SEO診断のやり方|無料ツールで見る順番と、ツールでは分からない4つ

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「無料診断を申し込んだら、翌日に営業の電話が来ました」「数年前にもらった診断レポートが手元にあるのですが、何から直せばいいのか分かりません」――SEO診断のご相談は、この2つが多くを占めます。

結論からお伝えすると、診断で本当に価値があるのは問題の一覧ではなく、どれから直すかの順番です。問題を100件並べたレポートより、いま直すべき5件を示したレポートのほうが実務では役に立ちます。

solezoreでは、SEO診断を人間ドックにたとえて説明しています。数値がずらりと並んだ検査結果を渡されても、どこから手を付けるかが分からなければ生活は変わりません。医師の所見にあたる部分が、診断の本体です。

この記事では、診断で何を見るか、自社でできる手順、見つかる問題の3分類、無料診断でどこまで分かるか、業者に依頼する場合の費用と範囲、レポートの質を見る箇所までを、実際に診断を行っている立場から解説します。

検索から人が来ないとき、止まっている層は3つのどれか
順位が上がらない
技術の層
そもそも検索エンジンに読み取られていない。この状態で記事を足しても状況は変わらない
設計の層
狙っている言葉が検索されていない、または競合が強すぎる。言葉の選び直しが要る
中身の層
読み取られてはいるが内容が足りない。ここで初めて記事の書き直しが手になる

SEO診断とは|何を見る作業か

結論: SEO診断は、いま何が順位の伸びを止めているかを特定する作業です。問題を並べることではなく、原因を絞り込むことが目的になります。

問題の一覧を作る作業だと思われている場面が多くあります。

3つの層のどこで止まっているか

検索から人が来ない場合、原因は3つの層のどこかにあります。

  1. 技術の層:そもそも検索エンジンに読み取られていない
  2. 設計の層:狙っている言葉が検索されていない、または競合が強すぎる
  3. 中身の層:読み取られているが、内容が足りない

この3つは、打つ手がまったく違います。技術の層で止まっているサイトに記事を足しても状況は変わりません。

診断の役割は、この切り分けです。記事を増やせば解決すると思われがちですが、原因が別の層にある場合は労力が無駄になります。

順位だけを見ても分からない

順位が低いという事実からは、原因が読み取れません。同じ15位でも、技術の問題で埋もれている場合と、競合が強い場合では対処が変わります。

そのため、診断では順位より前の段階を見ます。登録されているか、どの言葉で表示されているか、クリックされているか。

この順に確認すると、どこで止まっているかが特定できます。逆に、順位から見始めると原因にたどり着けません。

診断の成果物

診断で出てくるべきものは3つです。現状の数字、問題の一覧、優先順位を付けた改善の計画。

このうち最も重要なのが3つ目です。問題の一覧だけを渡されても、どれから手を付けるかが分からなければ動けません。

業者に依頼する場合も、この3つが成果物に含まれるかを確認します。

3つ目が抜けているレポートは、受け取った側が優先順位を自分で付けることになります。それができるなら診断を頼む必要が無かった、という話になりがちです。成果物の定義は、依頼する前に文書で決めておきます。

診断が要る場面

結論: 診断が有効なのは、始める前、順位が急に落ちたとき、サイトを作り替えたときの3つです。何もない時期に定期的に行う必要はありません。

診断する価値があるのはこの3つの場面
01
始める前
着手前の数字を記録していないと、半年後に何が変わったかを説明できない
02
順位が急に落ちたとき
落ちた日付と、自社で何かを変えた日付を照らし合わせる。検索側の変更か自社の変更かが絞れる
03
サイトを作り替えたとき
最も事故が起きやすい場面。公開の翌週に、登録ページ数が以前と同じかを確認する

