

「見積もりが月5万円のところと月35万円のところがあって、何が違うのか分かりません」「前に頼んだ会社は投稿するだけで、数字が動かないまま1年が過ぎました」――運用代行のご相談は、この2つから始まることが多くあります。
結論からお伝えすると、金額の差はほぼ投稿の本数と撮影の有無で説明がつきます。月5万円の見積もりが安いのではなく、含まれる範囲が違うだけです。
solezoreでは、見積もりを比べるときに投稿1本あたりの単価へ割り戻すことをおすすめしています。定食の値段を比べるとき、品数を数えずに総額だけ見ても判断できないのと同じです。
この記事では、運用代行で任せられる業務の範囲、費用相場の内訳、代行会社の3つのタイプ、契約前に確認する項目、外注しても社内に残る仕事までを、実際に代行している立場から解説します。
Instagram運用代行とは何を任せる契約か
結論: 運用代行は、企画から投稿・分析までを継続して任せる契約です。投稿を代わりに行うだけの契約とは範囲が違うため、契約書のどこまでが含まれるかを最初に確認します。
任せられる範囲を分解します。
業務は6つに分かれる
運用代行に含まれる業務は、おおむね次の6つです。
- 企画:誰に何を伝えるかを決め、月の投稿内容を組む
- 撮影:動画と写真の素材を作る(別料金の会社が多い)
- 編集:素材を投稿できる形に仕上げる
- 投稿:キャプションとハッシュタグを付けて公開する
- 反応対応:コメントとダイレクトメッセージへの返信
- 分析:数字を見て次の月の方針を決める
この6つのうち、どれが含まれるかで金額が変わります。安い見積もりは、多くの場合で4番だけ、あるいは3番と4番だけです。
投稿代行との違い・コンサルティングとの違い
投稿代行は、素材を渡して公開してもらう契約です。何を作るかは自社で決めます。
一方、運用代行は何を作るかから任せます。この違いは大きく、企画が含まれない契約では、自社で考える負担が消えません。
見積もりを見るときは、企画と分析が入っているかを確認します。この2つがない場合、数字が動かなくても改善の提案は出てきません。
コンサルティングは、助言を受けて自社で実行する形です。実作業は社内に残ります。
社内に手を動かせる人がいて、方針だけ欲しい場合はコンサルティング、手も足りない場合は運用代行。この分岐で選びます。
両方を混ぜた契約もありますが、その場合はどこまでが実作業かを書面で分けておきます。
費用相場|月15万〜30万円の内訳
結論: 相場の中心は月15万〜30万円です。差は投稿の本数と撮影の有無で決まります。投稿1本あたりに割り戻すと、多くの会社が1万〜2万5,000円の範囲に収まります。
費用帯ごとに中身を見ます。
費用帯ごとに含まれるもの・撮影費が別になる理由
| 月額 | 投稿本数の目安 | 含まれる業務 | 撮影 |
|---|---|---|---|
| 5万〜10万円 | 月4〜8本 | 投稿・簡単な編集 | なし |
| 15万〜25万円 | 月12〜16本 | 企画・編集・投稿・分析 | 別途 |
| 25万〜40万円 | 月16〜20本 | 上記に撮影を追加 | 月1回 |
| 40万円以上 | 月20本以上 | 広告運用・ライブ配信も含む | 月2回 |
この表は、solezoreに相談が来た案件で提示されていた他社見積もりを整理したものです。会社によって区切りは違いますが、傾向は共通しています。
撮影は、移動と拘束時間が発生するため、他の業務と性質が違います。カメラマンとディレクターが半日拘束されると、それだけで人件費が積み上がります。
撮影を含む契約では、月1回の撮影日を設定し、そこで20〜30本分の素材をまとめて撮る形が一般的です。1本ずつ撮ると、費用が跳ね上がります。
自社で撮影できる体制があるなら、撮影を外す選択肢もあります。スマートフォンで撮った素材でも、編集で見られる形になります。
初期費用がかかる場合・契約期間の縛り
契約時に、初期費用として10万〜30万円を請求する会社があります。内訳は、アカウントの設計、競合の調査、投稿の型づくりです。
この作業は実際に手間がかかるため、請求されること自体は不自然ではありません。ただ、何をするのか明細を出してもらいます。
初期費用がない会社は、その分を月額に含めているか、設計を省いています。どちらなのかは、初月に何をするかを聞けば分かります。
多くの会社が、最低契約期間を6か月に設定しています。Instagramは数字が動くまで時間がかかるため、短期で判断されると成果を出せないという理由です。
この理由自体は妥当です。ただ、3か月目で明らかに機能していない場合の扱いは、契約前に決めておきます。

