

「リール1本の制作費を聞いたら、5,000円のところと8万円のところがありました」「社内で作っていますが、1本に3時間かかって続きません」――制作の外注については、この2つのご相談をよく伺います。
結論からお伝えすると、価格差の正体はどこから任せるかです。編集だけなら数千円から、企画と撮影を含めれば数万円になります。同じ「リール制作」でも、含まれる工程が違います。
solezoreでは、この違いを料理の外注にたとえて説明しています。カット済みの食材を炒めてもらうのと、献立から買い出しまで頼むのでは、金額が違って当然です。
この記事では、自作・編集外注・撮影込みの3つの選択肢、費用相場と金額が変わる要素、発注時に渡すもの、修正と権利の扱い、制作だけを外注して失敗する場合までを、実際に制作している立場から解説します。
リール制作で発生する工程
結論: リール1本を作るには、企画・撮影・編集・仕上げの4工程があります。外注の金額は、このうちどこから任せるかで決まります。
工程を分解します。
4つの工程
1本あたりの内訳は、次のようになります。
- 企画:何を伝えるか決め、構成と台本を作る(15〜30分)
- 撮影:素材を撮る(20〜60分)
- 編集:カット、文字入れ、音源の設定(40〜90分)
- 仕上げ:キャプション、ハッシュタグ、投稿の設定(10分)
社内で全部を行うと、1本あたり1時間半から3時間かかります。週3本なら、月に20〜35時間です。
最も時間を取られる工程・企画を外すかどうかの判断
編集です。カットの位置を決め、文字を入れ、音源に合わせる。慣れていないと、1本に2時間かかることもあります。
そのため、外注する場合はここから切り出すのが最も効果があります。編集だけを外すと、社内の作業時間が半分近く減ります。
企画を外注すると、何を伝えるかを他社が決めることになります。商品知識のない相手では、当たり障りのない内容になりがちです。
社内に商品を語れる人がいるなら、企画は社内に残すほうが結果につながります。逆に、何を投稿すればいいか分からない段階であれば、企画から任せる価値があります。
自作・編集外注・撮影込みの3つ
結論: 選択肢は、全部自社でやる・編集だけ外注する・撮影から任せるの3つです。社内に何があるかで選びます。全部を外注するのが正解とは限りません。
3つを比べます。
全部を社内で作る・編集だけを外注する
費用は人件費だけです。担当者の時給を2,500円とすると、1本あたり4,000〜7,500円の計算になります。
利点は、商品知識がそのまま入ることと、思いついた企画をその日に出せることです。
欠点は、時間がかかることと、質にばらつきが出ることです。担当者が忙しい月は投稿が止まります。
撮影は社内で行い、素材を渡して編集してもらう形です。1本5,000〜1万5,000円が目安になります。
利点は、社内の作業時間が大きく減ることです。撮影だけなら1本20〜30分で済みます。
欠点は、素材の質が結果を左右することです。編集で直せる範囲には限りがあります。
撮影から任せる・3つの比較
カメラマンとディレクターが現場に来て、撮影から仕上げまで行う形です。1本2万〜5万円、あるいは1日単位で8万〜20万円になります。
利点は、映像の質が上がることと、社内の負担がほぼなくなることです。
欠点は、費用と、撮影日の調整が必要なことです。思いついた企画をすぐ形にすることはできません。
| 方法 | 1本あたりの費用 | 社内の作業時間 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| 全部社内 | 実質4,000〜7,500円 | 1.5〜3時間 | 人がいて、量を出したい |
| 編集だけ外注 | 5,000〜1万5,000円 | 30〜50分 | 撮れるが編集の時間がない |
| 撮影から任せる | 2万〜5万円 | 10分 | 質を上げたい・人がいない |
多くの企業に合うのは、真ん中の形です。撮影は現場の人が行い、編集を外に出す。この配分が最も無駄が出ません。

費用相場|1本あたりいくらか
結論: 編集だけなら5,000〜1万5,000円、撮影を含めれば2万〜5万円が相場です。月にまとめて発注すると、1本あたりの単価は下がります。
