

「100本書いたのに、順位が付いているのは5本だけです」「何を書くかは決まるのですが、書く順番が決められません」――コンテンツSEOのご相談は、この2つが多くを占めます。
結論からお伝えすると、順位が付かない原因は1本ずつの記事の質ではなく、記事群としての設計がないことにあります。コンテンツSEOとは、検索する人の疑問に答える記事を、互いに支え合う構造で並べる設計の仕事です。
solezoreでは、記事の設計を店舗の売り場作りにたとえて説明しています。良い商品を1つずつ置いても、動線がなければ回遊されません。何をどこに置き、どこからどこへ誘導するかが売り場の設計です。
この記事では、キーワードの洗い出しと絞り込み、親子構造の組み方、記事同士の棲み分け、共食いが起きたときの直し方、公開の順番、リライトの設計までを、実際に208本を設計している立場から解説します。
コンテンツSEOとは何か|記事の設計で決まる部分
結論: コンテンツSEOは、記事を書く仕事ではなく、何をどの順番でどう繋ぐかを決める仕事です。書き始める前の設計が、結果の大半を決めます。
書く前に決めることが多く、実際の執筆は工程の後半に来ます。
書く前に決まっているもの
記事の順位は、公開してから決まるように見えますが、実際には書く前に大半が決まっています。狙うキーワード、記事の位置づけ、他の記事との関係。
この3つを決めずに書くと、良い文章でも順位が付きません。誰も検索していない言葉を狙っていたり、自社の別の記事と競合していたりするためです。
質の高い記事を書けば順位が付くと思われがちですが、質が問われるのは同じ土俵に上がったあとの話になります。
技術面の整備とは別の話
サイトの読み込み速度や巡回の設定は、記事を評価してもらうための前提条件です。ここが崩れていると記事が評価されませんが、整えたからといって順位が上がるわけでもありません。
技術面は1〜4週間で終わる作業で、コンテンツは継続する作業です。性質が違うため、担当も分けたほうが動きます。
順番としては、技術面を先に片付けてからコンテンツに集中する形が効率的です。
何本必要かの目安
1つのテーマで30本前後が、そのテーマの専門サイトとして扱われる目安になります。20本を下回る段階では、どの記事も順位が付きにくい状態が続きます。
月4本なら8か月、月8本なら4か月です。この期間を短縮したい場合に、外注の検討が入ります。
ただし、設計せずに本数を増やしても順位は付きません。設計して月4本のほうが、設計せず月20本より結果が出ます。
キーワードの洗い出しと絞り込み
結論: 最初に100〜200語を洗い出し、そこから実際に書く30〜50語まで絞ります。絞る基準は、検索数と競合の強さと、自社の商材との距離の3つです。
ここで削りすぎると後半で書く題材が尽きるため、最初は広めに集めます。
洗い出しの手順
- 自社の商材に関係する言葉を、思いつく限り書き出す
- その言葉で検索し、関連する検索候補を拾う
- 既存の顧客が使っている言い方を、問い合わせや商談の記録から拾う
- 競合サイトの記事タイトルから、扱われているテーマを抜き出す
4番目を飛ばす企業が多いのですが、ここに漏れが集まります。自社の視点だけで洗い出すと、業界内の言葉ばかりになり、一般の人が使う言い方が抜けます。
洗い出した段階では、重複していても構いません。絞り込みは次の工程で行います。
4つに分類する・商材との距離で最終判断する
| 分類 | 検索数の目安 | 上位の顔ぶれ | 扱い方 |
|---|---|---|---|
| 主戦場 | 月1万回以上 | 大手メディア・比較サイト | 記事が30本を超えてから |
| 現実的な的 | 月100〜3,000回 | 事業会社のブログが混在 | 最初に着手する |
| 隙間 | 月10〜100回 | 個人ブログ・古い記事 | 数を積んで合計で伸ばす |
| 指名 | 社名・商品名 | 自社が1位であるべき | 取られていないか確認する |
最初に書くのは、現実的な的です。ここで順位を取りながらサイトの評価を上げ、そのあとで主戦場に挑みます。
隙間の言葉は、1本あたりの効果は小さいものの、数を積むと合計で無視できない量になります。solezoreの自社メディアでも、月10〜100回の言葉が全体の6割を占めています。
検索数が多くても、自社の商材から遠い言葉は外します。読まれても問い合わせにつながらないためです。
判断の基準は、その記事を読んだ人が自社の顧客になり得るかどうかです。なり得ない場合、書く順番を後ろに回します。
solezoreが自社の208本を見直したとき、表示の94.6%が商材から遠い記事に集中していました。読まれてはいるものの、受注につながらない状態です。この経験から、絞り込みの段階で距離を見るようにしています。

