再申請の進め方、商材ごとの注意点、落ち続けるときの判断、通過後も続く審査までを解説します。
TikTokショップの審査|2種類ある
結論: 審査には、事業者としての審査と、商品ごとの審査があります。混同すると、直すべき場所を間違えます。
まず、どちらで止まっているのかを特定します。
事業者審査と商品審査、どちらで止まっているか
ショップを開設するときの審査です。事業者情報、本人確認書類、口座情報が対象になります。
ここで止まっている場合、そもそもショップが開けません。原因は書類か情報の不一致であることが大半です。
商品を登録したときに行われる審査です。商品名、説明文、画像、カテゴリが対象になります。
ショップは開設できているのに商品が公開されない場合は、こちらです。化粧品や食品では、表現が理由で止まることが多くなります。
管理画面で状態を確認します。ショップ自体の状態と、商品ごとの状態が別に表示されます。
商品の一覧に審査中や却下と出ていれば商品審査、ショップの申請自体が保留や却下なら事業者審査です。
| 審査の種類 | 対象 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 事業者審査 | 事業者情報、書類、口座 | 情報の不一致、書類の不備 |
| 商品審査 | 商品名、説明文、画像 | 表現の抵触、カテゴリの誤り |
事業者審査が通らない原因
結論: 原因の大半は、入力した情報と提出書類の不一致です。記憶で入力すると、必ずどこかがずれます。
もっとも件数の多い差し戻しです。
情報の不一致
チェックする項目は5つです。
- 商号:株式会社の位置、略記の有無((株)と書いていないか)
- 本店所在地:丁目と番地の表記、ビル名の有無
- 代表者名:旧姓、外字、ミドルネーム
- 設立年月日:登記の記載と1日ずれていないか
- 口座の名義:カナ表記まで一致しているか
このうち、見落とされやすいのが2番目です。1丁目2番3号と1-2-3では、書類と一致しません。登記の表記どおりに入力します。
書類の物理的な不備
撮影やスキャンの問題です。
- 四隅が切れている
- 光が反射して文字が読めない
- 影で暗くなっている
- 有効期限が切れている(登記事項証明書は3か月以内を求められることが多い)
これらは撮り直せば済みますが、差し戻しの往復で3〜7日を失います。明るい場所で、真上から、全体が入るように撮ります。スマートフォンの書類スキャン機能を使うと安定します。
登記事項証明書の取得には1〜3日かかります。期限切れで差し戻された場合、取り直しの時間も加わるため、合計で10日ほど遅れることになります。申請の前に発行日を確認しておきます。
事業実態の確認
自社サイトやSNSアカウントが薄いと、実在の事業者かどうかの判断がつきません。とくに個人事業主で起きやすい問題です。
会社概要、事業内容、連絡先、特定商取引法に基づく表記。この4つが揃ったページを用意しておけば足ります。凝ったサイトである必要はありません。
他のモールで販売している場合は、そのページも実態の証明になります。すでに数百件の取引実績があるなら、それを示せる状態にしておくと判断が早くなります。
口座に関する不備
法人として申請する場合、法人名義の口座が求められます。代表者個人の口座では差し戻されることがあります。
見落としやすいのがカナ表記です。登記の商号がカタカナを含む場合、口座のカナ表記と一致しているかを確認します。全角と半角の違いで弾かれることもあります。
屋号付きの口座を使う個人事業主も、名義の表記に注意します。開業届の屋号と口座の表記が違うと、確認に時間がかかります。

商品審査が通らない原因
結論: 商品が公開されない場合、表現かカテゴリに原因があります。化粧品と食品では、表現の抵触が圧倒的に多くなります。
ショップは開けたのに商品が並ばない、という状態です。
表現の抵触
効能に関する記述が制限される商材があります。化粧品、健康食品、医療機器に近い商品が該当します。
商品名、説明文、画像に入れた文字。このいずれかが引っかかると、商品ごと非公開になります。
対策は、使える表現と避ける表現の一覧を先に作ることです。他のモールで使っていた文言をそのまま持ち込むと、基準が違って止まることがあります。
一覧には、避ける表現とその言い換えを対にして書きます。使えない言い方だけを並べても、現場では何と書けばいいのか分かりません。20通りほどの言い換えがあれば、登録作業で迷いません。
支援先では、1件の差し戻しをきっかけに全商品の説明文を見直したところ、40点のうち12点に同じ表現が残っていました。1件出たら全部を確認するほうが、結局は速く済みます。
画像の文字、カテゴリ、そもそも扱えない商材
見落とされやすいのが画像です。説明文を直しても、画像に文字として同じ表現が残っていると止まります。
商品ページの画像を作るとき、文字入りの部分は別に管理しておきます。修正が必要になったとき、どの画像を差し替えるかがすぐ分かります。
実際の商品と違うカテゴリを選んでいると、審査で指摘されることがあります。
近いものではなく、競合が使っているカテゴリを確認します。同カテゴリの商品を検索すれば分かります。
そもそも扱えない商材があります。医薬品や、法令で通信販売が制限されているものです。
この場合、書類を直しても通りません。商材の一部を外して申請するか、販売以外の使い方を検討することになります。