場面ごとに見ます。

着手前と急落時

SEOを始める前の診断は、その後の判断の基準になります。着手前の数字を記録していないと、半年後に何が変わったかを説明できません。

順位が急に落ちたときも診断の対象です。検索エンジン側の変更なのか、自社の変更が原因なのかを切り分けます。

このとき、いつから落ちたかを特定します。落ちた日付と、自社で何かを変えた日付を照らし合わせると、原因が絞れます。

サイトを作り替えたとき

サイトの作り替えは、SEOで最も事故が起きやすい場面です。ページの住所が変わり、転送の設定が漏れると、それまでの評価が失われます。

作り替えの直後に診断を行い、登録されているページ数が以前と同じかを確認します。ここで大きく減っている場合、転送の設定に漏れがあります。

対応が遅れるほど回復に時間がかかります。公開の翌週には確認します。

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自社でできる診断の手順

結論: 基本的な診断は無料のツールだけで行えます。所要時間は1時間ほどで、この段階で問題の8割は見つかります。

自社で1時間、この順に見る
1
登録されているページ数を数える
実際のページ数と大きく違えば問題。絞り込み結果や印刷用ページが大量に登録されている例は多い
2
直近90日の表示とクリックを見る
表示が全体に少なければ設計の層、表示はあるのにクリックが少なければタイトルと説明文
3
読み込み速度を測る
見るのはスマートフォンの数値。検索の7割前後がスマートフォンなので、こちらが本番になる
4
実機でスマートフォンから開く
文字が小さい、押しにくい、横にはみ出している。これは実機でしか分からない

手順を示します。

登録されているページ数を数える

最初に確認するのは、検索エンジンに登録されているページ数です。検索の管理ツールで確認できます。

この数字が、実際のページ数と大きく違う場合は問題があります。極端に少ない場合は巡回の設定、極端に多い場合は不要なページが登録されています。

商品ページの絞り込み結果や、印刷用のページが大量に登録されている例をよく見ます。この状態だと、本来評価してほしいページが埋もれます。

表示とクリックを確認する

次に、直近90日でどの言葉で何回表示され、何回クリックされたかを見ます。

表示回数が全体的に少ない場合は、狙う言葉の選定に問題があります。表示はあるのにクリックが少ない場合は、タイトルと説明文の問題です。

この2つで、設計の層と中身の層のどちらに問題があるかがおおむね分かります。

見る期間は90日にします。28日だと、季節や曜日の揺れを拾って判断を誤ります。あわせて、前の90日と並べて比べると、落ちているのか横ばいなのかが分かります。

表示速度とスマートフォンでの見え方

無料の速度診断ツールに自社のページを入力すると、読み込みにかかる時間と改善の提案が出ます。

見るのはスマートフォンの数値です。検索の7割前後がスマートフォンからという環境では、こちらが本番になります。

あわせて、実際にスマートフォンで自社サイトを開きます。文字が小さい、押しにくい、横にはみ出している。こうした問題は、実機でしか分かりません。

使うツールと、それぞれで見る場所

結論: 無料のツールだけで診断は成立します。多くを入れる必要はなく、次の6つで技術と中身の層は見終わります。

「どのツールを入れればよいか分からない」というご相談をよくいただきます。ツールの数は診断の質と関係しません。見る場所が決まっていれば、無料のもので足ります。

ツール何が分かるか診断で見る場所
Google Search Console登録状況・表示回数・クリック・順位診断の中心。ここだけで7割が分かる
Google アナリティクス来たあとの行動・離脱記事は読まれているが問い合わせに至らない場合
Google 検索のドメイン指定登録されているページの概数実際のページ数と何倍ずれているか
PageSpeed Insights読み込み速度と改善の提案スマートフォンの数値だけを見る
Lighthouse(Chrome内蔵)技術面の総合的な採点速度以外の技術の問題を洗う
リッチリザルトテスト構造化データの誤り検索結果に情報が出ていないとき

有料が要るのは競合との差を見るときだけです。他社がどの言葉でどれだけ取っているかは、無料のツールでは追えません。この用途に限って、Ahrefs や Semrush といった有料のツールを短期間だけ契約する方法があります。

