

「LLMO対策をやろうと決まったが、担当者としては何から手をつければいいのか分からない」「記事を直せと言われても、200本のどれから触るのか判断できない」――こうしたご相談を、実際に手を動かす立場の担当者から続けていただいています。
結論からお伝えすると、LLMO対策で最初にやる作業は表示回数の多い記事20本を選び、見出し・結論・表・数値の4点を足すことです。全記事を直す必要はありませんし、新しい記事を書く必要もありません。
solezoreでは、LLMO対策は作業手順に落とせる仕事だと考えています。抽象的な方針のままでは着手できません。誰が・どの記事を・何分かけて・何を足すのかが決まって、初めて動き出します。
この記事では、記事1本の改修手順、20本を選ぶ基準、改修前のチェック項目、進捗の管理方法、成果の測り方までを、実際にEC・D2Cブランドの検索集客を支援している立場から解説します。
改修する記事の選び方|20本を決める基準
結論: 改修対象は表示回数の多い順に選びます。すでに検索結果に出ている記事を厚くするほうが、順位のない記事を直すより早く成果が出ます。
基準1|表示回数が多く、順位が中位のもの
Search Consoleで表示回数の多い順に並べ、平均掲載順位が5〜15位の記事を優先します。この帯は、既に候補には入っているのに引用されていない状態で、改修の余地が最も大きいためです。
順位が20位以降の記事は、AIが参照する候補にすら入っていない可能性が高く、記事の書き方より先にSEOの整備が必要になります。
基準2と3|購買に近く、見出しが少ないもの
同じ表示回数なら、「おすすめ」「比較」「費用」「選び方」を含むクエリで表示されている記事を先に選びます。引用されたときに問い合わせへ繋がりやすいためです。
「〜とは」系の基礎記事も引用はされやすいのですが、そこから問い合わせに至る距離は遠くなります。限られた時間を配るなら、購買に近い側が先です。
見出しが2〜3本しかない記事は、本文がどれだけ厚くても引用される面がありません。逆に言えば、見出しを切り直すだけで改善の余地が大きい記事です。
3つの基準を重ねると、対象はかなり絞れます。200本のサイトでも、20本を選ぶのに1時間はかかりません。
| 優先度 | 表示回数 | 順位 | テーマ |
|---|---|---|---|
| 最優先 | 多い | 5〜15位 | 購買に近い(比較・費用・選び方) |
| 次点 | 多い | 5〜15位 | 基礎(〜とは) |
| 後回し | 多い | 20位以降 | 全般(先にSEOの整備) |
| 対象外 | 少ない | — | 全般(改修より統合を検討) |
記事1本の改修手順|4つの作業
結論: 1本の改修は見出しの切り直し・結論の追加・表の作成・数値の補強の4作業です。合わせて2〜4時間が目安になります。
作業1|見出しを切り直す(30〜60分)
既存の見出しを見て、ひとつの見出しの下に複数の論点が入っていないかを確認します。入っていれば、論点ごとに見出しを分けます。
このとき、抽象的な見出しは具体的な表現に変えます。「注意点」ではなく「解約後のデータ保持期間」のように、読者が迷っている一点に1対1で当てます。
目安はクラスター記事で16本以上、ピラー記事で24本以上。本文を増やさなくても、切り直すだけで本数は増えます。
つまずきやすいのが、見出しを疑問形にしてしまうことです。判定に関わるのは見出しとサブクエリの意味の一致であって、疑問符の有無ではありません。本文の見出しは名詞句のままにしてください。
作業2〜3|結論を足し、表を作る(60〜90分)
各見出しの直下に、60〜120文字の結論を置きます。そこだけを切り出して読んでも意味が通る形にします。指示語で前の段落を受けないことも合わせて確認します。
表は、比較・要件の一覧・金額の水準を扱っているセクションに置きます。既に箇条書きで書かれている内容を表に組み直すだけで済むことも多く、思ったより時間はかかりません。
作業4|数値を補強する(30分)
「改善します」「効果があります」といった定性的な表現を、数値に置き換えられないか確認します。期間・金額・回数・割合のいずれかで書けることが多いはずです。
