

「構築の見積もりが50万円と320万円で並んでいて、判断できません」「作ってもらったあと、更新を頼むたびに費用が発生しています」――Shopifyの代行については、この2つのご相談をよくいただきます。
先に結論をお伝えすると、金額の幅が大きいのは、デザインを作り込む量と、公開後の支援が含まれるかで範囲が違うためです。機能そのものは、どの見積もりでも大きく変わりません。そのうえで見落とされやすいのが、公開後に毎月かかる費用です。構築の金額だけを比べると、3年後の総額で逆転します。
solezoreでは、代行の選定を車の購入にたとえて説明しています。車両価格だけを見て決めると、点検と修理の費用で年間の負担が変わってくる。乗り続ける費用まで含めて比べます。
この記事では、頼める業務の中身から、費用の相場、割り戻して比べる方法、会社の3タイプ、提案で見る5点、契約前の確認、社内に残る作業、成果の見方、そして解約時の注意までを、実際に代行を請け負っている立場から解説します。
Shopify代行で頼めること
結論: 頼める業務は、構築、ページ制作、集客、広告運用、保守の5つに分かれます。どこまで含むかで金額が変わります。
まず中身を分解します。
5つの業務と、構築に含まれない3つ
| 業務 | 中身 | 発生の仕方 |
|---|---|---|
| 構築 | デザイン・設定・決済と配送の準備 | 一度きり |
| ページ制作 | 写真・説明文・登録作業 | 商品ごと |
| 集客 | 検索・SNS・記事の制作 | 月額 |
| 広告運用 | 設定・入札・報告 | 月額+割合 |
| 保守 | 不具合の対応・更新作業 | 月額 |
構築だけを頼んで公開した後、何もしなければ訪問者は増えません。 構築は入口で、そこから先が本番です。
商品の撮影、説明文の執筆、公開後の集客。この3つは、多くの構築の見積もりに含まれません。
含まれない前提で計画します。別に費用が発生することを知らないまま契約すると、公開の直前に追加の請求が出ます。
見積もりを取る前に、頼みたい範囲を決めます。決めずに提案を求めると、各社が別々の範囲で出してきます。
決め方は簡単で、5つの業務のうち社内でできないものを選ぶだけです。全部を頼む必要はありません。
費用の相場
結論: 構築が30万〜300万円、ページ制作が1商品1万〜8万円、集客が月10万〜50万円です。一度きりの費用と月額が混ざっています。
金額を並べます。
範囲別の相場と、3年の総額で見る意味
| 依頼する範囲 | 費用の目安 |
|---|---|
| 用意されたデザインで構築 | 30万〜80万円 |
| デザインから作り込む構築 | 80万〜300万円 |
| ページ制作 | 1商品1万〜8万円 |
| 集客(検索・SNS・記事) | 月10万〜50万円 |
| 広告運用 | 月5万〜20万円+広告費の15〜30% |
| 保守 | 月1万〜10万円 |
構築の幅が大きいのは、デザインをどこまで作り込むかで決まるためです。機能そのものは、どの見積もりでも大きく変わりません。
構築に200万円、集客に月30万円という契約なら、3年の総額は1,280万円です。構築の割合は16%にとどまります。
構築の見積もりだけを比べて決めると、その後3年の費用を見落とします。 依頼先を選ぶときは、公開後にいくらかかるかも同時に確かめます。
30万円を下回る構築の見積もりは、範囲を確かめます。商品登録も画像の制作も含まれていないことが多くあります。
逆に300万円を超える場合は、個別の開発が含まれています。何を作るのかを内訳で出してもらい、本当に必要かを確かめます。

割り戻して比べる
結論: 見積もりは、作業の量と期間で割ります。総額では安く見えたほうが、中身では高いという逆転が起こります。
比べ方の話です。
構築の比べ方
構築の見積もりは、デザインの作り込みと商品登録の点数で割ります。
50万円で商品登録が10点まで、320万円で50点まで作り込むという内容なら、1商品あたりでは5万円と6万4,000円です。総額の差ほどは開いていません。
含まれる点数と、含まれない作業を揃えてから比べます。 ここを揃えないと、金額の比較は成立しません。
月額の比べ方・見積もりを揃えて出し直してもらう
集客や保守の月額は、作業の時間で割ります。月20万円で何時間の作業が含まれるかを聞きます。