記事が30本以下なら有料ツールは要らない

記事が少ない段階では、有料のツールを入れても使う場面がほとんどありません。分析する対象がまだ無いためです。

solezoreが自社のメディア208本を見直したときも、判断に使ったのは無料のツールから取ったデータだけでした。有料のツールを検討するのは、記事が100本を超えて、どれを直すかの優先順位が付けられなくなってからです。

ツールの仕様は変わる

Google が提供するツールは、機能の追加や終了が定期的にあります。記事に書かれた画面の名称が実際と違う場合は、各ツールの公式のヘルプを確認してください。

診断で見る「場所」(登録状況・表示・クリック・速度)は変わりませんが、その数字がどの画面にあるかは変わります。

過去に提供されていて現在は終了した診断機能もあります。手順書を作って社内に配る場合は、半年に1回は実際に画面を開いて確かめる運用にします。画面が変わったまま手順書だけが残ると、担当者が代わったときに止まります。

ツールでは分からない4つ

結論: ツールの点数が高いのに順位が上がらない場合、原因はこの4つのどれかです。どれも人が読まないと判断できません。

点数が高くても順位が上がらないときの4つ
01
検索した人の目的とズレている
その言葉で調べる人が知りたいことと、記事が答えていることが違う。文法上の欠陥は無い
02
競合と比べて薄い
単独では十分に見えても、1ページ目の他の9本と並べると足りない。相対で決まる
03
内部リンクの向き先が合っていない
数は足りているが、関係の薄い記事どうしを繋いでいる
04
事業につながっていない
読まれてはいるが、問い合わせや購入に向かう導線が無い

診断ツールは、書かれている内容が正しいかは判定できます。しかし十分かどうかは判定できません。十分さは、同じ言葉で並んでいる他の記事との比較で決まるためです。

ツールが判定できることツールでは判定できないこと
見出しの階層が正しいか見出しの中身が読者の疑問に答えているか
語が適切な回数使われているかその語で検索する人が何を知りたいか
内部リンクの本数そのリンクが自然な位置にあるか
読み込み速度の数値遅さが離脱の原因になっているか
記事の文字数1ページ目の他の9本と比べて足りているか

左の列は機械で数えられる項目、右の列は比較と文脈が要る項目です。ツールの点数が満点でも右が空いていれば、順位は動きません。

検索した人の目的とのズレ

ツールは、記事の構造や語の使い方を採点します。しかし、その言葉で検索した人が何を知りたいかは見ていません。

確認の仕方は単純で、自分でその言葉を検索して、1ページ目の10本を開きます。並んでいる記事が答えていることと、自社の記事が答えていることが違えば、それがズレです。

この作業に代わるツールはありません。いわば、試験の答案の誤字は機械が拾えても、設問に答えているかは人が読まないと分からないのと同じです。

競合と比べて薄いかどうか

自社の記事だけを見ると、十分に書けているように見えます。判断は、1ページ目の他の記事と並べたときにしかできません。

見るのは文字数ではなく、扱っている論点の数です。他の9本が触れていて自社が触れていない論点が3つ以上あれば、薄いと判断します。

作業としては、1ページ目10本の見出しをすべて書き出して、自社の見出しと並べます。30分ほどで終わり、足りない論点がそのまま追記する項目になります

内部リンクの向き先

リンクの数はツールで数えられますが、そのリンクが読者にとって自然かは判定できません。関係の薄い記事どうしを機械的に繋いでも、数だけは増えます。

確認するのは、リンクの前後の文章です。文脈の中で次に読みたくなる場所にあるか。ここは読まないと分かりません。

もう1つ見るのが、リンクされている側の記事の数の偏りです。特定の1本に集中していて、他が0本という状態はよく起きます。0本の記事は、検索エンジンからも読者からも辿り着けません。

