

「月15万円と言われたのですが、何が含まれるのか分かりません」「前の会社に頼んでいたのですが、解約したら何も残りませんでした」――代行のご相談は、この2つが入口になります。
結論からお伝えすると、LINE代行の見積もりは金額だけでは比べられません。同じ月15万円でも、配信の文面だけを作る契約と、設計から数字の確認まで含む契約が並んでいます。範囲を4つに分けて見ると、初めて比較ができます。
solezoreでは、代行の依頼を家の工事に近いものだと考えています。同じ費用でも、間取りから考えるのか、決まった図面どおりに壁を塗るだけなのかで中身がまったく違います。どちらが悪いという話ではなく、自社に足りないほうを頼む判断が要ります。
この記事では、頼める範囲、費用相場、内製との分かれ目、依頼先の選び方、契約前に確認すること、依頼後に社内でやること、解約時に起きることまでを、代行を請け負っている立場から解説します。
LINE代行で頼めること|範囲は4つに分かれる
結論: 代行の範囲は、制作だけ・初期構築・月々の配信運用・設計から一括の4つに分かれます。見積もりを比べる前に、どの範囲かを確認します。
分類から入ります。
4つの範囲・頼めないこと
| 範囲 | 含まれるもの | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 制作だけ | リッチメニューの画像・文面の作成 | 何を作るかは決まっている |
| 初期構築 | 設計・ステップ配信・初期設定 | 立ち上げる段階 |
| 月々の配信運用 | 毎月の配信・対象の設定・報告 | 立ち上げ後の人手が足りない |
| 設計から一括 | 上の3つと数字の確認まで | 社内に判断できる人がいない |
1行目と3行目を混同した見積もり比較が、最も多い誤りです。制作だけの月3万円と、運用まで含む月20万円を並べても意味がありません。
範囲が書かれていない見積もりを受け取ったら、この表のどれに当たるかを聞きます。答えられない相手は、その時点で候補から外して構いません。
代行に頼めないものもあります。何を伝えるかの材料は、社内にしかありません。
実際に聞かれた質問、在庫や空きの状況、季節の予定、価格の変更。これを渡さずに依頼すると、当たり障りのない文面が戻ってきます。運用が伸びない依頼のほとんどが、ここでつまずいています。
材料を渡す作業に、月30分から1時間はかかります。この時間も確保できない場合は、代行に出しても結果が変わりません。
業種によって範囲が変わる
医療、医薬品、金融のように表現の制約がある業種では、確認の工程が範囲に含まれるかどうかで負荷が変わります。
確認を代行側が担うのか、社内で行うのかを先に決めます。ここが曖昧なまま進むと、配信のたびに往復が発生し、月2回の配信でも数日かかる形になります。
制約の一覧を最初に作っておくと、以降の確認が1段で済みます。この作業を初期構築の範囲に含めてもらう形が現実的です。
費用相場|範囲別の金額と内訳
結論: 相場は制作3万〜15万円、初期構築15万〜50万円、月々の運用10万〜30万円です。設計から一括だと初期20万〜50万円に月20万〜50万円が乗ります。
金額を並べます。
範囲別の金額
| 範囲 | 費用の目安 | 支払いの形 |
|---|---|---|
| リッチメニューの制作 | 3万〜15万円 | 1回きり |
| ステップ配信の設計と構築 | 15万〜50万円 | 1回きり |
| 月々の配信運用 | 月10万〜30万円 | 継続 |
| 設計から一括 | 初期20万〜50万円+月20万〜50万円 | 初期+継続 |
3行目の幅が大きいのは、配信の本数と対象の設定が含まれるかで変わるためです。月2回の配信だけなら月10万円前後、対象を分けて月4回送り、数字の報告まで含むと月25万円前後になります。
これとは別に、配信の費用が実費でかかります。通数によって変わり、友だちが増えるほど上がります。代行費に含まれるのか実費なのかを確認します。
見積もりの比べ方・回収の考え方
金額を並べる前に、配信1本あたりの単価に換算します。月20万円で月4回なら1本5万円、月12万円で月2回なら1本6万円です。
| 月額 | 配信の本数 | 1本あたり |
|---|---|---|
| 12万円 | 月2回 | 6万円 |
| 20万円 | 月4回 | 5万円 |
| 30万円 | 月8回 | 3万7,500円 |
