

「数字が多すぎて、どれを見ればいいのか分かりません」「毎週見てはいますが、見た後に何をすればいいのか分かりません」――分析画面については、この2つのご相談をよく伺います。
結論からお伝えすると、毎週見るのは4つで足ります。リーチ、保存数、プロフィールへの遷移、外部リンクのクリック。それ以外は月1回でかまいません。
solezoreでは、この4つを健康診断の項目にたとえて説明しています。全部の数値を毎日測る必要はなく、異常が出やすい4項目を定期的に見れば、どこが悪いか分かります。
この記事では、見る指標を4つに絞る理由、それぞれの読み方、月1回確認する項目、投稿ごとの見方、数字が落ちたときの手順までを、実際に運用を代行している立場から解説します。
見る指標を4つに絞る
結論: 分析画面には数十の数字が並びますが、毎週見るのは4つで足ります。この4つは、届く・伝わる・興味を持つ・行動するという段階に対応しています。
絞り方を見ます。
4つの指標と、主な指標にしないもの
| 指標 | 分かること | 落ちているときに直す場所 |
|---|---|---|
| リーチ | 何人に届いたか | 冒頭3秒・尺・テーマ |
| 保存数 | 内容に価値があったか | 情報の密度・見返す理由 |
| プロフィールへの遷移 | 続きを見たいと思われたか | 投稿の締め・名前欄 |
| 外部リンクのクリック | 行動する気になったか | リンクの説明・プロフィール文 |
上から順に見て、伸びが止まっている段階を探します。そこが直す場所です。
いいねは押しやすい反応で、内容の価値と対応しません。
見ていると気分はよくなりますが、判断の材料にはなりにくい数字です。保存やシェアのほうが、内容の価値を強く示します。
フォロワー数は結果であって、直す場所を示しません。
増えていないときに「フォロワーを増やそう」と考えても、何をすればいいか分かりません。4つの指標のどこで止まっているかを見ます。
4つの数字を見るだけなら、5分で終わります。
毎日見ると振れ幅に振り回されるため、週1回、決まった曜日に見ます。金曜日の朝など、固定した時間に組み込みます。
リーチ|新規に届いているか
結論: リーチは、投稿を見た人の数です。見るべきは総数ではなく、そのうち「フォロワー以外」の割合。ここが5割を下回ると、既存のフォロワーの中だけで回っています。
読み方を見ます。
リーチの数え方と、新規の割合
再生数は再生された回数、リーチは見た人の数です。同じ人が2回見ると、再生数は2、リーチは1になります。
新規にどれだけ届いたかを見るなら、リーチを使います。再生数は、同じ人が繰り返し見ても増えるためです。
分析画面で、リーチの内訳を確認できます。フォロワーと、フォロワー以外。
新規を増やす段階では、フォロワー以外が5割を超えていることが目安になります。2割を下回る場合は、リールを出していないか、冒頭で送られています。
流入元と、伸びないときに見る順番
投稿がどこから見られたかも分かります。ホーム、発見、リール、ハッシュタグ、プロフィール。
リールからの流入が多ければ、新規に届いています。ホームからの流入だけが多い場合は、既存のフォロワーが見ているだけです。
直す順番は、冒頭3秒、尺、テーマ、タグです。
冒頭3秒の影響が最も大きく、タグの影響が最も小さくなります。タグから直そうとすると、時間をかけた割に変化が出ません。

保存とシェア|内容に価値があるか
結論: 保存は、後で見返したいと思われた証拠です。いいねより強い関心を示します。リーチに対する保存の割合が1%を超えていれば良い水準になります。
読み方を見ます。
保存率の出し方と、保存される内容
保存数をリーチで割ります。1%を超えていれば良い水準です。
0.2%を下回る場合は、見て終わる内容になっています。手順、リスト、比較など、見返す理由のある内容を増やします。
手順を示す、項目を並べる、比較する。この3つは保存されやすい形です。
逆に、一度見れば終わる内容は保存されません。日常の出来事、告知、挨拶。
シェアの意味と、保存率が高いときに起きること
シェアは、他人に送られた回数です。知人に薦めるほどの内容だったことを示します。