プリンストン大学とAllen Institute for AI の検証では、統計の追加により生成AIでの可視性が25.9%向上したと報告されています。数値は引用の材料そのものになります。
改修の前後で何が変わるか
作業のイメージを掴んでいただくために、よくある改修の前後を並べます。
改修前は、見出しが「対策のポイント」となっていて、その下に3つの論点が地の文で続いている状態です。文章としては読めますが、AIから見ると、どの質問に答えている部分なのかが分かりません。
改修後は、論点ごとに「導入前に決めておく項目」「運用開始後にかかる工数」「解約するときの手続き」と見出しを分け、それぞれの直下に結論を1文置きます。本文の中身はほとんど変えていません。並べ替えとラベル付けだけで、引用される面が3つに増えます。
このように、改修は文章を書き直す作業というより、既にある内容を整理する作業に近いのです。だからこそ、記事を書いた本人がいちばん速く手を動かせます。
なお、既存の文章に手を入れる際は、元の記事の主張を変えないよう気をつけてください。構造だけを直すつもりが、内容まで変わってしまうと、読者にとっては別の記事になります。

改修前に確認するチェック項目
結論: 記事に手をつける前に、AIクローラーが読めるかと現状の記録の2点を確認します。順序を逆にすると、改修の成果を説明できなくなります。
技術条件の確認(30分)・現状の記録(半日)
- レンダリング方式:サーバーサイドレンダリングになっているか。クライアント側で描画するサイトは、AIのクローラーに中身が読まれないことがあります
- robots.txt で、AI各社のクローラーを弾いていないか
- 記事内に著者の氏名と経歴が表示されているか
この3点は30分ほどで確認できます。確認せずに100本改修してから技術的な問題に気づくのが、いちばん損をするパターンです。
主要な質問文を15〜20本決め、ChatGPT・Perplexity・AI Overviewsの3つで検索し、自社の引用有無と競合を記録します。
「改修してから引用されるようになった気がする」では、社内で説明ができません。半日の手間で、後から成果を語れるかどうかが変わります。
進捗の管理方法
結論: 改修は本数が多いため、一覧で管理しないと止まります。記事ごとに4作業の完了状況を記録する形が扱いやすくなります。
一覧の作り方・週次で確認する
対象20本を行に並べ、見出し・結論・表・数値の4列を作ります。完了した作業にチェックを入れていくだけの形です。
途中で担当者が変わっても引き継げますし、「どこまで進んだか」を聞かれたときに即答できます。凝ったツールは要りません。表計算ソフトで十分です。
週に1回、何本終わったかを確認します。1本2〜4時間なら、週2本ほどが現実的なペースです。四半期で20本という計画は、この速度から逆算した数字になります。
ここで無理に本数を積むと、途中で止まります。続くペースを守るほうが、結果として早く終わります。
止まったときの立て直し方
改修が止まる原因は、たいてい対象が多すぎることにあります。200本の一覧を前にすると、どこから手をつけるか決めるだけで時間が過ぎていきます。
止まったと感じたら、対象を5本に絞り直すほうが続きます。20本でも多いなら5本です。5本終われば次の5本を選ぶ、という進め方のほうが、一覧をにらんで動けない状態より前に進みます。
もうひとつの原因が、完璧に直そうとすることです。1本に半日かけるくらいなら、4本に2時間ずつかけたほうが引用される面は増えます。見出しと結論だけ足して次に進み、表と数値は二巡目に回すという分け方もあります。
LLMO対策でやらないこと
結論: 成果が確認されていない施策があります。llms.txtの設置・会話体での執筆・自社を1位にした比較記事の3つは、優先度を下げて構いません。
検証で否定されている施策
- llms.txt の設置:検索への効果は現時点で確認されていません
- 本文を細切れにする書き方や、チャットボット風の会話体は、複数の検証で効果が薄いと指摘されています
- 自社を1位に据えた比較記事も逆効果です。100クエリの調査では、20件がまったく引用されず、引用された80件でも69%で他社が推薦される結果でした
構造化データの位置づけ