差し戻しの通知の読み方
結論: 通知には理由が短く書かれています。抽象的な文言でも、対応する原因はおおむね決まっています。
通知の文面から原因を推測する方法です。
文言で、書類か情報か商材かが分かる
書類が不鮮明、有効期限、確認できないといった語が出ている場合は、物理的な不備です。撮り直して再提出します。
情報が一致しない、確認できない、といった文言なら、入力内容と書類のずれです。5項目を照合してください。
規約、ポリシー、禁止といった語が出ている場合は、商材そのものが対象です。この場合は書類の修正では通りません。
| 通知の傾向 | 疑うべき原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 書類が確認できない | 撮影の不備、期限切れ | 撮り直す、証明書を再取得する |
| 情報が一致しない | 入力と書類のずれ | 5項目を一字ずつ照合する |
| 規約に関する記載 | 商材の適合性 | 商材の見直し、一部を外す |
| 追加の書類が必要 | 許認可の未提出 | 該当の届出を取得する |
理由が分からない場合、管理画面から問い合わせができます。回答に時間はかかりますが、推測で修正を繰り返すより確実です。
問い合わせるときは、申請の日時と、通知に書かれていた文言をそのまま伝えます。何を直せばよいかを具体的に尋ねると、返答も具体的になります。
再申請の進め方
結論: 直した箇所を1つずつ潰してから出します。複数を推測で変えて再申請すると、何が原因だったのか分からないまま繰り返します。
差し戻された後の進め方です。
5つの手順と、再申請までに空ける時間
- 通知の文言を記録する
- 原因の候補を3つまで絞る
- 登記事項証明書を印刷し、画面と照合する
- 書類を撮り直す(必要な場合)
- 修正した箇所を記録してから再申請する
5番目の記録が重要です。何を直したかを残しておかないと、次に差し戻されたときの判断ができません。
すぐに再申請できることが多いのですが、慌てて出すと同じ理由で戻されます。
修正が終わってから、もう一度全項目を確認する時間を取ります。30分の確認で、数日の往復を防げます。
同じ理由で3回戻される場合、修正の方向が違っている可能性があります。
このときは、問い合わせて具体的な理由を聞くほうが速い。推測での修正を繰り返すと、時間だけが過ぎます。
商材ごとの注意点
結論: 許認可が要る商材では、事業者審査の前に届出を済ませておく必要があります。後から取得すると、その分だけ開設が遅れます。
商材によって、追加で求められるものがあります。
許認可が必要な商材・輸入品の場合
- 化粧品:製造販売業の許可、または責任の所在が明確な仕入れ体制
- 健康食品:表示に関する規制の順守
- 中古品:古物商の許可
- 酒類:通信販売酒類小売業免許
いずれも日本の法令上の要件です。他の販売チャネルで既に対応していれば、同じ書類が使えます。
海外から仕入れた商品では、国内の基準を満たしているかの確認が要ります。表示の言語、成分表記、電気製品の安全基準など。
仕入れ先から証明書を取り寄せられるかを、契約の段階で確認しておいてください。後から求められて用意できないと、出品できないまま在庫だけが残ります。
審査に落ち続けるとき
結論: 同じ理由で3回以上戻されるなら、書類の直し方ではなく前提を疑います。商材か、事業者情報のどちらかに構造的な問題があります。
繰り返し落ちる場合の判断です。
商材を分けて申請する・販売以外の使い方に切り替える
問題のあるカテゴリを除いて申請すると、通ることがあります。
全商品を一度に出そうとして止まっている事例は少なくありません。まず通る商材だけで開設し、後から段階的に増やす形が現実的です。
商材が禁止カテゴリに該当する場合、開設は諦める判断も必要です。
その場合でも、TikTokを認知の獲得に使う道はあります。プロフィールにリンクを置き、自社サイトや実店舗へ誘導する形です。高額商材や検討期間の長い商材では、この使い方のほうが成果につながることもあります。
別の法人で申請するという判断
グループ会社を持っている場合、扱う商材によって申請する法人を分ける選択もあります。
医薬品を扱う法人ではなく、雑貨を扱う別法人で申請する。実態として商材を扱っている法人であれば、この整理は問題ありません。
ただし、実態のない法人を用意して申請するのは避けてください。事業実態の確認で止まりますし、通ったとしても後から問題になります。
待つべきか、諦めるべきか
商材が禁止カテゴリに該当する場合、仕様が変わるのを待つという選択もあります。プラットフォームの方針は変更されることがあるためです。
ただし、いつ変わるかは分かりません。待つ間も他の販路は動かせるので、TikTokは認知の獲得に使いながら、販売は既存の経路で続ける形が現実的です。
待つ場合も、四半期に一度は要件を見直します。
待つ場合も、四半期に一度は要件を見直します。
通過後も続く審査
結論: 開設して終わりではありません。新商品を登録するたびに商品審査があり、運用中も表現の確認は続きます。
審査は一度きりではありません。
新商品ごとの審査・運用中の警告
商品を追加するたびに審査があります。1点目が通ったからといって、2点目が通るとは限りません。
表現の一覧を作っておくと、登録前に自分で確認できます。差し戻しの往復が減り、公開までの時間も短くなります。