相場の内訳です。
編集の費用帯・撮影を含む場合
| 単価 | 含まれる作業 |
|---|---|
| 3,000〜5,000円 | カットと簡単な文字入れのみ |
| 5,000〜1万円 | カット・文字入れ・音源設定・色の調整 |
| 1万〜1万5,000円 | 上記に加えて、構成の提案と字幕の全文入れ |
| 1万5,000円以上 | アニメーションや複雑な演出を含む |
安い水準では、素材をつないで文字を載せるだけになります。構成を変える提案は含まれません。
1日拘束で8万〜20万円が目安です。この1日で、20〜30本分の素材を撮ります。
1本あたりに割り戻すと、3,000〜1万円になります。1本ずつ撮るより、まとめて撮るほうが単価が下がる理由がここにあります。
カメラマン1人か、ディレクターも入るかで金額が変わります。企画の相談まで含めるなら、ディレクターがいる形になります。
まとめ発注による割引・相場より安い場合に確認すること
月20本をまとめて発注すると、1本あたりの単価が2〜3割下がることがあります。
制作側にとって、まとめて受けるほうが段取りの効率が上がるためです。継続の見込みがある場合は、月契約にすると単価が下がります。
1本3,000円を下回る見積もりでは、作業時間が20分程度しか取れません。
「なぜこの金額でできるのか」を聞きます。テンプレートを使い回す形であれば、投稿が全部同じ見た目になります。
何が含まれるかで金額が変わる
結論: 見積もりを比べるときは、企画・撮影・編集・修正回数・素材の権利の5つを確認します。金額だけでは比較になりません。
確認する項目です。
企画が含まれるか・修正の回数
構成を提案してもらえるか、こちらが台本を渡すか。ここで金額が変わります。
台本を渡す形であれば安くなりますが、台本を作る作業が社内に残ります。1本あたり15〜30分です。
「修正2回まで無料、3回目以降は1本5,000円」といった形が一般的です。
回数の上限がない契約は、一見よく見えますが、制作側が最初から修正前提の質で出してくることがあります。
修正を減らすには、発注時に参考動画を渡します。言葉で説明するより、実物を見せるほうが早く伝わります。
素材の原本をもらえるか・納期
編集後の動画だけを受け取る契約と、撮影した素材の原本まで受け取る契約があります。
原本があると、後から別の用途に使えます。広告用に作り直す、ホームページに載せる、といった展開ができます。
原本の受け渡しが含まれない場合は、追加費用で対応できるか確認します。
通常は、素材を渡してから3〜5営業日です。急ぎの場合は追加料金が発生します。
季節商材やイベントを扱う場合は、納期の実績を確認しておきます。
発注時に渡すもの
結論: 発注時に渡すのは、素材・参考動画・伝えたいこと・使ってよい表現の4つです。この4つが揃っていると、修正の回数が減ります。
順に見ます。
素材の渡し方・参考動画を3本渡す
撮影した動画と写真を、そのまま渡します。編集で使わない分も含めて渡すほうが、選択肢が増えます。
渡すときは、どのファイルが何かを分かるようにします。ファイル名か、簡単なメモを付けます。
容量が大きいため、共有の仕組みを最初に決めておきます。
「こういう感じにしてほしい」を言葉で説明するのは難しい作業です。参考になる動画を3本渡します。
自社の業種でなくて構いません。文字の出し方、テンポ、色の雰囲気。近いものを探します。
参考動画があると、初回から想定に近いものが上がってきます。修正の回数が半分程度になることもあります。
伝えたいことを1行で書く・使ってはいけない表現を渡す
その動画で何を伝えたいかを、1行で書きます。「この商品は片手で開けられる」といった形です。
長い説明より、1行のほうが伝わります。編集側は、この1行を軸に構成を組みます。
化粧品、食品、医薬品、医療。表現に制約がある業種では、使えない言葉のリストを渡します。
このリストがないと、上がってきた動画を差し戻すことになります。差し戻しは、双方にとって時間の無駄です。
修正と権利の扱い
結論: 契約時に決めるのは、修正の回数と範囲、素材の権利、二次利用の可否の3つです。ここを決めていないと、後から追加費用が発生します。
決めることを挙げます。
修正の範囲・素材の権利