構造化データは入れる意味がありますが、目的を取り違えないでください。推奨されやすくするためではなく、AIが情報を正確に読み取れるようにするためのものです。
なお、FAQのリッチリザルトは2026年5月7日にサポートが終了しています。ただし記事内のFAQセクション自体はAI引用に有効なので、削らずに残します。
記事の型別|どこを直すと引用されるか
結論: 記事の種類によって直すべき箇所が変わります。解説記事は見出しの粒度、比較記事は表、手順記事は番号と所要時間が要点です。
型ごとの優先箇所・事例記事で数値が出せない場合
| 記事の型 | 直す優先箇所 | よくある不足 |
|---|---|---|
| 解説記事(〜とは) | 見出しの粒度 | 見出しが2〜3本しかない |
| 比較記事 | 表の整備 | 自社を1位に据えている |
| 手順記事 | 番号と所要時間 | 手順が地の文に埋もれている |
| 事例記事 | 具体的な数値 | 成果が定性的な表現だけ |
「守秘があるから事例記事は書けない」と思われがちですが、社名も金額も伏せたまま書けます。業種と規模、相談された課題、打った手の順番、かかった期間。この4つだけでも読者は自社に当てはめて判断できます。
むしろ具体的な社名より、どんな状態の会社が何をしたのかのほうが、読者にとっても引用する側にとっても価値があります。守秘を理由に事例そのものを省くと、一次情報のない記事になり、引用価値が下がります。
成果の測り方と社内報告
結論: LLMOの成果は順位計測ツールでは追えません。質問文を固定した月次確認と、指名検索数の推移を組み合わせて見ます。
月次で見るもの・社内報告の形
決めておいた15〜20本の質問文で引用の有無を記録します。引用された場合は、記事のどの部分が使われたかまで控えておくと、次の改修の材料になります。
あわせてSearch Consoleで指名検索数を確認してください。AI経由で名前を知った利用者は、そのあとブランド名で検索してくる傾向があります。
順位・流入・引用・指名検索の4つを並べた形で報告します。引用の有無だけを見せると、成果が出ていない月に説明が苦しくなるためです。
あわせて考えたいのが、この改修が通常の検索にも働くことです。LLMOの成果だけを切り離そうとせず、4つの数字が全体としてどう動いたかで判断するほうが、実態に近い評価になります。
体制別|社内で回すか外部に出すか
結論: 分担は記事を書ける人が社内にいるかどうかで決まります。書ける人がいるなら、型と質問文の設計だけを外部から受け取る形が経済的です。
社内で回す場合の条件
次の3つが揃っていれば、社内で回せます。
- 記事を書ける人がいる:改修は執筆より判断の作業なので、書いた本人が最も速く手を動かせます
- 週2本の時間を確保できること。1本2〜4時間なら、週に5〜8時間が要ります
- 検索の管理画面を見られること。対象記事の選定に、表示回数と順位が必要です
この場合、外部に頼むのは初回の現状診断と、四半期ごとの見直しに絞れます。費用は大きく下がります。
外部に出す場合の範囲
兼務の担当者しかいない場合は、本数の多い改修を外に出したほうが結果的に早く進みます。ただし月次の観測だけは社内に残すことをおすすめしています。
AI検索での見え方を担当者自身が見ていないと、次に何を直すかの判断ができなくなるためです。観測を外部に丸ごと預けると、報告書は届くのに社内に判断力が残らない状態になります。
費用の目安
- 自社対応:月0〜5万円程度(ツール代のみ)
- 改修を外部に委託すると、月20〜60万円程度(範囲と本数による)
- 記事制作まで含めると、月50〜150万円程度になります
見積もりを取る前に、既存記事の本数・順位・書ける人の有無・技術面の制約の4点を社内で確認しておくと、何を頼むべきかが明確になります。確認せずに相談すると、必要のない範囲まで含んだ提案を受け取ることになりかねません。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは記事改修の型を渡し、社内で回せる形にするところまでを支援しています。業種によって最初に手をつける場所が変わります。
音楽|作品ごとの記事をどう整理したか