事業につながっているか

対象となるのは、順位も表示も伸びているのに、問い合わせが増えていない記事です。ツールの採点では満点に近くても、事業には何も起きていません。

原因は導線にあります。記事の中に、次にどこへ行けばよいかが書かれていないか、書かれていても記事の内容と繋がっていないかのどちらかです。あわせて、その記事が集めている読者が顧客になり得る層かも確認します。

見つかる問題の3分類

結論: 見つかる問題は、すぐ直すもの、計画して直すもの、直さなくていいものの3つに分かれます。この分類をしないと、優先順位が付きません。

全部を直そうとして止まる会社が多い部分です。

分類該当する問題対応の時期作業量の目安
すぐ直す巡回設定の誤り・転送の漏れ・ペナルティ通知発見した週のうち1日〜1週間
計画して直す表示速度・重複ページ・薄い記事1〜3か月かけて数週間〜数か月
直さなくていい画像の説明文が空・見出しの階層の飛び対応しない

この分類を先にすると、レポートの分厚さに圧倒されずに済みます。順に見ていきます。

すぐ直すもの

登録の設定の誤り、転送の漏れ、ペナルティの通知。これらは見つけた時点で対応します。

放置している期間そのものが損失になります。とくに巡回の対象から全ページが外れている状態は、何をしても効果が出ません。

作業量としては、1日から1週間で終わることが多くあります。

この分類だけは、見つけた当日に判断します。計画に回すと、放置している期間の損失がそのまま積み上がるためです。技術の担当が社内にいない場合でも、外部への依頼を当日中に出します。

計画して直すもの

表示速度の改善、重複ページの整理、記事の書き直し。これらは時間がかかるため、計画を立てて進めます。

順番は、影響の大きさと作業量で決めます。作業量が小さくて影響が大きいものから着手します。

タイトルと説明文の修正が、この基準では最上位に来ます。1本15分で直せて、2〜4週間で数字に表れます。

反対に最後へ回すのが、表示速度の抜本的な改善です。効果は大きいのですが、原因がサーバーや画像の作り方にある場合、数週間から数か月かかります。先に軽いものを片付けて、数字が動く実感を作ってから着手します。

直さなくていいもの

診断ツールは、影響の小さい問題も大量に出します。画像の説明文が空、見出しの階層が飛んでいる、といった項目です。

これらは直しても順位はほぼ動きません。全部を直そうとすると、本当に必要な作業に手が回らなくなります。

診断ツールが件数を大きく出すのは、機械的に判定できる項目が多いためです。判定しやすさと、順位への影響の大きさは無関係です。件数の多さに引きずられないようにします。

問題の件数を減らすことが目的ではありません。数字が動く作業だけを選んでください。

無料の診断ツールでどこまで分かるか

結論: 無料のツールで、技術の層と中身の層の問題はおおむね分かります。分からないのは、競合との差です。

無料で分かる範囲と、分からない範囲
無料のツールで分かる
自社の登録状況
表示回数とクリック率
読み込み速度
記事が30本以下なら有料ツールを入れても使う場面がない
分からないのは1つだけ
競合との差。他社がどの言葉でどれだけ取っているか。ここだけは有料のツールか業者の分析が要る
業者の無料診断を見るとき
自社のページ名や記事のタイトルが具体的に出てくるか。自動出力に一言添えただけのものもある