動画やライブでの発言も対象になります。商品ページが通っていても、配信中の一言で警告を受けることがあります。
1件でも警告が出たら、過去の投稿と商品説明をまとめて見直してください。同じ表現が他に残っていれば、また同じことが起きます。
外部のクリエイターに依頼する場合も、表現の一覧を渡します。相手に法規制の知識を求めるのは無理があるためです。
警告が積み重なると、機能の制限や商品の削除につながることがあります。1件ごとの対応より、繰り返しを止める仕組みのほうが結果的に手間が少なくなります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは審査対応から書類の準備、表現の整理までを支援しています。詰まる場所は商材によって変わります。
医薬品を扱う会社|商材を分けて申請した
医薬品を主力とする事業者から届いた相談です。TikTokショップでの販売を検討していましたが、申請が通りません。
確認すると、取り扱いカテゴリに医薬品を含めて申請していました。この商材は通信販売の制限があり、書類を直しても通りません。
そこで、同社が扱っている雑貨と健康食品だけで申請し直しました。医薬品は対象から外しています。結果として、5営業日で承認されました。
現在は、雑貨を中心に動画を出し、医薬品については実店舗への来店を促す使い方をしています。すべてを1つの販路で売る必要はない、という整理に落ち着いた例です。
飲食|3回差し戻された後に相談をいただいた
店舗を持つ事業者で、自家製の加工品を販売したいというご相談をいただきました。すでに3回申請し、すべて差し戻されています。
書類を見せていただくと、原因は2つありました。登記事項証明書の発行が4か月前だったこと。そして、本店所在地の入力が実際の店舗住所になっていたことです。登記は別の住所でした。
証明書を取り直し、住所を登記どおりに直して再申請したところ、4営業日で承認されました。
差し戻しの通知は理由が簡潔にしか書かれないため、自力での特定が難しかったという事情もあります。書類を印刷して画面と並べる、という単純な作業で見つかる原因は多い。

よくある質問
Q. 審査にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 数営業日が目安です。書類に不備がなければ、4〜7営業日ほどで結果が出ることが多くなります。差し戻された場合は、修正して再申請するたびに同じ期間がかかります。
Q. 差し戻しの理由が分からない場合はどうすればいいですか?
A. まず登記事項証明書を印刷し、画面の入力欄と一字ずつ照合してください。商号、住所、代表者名、設立年月日、口座名義の5項目です。それでも分からない場合は、管理画面から問い合わせてください。
Q. ショップは開けたのに商品が公開されないのはなぜですか?
A. 商品審査で止まっています。化粧品や食品では、表現の抵触が原因であることが多くなります。商品名、説明文、画像に入れた文字を確認してください。カテゴリの誤りが理由の場合もあります。
Q. 再申請までにどれくらい間を空けるべきですか?
A. 制限はありませんが、修正が終わってから全項目をもう一度確認する時間を取ってください。30分の確認で、4〜7営業日の往復を1回減らせます。慌てて出すと、同じ理由で戻されます。
Q. 何回まで再申請できますか?
A. 回数の制限は明示されていませんが、同じ理由で3回以上戻されるなら修正の方向が違っている可能性があります。推測で直すのをやめ、問い合わせて具体的な理由を確認するほうが速く進みます。
Q. 一部の商材だけで申請できますか?
A. できます。問題のあるカテゴリを外して申請すると通ることがあり、開設後に段階的に増やす形が取れます。全商品を一度に出そうとして止まっている事例は少なくありません。
Q. 開設後も審査はありますか?
A. あります。新商品を登録するたびに商品審査が行われ、動画やライブでの発言も確認の対象です。使える表現の一覧を作っておくと、登録前に自分で確認できて往復が減ります。
まとめ
審査で止まる原因は、3つに絞って考えると特定が速くなります。この記事の要点です。
- 審査には事業者審査と商品審査がある。まずどちらかを特定する
- 事業者審査の原因は、情報の不一致と書類の物理的な不備
- 登記事項証明書を印刷し、5項目を一字ずつ照合する
- 商品審査では、表現の抵触とカテゴリの誤りが主な原因
- 3回以上戻されるなら、推測をやめて問い合わせる
- 開設後も新商品ごとに審査がある。表現の一覧を先に作っておく
補足すると、審査で苦労した事業者ほど、その後の運用が丁寧になる傾向があります。書類と情報を揃える過程で、自社の登記や表記が整理されるためです。差し戻しは面倒ですが、通った後の土台にはなっています。
TikTokショップ全体の設計や販売経路とあわせて考えたい場合は、ピラー記事もご覧ください。
審査を通したあと、運用が止まってしまう例が少なくありません。開設のあとを見据えるなら、ショップ運用を任せる場合の費用と業者の選び方も同時に見ておくと、体制を先に決められます。
solezoreでは、審査対応から書類の準備、表現の整理までを支援しています。差し戻しが続いている段階でも構いませんので、現状をお聞かせください。
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