アーティストや作品ごとに記事があり、本数は多いものの1本ずつが短いという状態でした。「どれを直せばいいのか選べない」という一点でのご相談でした。
選べないのは基準がないからで、記事の中身の問題ではありませんでした。先に基準を決めています。
- 対象の絞り込み:表示回数と順位で並べ、5〜15位の記事20本を抽出
- 統合の判断:短い記事が同じテーマで分散していたため、5本を1本に統合
- 見出しの再設計:統合した記事に、論点ごとの見出しを設定
本数を減らしたにもかかわらず、引用される機会は増えました。分散した薄い記事より、まとまった1本のほうがAIには扱いやすいという例です。
マーケティング支援|自社メディアでの実践
自社でオウンドメディアを運用している同業の会社から、進め方の相談をいただいたケースです。記事の質は高く、順位も取れている状態でした。
この案件で足りなかったのは書き方ではなく、順番の設計です。
- 現状の記録:20本の質問文で3エンジンでの引用状況を保存
- 不足の特定:表がない記事が大半だったため、比較と要件のセクションに表を追加
- 運用の引き継ぎ:月次の観測手順を文書化し、社内担当者へ移管
改修そのものより、月次の観測を社内に残したことが継続に繋がりました。

よくある質問
Q. 全記事を直さないとダメですか?
A. 必要ありません。表示回数の多い20本から始めてください。すでに検索結果に出ている記事を厚くするほうが、順位のない記事を直すより早く成果が出ます。効果が確認できてから範囲を広げるほうが、社内への説明もしやすくなります。
Q. 1本あたりどのくらい時間がかかりますか?
A. 2〜4時間が目安です。内訳は見出しの切り直しに30〜60分、結論と表の追加に60〜90分、数値の補強に30分ほど。慣れると短くなりますが、最初の数本は時間がかかると見ておいてください。
Q. 記事を新しく書くのと、直すのはどちらが先ですか?
A. 既存記事が50本以上あるなら、直すほうが先です。すでに検索結果に出ている記事のほうが、AIの参照候補に入っているためです。逆に記事が20本未満なら、まず本数を増やすほうが優先されます。
Q. 効果が出ているか、どう判断すればいい?
A. 順位計測ツールでは追えないため、決めておいた質問文で月次に手作業で確認します。あわせてSearch Consoleの指名検索数を見てください。改修前の状態を記録していないと比較できないので、着手前の保存を忘れないようにしてください。
Q. 途中で止まってしまったらどうすれば?
A. 対象を5本に絞り直してください。20本の一覧を前に動けなくなるより、5本ずつ終わらせて次を選ぶほうが前に進みます。1本を完璧に直すことにこだわらず、見出しと結論だけ足して次へ進み、表と数値は二巡目に回す分け方も有効です。
まとめ
LLMO対策は、抽象的な方針ではなく作業手順に落とせる仕事です。誰が・どの記事を・何分かけて・何を足すのかが決まれば動き出します。
- 選ぶ基準:表示回数が多く順位5〜15位、購買に近いテーマ、見出しが少ないもの
- 1本の作業:見出しの切り直し・結論の追加・表の作成・数値の補強。合計2〜4時間
- 着手前の確認:AIクローラーが読めるか(30分)と、現状の記録(半日)
- 進め方:週2本、四半期で20本。無理に積むと止まります
- やらないこと:llms.txt・会話体での執筆・自社を1位にした比較記事
本文で書かなかった点を1つ。この改修は、担当者が変わっても効果が残る種類の作業です。
広告や配信の施策は、止めた瞬間に数字が戻ります。記事の構造を直す作業は、直した状態がそのまま残ります。半年後に担当が代わっても、改修済みの20本は引用され続けます。
社内で予算を通すときは、この点を添えると通りやすくなります。月々の運用費ではなく、一度で終わる整備として説明できるためです。実際、20本を四半期で終えたあと、月次の観測だけを社内に残している会社が多くあります。
solezoreでは、改修の型を渡して社内で回せる形にするところまで支援しています。料金は公開しているので、比較の材料としてご覧ください。どの記事から手をつけるべきかの相談だけでも歓迎しています。
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