この換算をすると、安く見えた見積もりが割高だった、という逆転がよく起こります。あわせて、対象の設定と数字の報告が含まれるかも確認します。
単価2万円の商材で、月10万円の運用費なら月5件で回収です。客単価8,000円の店舗で月20人の来店増なら月16万円ですから、月10万円の運用費は成り立ちます。
判断に使うのは友だち数ではなく、増えた成約や来店の数です。友だちが3,000人に増えても、来店が変わっていなければ回収できていません。
社内で回した場合の時間も換算します。月4回の配信で月5〜8時間、時給2,500円として月1万2,500〜2万円。この差をどう見るかが判断になります。

自社でやるか外注するかの分かれ目
結論: 判断は費用ではなく、材料と時間と判断する人の3つがそろっているかで決まります。2つ以上欠けているなら外注が早く進みます。
条件で分けます。
3つの条件
材料があるか。時間があるか。作った後に数字を見て判断する人がいるか。
最も多いのは、材料はあるが時間がない形です。この場合は初期構築だけを頼み、月々の配信は社内で回す分け方が現実的です。初期に20万〜40万円かけて、以降は社内の時間だけで回ります。
何を書くかから迷っている段階なら、月々の運用まで含めて頼むほうが結果的に安く済みます。作っては止まるを繰り返す時間のほうが、費用として大きくなります。
部分的に頼む形
全部か自社かの二択ではありません。工程ごとに分けられます。
- 設計と初期構築だけを外注し、運用は社内
- 企画は社内、文面の制作だけを外注(月3万〜10万円)
- 運用は社内、数字の確認と改善の助言だけを外注
- 立ち上げの3か月だけ一括で頼み、以降は引き継ぐ
4番目は、社内に運用の型を残したい場合に選ばれる形です。3か月で材料の集め方と配信の型を作ってもらい、以降は自社で回します。
依頼先の選び方|見るのは実績より工程
結論: 選ぶ基準は実績の数ではなく、材料をどう集めるかの工程が説明できるかです。ここが曖昧な相手は、当たり障りのない配信を送り続けます。
見る場所を変えます。
工程を聞く
初回の打ち合わせで、次の質問をします。毎月の配信の内容を、どうやって決めるのか。
社内から材料をもらう工程が説明できる相手は、運用の経験があります。具体的には、月初に何を聞くか、誰から聞くか、聞けなかった月はどうするかまで答えられるかどうかです。
答えが業界の事例や一般論に寄る相手は、材料を集める工程を持っていません。この場合、3か月目あたりから配信の内容が薄くなります。
数字の見方を聞く
何をもって成果とするかを聞きます。友だち数と答える相手は、避けたほうが無難です。
判断に使うべき数字は、予約・購入・問い合わせのいずれかです。友だち数と開封率だけを報告する契約は、成果と紐づきません。
報告の頻度と形式も確認します。月1回、1枚の報告があれば足ります。凝った資料は必要ありません。
ここに答えられない相手は、運用の設計もしていません。
業種の経験より近い商材の経験
同じ業種の実績があるかどうかは、思われているほど重要ではありません。見るのは出口が同じかどうかです。
予約が出口の業種は、飲食も美容も宿泊も医療も設計が似ています。業種が違っても、出口が同じなら経験が活きます。逆に、同じ業種でも購入が出口の案件と予約が出口の案件では、組み方がまったく違います。
事例を見せてもらうときは、出口が何だったかを聞きます。
契約前に確認する5つのこと
結論: 確認するのは権限・元データ・解約後の継続・費用の内訳・報告の5つです。すべて、終わるときになって問題になる項目です。
先に潰します。
5つの項目・外部ツールを使う場合
- アカウントの管理権限が自社に残るか
- 作った文面・画像・設計の元データを受け取れるか
- 契約が終わった後も、そのまま配信を続けられるか
- 配信の実費が代行費に含まれるか、別途か
- 月次の報告に何が含まれるか
1番目と3番目が抜けていると、解約と同時に運用そのものが止まります。代行側のアカウントで運用されていた場合、友だちごと引き継げない形も実際にあります。
始める段階では、誰もこの5つを気にしません。問題になるのは1年後や2年後です。
対象の分類や自動応答に外部のツールを使う場合、その契約が誰の名義かを確認します。
代行側の名義で契約されていると、解約時にその設定ごと失います。月5,000〜3万円のツール費でも、契約の名義は自社にしておくほうが安全です。
ツールの契約が自社名義であれば、代行を変えても設定は残ります。
依頼した後に社内でやること