親子構造の組み方
結論: 大きなテーマを扱う親の記事を1本置き、その下に個別の論点を扱う子の記事をぶら下げます。この構造にすると、子が増えるほど親の評価が上がります。
組み方を見ていきます。
親と子の役割を分ける・内部リンクの貼り方
親の記事は、そのテーマの全体像を扱います。個別の論点は概要にとどめ、詳細は子の記事へ渡します。
子の記事は、1つの論点だけを扱います。親で触れた内容を、判断できる水準まで掘り下げる役割です。
分量の目安は、親が12,000字、子が8,000字です。親のほうを厚くするのは、扱う範囲が広いためになります。
子から親へは、記事の冒頭とまとめの直前の2か所に置きます。読み始めた段階と、読み終わって次を探す段階の両方で、より広い記事へ移れる形にするためです。
親から子へは、該当する見出しの直後に置きます。全部の子へリンクする必要はなく、その見出しの内容に関係するものだけで構いません。
子同士も、内容が近いものは横につなぎます。1本あたり3〜6本が目安で、関係の薄い記事まで機械的につなぐと、かえって関係が読み取りにくくなります。
1テーマに絞る
親を複数作りたくなりますが、最初は1つに絞ります。3つのテーマを同時に進めると、どのテーマも本数が足りません。
1つ目のテーマで30本を書き切り、順位が付き始めてから2つ目に進みます。2つ目は、サイト全体の評価が上がっている分、1つ目より早く順位が付きます。
順番は、受注に近いテーマからです。読まれる本数ではなく、問い合わせが発生するかどうかで選びます。
記事同士の棲み分けを先に決める
結論: 近い記事が5本以上ある領域では、着手前に1本ずつ扱う面を書き出します。この作業を飛ばすと、書いたあとに内容が重なっていることに気づきます。
この工程を飛ばした案件では、公開後に統合し直す作業が必ず発生しました。
近い記事を言葉にして、重なる部分は片方に寄せる
たとえば代行に関する記事を5本書く場合、そのままでは全部が似た内容になります。扱う面を先に分けます。
| 記事 | 扱う面 |
|---|---|
| 代行の全体像 | 頼める業務の種類と費用の相場 |
| 費用の記事 | 料金体系と、費用対効果の計算 |
| 選び方の記事 | 相見積もりの取り方と比較の基準 |
| 種類の違い | 運用・制作・助言型の役割の違い |
| 個人と法人 | 体制の差と、契約時の実務 |
この表を先に作っておくと、書いている途中で他の記事の内容に踏み込みそうになったときに気づけます。
完全に分けることはできません。費用の話は選び方の記事にも出てきますし、種類の違いも全体像の記事で触れます。
このとき、どちらが主で扱うかを決めます。主で扱うほうは詳しく書き、もう一方は3〜4行に留めてリンクを貼ります。
この判断をせずに両方で詳しく書くと、検索エンジンがどちらを出せばよいか判断できなくなります。
共食いが起きたときの直し方
結論: 自社の記事同士が同じキーワードで競合すると、どちらも中途半端な順位で止まります。放置すると、記事を増やすほど順位が下がる状態になります。
自社の208本を見直したときも、手当てが最も多かったのはこの部分です。
見つけ方
検索の管理ツールで、キーワードごとに表示されているページを確認します。同じキーワードで複数のページが表示されている場合、共食いが起きています。
もう1つの方法は、検索窓で自社のドメインを指定し、そのキーワードで検索することです。似た記事が複数出てきたら、対象になります。
記事が50本を超えたあたりから発生しやすくなります。定期的な確認を、月1回の作業に入れます。
直し方の3つの選択肢
- 統合する:内容の近い2本を1本にまとめ、片方から転送の設定を入れる
- 役割を分ける:どちらか一方の狙う言葉を変え、見出しから書き直す
- 片方を残す:内容の薄いほうを非公開にし、リンクを残ったほうへ向ける
統合が最も効果が出やすい選択肢です。2本分の内容を1本にまとめると、文字数も論点の数も増えるため、単独でも強い記事になります。
判断に迷う場合は、表示回数の多いほうを残してください。すでに評価を受けている記事を残すほうが、回復が早くなります。
公開の順番と本数の計画
結論: 公開の順番は、親を先、子をあとにします。子を先に出しても、リンク先の親が存在しない状態になります。
ここは後から戻れない部分です。
親から書く
最初に書くのは親の記事です。ここで全体像を整理すると、子の記事に何を書くかが自動的に決まります。
親を書かずに子から始めると、扱う範囲が重なります。あとで親を書いたときに、内容の調整が必要になります。
親は分量が多く、時間もかかります。ただし、ここで作った構成が以降の記事の設計図になるため、時間をかける価値があります。