保存より数は少なくなりますが、届く範囲が広がります。シェアされた投稿は、新規に届く量も増えます。
保存率が高い投稿を増やすと、フォロワーの質が上がります。情報として価値を感じた人が集まるためです。
あわせて、広告に回す投稿を選ぶときの基準にもなります。再生数だけが多い投稿より、保存率が高い投稿のほうが広告に向きます。
プロフィール遷移と外部リンク
結論: この2つは、売上に最も近い指標です。リーチが伸びていてもここが動かない場合、投稿の締めかプロフィールに原因があります。
読み方を見ます。
遷移率とクリック数の見方
プロフィールへの遷移数をリーチで割ります。1%を超えていれば動いている状態です。
0.3%を下回る場合、投稿の締めで次の行動を示していないか、名前欄から中身が想像できません。
プロフィールを訪れた人のうち、リンクを押した人の数です。
押されていない場合、リンクの先に何があるか分からない状態です。「詳しくはこちら」ではなく、「今月の新作を見る」のように行き先を書きます。
フォロー率と、売上までの距離
プロフィールを訪れた人のうち、フォローした人の割合です。5%を下回る場合、プロフィールに判断材料がありません。
プロフィール文、ハイライト、投稿の並び。この3つを見直します。
外部リンクがクリックされていても、購入されないことがあります。この場合、原因はInstagram側ではなくページ側です。
Instagramから来た人は、商品名も価格も知らない状態です。検索から来る人とは前提が違うため、同じページでは説明が足りません。
月1回見るもの
結論: フォロワーの属性は、月1回でかまいません。年齢、性別、地域、アクティブな時間帯。想定していた相手とずれていれば、投稿の内容を見直します。
見る項目です。
年齢・性別と、地域の分布
想定していた相手と、実際のフォロワーが一致しているかを確認します。
30代女性に向けて作っていたのに、実際は10代が中心だった。この場合、投稿の内容か、売る商品のどちらかを見直します。
実店舗であれば、商圏内のフォロワーがどれだけいるかが問題です。
商圏内が3割を切っている場合、数を増やすより届く相手を寄せる段階です。地域名を名前欄・キャプション・位置情報の3か所に入れます。
見られている時間帯と、増減の読み方
フォロワーが画面を見ている時間帯が分かります。投稿の時間の参考になります。
ただし、これはフォロワーの傾向であり、新規に届く相手の傾向とは限りません。参考程度に扱います。
月に何人増えたか、何人減ったかが分かります。
減少が続く場合は、投稿の内容が変わったか、頻度が落ちたかのどちらかです。ただし、質の低いフォロワーが減るのは問題ではありません。
投稿ごとの数字を見る
結論: アカウント全体の数字だけでは、何が機能したか分かりません。投稿ごとに開いて、伸びた投稿と伸びなかった投稿を比べます。
見方を見ます。
投稿ごとに見るときの4つの決めごと
1本の結果で良し悪しを判断するのは早すぎます。同じ型で8本作ってから、平均で見ます。
1本の当たり外れは大きいため、平均でないと傾向が分かりません。
伸びた投稿を、そのままにしません。冒頭で何を言ったか、尺は何秒か、どんな文字を出したか。この3つを記録します。
3か月続けると、自社で機能する型が見えてきます。他社の成功例より、自社の記録のほうが役に立ちます。
伸びた投稿だけを見ていると、何が悪いのか分かりません。
下位の投稿も開いて、冒頭と尺を確認します。共通点があれば、そこが避けるべき形です。
投稿を比べるときは、条件をそろえます。同じ形式、同じ長さ、同じ時間帯。
リールとフィード投稿を並べて比べても、届く仕組みが違うため判断できません。
数字が落ちたときの見方
結論: 数字が落ちたときは、まず期間を確認します。1週間の変動は振れ幅の範囲です。3週間続けて落ちている場合に、原因を探します。
手順を示します。
確認する順番
作業の順番は次のとおりです。
- 期間を確認する:1週間の変動か、3週間続いているか
- 投稿の本数を確認する:頻度が落ちていないか
- 投稿の内容が変わっていないか確認する:型を変えていないか
- リーチの内訳を見る:フォロワー以外の割合が下がっていないか
- 同時期の他の投稿と比べる:全体か、特定の投稿だけか