結論: 依頼した後も、社内に月30分から1時間の作業が残ります。材料を渡す作業で、これを止めると成果が止まります。
丸投げにはなりません。
材料を渡す・数字を一緒に見る
月初に、その月の材料を渡します。聞かれた質問、在庫や空きの状況、季節の予定、価格の変更。
この30分が、代行の成果を決めます。渡す材料がある月とない月で、配信の内容が明確に変わります。
渡し方は、まとめて書き出すだけで足ります。整った資料にする必要はありません。
月次の報告を受け取ったら、予約や購入の数字と突き合わせます。代行側は自社の売上の数字を持っていません。
この突き合わせをしないと、配信の良し悪しが判断できません。開封率が上がっていても、来店が増えていなければ意味がありません。
15分で足ります。月1回、報告を見ながら1行メモを残す程度で構いません。
うまくいかない依頼の共通点
結論: うまくいかない依頼は、材料を渡していない・出口が決まっていない・判断する人がいないの3つに集約されます。どれも代行側では解決できません。
先回りします。
材料も出口も決めずに預けてしまう
最も多い形です。契約したから任せられると考え、社内から何も出さない状態が続きます。
代行側は、その会社で何が聞かれているかを知りません。結果として、どこの会社でも成立する当たり障りのない配信になります。
3か月続くと、数字が動かないまま解約になります。費用だけが残る形です。
何をしてほしいアカウントなのかが決まっていないと、配信の方向が毎月ぶれます。予約なのか購入なのか相談なのか、1つに決めてから依頼します。
判断する人がいない場合も止まります。報告を受け取る人と、配信の内容に責任を持つ人が社内に1名は必要です。この役割が空いていると、報告が読まれないまま契約だけが続きます。
依頼する前に、この2つを決めておくほうが結果的に安く済みます。
切り替え・解約のときに起きること
結論: 解約時に問題になるのは、権限・元データ・外部ツールの3つです。契約前の確認を怠ると、ゼロから作り直すことになります。
出口も設計します。
実際に起きること
代行側のアカウントで運用されていた場合、友だちを引き継げません。数年かけて集めた友だちを、そのまま失う形です。
元データを受け取れない場合も、リッチメニューと配信の文面を作り直すことになります。初期構築に相当する15万〜50万円が、もう一度かかります。
外部ツールが代行側の名義なら、対象の分類の設定も消えます。5〜10時間かけた設定をやり直す作業です。
切り替えを決めたときの手順
切り替えると決めたら、解約を伝える前に受け取るものを揃えます。
- アカウントの管理権限を自社の担当者に追加する
- 文面・画像・設計の元データを受け取る
- 外部ツールの契約名義を自社に移す
- 直近1年の配信と数字の記録を受け取る
順番が大切です。解約を伝えた後では、対応が後回しになる場合があります。あわせて、次の依頼先が決まっていれば、引き継ぎの期間を1か月ほど重ねる形が安全です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: 代行の相談では、契約の中身を整えるだけで数字が動く場合があります。次の2件とも、配信の技術的な改善から入っていません。
2つの事例を挙げます。
通信|前の代行から引き継げなかった
「2年やって、何が良くなったのか説明できないんです」。月18万円を支払い続けている状態での一言でした。報告に載っていたのは友だち数と開封率だけです。
確認したところ、アカウントの管理権限が代行側にしかありませんでした。元データも受け取れる契約になっていません。
解約を伝える前に、権限の追加と元データの受け渡しを進めました。結果として、リッチメニューの画像だけは受け取れています。
配信の設計は作り直しになりましたが、友だち9,400人は残せました。権限の確認を先に行わなければ、この9,400人も失っていた形です。
医薬品|確認の工程を契約の範囲に入れた
配信のたびに表現の確認で往復が発生し、月2回の配信に2週間かかっていました。代行側が文面を作り、社内で確認し、修正して戻す形です。
往復の回数を数えると、1回の配信で平均4往復ありました。1往復に2〜3日かかっています。
使える表現と避ける表現の一覧を先に作り、その一覧を代行側に渡す形に変えました。一覧の作成そのものを、初期の範囲に含めています。
往復は平均4回から1回に減りました。配信までの期間は2週間から3日です。費用は変えていませんが、月4回の配信に増やせています。