境目を整理します。

無料で十分に分かること

自社サイトの登録状況、表示回数、クリック率、読み込み速度。これらはすべて無料で確認できます。

改善の作業も、この情報だけで始められます。記事が30本以下の段階では、有料のツールを入れても使う場面がほとんどありません。

solezoreが自社のメディア208本を見直したときも、判断に使ったのは無料のツールから取ったデータだけです。

業者の無料診断について

SEO会社が提供する無料診断は、営業の入口として設けられていることが多くあります。これ自体は問題ではありません。

ただし、受け取る内容は簡易なものになります。ツールの自動出力に一言添えただけ、というレポートも実際にあります。

判断の材料としては、無料診断で出てきた内容の具体性を見ます。自社のページ名や記事のタイトルが出てくるかどうかが分かれ目になります。

業者に依頼する場合の費用と範囲

結論: 費用は15万〜50万円、期間は2〜4週間です。範囲によって金額が変わるため、何を見てもらうかを先に決めます。

依頼するときに先に渡しておく3つ
01
管理ツールと解析ツールの閲覧権限
ここが見られないと数字に基づいた分析ができず、一般論のレポートになる
02
これまでに行った施策と、その時期
知らないまま診断すると、すでに済んだ提案がそのまま出てくる
03
サイトを作り替えた時期
順位の変動と時期を照らし合わせる材料になる。原因の特定が一気に速くなる

費用と範囲を整理します。

範囲別の費用

範囲費用の目安期間含まれるもの
技術面のみ5万〜15万円1〜2週間登録状況・速度・重複の確認
技術面と中身15万〜30万円2〜3週間上記に記事の分析を追加
競合比較まで30万〜50万円3〜4週間上記に他社との差の分析

多くのSEO会社では、月額の契約の初月に診断が含まれます。診断だけを単発で依頼できるかは、会社によって分かれます。

金額の幅が出るのは、競合比較を含むかどうかです。競合の分析は他社のデータを買う必要があり、その分が上乗せされます。自社の状態を知りたいだけなら、技術面と中身の範囲で足ります。

見積もりを比べるときは、金額よりページ数の上限を確認します。同じ15万円でも、50ページまでと500ページまででは中身がまったく違います。書かれていなければ、その場で聞くのが早道です。

あわせて、報告の形式も確認します。表計算1枚で渡されるのか、説明の場が付くのか。レポートを渡されて終わりだと、読み解けずに放置されることが実際に起きます。

単発で依頼する利点

体制を決める前に、何が足りないかを知りたい場合は単発が向きます。診断の結果を見てから、自社で対応するか外注するかを決められます。

診断を依頼した会社に、そのまま改善を依頼する義務はありません。複数社の見積もりを取る材料として使えます。

ただし、診断を安く出して継続契約を前提にしている会社もあります。単発で終わらせられるかは、依頼前に確認します。

依頼時に渡すもの

診断を依頼する際は、検索の管理ツールと解析ツールの閲覧権限を渡します。ここが見られないと、数字に基づいた分析ができません。

あわせて、これまでに行った施策と、その時期を伝えます。過去の作業を知らないまま診断すると、同じ提案が出てきます。

サイトを作り替えた時期があれば、それも伝えます。順位の変動と時期を照らし合わせる材料になります。

診断レポートの質を見る箇所

結論: レポートで見るのは、優先順位が付いているか、改善の内容が具体的か、自動出力ではないかの3点です。

実務で使えるレポートと、置かれたままになるレポート
使えるレポート
どれから直すかが書かれている
影響の大きさと作業量の両方で並んでいる
記事名を挙げて、この形に変えると書いてある
何を売っている会社かに触れている
置かれたままになるレポート
問題が並んでいるだけ
数百件がすべて同じ書式
タイトルを最適化してください、で終わる
サイトの中身を読んだ形跡がない

見る箇所を示します。

優先順位が付いているか

問題が並んでいるだけのレポートは、実務では使えません。どれから直すかが書かれているかを確認します。

優先順位の根拠も見ます。影響の大きさと作業量の両方が考慮されていれば、実務的な順序になっています。

片方だけで並べたレポートは扱いにくくなります。影響の大きさだけで並べると、最初の項目が数か月かかる作業になり、着手できません。両方が入っているかが、実務を知っているかの分かれ目です。