代行会社の3タイプと向き不向き
結論: 代行会社は、制作に強い会社・運用に強い会社・広告に強い会社の3つに分かれます。自社の課題がどこにあるかで、選ぶタイプが変わります。
タイプごとの特徴を整理します。
制作に強い会社
映像制作会社が母体で、動画の質が高いタイプです。撮影機材とスタッフを自社で持っています。
向いているのは、ブランドの世界観を作りたい場合や、商品の見せ方に力を入れたい場合です。展示会や広告にも使える素材が残ります。
一方、数字を見る文化が薄い会社もあります。きれいな動画は作れるが、再生数が伸びない場合、原因の分析まで期待できないことがあります。
運用に強い会社
自社でアカウントを運営している、あるいは多数のアカウントを代行しているタイプです。
向いているのは、まず数字を動かしたい場合です。伸びる型を持っているため、立ち上がりが早くなります。
制作の質は、制作会社に比べると劣る場合があります。ただ、Instagramでは作り込んだ映像より、内容が伝わる映像のほうが結果につながることが多いため、実務上の問題は起きにくい傾向があります。
広告に強い会社・自社の課題から選ぶ
広告代理店が母体で、配信の設計と予算管理に強いタイプです。
向いているのは、すでに売れる商品があり、届く量を増やしたい場合です。広告費を含めた設計ができます。
ただ、オーガニックの投稿は手薄になりがちです。広告を止めると流入も止まるため、資産が残らない形になることがあります。
| 自社の状況 | 向くタイプ |
|---|---|
| 素材がなく、見せ方も決まっていない | 制作に強い会社 |
| 投稿はしているが数字が動かない | 運用に強い会社 |
| 売れる商品があり、量を増やしたい | 広告に強い会社 |
| どこから手をつけるか分からない | 運用に強い会社(設計から入る) |
複数の領域を扱う会社もあります。その場合は、どの領域が本業かを聞くと実力が分かります。
依頼できる業務の範囲
結論: 運用代行に含めやすいのは、企画・編集・投稿・分析です。撮影と広告運用は別料金になることが多く、コメント対応は含まれるかどうかが会社によって分かれます。
範囲の考え方です。
含まれることが多い業務・別料金になりやすい業務
企画、編集、投稿、月次の報告。この4つは、ほぼどの会社でも標準に含まれます。
月次の報告は、数字の一覧だけでなく、次の月に何をするかまで書かれているかを確認します。数字を並べただけの報告書では、判断の材料になりません。
撮影、広告運用、ライブ配信、インフルエンサーの手配。この4つは別料金が一般的です。
いずれも人が動く業務のため、月額に含めると価格が上がります。必要になった時点で追加する形にしておくほうが、無駄が出ません。
分かれるのがコメント対応
コメントとダイレクトメッセージへの返信は、会社によって扱いが違います。
含まれる場合でも、返信できる範囲には制約があります。商品の在庫、価格の交渉、クレーム。これらは自社でないと答えられません。
solezoreでは、定型の質問は代行側で返し、判断が要るものは社内に回す形にしています。この線引きを最初に決めておくと、放置されるコメントが出ません。
契約前に確認する6項目
結論: 確認するのは、実績のジャンル・担当者の体制・素材の権利・アカウントの名義・報告の頻度・解約の条件の6つです。この6つを書面に残せば、契約後の揉め事はほぼ防げます。
順に見ます。
実績は同じジャンルか・誰が担当するか
見せてもらう実績は、業種が近いものを求めます。飲食店で伸ばした実績があっても、医療の規制は別の話です。
あわせて、その実績が現在も続いているかを確認します。過去に一時期だけ伸びたアカウントより、2年続いているアカウントのほうが参考になります。
営業と実務の担当者が違うことは普通です。問題は、実務の担当者が何アカウントを兼任しているかです。
1人で10アカウント以上を持っている場合、こちらに割ける時間は限られます。契約前に、担当者と一度話す機会を作ってもらいます。
素材の権利はどちらにあるか・アカウントは自社名義か
制作した動画と写真を、契約終了後も使えるか。原本のデータをもらえるか。この2点を書面で確認します。
決めていないと、契約が切れた瞬間に何も残りません。1年分の素材を作ったのに、使えなくなった事例が実際にあります。
代行会社にアカウントを作らせないでください。自社名義で開設し、代行会社には権限を付与します。
この形にしておけば、契約が終わってもフォロワーと投稿はそのまま残ります。逆にすると、引き渡しの交渉から始まります。
報告はいつ、何を出すか・解約の条件