答えられない会社は、作業量を管理していない可能性があります。目安として、集客の月20万円で20〜30時間が一般的です。
3社の見積もりが比べられない状態なら、条件を揃えて出し直してもらいます。手間はかかりますが、これをしないと判断ができません。
揃えて渡すのは4つです。
- 商品の点数。何点までを制作の範囲に含めるか
- 必要な機能。定期購入、会員機能、外部との連携の有無
- 公開の希望時期。ここで無理のある提案は外れます
- 公開後の支援。保守の範囲と、集客を含むかどうか
この4つを揃えて渡すと、返ってくる金額の差が本当の差になります。 実際に、当初58万円から310万円まで開いていた見積もりが、揃え直すと120万円から180万円の範囲に収まった例があります。
出し直しを断る会社は、その時点で判断の材料になります。条件を揃えた比較に応じられないなら、契約後のやりとりも同じ調子になります。
会社の3タイプ
結論: 代行会社は、EC全般を扱う会社、Shopifyに特化した会社、個人やフリーランスの3つに分かれます。得意分野と体制が違います。
依頼先の種類です。
3つの性格・どれを選ぶか
EC全般を扱う会社は、モールとの並行運用まで含めて任せられます。在庫の管理を1本にできる利点があり、複数の販路を持つ事業者に向きます。
Shopifyに特化した会社は、細かい設定や追加の機能に詳しくなります。個別の要件がある事業では、こちらのほうが早く進みます。
個人やフリーランスは、費用が抑えられます。構築で20万〜60万円という水準で受けることが多く、細かい対応も期待できます。一方、体調や繁忙で止まる可能性は法人より高くなります。
モールも並行しているなら、EC全般を扱う会社が向きます。自社ECだけなら、特化した会社か個人でも足ります。
規模より、実際に手を動かす人が誰かを確かめます。 提案してくれた人と、作業する人が別であることは珍しくありません。
選び方|提案で見る5点
結論: 提案で確かめるのは、作る人が誰か、制作の実物、公開後の支援、納品されるもの、そして止めるときの条件の5つです。
比較の観点です。
5つの確認点
- 作る人が誰か。提案者と別なら、その人が手掛けたサイトを見せてもらいます
- 制作の実物を3つ。自社と近い商材のサイトを見ると、精度が分かります
- 公開後の支援。保守の範囲と費用、対応までの時間
- 納品されるもの。所有者権限、設定の一覧、デザインの元データ
- 止めるときの条件。最低契約期間、権限の返却、素材の扱い
2番目で見るのは、見栄えではなく情報の順番です。 大きさの比較、届くまでの日数、返品の条件。買う側が知りたいことが入っているかを見ます。
公開後の支援を必ず確かめる・相見積もりの取り方
作って終わりの契約だと、公開後に不具合が起きても手が出せません。保守の範囲と費用を、契約前に確認します。
あわせて、社内でどこまで更新できる状態にしてもらえるかも聞きます。商品の追加や文言の修正を自社でできるだけで、月々の費用が数万円変わります。
3社に同じ条件を渡します。商品点数、必要な機能、公開の希望時期、公開後の支援の有無。この4つを揃えて渡すと、比較できる形で返ってきます。
条件を渡さずに提案を求めると、各社が別々の範囲で出してきます。そこから比べようとすると、時間だけがかかります。
契約前に確認すること
結論: 確認するのは、所有者権限、素材の所有、追加費用の条件です。ここを曖昧にすると、契約終了時に困ります。
後から揉めやすい部分です。
所有者権限
管理画面の所有者が、自社の名義になっているかを確かめます。制作会社の名義のままだと、契約が終わった時点でサイトごと動かせません。
引き渡しの時点で、所有者を自社に移してもらいます。 ここを確認せずに数年運用していて、切り替えの段になって気づく例があります。
確かめるのは契約の前です。公開の後だと、移すこと自体が交渉になります。
追加費用の条件
月額に含まれない作業が、後から請求されることがあります。契約前に一覧をもらいます。
- 商品の追加登録|1点あたりいくらか
- デザインの変更|どこまでが月額の範囲か
- 追加のアプリの導入|設定作業の費用
- 緊急の対応|時間外や休日の扱い
4番目は特に確認します。 決済が止まるような不具合は、営業時間外に起きることもあります。