期限が入っていれば、さらに使いやすくなります。1か月目に何を、3か月目までに何を、という形です。

改善の内容が具体的か

「タイトルを最適化してください」という書き方では、何をすればよいか分かりません。

「記事Aのタイトルを、この形に変えてください」という水準まで書かれているかを見ます。ここまであれば、社内でも作業できます。

自動出力のレポートには、この具体性がありません。ツールの結果に人の所見が加わっているかどうかが分かれ目です。

自動出力かどうかの見分け方

診断ツールの出力をそのまま貼ったレポートは、見た目で判断できます。問題の件数が数百件あり、すべてが同じ書式で並んでいる形です。

人が書いたレポートには、件数の少ない項目が上に来ます。影響の大きさで並べ替えられているためです。

もう1つの見分け方は、自社の事業に関する記述があるかどうかです。何を売っている会社か、誰が顧客かに触れていないレポートは、サイトの中身を読まずに作られています。

診断を依頼する前に、過去のレポートの見本を見せてもらいます。ここで判断できます。

診断後に何から直すか

結論: 直す順番は、登録の問題、タイトルと説明文、既存記事の書き直し、技術面の改善です。作業量が小さくて影響の大きいものから着手します。

直す順番(1か月目・2か月目以降)
1
登録の設定の誤りと転送の漏れ
最初に片付ける。放置している間は、他の作業の結果が出ない
2
クリック率の低い記事のタイトル
順位が5位以内なのに押されていないもの。1本15分で終わり、2〜4週間で数字に表れる
3
既存記事の書き直し
表示回数が多く、順位が8位から20位のものから月3本を選ぶ
4
技術面の改善
表示速度は原因によって数日から数週間。作業量が大きければ外部に依頼する
5
新しい記事はこの後
土台に問題がある状態で増やしても、評価が積み上がらない

順番を間違えると、後の作業の結果が読めなくなってきます。

最初の1か月で終わらせること

登録の設定の誤りと、転送の漏れ。この2つは最初に片付けます。放置している間、他の作業の効果が出ません。

次に、順位が5位以内なのにクリック率の低い記事のタイトルを直します。1本15分で終わり、2〜4週間で数字に表れます。

この2つで、多くのサイトは1か月目から変化が出ます。

直す対象1本の作業時間数字に出るまで
登録の設定・転送の漏れ全体で1日〜1週間2〜6週間
クリック率の低い記事のタイトル15分2〜4週間
既存記事の書き直し3〜6時間1〜3か月
表示速度の改善数日〜数週間1〜2か月

変化が出ない場合は、登録の問題が残っているか、そもそも表示回数が少なすぎるかのどちらかです。表示が月に数十回しかない状態でタイトルを直しても、動きは数字に表れません。その場合は、狙う言葉の選び直しに戻ります。

2か月目以降に進めること

既存記事の書き直しに入ります。表示回数が多く、順位が8位から20位の記事から、月3本を選びます。

技術面の改善は、作業量が大きい場合は外部に依頼します。表示速度の改善は、原因によって数日から数週間かかります。

新しい記事を書き始めるのは、この後です。土台に問題がある状態で増やしても、評価が積み上がりません。

solezoreの支援事例|業種別の進め方

結論: solezoreでは、診断の成果物に優先順位を付けた改善の計画を必ず含めます。ここでは2つの業種で、何が見つかったかを紹介します。

アパレル|商品ページの絞り込み結果が大量に登録されていた

衣料を扱うブランドから受けた相談です。記事を120本公開しているのに、検索から人が来ないという状況でした。

診断すると、登録されているページ数が2万4,000でした。実際のページ数は600ほどです。色とサイズの絞り込み結果が、それぞれ別のページとして登録されていました。

記事のページは、この2万4,000の中に埋もれていました。まず不要なページを登録の対象から外し、正規のページを指定する設定を入れています。

作業は3週間で終わりました。その2か月後、既存の記事の順位が上がり始めています。記事は1本も足していません。

医薬品|表現の修正が全記事に及んだ

一般用医薬品を扱う企業からのご相談で、記事の一部が検索結果から消えたという内容でした。

診断したところ、技術面には問題がありませんでした。消えた記事を読むと、表現の制約に触れる書き方が含まれています。外部のライターが制約を知らないまま書いたものでした。