「文字の位置を直す」は修正ですが、「構成を変える」は作り直しです。この線引きを決めます。
作り直しになる場合は、追加費用が発生することを最初に共有しておきます。
制作した動画を、契約後も使えるか。広告に使えるか。ホームページに載せられるか。
これらは、契約書に書かれていないと使えないと判断されることがあります。二次利用の範囲を明記します。
出演者の肖像・音源の扱い
社員やモデルが出る動画では、肖像の使用範囲も決めます。
退職した社員が映っている動画を使い続けてよいか。この判断は、事前に取り決めがないと難しくなります。
出演の同意書を作り、使用期間と範囲を書いておきます。
Instagramのアプリ内にある音源は、アプリ内での投稿に限って使える場合があります。広告に転用する際は、別の音源に差し替える必要が出ることがあります。
制作会社に依頼する場合は、この点を確認しておきます。
制作だけを外注して失敗する場合
結論: 失敗するのは、質の高い動画を作れば伸びると考えている場合です。リールで見られているのは冒頭3秒と最後まで見られた割合であり、映像の美しさとは別の指標です。
起きやすいものを挙げます。
きれいだが伸びない
「プロに頼んだのに再生数が変わりません」というご相談をいただきます。
原因は、映像の質と再生数が別の指標だからです。冒頭で何の動画か分からなければ、どれだけきれいでも送られます。
制作を発注する際は、冒頭3秒に何を置くかを指定します。ここを任せきりにすると、ブランドロゴから始まる動画が上がってくることがあります。
企画も分析も社内に無いまま、1本ずつ出す
何を伝えたいか決まっていない状態で発注すると、当たり障りのない動画になります。
制作側は、渡された素材と情報の範囲でしか作れません。商品の強みも、想定する相手も分からなければ、一般的な内容になります。
1本ごとに発注すると、単価が高くなり、型も固まりません。
同じ型で8本作り、平均で判断する。この形にするには、まとめて発注する必要があります。
制作だけを外注すると、数字を見る人がいなくなります。作っては投稿し、結果を見ないまま次を作る状態です。
制作の外注と並行して、社内で数字を見る担当を決めます。
発注先の探し方と見極め
結論: 探す経路は、制作会社・運用代行会社・個人の3つです。それぞれ得意な領域が違うため、必要なものに合わせて選びます。
経路ごとに見ます。
映像制作会社に頼む
もともと広告や企業映像を作っている会社です。撮影機材とスタッフを自社で持っています。
映像の質は高くなります。展示会やホームページにも使える素材が残る点も利点です。
一方、リールの仕様に慣れていない会社もあります。縦型の画面設計、冒頭3秒の作り方、音を出さずに見られる前提。この3つを理解しているかを確認します。
運用代行会社に制作だけ頼む
Instagramの運用を本業にしている会社に、制作だけを発注する形です。
仕様への理解があるため、冒頭3秒の設計や文字の位置は任せられます。数字を見ている会社であれば、伸びる型も知っています。
映像の質は制作会社に劣ることがありますが、リールでは作り込んだ映像より内容が伝わる映像のほうが結果につながる場面が多くあります。
個人に頼む・発注先の比較
編集を個人に発注する形です。1本3,000〜1万円と、最も費用を抑えられます。
見極めるのは、過去の実績と、他に何件を持っているかです。5件以上を1人で抱えている場合、納期が読めなくなります。
まず1本だけ発注して、質と納期を確認する方法が確実です。
| 発注先 | 1本あたりの費用 | 得意なこと | 注意する点 |
|---|---|---|---|
| 映像制作会社 | 2万〜5万円 | 映像の質・撮影 | リールの仕様への理解 |
| 運用代行会社 | 8,000〜2万円 | 伸びる型・冒頭の設計 | 映像の作り込み |
| 個人 | 3,000〜1万円 | 費用・柔軟さ | 納期と継続性 |
必要なものが映像の質なのか、伸びる型なのか、費用なのか。ここを決めてから探すと、選定が短く済みます。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、制作だけの依頼でも冒頭3秒の設計から入ります。ここでは2つの業種で、発注の形を紹介します。