社内に残る作業
結論: 外注しても、社内には月3〜5時間の作業が残ります。商品の選定、価格の判断、在庫の確保、そして問い合わせへの最終的な回答です。
見落とされやすい部分です。
残る作業・手間を減らす工夫
商品の選定と価格の判断は、外に出せません。出してしまうと、伸びなかったときに何を直せばよいか分からなくなります。
問い合わせも、商品の知識が要る内容は社内に戻ってきます。答えてよい範囲を1枚にまとめて渡すと、この回数が半分以下になります。
答えてよい範囲、値引きの上限、在庫の発注点。この3つを最初に1枚にまとめると、月々のやりとりが減ります。
作るのに2〜3時間かかりますが、毎月の確認作業が半分以下になります。契約の初月にこの時間を取っておきます。
成果の見方
結論: 評価するのは、訪問者数、購入率、1件あたりの獲得費用の3つです。売上の総額だけでは、代行の働きが分かりません。
判断の物差しです。
総額だけで評価しない
「売上が伸びていれば成功」と思われがちですが、季節やイベントでも売上は動きます。代行の働きとは切り分けて見ます。
見るのは3つです。訪問者が増えているか、購入率が上がっているか、広告の1件あたりの獲得費用が下がっているか。
この3つが動いていれば、売上が横ばいでも仕事はされています。 逆に、売上が伸びていてもこの3つが動いていないなら、外的な要因で伸びただけの可能性があります。
判断の期間
3〜6か月を見ます。集客は成果が出るまでに時間がかかるため、2か月で判断すると、どの会社に頼んでも同じ結果になります。
ただし、構築については公開の時点で判断できます。期日どおりに公開できたか、不具合の件数はどうか。ここは早い段階で分かります。
公開の時点で判断できる項目は、契約前に一覧にしておきます。
切り替え・解約のとき
結論: 切り替えるときは、権限の返却と素材の引き継ぎに時間がかかります。前の契約が続いているうちに進めます。
終わり方の話です。
解約前にやること
- 管理画面の所有者が自社になっているかを確かめます
- デザインの元データと、変更した箇所の記録を受け取ります
- 使っているアプリの一覧と、それぞれの契約情報を受け取ります
- 決済と配送の設定内容を書き出したものを受け取ります
1番目が最も重要です。 所有者の権限が制作会社にあると、そもそも切り替えができません。
4つとも、終了を伝える前に済ませます。
切り替えの判断
同じ課題を3か月伝えていて動かない場合は、切り替えの検討に入ります。月次の報告に翌月の施策が書かれない状態が続いている場合も同じです。
ただし、切り替えると新しい会社が現状を把握するまでに1〜2か月かかります。その間の成果は落ちる前提で判断します。
落ちる前提で、いつ切り替えるかを繁忙期から逆算します。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、構築の予算より公開後の配分を先に決めます。ここでは2つの業種で、何を変えたかを紹介します。
メディア|3年の総額で比べ直した例
雑貨と書籍を扱う事業者から寄せられた相談です。3社の見積もりが、構築で58万円、140万円、310万円と並んでいます。
構築の金額だけを見ると、58万円が最も安く見えます。ただし、公開後の保守と集客の費用を確かめると、310万円の会社は保守が月2万円、58万円の会社は月8万円でした。
3年で計算すると、58万円の会社が346万円、310万円の会社が382万円です。差は36万円まで縮みます。
そのうえで制作の実物を比べ、情報の順番が整っていた会社を選んでいます。構築の金額だけで決めていたら、判断が変わっていました。
医薬品|所有者権限が移っていなかった例
衛生用品を扱う事業者です。3年運用してきた代行会社を切り替えることになり、引き継ぎの段階で問題が判明しました。
管理画面の所有者が、制作会社の名義のままだったのです。契約書にも記載がなく、移管の交渉に2か月かかりました。
最終的には移管できましたが、その間サイトの更新が止まっています。契約の時点で確認していれば、起きなかった問題です。
以降、solezoreがお手伝いする案件では、引き渡しの時点で所有者権限の確認を必ず行っています。担当の方からは「当たり前だと思い込んでいました」というお言葉をいただきました。