対象を洗い出すと、80本中31本が該当しました。書ける表現と書けない表現の一覧を作り、31本を順に修正しています。

あわせて、以降の記事では公開前の確認を工程として固定しました。制約のある業種では、診断の対象に表現の確認を含める必要があるという事例です。

solezoreのサービス一覧と料金

よくある質問

Q. SEO診断の費用相場はいくらですか?

A. 技術面のみで5万〜15万円、技術面と記事の分析まで含めて15万〜30万円、競合との比較まで含めると30万〜50万円が目安です。期間は2〜4週間になります。月額の契約では、初月に診断が含まれることが一般的です。

Q. 自社で診断することはできますか?

A. できます。無料のツールで、登録状況、表示回数、クリック率、読み込み速度が確認できます。所要時間は1時間ほどで、この段階で問題の8割は見つかります。分からないのは競合との差だけです。

Q. 業者の無料診断は受けたほうがいいですか?

A. 判断の材料にはなります。ただし内容は簡易なもので、ツールの自動出力に一言添えただけのレポートもあります。自社のページ名や記事のタイトルが具体的に出てくるかどうかで、その会社の姿勢が分かります。

Q. 診断で問題が100件見つかりました。全部直すべきですか?

A. 直す必要はありません。影響の小さい項目も大量に出るためです。すぐ直すもの、計画して直すもの、直さなくていいものに分けてください。問題の件数を減らすことが目的ではありません。

Q. 定期的に診断したほうがいいですか?

A. 定期的に行う必要はありません。診断が有効なのは、始める前、順位が急に落ちたとき、サイトを作り替えたときの3つです。それ以外の時期は、月1回の数字の確認で十分です。

Q. 診断のあと、同じ会社に改善まで依頼すべきですか?

A. 義務はありません。診断の結果を見てから、自社で対応するか外注するかを決められます。複数社の見積もりを取る材料としても使えます。ただし、診断を安く出して継続契約を前提にしている会社もあるため、単発で終われるかを依頼前に確認してください。

まとめ

SEO診断について、要点を整理します。

  • 診断の目的は、技術・設計・中身の3つの層のどこで止まっているかの切り分け
  • 順位から見始めても原因は分からない。登録・表示・クリックの順に確認する
  • 成果物は3つ。現状の数字・問題の一覧・優先順位を付けた改善の計画
  • 診断が要るのは、着手前・順位の急落時・サイトの作り替え時の3つ
  • 自社でも1時間で基本的な診断ができる。無料のツールで8割は見つかる
  • 業者への依頼は15万〜50万円、期間は2〜4週間
  • レポートは、優先順位・具体性・自動出力でないかの3点で見る
  • 直す順番は、登録の問題・タイトル・既存記事・技術面

補足すると、診断を依頼する前に、検索窓で自社のドメインを指定して検索してみてください。

出てくるページ数が、実際のページ数と大きく違っていないでしょうか。ここが2倍以上ずれている場合、それだけで診断が要る状態です。この確認は1分で終わります。

もう1つ、過去にもらった診断レポートが手元にあるなら、そこに優先順位が書かれているかを見てください。書かれていない場合、レポートが放置されているのは受け取った側の問題ではありません。

solezoreでは、診断から改善の実施までを承っています。診断だけの単発のご依頼にも対応していますので、現状の把握からでも構いません。

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後藤駿幸(株式会社solezore 代表取締役)

この記事の監修者

後藤駿幸

株式会社solezore 代表取締役

株式会社solezore 代表取締役。30万人規模のTikTokアカウントを現役で運営しながら、企業のSNS運用代行・TikTokキャスティング・EC販売支援を行う。記事は、自社と支援先の運用で実際に起きたことをもとに書いている。

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