

「代行を探していますが、会社ごとに書いてあることが違いすぎて比べられません」「安いところを組み合わせたいのですが、どう分ければいいのか分かりません」――代行の種類については、この2つのご相談をよくいただきます。
先に結論をお伝えすると、比べられないのは情報が足りないからではなく、楽天代行という言葉が6つの別のサービスを指しているためです。全体を任せる契約と、商品登録だけを頼む契約では、費用が20倍以上変わります。同じ名前で並べても、比較が成立しません。
solezoreでは、代行の種類を建物の管理にたとえて説明しています。管理会社に一括で任せるのか、清掃だけ、設備の点検だけ、と分けて頼むのか。どこが困っているかが分かれば、頼む先が決まります。
この記事では、6つの種類とそれぞれの業務内容から、費用の目安、課題からの選び方、全体委託と部分委託の分かれ目、組み合わせるときの注意、そして種類ごとの成果の見方までを、モール販売を支援している立場から解説します。
代行の6種類
結論: 分かれるのは、全体の運用、商品登録、ページ制作、広告運用、受注と顧客対応、イベント対応の6つです。扱う工程が違うため、解決できる課題も変わります。
まず、それぞれが何をするのかを押さえます。
全体の運用と、制作まわりの2つ
全体の運用は、ページの制作、広告、検索対策、在庫の集計、報告までをまとめて任せる契約です。窓口が1つで済むかわりに、金額が最も大きくなります。
商品登録は、登録の作業だけを任せる契約です。すでに文言と画像がある状態で、それを管理画面に入れていく工程を指します。バリエーションの設定やタグの登録も含まれることがあります。
ページ制作は、画像と文章を作るところから任せる契約です。登録の代行とは別のサービスで、金額も大きく変わります。
広告と、運用まわりの3つ
広告運用は、設定、入札の管理、除外の設定、報告を任せる契約です。最も外注しやすい領域で、扱う会社も多くなります。
受注と顧客対応は、注文の処理、問い合わせへの返信、レビューへの対応を任せる契約です。商品の知識が要るため、答えてよい範囲の線引きが必要になります。
イベント対応は、大型のセール期間の準備と運営を任せる形です。エントリー、クーポンの設定、ページの差し替え、期間中の在庫の監視が含まれます。楽天ならではの種類で、単発で頼めることもあります。
名前が同じでも中身が違う
同じ楽天代行という表記でも、上のどれを指しているかは会社によって違います。全体の運用と書きながら、実際は広告運用だけという契約は珍しくありません。
問い合わせの段階で、6つのうちどれを扱っているかを聞きます。この確認だけで、比較の土台が揃います。
見積もりの表題ではなく、業務の一覧で判断します。表題は各社が自由に付けられるためです。
種類ごとの費用の目安
結論: 全体の運用が月20万〜80万円、広告運用が月5万〜20万円に広告費の割合、商品登録が1商品3,000円〜1万円です。範囲が違うため、単純に安い高いでは比べられません。
数字を並べると、性質の違いが見えます。
6種類の相場・登録と制作は別のサービス
| 種類 | 費用の目安 | 課金の単位 |
|---|---|---|
| 全体の運用 | 月20万〜80万円 | 月額 |
| 商品登録 | 1商品3,000円〜1万円 | 商品ごと |
| ページ制作 | 1商品3万〜15万円 | 商品ごと |
| 広告運用 | 月5万〜20万円+広告費の15〜30% | 月額+割合 |
| 受注と顧客対応 | 月3万〜15万円 | 月額(件数による) |
| イベント対応 | 1回5万〜30万円 | 開催ごと |
全体の運用は、扱う商品数で幅が出ます。10商品以下で20万〜40万円、50商品を超えると60万円以上になることが多くなります。
商品登録の代行と、ページの作り込みは別物です。前者は既にある素材を入れる作業で、後者は文言と画像を作るところから始まります。
登録作業の見積もりと、制作の見積もりを並べて安い高いを判断すると、必ず取り違えます。 1商品5,000円と1商品8万円は、同じ土俵の数字ではありません。

課題から選ぶ
結論: 選び方は、自社が最も困っていることから逆算します。売上が伸びないという漠然とした課題のままだと、全体の運用しか選べません。
困りごとを具体的にするほど、安く済みます。
数字で4つに切り分けて、頼む先を決める
| 困っていること | 向く種類 |
|---|---|
| 何から手を付ければいいか分からない | 全体の運用 |
| 商品数が多く登録が追いつかない | 商品登録 |
| ページの見た目が競合に見劣りする | ページ制作 |