よくある質問
Q. LINE代行の費用相場はどのくらいですか?
A. 範囲によって変わります。リッチメニューの制作だけなら3万〜15万円、ステップ配信の設計と構築は15万〜50万円、月々の配信運用は月10万〜30万円が目安です。設計から一括で頼むと、初期20万〜50万円に月20万〜50万円が乗ります。配信の実費が含まれるかは別に確認してください。
Q. 見積もりを比べるときは何を見ればいいですか?
A. 金額の前に範囲を確認し、配信1本あたりの単価に換算してください。月20万円で月4回なら1本5万円、月12万円で月2回なら1本6万円です。この換算をすると、安く見えた見積もりが割高だった、という逆転がよく起こります。対象の設定と数字の報告が含まれるかも見ます。
Q. 全部丸投げにできますか?
A. できません。何を伝えるかの材料は社内にしかないためです。聞かれた質問、在庫や空きの状況、季節の予定を月30分から1時間かけて渡す作業が残ります。ここを止めると、どこの会社でも成立する当たり障りのない配信になり、3か月ほどで数字が動かなくなります。
Q. 依頼先を選ぶときの基準は何ですか?
A. 実績の数ではなく、毎月の配信の内容をどう決めるかの工程を説明できるかで判断してください。月初に何を聞くか、誰から聞くか、聞けなかった月はどうするかまで答えられる相手は、運用の経験があります。あわせて、何をもって成果とするかも聞きます。
Q. 同じ業種の実績がある会社を選ぶべきですか?
A. 業種より出口が同じかどうかを見てください。予約が出口の業種は、飲食も美容も宿泊も医療も設計が似ています。逆に同じ業種でも、購入が出口の案件と予約が出口の案件では組み方が違います。事例を見せてもらうときは、出口が何だったかを聞くと判断できます。
Q. 解約するとアカウントはどうなりますか?
A. 契約の内容によります。代行側のアカウントで運用されていた場合、友だちごと引き継げません。管理権限が自社に残っているか、元データを受け取れるか、外部ツールの契約名義が自社かの3点を、契約前に確認してください。解約を伝える前に、この3つを揃える手順で進めます。
まとめ
LINE代行について、要点を整理します。
- 範囲は制作だけ・初期構築・月々の運用・設計から一括の4つ
- 制作だけの月3万円と運用まで含む月20万円を並べても比較にならない
- 相場は制作3万〜15万円、初期構築15万〜50万円、運用月10万〜30万円
- 見積もりは配信1本あたりの単価に換算して比べる
- 材料は社内にしかない。丸投げはできず月30分から1時間が残る
- 選ぶ基準は実績の数ではなく、材料を集める工程を説明できるか
- 成果を友だち数で報告する契約は、売上と紐づかない
- 業種より出口が同じかどうかを見る
- 契約前に権限・元データ・解約後の継続・費用の内訳・報告を確認する
- 解約を伝える前に、権限と元データとツールの名義を揃える
補足すると、代行を検討する前に1つだけ試してほしいことがあります。過去3か月に社内で書いた配信を、全部並べてみることです。
3本しかないなら、足りないのは人手です。10本あるのに数字が動いていないなら、足りないのは設計です。この見分けがつくと、頼む範囲が自然に決まります。人手が足りないのに設計から一括で頼むと、費用が倍になります。
もう1つ、依頼の前に社内で1名だけ決めてください。報告を受け取り、配信の内容に責任を持つ人です。この役割が空いたまま契約すると、報告が読まれないまま月額だけが続きます。代行が機能しなかった案件の多くが、ここで止まっています。
solezoreでは、LINEの初期構築と運用代行の両方を承っています。範囲を分けて、社内で回せる部分は残す形の設計もできますので、今の体制を伺うところからでも構いません。
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