月1回の報告に何が含まれるかを確認します。数字の一覧、伸びた投稿の分析、次の月の計画。この3つが揃っていれば十分です。
あわせて、報告が対面か書面かも決めます。書面だけの場合、疑問を投げる機会がなくなります。
最低契約期間、解約の申し出はいつまでか、途中解約に違約金があるか。この3つを確認します。
6か月の縛りがある場合、3か月目で機能していないと分かったときにどうするかを、あらかじめ話しておきます。
外注しても社内に残る仕事
結論: 運用を外注しても、社内に月3〜5時間の作業が残ります。この時間を確保できない状態で外注すると、当たり障りのない投稿だけが並ぶことになります。
残る仕事を挙げます。
社内にしか持てない3つの役割
新商品の情報、キャンペーンの予定、在庫の状況。これらは社内にしかない情報です。
代行会社は、渡されない情報については投稿できません。結果として、どこにでもある一般的な内容になります。
月1回、30分程度の打ち合わせを設定し、そこで来月の情報を渡す形にしておくと安定します。
投稿前の確認は、社内で行います。とくに、価格・成分・効能に関わる表現は、代行会社では判断できません。
化粧品、食品、医薬品、医療。表現の制約がある業種では、確認の工程を省けません。
確認に時間がかかると投稿が止まるため、返答の期限を決めておきます。2営業日以内、といった形です。
撮影を外注する場合でも、場所の確保、商品の準備、出演者の手配は社内で行います。
とくに人が出る動画では、社内の協力が要ります。誰が出るかを決めておかないと、撮影日に人が集まりません。
失敗するパターンと避け方
結論: 失敗の多くは、安さで選んだ場合と、任せきりにした場合に起きます。どちらも契約前に範囲と役割を決めておけば避けられます。
繰り返し見るものを挙げます。
安さで選んで投稿代行になった・任せきりで放置した
月5万円の契約で、企画も分析も含まれていなかった。素材は自社で用意し、投稿だけ代わりにしてもらう形です。
この契約自体は問題ありませんが、数字が動かない理由を分析する人がいません。半年経っても、何が悪いのか分からないまま続きます。
避けるには、見積もりの明細で企画と分析の有無を確認します。
契約後、社内の担当者が一切関わらなくなった。代行会社からの質問にも返答がない状態です。
この場合、代行会社は当たり障りのない投稿を続けるしかありません。自社の強みも新商品の情報も入らないためです。
避けるには、月1回の打ち合わせを固定します。
3か月で解約した・複数社に同時に頼んだ
数字が動かないという理由で、3か月で解約する。Instagramでは、型が固まるのに3か月かかるため、判断としては早すぎます。
ただし、投稿すら計画どおりに出ていない場合は別です。約束した本数が出ているかは、1か月目から確認します。
投稿は制作会社、広告は代理店、というように分けた結果、方針が揃わなくなった。
分けること自体は可能ですが、その場合は自社が方針を決める役割を担います。この役割を誰も担わないと、ばらばらの発信になります。
契約から成果までの流れ
結論: 契約してすぐ投稿が始まるわけではありません。設計に2〜4週間、投稿の開始が1か月目の後半、型が固まるのが3か月目。この流れを共有しておくと、途中で不安になりません。
時期ごとに見ます。
1か月目|設計と型づくり
最初に行うのは、届ける相手の設定、競合アカウントの調査、投稿の型づくりです。ここに2〜4週間かかります。
この期間に投稿が出ないと不安になる方が多いのですが、設計を飛ばして投稿を始めると、あとで全部作り直しになります。
あわせて、プロフィールとハイライトの整備もこの月に行います。投稿が届いても、プロフィールが整っていなければ止まるためです。
2〜6か月目|本数を出して、型を絞る
型が決まったら、同じ型で本数を出します。8本ほど溜まった時点で、平均で判断します。
この時期は、数字が跳ねなくても問題ありません。見るのは、どの型の反応がよいかという相対の比較です。
3か月目の終わりに、型を1つか2つに絞ります。ここまでが立ち上げの期間です。
絞った型で本数を出すと、再生数の平均が上がってきます。あわせて、プロフィールへの遷移が増えます。
この段階で、外部リンクのクリック数と、実際の問い合わせを照らし合わせます。届いているのに問い合わせが増えない場合は、リンク先の側に原因があります。
半年を過ぎたあたりから、広告やライブ配信といった打ち手を足す判断ができるようになります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、運用代行の契約でも最初の1か月を設計に使います。ここでは2つの業種で、引き継いだあとに何を変えたかを紹介します。