| 広告費を使っているが利益が残らない | 広告運用 |
| 問い合わせ対応に時間を取られている | 受注と顧客対応 |
| イベントの準備が毎回間に合わない | イベント対応 |
漠然と売上が伸びないという状態なら、先に数字で切り分けます。
- 表示回数がほぼ0なら、検索に出ていません。商品名の設計か広告です
- 表示はあるがクリックが少ないなら、1枚目の画像と価格です。ページ制作にあたります
- 開かれても買われないなら、説明文と情報の不足です。同じくページ制作です
- 買われてはいるが利益が残らないなら、広告か価格です。広告運用になります
この切り分けを自社でやると、全体の運用ではなく部分の委託で足りることが分かります。 金額としては3分の1以下に収まることも珍しくありません。
数字を見ても判断が付かない場合は、助言だけを単発で頼む方法があります。全体の運用を契約する前に、どこが弱いのかを外の目で見てもらう形です。
この段階で契約を急ぐ必要はありません。見てもらった結果を持って、必要な種類だけを頼むほうが費用が抑えられます。
全体委託と部分委託の分かれ目
結論: 分かれ目は、社内に判断できる人がいるかどうかです。いるなら部分委託、いないなら全体の運用が現実的になります。
金額ではなく、体制で決まります。
部分委託が向く場合・全体の運用が向く場合
社内に、数字を見て次に何をするかを決められる人がいるなら、部分委託が向きます。作業だけを外に出し、判断は自社に残す形です。
費用は抑えられますが、複数の依頼先を束ねる役割が社内に必要になります。この役割を誰も担わないと、それぞれが別の方向に動きます。
判断できる人がいない場合、部分委託にすると全体が噛み合いません。広告の担当は広告だけを見て、ページの担当はページだけを見るためです。
この場合は、窓口を1つにして全体を任せるほうが結果が出ます。金額は上がりますが、束ねる作業まで含んでいると考えると割高ではありません。
部分委託で社内に残るもの
結論: 部分委託にすると、束ねる役割が社内に残ります。方針を決め、各社に同じ前提を伝え、噛み合っているかを確認する作業です。
安くなるぶん、手間が増えます。
束ねる作業の中身
やることは3つです。
- 方針を決める:どの商品を主力にし、どの言葉で戦うかを決めます
- 同じ前提を配る:各社に、同じ商品情報と同じ目標を伝えます
- 噛み合いを確認します。広告で使っている言葉とページの言葉が揃っているかを見ます
3番目が抜けると、広告の担当が拾ってきた言葉がページに反映されないまま終わります。部分委託の効果が出ない原因は、ほとんどここにあります。
時間の目安
束ねる作業には、月3〜5時間かかります。全体の運用を1社に任せた場合の社内工数と、実はそれほど変わりません。
差が出るのは金額です。部分委託で月15万円、全体の運用で月45万円という比較になることが多くなります。時間を出せるなら、部分委託のほうが手元に残ります。
束ねる人を社内に1人も置けないなら、部分委託は成立しません。金額の前に、その人がいるかを確かめます。
組み合わせて頼むときの注意
結論: 複数に分けて頼む場合、依頼先ごとに情報がずれます。同じ資料を配り、月1回同じ数字を見る場を作ると防げます。
分けるほど、調整の手間が増えます。
情報がずれる例・ずれを防ぐ2つの手
広告の担当が、注文の多い言葉を見つけたとします。この情報がページの担当に届かないと、商品名には反映されません。
逆に、ページの担当が価格を変えたことを広告の担当が知らないと、入札の判断がずれます。どちらも、悪意ではなく連絡の経路がないだけです。
1つ目は、同じ資料を配ることです。商品の情報、目標の数字、主力の商品。この3つを1つの文書にして、依頼先すべてに同じものを渡します。
2つ目は、月1回同じ数字を見る場を作ることです。表示回数、購入率、1件あたりの獲得費用、在庫の残り日数。この4つを並べた表を、全員が見る形にします。
会議を開く必要はありません。共有の場所に表を置き、更新されたら各社が見るだけで足ります。
分けすぎない
3社を超えると、束ねる作業が現実的でなくなります。部分委託にする場合も、2社までに収めるほうが回ります。
安いところを組み合わせたいというご相談をよくいただきますが、総額と社内の工数の両方で比べます。3社に分けて月18万円でも、束ねる時間が月10時間かかるなら、1社に月30万円のほうが安いことがあります。
種類ごとの成果の指標
結論: 頼んだ種類によって、見るべき数字が変わります。広告運用に検索順位を求めても、担当できる範囲を超えています。
依頼先を評価する物差しの話です。
種類と対応する数字・求める先を間違えない