多くの場合、2番か3番で原因が見つかります。
落ちた原因になりやすい3つ
最も多い原因です。週3本から週1本に減ると、届く量も減ります。
繁忙期に投稿が止まり、そのまま戻らないという形がよく起きます。
新しい型に切り替えた直後は、数字が落ちることがあります。システムがアカウントの傾向を学習し直すためです。
8本ほど続けて、それでも戻らない場合に判断します。
業種によっては、季節で数字が動きます。飲食店の閑散期、旅行業の平日。
前年の同じ時期と比べると、季節の影響かどうかが分かります。1年分の記録があると、この判断ができます。
数字の記録と引き継ぎ
結論: 分析画面のデータには、遡って見られる期間の制限があります。月末に主要な数字を記録しておくと、1年後の判断材料になります。
記録の要点です。
月末と投稿ごとに記録するもの
記録するのは、リーチ、フォロワー以外の割合、保存率、プロフィールへの遷移、外部リンクのクリック、フォロワー数。この6項目です。
表計算ソフトに1行足すだけです。作業としては5分で終わります。
投稿日、型、尺、冒頭の言葉、リーチ、保存数。この6項目を1行ずつ残します。
3か月分溜まると、どの型が機能しているかが見えてきます。
引き継ぎと外注のために残すもの
担当者が代わったとき、この記録がないと一から試すことになります。
数字の記録と、投稿の型をまとめた1枚。この2つがあれば、引き継ぎがそのまま済みます。
運用を外注していても、記録は自社に残します。契約が終わったときに、判断の材料が手元にない状態を避けるためです。
月次の報告書を保存しておくだけでも構いません。
代行会社から受け取る報告書には、数字の一覧だけでなく、伸びた投稿の分析と次の月の計画が入っているかを確認します。数字を並べただけの報告書では、判断の材料になりません。
細かく記録しようとすると続きません。月次は6項目、投稿ごとは6項目。この粒度で十分です。
続けることのほうが、細かさより価値があります。1年分の月次記録があれば、季節の影響かどうかも判断できるようになります。
分析画面で分からないこと
結論: 分析画面には、売上や来店の数字は出ません。Instagramの貢献を知るには、外部の計測か、来店時に聞く仕組みが要ります。
不足を補う方法です。
売上と来店は分析画面に出ない
分析画面で分かるのは、リンクがクリックされた数までです。その先で購入されたかは分かりません。
自社のECサイトを持っている場合は、外部の解析ツールで流入元を確認します。Instagramから来た人が何人購入したかを、そこで見ます。
位置情報が付いた投稿を見た人が来店しても、その情報は残りません。
来店時に「どこで知りましたか」と聞く仕組みを作ります。予約フォームに項目を1つ足すか、口頭で確認する形です。
作業としては小さいですが、この記録があると半年後の判断が変わります。
検討の期間と、数字に出ない反応
Instagramで商品を知った人が購入するまで、2週間から1か月かかります。
投稿した週の数字だけを見ると、機能している施策を止めることになります。月単位で、3か月分を並べて判断します。
コメントの内容、ダイレクトメッセージで聞かれること、来店時に言われたこと。これらは数字に出ませんが、判断の材料になります。
「あの投稿を見て来ました」という一言は、どの型が届いているかを示します。担当者が受け取った反応を、月1回まとめて共有する形にしておくと、数字と合わせて判断できます。
他社との比較はできない
自社の数字しか見られないため、業界の水準は分かりません。他社が公開している数字を目標に置くと、前提の違う基準を追うことになります。
比べる相手は、3か月前の自社です。同じ商材、同じ体制、同じ客層で比べられるのは自社の過去だけです。外の数字を基準にすると、良い月でも悪く見えます。
他社を見るなら、数字ではなく投稿の型を見ます。何を、どの頻度で、どんな形で出しているか。ここは画面を開けば分かります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、数字を見る習慣づくりから支援することがあります。ここでは2つの業種で、何を変えたかを紹介します。