子は受注に近い順
子の記事は、問い合わせに近いものから公開します。費用、選び方、比較、といったテーマです。
解説の記事を先に増やすと、読まれる数は伸びますが問い合わせは増えません。読まれる実感が先に来るため、順番を誤りやすい部分です。
目安として、受注に近い記事と解説の記事を4対6程度で配置します。solezoreでは、カテゴリーごとにこの比率を確認しています。
リライトの設計
結論: 記事が30本を超えたら、新しく書く時間の一部を書き直しに回します。すでに表示のある記事を直すほうが、新規より早く数字が動きます。
進め方を示します。
対象の選び方
検索の管理ツールで、表示回数の多い順に並べます。そのうち順位が8位から20位のものが、最優先の対象です。
すでに一定の評価を受けているため、論点を足すだけで順位が動くことが多くあります。新しく書いて同じ位置まで持っていくには、3〜6か月かかります。
月に3本を目安に選んでください。多く選びすぎると、どれも中途半端に終わります。
何を足すか
足すのは、言い換えではなく論点です。新しい見出し、表、場合分け、実例の4つのどれかを入れてください。
同じことを別の表現で書き直しても、評価は変わりません。文字数だけが増えて読みにくくなります。
判断の方法は、上位に入っている他社の記事を見て、自社にない論点を探すことです。3本も見れば、抜けている箇所が分かります。
直したあとの確認
書き直した記事は、公開から4週間経ってから数字を確認します。直後は評価が定まっておらず、一時的に下がることもあります。
比較するのは、直す前の90日と、直したあとの90日です。この単位で見ると、日々の変動に振り回されません。
数字が動かなかった記事は、狙う言葉自体を見直す対象になります。論点を足しても動かない場合、そもそも土俵が違う可能性があります。
生成AI検索を前提にした設計
結論: 生成AIの回答に引用されるかどうかは、検索順位とは別の基準で決まります。見出しの直下に独立した結論を置く設計が、両方に対応します。
検索順位とは別の物差しが要ります。
切り出される単位で書く
生成AIは、質問を細かい問いに分解し、それぞれに答えている箇所を探します。拾われるのは、前後を読まなくても意味が通る一段落です。
このため、見出しの直下に結論を1文置く形が有利になります。前の段落を受けて「この場合は」と始まる文章は、切り出したときに意味が壊れます。
solezoreの記事では、各見出しの直下に40〜120字の結論を置く形を型として固定しています。
順位が高い記事が引用されるとは限らない
順位が5位や8位の記事が引用されることもあります。AIが見ているのが順位ではなく、問いと文章の意味の一致だからです。
つまり、いまは2つの入口に同時に対応する必要があります。従来の検索順位と、AIの回答での引用です。
既存の記事がある場合、まず見出し直下の結論を独立させる作業から始めてください。1本あたり30分から1時間で終わり、新しく書くより早く反応が出ます。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、記事を書き始める前に、キーワードの分類と記事同士の棲み分けを表にします。ここでは2つの業種で、何を変えたかを紹介します。
食品|共食いを解消して商品ページの順位が戻った
食品メーカーから寄せられた相談です。自社のECサイト内でコラムを運営していましたが、主要な商品の順位が3年前より下がっていました。
管理ツールで確認すると、商品名のキーワードで、商品ページとコラム記事の両方が表示されていました。自社の記事同士が争っている状態です。
コラム側を素材と調理法の解説に、商品ページ側を購入の判断材料に振り分けました。重なっていた12個のキーワードは、どちらが受け持つかを1つずつ決めています。
3か月後、商品ページの順位が上がり始めました。記事を増やしたわけではありません。担当者の方から「増やすほど下がっていた理由が分かりました」と言われたのが印象に残っています。
メディア|設計のないまま増えた500本を整理した
情報サイトを運営する企業からのご相談で、外注で量産した記事が500本ありました。ただし、検索エンジンに登録されていない記事が半数を超えていました。
原因は、同じテーマの薄い記事が大量にあったことです。1本1,200字前後の記事が、似たキーワードで20本以上並んでいる領域が複数ありました。
内容の近いものを統合し、500本を120本に整理しました。統合した記事は文字数が増え、論点の数も増えています。あわせて、親子構造を組み直しました。
半年後、記事数は4分の1以下になったにもかかわらず、検索からの流入は増えました。本数ではなく、1本あたりの評価が決めているということです。