| 頼んだ種類 | 見る数字 | 判断できる時期 |
|---|---|---|
| 広告運用 | 1件あたりの獲得費用・除外した語の数 | 2〜3か月 |
| ページ制作 | クリック率・購入率 | 1〜2か月 |
| 商品登録 | 登録した本数・差し戻しの件数 | 1か月 |
| 受注と顧客対応 | 返信までの時間・低い評価の件数 | 1〜2か月 |
| イベント対応 | 期間中の売上・欠品の有無 | 1回ごと |
| 全体の運用 | 順位・購入率・1件あたりの獲得費用 | 3〜6か月 |
ページ制作が最も早く数字に出ます。全体の運用は最も遅く、3か月では判断が付きません。
広告運用だけを頼んでいて売上が伸びない場合、1件あたりの獲得費用を見ます。ここが目標を満たしているなら、依頼先の仕事は成立しています。
それでも売上が動かないなら、原因は購入率か在庫にあります。この場合、広告の担当を替えても解決しません。契約に含まれていない領域の結果を求めても、対応する手立てがないためです。
契約形態の違い
結論: 契約は月額固定、成果報酬、単発の3つに分かれます。同じ業務でも、形態によって進め方が変わります。
金額の払い方の話です。
3つの形態・形態の選び方
「成果報酬なら損をしない」と思われがちですが、実際にはそう単純ではありません。元から売れていた分にも料率が乗る契約だと、何もしなくても支払いが発生します。
月額固定は、費用の見通しが立ちます。作業量が決まっているため、範囲を明確にしておく必要があります。
単発は、ページ制作やイベント対応に向きます。必要なときだけ頼めるため、月額の契約に入らずに済みます。
立ち上げの段階は単発から入ります。ページ制作を数商品頼んでみて、その会社の質を確かめてから月額に移る形です。
いきなり年間契約を結ぶより、単発で1回試すほうが判断の材料が集まります。 制作の質も、連絡の速さも、報告の中身も、1回で分かります。
切り替えと追加のタイミング
結論: 追加するのは、いまの依頼先が扱っていない領域で数字が止まったときです。切り替えるのは、同じ指摘を3か月しても動かないときです。
増やす判断と替える判断は別物です。
追加を検討する場面
広告運用だけを頼んでいて、購入率で止まっている場合。この場合、広告の担当に言っても解決しません。ページ制作を別に頼む判断になります。
商品登録の代行だけを頼んでいて、登録は進んでいるが売れない場合も同じです。作業は依頼どおり進んでおり、足りないのは別の工程です。
いまの依頼先を責める前に、その領域が契約に含まれているかを確認します。
切り替えを検討する場面
同じ課題を3か月伝えていて動かない場合は、切り替えの検討に入ります。月次の報告に翌月の施策が書かれない状態が続いている場合も同じです。
切り替えるときは、権限の返却とデータの引き継ぎに時間がかかります。前の契約が続いているうちに、この2つを進めます。終了を伝えてからでは、対応の優先度が下がります。
進める順番は、権限の返却が先です。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、契約の種類を決める前に、どこで止まっているかを数字で切り分けます。ここでは2つの業種で、最初に何を変えたかを紹介します。
医薬品|全体委託から部分委託に切り替えた例
衛生用品を扱う事業者から届いた相談です。全体の運用として月50万円を払っていましたが、扱う商品は9点です。1商品あたり5万5,000円になります。
数字を切り分けると、購入率は3.1%で問題なく、順位も安定していました。止まっていたのは在庫で、欠品による機会損失が四半期に2回発生しています。
社内には数字を見られる方がいたため、部分委託に組み替えました。広告運用のみを月12万円で継続し、在庫の管理は社内へ戻しています。ページの改善は年2回の単発依頼です。
年間の費用は600万円から180万円に下がり、売上は横ばいを保っています。足りていなかったのは代行の量ではなく、在庫の管理でした。
アパレル|イベント対応だけを単発で頼んだ例
小規模なブランドです。日常の運用は社内で回せていましたが、大型のイベント期だけ手が足りていませんでした。
毎回、準備が1週間前になり、在庫の設定もクーポンの登録も間に合っていません。売上の山を作れずに終わる状態が続いていました。
そこで、イベント対応だけを単発で頼む形にしました。1回15万円で、4週間前からの準備を含みます。年に4回の開催に絞っています。
次のイベントでは、期間中の売上が前回の2.1倍になりました。年間の費用は60万円で、月額の契約に入るより大幅に安く収まっています。