よくある質問
Q. Shopifyの代行はいくらくらいですか?
A. 範囲で変わります。用意されたデザインでの構築が30万〜80万円、デザインから作り込むと80万〜300万円です。ページ制作は1商品1万〜8万円、集客が月10万〜50万円、広告運用が月5万〜20万円に広告費の15〜30%、保守が月1万〜10万円になります。
Q. 構築の見積もりが50万円と320万円で並んでいます。何が違いますか?
A. デザインを作り込む量と、含まれる作業の範囲です。機能そのものは大きく変わりません。50万円の見積もりには商品登録や画像の制作が含まれていないことが多いため、含まれる点数と含まれない作業を揃えてから比べます。3年の総額で見ると、差が縮むこともあります。
Q. 構築だけ頼んで、運用は自社でできますか?
A. できます。ただし、公開しただけでは訪問者は増えません。集客の手段を自社で持てるかが判断の分かれ目になります。あわせて、引き渡しのときに操作の説明を受けておくと、商品の追加や文言の修正を自社でできるようになり、月々の費用が下がります。
Q. 外注すれば社内の手間はなくなりますか?
A. なくなりません。商品の選定、価格の判断、在庫の確保、商品知識が要る問い合わせへの回答で、月3〜5時間が残ります。答えてよい範囲を1枚にまとめて渡すと、やりとりの回数が半分以下になります。契約の初月にこの時間を取っておきます。
Q. 契約前に必ず確認すべきことは何ですか?
A. 管理画面の所有者が自社の名義になるかです。制作会社の名義のままだと、契約が終わった時点でサイトごと動かせません。実際に、切り替えの段になって移管に2か月かかった例があります。あわせて、月額に含まれない作業の一覧も受け取っておきます。
Q. 代行の成果はどう評価すればいいですか?
A. 売上の総額ではなく、訪問者数、購入率、広告の1件あたりの獲得費用の3つで見ます。売上は季節やイベントでも動くため、代行の働きと切り分けられません。この3つが動いていれば、売上が横ばいでも仕事はされています。判断は3〜6か月を見ます。
まとめ
Shopifyの代行について、要点を整理します。
- 頼めるのは構築、ページ制作、集客、広告運用、保守の5つ
- 撮影、説明文の執筆、公開後の集客は構築に含まれないことが多い
- 構築30万〜300万円。機能そのものは見積もりで大きく変わらない
- 3年の総額で見ると、構築は全体の1〜2割程度
- 見積もりは、含まれる点数と作業の時間で割り戻して比べる
- 提案では、作る人、制作の実物、公開後の支援、納品物、止める条件を見る
- 制作の実物は見栄えでなく、情報の順番を見る
- 管理画面の所有者は必ず自社の名義にする
- 外注しても社内に月3〜5時間が残る
- 評価は売上でなく、訪問者数・購入率・1件あたりの獲得費用
本文で触れなかったことを1つ足します。引き渡しのときに、社内の担当者向けの操作説明を30分でも受けておくと、その後の費用がまったく変わります。 商品の追加や文言の修正を自社でできるだけで、月々の保守費が数万円下がることもあります。この時間を契約に含めてもらえるかを、提案の段階で聞いておきます。
やらないほうがよいこともあります。構築の金額だけで会社を選ぶこと、公開後の支援を確認せずに契約すること、そして所有者権限の話を後回しにすること。3つ目は、切り替えの段になって必ず問題になります。
次の一歩は、頼みたい範囲を5つの業務から選ぶところからです。範囲が決まっていれば、見積もりは比べられる形で返ってきます。
solezoreでは、Shopifyの構築から商品ページの制作、集客、公開後の運用までを範囲を選べる形でお受けしています。いまの見積もりが妥当かを見るところだけ、というご相談も承っています。
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