よくある質問
Q. 記事は何文字くらい書けばいいですか?
A. 文字数そのものに基準はありません。上位のページを見て、扱われている論点を網羅すると自然と決まります。solezoreの自社メディアでは、子の記事で8,000字、親の記事で12,000字を下限にしていますが、これは論点を足して満たす数字です。
Q. 何本書けば順位が付き始めますか?
A. 1つのテーマで30本前後が目安です。20本を下回る段階では、そのテーマの専門サイトとして扱われにくくなります。ただし本数より、記事同士が親子構造でつながっているかのほうが影響します。
Q. 自社の記事同士が競合しているか、どう確認しますか?
A. 検索の管理ツールで、キーワードごとに表示されているページを見てください。同じキーワードで複数のページが表示されていれば競合しています。記事が50本を超えたあたりから発生しやすいため、月1回の確認に入れることをおすすめします。
Q. 新しく書くのとリライトはどちらを優先すべきですか?
A. 記事が30本を超えたら、リライトを優先してください。すでに表示があり順位が8位から20位の記事は、論点を足すだけで動くことが多くあります。新しく書いて同じ位置まで持っていくには3〜6か月かかります。
Q. 生成AIで記事を書いてもいいですか?
A. 下書きとして使う分には問題ありません。ただし、そのまま公開すると段落の骨格が揃いすぎる、まとめが本文をなぞるだけになる、といった特徴が残ります。自社にしかない情報を入れ、段落の長さを不揃いにする工程を挟んでください。
Q. 記事制作を外注する場合、何を渡せばいいですか?
A. 狙うキーワード、読者の状況、扱う面と扱わない面、内部リンクの指示、参考にすべき自社の情報の5つです。とくに扱わない面を明記すると、他の記事との重なりを防げます。設計を渡さずに執筆だけ頼むと、内容が重なった記事が納品されます。
まとめ
コンテンツSEOについて、要点を整理します。
- 順位は書く前の設計で大半が決まる。狙う言葉・位置づけ・他記事との関係の3つ
- キーワードは100〜200語を洗い出し、30〜50語に絞る
- 絞る基準は、検索数・競合の強さ・自社の商材との距離
- 親を1本置き、子をぶら下げる。子が増えるほど親の評価が上がる
- 近い記事が5本以上ある領域は、着手前に扱う面を表にする
- 自社の記事同士の競合は、統合するのが最も効果が出やすい
- 公開の順番は、親を先、子は受注に近いものから
- 30本を超えたらリライトを優先する。対象は順位8位から20位
補足すると、いま記事が50本以上あるなら、新しく書く前に共食いの確認をしてください。
同じキーワードで自社の複数ページが表示されている箇所が、たいてい3〜5組見つかります。これを統合するだけで、新しく5本書くより早く数字が動くことがあります。
もう1つ、記事を書く前に、その記事が誰のどの疑問に答えるのかを1文で書いてみてください。1文で書けない場合、扱う範囲が広すぎます。
solezoreでは、キーワードの設計から記事制作、リライトまでを一括で承っています。既存記事の棚卸しと共食いの解消からでも構いません。
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