よくある質問
Q. 楽天代行にはどんな種類がありますか?
A. 全体の運用、商品登録、ページ制作、広告運用、受注と顧客対応、イベント対応の6つです。同じ楽天代行という表記でも、どれを指しているかは会社によって違います。問い合わせの段階で、この6つのうちどれを扱っているかを聞くと、比較の土台が揃います。
Q. 全体を任せるのと、部分的に頼むのはどちらがいいですか?
A. 社内に判断できる人がいるかで決まります。数字を見て次に何をするかを決められる人がいるなら、部分委託で費用が3分の1程度に収まることがあります。いない場合は、複数の依頼先が別の方向に動くため、窓口を1つにするほうが結果が出ます。
Q. 商品登録とページ制作は何が違いますか?
A. 別のサービスです。商品登録は、すでにある文言と画像を管理画面に入れる作業で、1商品3,000円〜1万円が目安です。ページ制作は、画像と文章を作るところから始まり、1商品3万〜15万円になります。この2つを並べて安い高いを判断すると、必ず取り違えます。
Q. 安い会社を組み合わせて頼んでもいいですか?
A. 2社までなら現実的です。3社を超えると束ねる作業が回らなくなります。総額だけでなく、社内で調整に使う時間も含めて比べます。3社で月18万円でも、束ねる時間が月10時間かかるなら、1社に月30万円のほうが安く済むことがあります。
Q. どの種類を頼めばいいか分かりません。どう決めればいいですか?
A. 数字で切り分けます。表示回数がほぼ0なら商品名の設計か広告、クリックが少ないなら1枚目の画像と価格、開かれても買われないなら説明文の不足、利益が残らないなら広告か価格です。この切り分けを先にすると、全体の運用ではなく部分の委託で足りることが分かります。
Q. 成果報酬型なら損をしませんか?
A. そう単純ではありません。元から売れていた分にも料率が乗る契約だと、何もしなくても支払いが発生します。契約前の売上を基準にして、そこからの増加分にだけ料率を適用する形にできるかを確かめます。立ち上げの段階なら、単発で1回試すほうが判断の材料が集まります。
まとめ
楽天代行の種類を選ぶための要点を整理します。
- 種類は6つ。全体の運用、商品登録、ページ制作、広告運用、受注対応、イベント対応
- 同じ楽天代行という表記でも、指しているものが会社によって違う
- 費用は全体の運用が月20万〜80万円、商品登録は1商品3,000円〜1万円
- 登録の代行とページ制作は別のサービス。並べて比べると取り違える
- 困りごとを数字で特定すると、部分の委託で足りることが多い
- 全体委託と部分委託の分かれ目は、社内に判断できる人がいるかどうか
- 部分委託では束ねる役割が社内に残る。月3〜5時間かかる
- 分けるのは2社まで。3社を超えると調整が回らなくなる
- 契約形態は月額固定、成果報酬、単発の3つ。立ち上げは単発から
- 頼んだ種類ごとに、見る数字と判断できる時期が変わる
本文で触れなかったことを1つ足します。イベント対応だけを単発で頼む形は、意外と選択肢に入っていません。 日常の運用は社内で回せているのに、年に数回の繁忙期だけ手が足りない。この形の事業者は多く、月額の契約を結ぶより費用が大幅に抑えられます。
やらないほうがよいこともあります。範囲を決めずに見積もりを取ること、3社以上に分けること、そして契約に含まれていない領域の結果を求めること。3つ目は、良い依頼先を切ってしまう原因になります。
次の一歩は、いま困っていることを1つに絞るところからです。それが決まれば、頼む種類は自動的に決まります。
solezoreでは、どの種類が必要かの切り分けから、部分委託の設計、複数社を束ねる仕組みづくりまでを承っています。いまの契約が自社の課題と合っているかを見るところだけ、というご相談も承っています。
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