美容|前の会社から引き継いで型を作り直した
サロンを5店舗運営する企業からのご相談です。1年間、別の会社に月18万円で依頼していましたが、フォロワーは3か月で200人ほどしか増えていませんでした。
投稿を確認すると、施術後の写真が毎回同じ構図で並んでいました。素材としては悪くないのですが、知らない人が見て何の投稿か分からない状態です。
引き継ぎ後、最初の1か月は投稿本数を減らし、型づくりに使いました。悩みから入り、施術の様子を見せ、料金と予約方法で締める。この順番を固定しています。
3か月目からリールの再生数が伸び始め、6か月目には予約の問い合わせがInstagram経由で入るようになりました。作業量を増やしたわけではなく、順番を変えただけです。
食品|撮影を外して月額を下げた
菓子メーカーからのご相談で、月35万円の契約が負担になっていました。
内訳を見ると、月2回の撮影が費用の半分を占めていました。ただ、工場と店舗には毎日商品があり、社内で撮れる環境が揃っています。
撮影を社内に戻し、企画・編集・投稿・分析だけを任せる形へ変更しました。撮り方は最初の2回だけ同行して指導しています。
月額は18万円まで下がり、投稿の本数はむしろ増えました。現場が撮るようになったことで、その日の焼き上がりのような素材が入るようになったためです。担当者から「うちで撮ったほうがおいしそうに見える」と言われたのが印象に残っています。

よくある質問
Q. Instagram運用代行の費用相場はいくらですか?
A. 月15万〜30万円が中心です。素材を自社で用意して投稿だけを頼む形なら月5万〜10万円、撮影を含めて任せる形なら月25万〜40万円になります。投稿1本あたりに割り戻すと、多くの会社が1万〜2万5,000円の範囲に収まります。
Q. 安い会社に頼むと失敗しますか?
A. 金額そのものより、含まれる範囲が問題です。月5万円の見積もりは投稿代行だけであることが多く、企画と分析が入っていません。この場合、数字が動かない理由を分析する人がいない状態になります。見積もりの明細で範囲を確認してください。
Q. 契約してからどのくらいで成果が出ますか?
A. 型が固まるまで3か月、数字が動き始めるまで6か月が目安です。ただし、投稿が約束した本数出ているかは1か月目から確認できます。本数すら出ていない場合は、成果を待つ前に指摘してください。
Q. 外注すれば社内の作業はゼロになりますか?
A. なりません。月3〜5時間は残ります。新商品の情報を渡す、投稿前の確認をする、撮影の場所と商品を準備する。この3つは社内でないとできません。ここを誰も担当しないと、当たり障りのない投稿が並ぶことになります。
Q. アカウントは代行会社に作ってもらってよいですか?
A. 自社名義で開設してください。代行会社には権限を付与する形にします。この形なら契約が終わってもフォロワーと投稿は残ります。代行会社の名義で作ると、引き渡しの交渉から始めることになります。
Q. 契約期間の縛りは受け入れるべきですか?
A. 6か月程度の縛りは妥当です。Instagramは数字が動くまで時間がかかるため、短期では成果を出せません。ただし、3か月目で明らかに機能していない場合にどうするかは、契約前に話しておいてください。
まとめ
Instagram運用代行について、要点を整理します。
- 業務は企画・撮影・編集・投稿・反応対応・分析の6つ。どれが含まれるかで金額が変わる
- 相場は月15万〜30万円。差は投稿本数と撮影の有無
- 会社は制作型・運用型・広告型の3タイプ。自社の課題で選ぶ
- 契約前に確認するのは、実績・担当者・素材の権利・アカウント名義・報告・解約の6項目
- 外注しても社内に月3〜5時間は残る
- 判断は6か月。ただし投稿本数は1か月目から確認する
補足すると、見積もりを比べるときは、金額を投稿本数で割ってみてください。
月30万円で20本なら1本1万5,000円、月15万円で6本なら1本2万5,000円です。総額だけを見ると前者が高く見えますが、単価では後者のほうが高くなります。
もう1つ、契約前の打ち合わせで、担当する人と直接話せるかを聞いてみてください。ここを断られる場合、実務が別の体制で回っている可能性があります。
solezoreでは、Instagramの運用代行を月15万円から承っています。他社からの引き継ぎも扱っていますので、いまの契約内容の整理からでも構いません。
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