食品|保存率の高い型を見つけた
菓子メーカーからご相談をいただいた例です。投稿は月12本出ていましたが、どれが機能しているか分からない状態でした。
過去3か月分の投稿を並べ、保存率を計算しました。上位3本は、いずれも作り方を見せる型でした。下位の投稿は、商品を並べただけのものです。
作り方の型に絞って本数を増やしたところ、3か月で保存率の平均が0.4%から1.3%に上がりました。
フォロワーの増え方も変わりました。商品に興味がある人が集まるようになったためです。数字を見たことで、作るものが決まったという例です。
メディア|落ちた原因が投稿本数だと分かった
ご相談をいただいたのは情報サイトを運営する企業です。3か月前からリーチが落ち続けているという内容でした。
分析画面を確認すると、リーチは半分近くまで落ちていました。ただ、投稿の本数も月14本から月5本に減っていました。
担当者は、内容が悪くなったと考えていました。実際は、繁忙期に投稿が止まり、そのまま戻っていなかっただけです。
本数を月12本に戻したところ、2か月でリーチも戻りました。内容は変えていません。数字が落ちたとき、まず本数を確認すれば、3か月悩まずに済んだ例です。

よくある質問
Q. インサイトでは何を見ればいいですか?
A. 毎週見るのは4つです。リーチ、保存数、プロフィールへの遷移、外部リンクのクリック。この4つは、届く・伝わる・興味を持つ・行動するという段階に対応しています。見る時間は週5分で足ります。
Q. いいねの数は見なくていいですか?
A. 主な指標にはしないでください。いいねは押しやすい反応で、内容の価値と対応しません。保存やシェアのほうが、内容の価値を強く示します。保存率はリーチに対して1%を超えていれば良い水準です。
Q. リーチが伸びないときはどこを直せばいいですか?
A. 冒頭3秒、尺、テーマ、タグの順です。冒頭3秒の影響が最も大きく、タグの影響が最も小さくなります。あわせて、リーチのうちフォロワー以外の割合を確認してください。5割を下回ると、既存のフォロワーの中だけで回っています。
Q. 数字はどのくらいの頻度で見るべきですか?
A. 週1回です。毎日見ると振れ幅に振り回されます。決まった曜日を決めて、直近8本の平均を見てください。フォロワーの年齢・地域・アクティブな時間帯は、月1回で足ります。
Q. 数字が落ちたときはどうすればいいですか?
A. まず期間と投稿の本数を確認してください。1週間の変動は振れ幅の範囲です。3週間続けて落ちている場合に原因を探します。多くの場合、投稿の本数が減っているか、型を変えた直後のどちらかです。
Q. 過去のデータはどのくらい遡れますか?
A. 遡って見られる期間には制限があります。長期の推移を追うなら、月末にリーチ・保存率・プロフィール遷移など6項目を記録しておいてください。表計算ソフトに1行足すだけで、作業は5分です。
まとめ
Instagramインサイトについて、要点を整理します。
- 毎週見るのは4つ。リーチ、保存数、プロフィール遷移、外部リンクのクリック
- いいねとフォロワー数は、直す場所を示さないため主な指標にしない
- リーチはフォロワー以外の割合を見る。5割が目安
- 保存率はリーチに対して1%を超えていれば良い水準
- 判断は直近8本の平均。1本の当たり外れは大きい
- 月末に6項目を記録する。遡って見られる期間には制限がある
補足すると、上位1割の投稿を分解する習慣を作ってください。
冒頭で何を言ったか、尺は何秒か、どんな文字を出したか。この3つを記録するだけで、3か月後には自社で機能する型が見えてきます。他社の成功例より、自社の記録のほうが役に立ちます。
もう1つ、数字が落ちたときは、内容より先に投稿の本数を確認してください。実際には、繁忙期に投稿が減っただけということが少なくありません。
solezoreでは、数字の見方から改善までを支援しています。いまどこで止まっているかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
この記事を書いた solezore に相談する
記事に書ききれない具体策・料金・事例は、無料相談で。SNS/EC/SEO の領域別に専門家が対応します。