日用品・家電|撮影を社内に戻して本数を増やした
生活雑貨を扱う企業から受けた相談です。1本3万5,000円で制作を外注していましたが、月4本しか出せていませんでした。
内訳を見ると、撮影の手配に費用の多くがかかっていました。ただ、商品は倉庫に常にあり、社内で撮れる環境が揃っています。
撮影を社内に戻し、編集だけを1本8,000円で受ける形へ変更しました。撮り方は最初の2回だけ指導しています。
月の本数は4本から16本に増え、費用は14万円から13万円とほぼ同じでした。本数が増えたことで、どの型が機能するかを判断できるようになっています。
飲食|参考動画を渡して修正が減った
3店舗を運営する飲食店からのご相談で、制作は外注していましたが、毎回3〜4回の修正が発生していました。
やり取りを見ると、「もう少し明るく」「テンポを早く」といった言葉での指示が続いていました。伝わりにくい表現です。
参考になる動画を3本選び、発注時に渡す運用へ変更しました。あわせて、伝えたいことを1行で書く欄も作っています。
修正は平均1回まで減りました。制作側からも「最初から方向が分かるので助かる」と言われています。やり取りの回数が減ったぶん、納期も2日ほど短くなりました。

よくある質問
Q. リール1本の制作費用はいくらですか?
A. 編集だけなら5,000〜1万5,000円、撮影を含めれば2万〜5万円が相場です。撮影は1日拘束で8万〜20万円という契約が一般的で、その1日で20〜30本分の素材を撮ります。まとめて発注すると単価は2〜3割下がります。
Q. 社内で作るのと外注するのは、どちらが安いですか?
A. 人件費を含めると近い水準になります。担当者の時給を2,500円とすると、社内で作った場合は1本4,000〜7,500円です。外注の編集が1本8,000円なら、差はわずかです。判断は金額より、担当者の時間を何に使うかで決めてください。
Q. どの工程から外注すべきですか?
A. 編集です。最も時間を取られる工程で、ここを外すと社内の作業時間が半分近く減ります。撮影は現場の人が行うほうが、その日の様子といった素材が入るため結果につながります。
Q. プロに頼めば再生数は伸びますか?
A. 映像の質と再生数は別の指標です。リールで見られているのは冒頭3秒と最後まで見られた割合であり、きれいさとは違います。発注する際は、冒頭3秒に何を置くかを指定してください。
Q. 発注時に何を渡せばいいですか?
A. 素材・参考動画3本・伝えたいことを書いた1行・使えない表現のリストの4つです。とくに参考動画は効果があり、渡すことで修正の回数が半分程度に減ることがあります。
Q. 制作した動画は広告にも使えますか?
A. 契約書に二次利用の範囲が書かれていないと、使えないと判断されることがあります。広告に使う、ホームページに載せる、といった用途を事前に伝えて、契約に含めてください。アプリ内の音源を使った場合は、差し替えが必要になることもあります。
まとめ
リール制作の外注について、要点を整理します。
- 工程は企画・撮影・編集・仕上げの4つ。どこから任せるかで金額が決まる
- 編集だけなら1本5,000〜1万5,000円、撮影を含めれば2万〜5万円
- 最も外す価値があるのは編集。社内の作業時間が半分近く減る
- 発注時に渡すのは、素材・参考動画3本・1行の目的・使えない表現
- 契約で決めるのは、修正の回数・素材の権利・二次利用の可否
- 映像の質と再生数は別の指標。冒頭3秒は指定する
補足すると、制作を外注しても、数字を見る担当は社内に残してください。
作っては投稿し、結果を見ないまま次を作る状態になると、何本作っても型が固まりません。週1回、直近8本の平均を見る。それだけで判断ができるようになります。
もう1つ、参考動画を3本渡す運用をいますぐ試してみてください。言葉で説明するより早く伝わり、修正の回数が減ります。自社の業種でなくて構いません。
solezoreでは、リールの制作単体から運用代行まで対応しています。どの工程を外注すべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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