SEO対策は意味ない?上位を取っても問い合わせが来ない構造と直し方

SEO・コンテンツ
大きな麦の束の横に、数粒だけを載せた小さな皿が置かれている
SNSアカウント無料診断|TikTok・Instagram・Xの伸びしろを現役クリエイターが無料でレポート

「記事を50本出して、順位も上がった。でも問い合わせは1件も増えていません」「半年やって、何が変わったのか説明できない」――SEOをやめるかどうかで迷っている企業から、こうしたご相談をいただきます。

結論からお伝えすると、SEO対策そのものが無効になったわけではありません。意味がないと感じる状態のほとんどは、仕事につながらない言葉で上位を取っていることが原因です。順位も流入も増えているのに受注だけ動かないとき、疑うべきは対策の質ではなく、狙った言葉の側にあります。

当社(solezore)は自社でオウンドメディアを225本運用していて、その全記事を1本ずつ分類して数えました。訪問の95%が、問い合わせが1件も出ていない記事に集まっていました。同じ社内の、同じ書き手が作った記事でも、こうなります。

この記事では、意味がないと感じる状況を5つに切り分けたうえで、上位を取っても届かない構造を実測値で示し、続けるか止めるかの判断と立て直しの順番までを、自社メディアを運用している立場から整理します。

「意味ない」には2つの意味が混ざっている
施策そのものが無効という意味
検索がなくなった
Googleが個人サイトを優遇しなくなった
AIが答えるので誰もクリックしない
自社のやり方が合っていないという意味
狙う語が受注から遠い
期間が足りていない
商材が検索と相性が悪い
記事を出すこと自体が目的になっている
  1. SEO対策が意味ないと感じる5つの状況
    1. 順位は上がったのに問い合わせが増えない
    2. 半年続けたが順位が動かない
    3. 1ページ目が比較メディアとサービスサイトで埋まっている
    4. AI検索で答えが出て、クリックされない
    5. 記事を出すことが目的になっている
  2. 上位を取っても問い合わせが来ない構造
    1. 順位が付きやすい語ほど、受注から遠い
    2. 人が集まる記事から、仕事につながる記事へ行けない
    3. 訪問が増えても受注が増えない期間が続く理由
    4. では、何を主指標に置くか
  3. 本当に意味のないSEO対策
    1. 検索する人がいない語で1位を取る
    2. 自社が受けられない仕事の語を狙う
    3. 被リンクを買う
    4. 文字数だけを競う
    5. 更新日だけを書き換える
    6. 競合の記事構成をそのまま真似る
  4. 効果が出るまでの期間の目安
    1. 期間ではなく、本数と質の両方で決まる
    2. 時期ごとに、見る指標を変える
  5. SEOが向く会社と、向かない会社
    1. 検討期間が長い商材ほど、記事が働く
    2. 商圏が狭いなら、地図検索が先
    3. 立ち上げ直後は、期間が合わない
  6. AI検索が出てきて、SEOの意味は変わったか
    1. 定義を尋ねる語から、先に減っている
    2. 引用されるための書き方に寄せる
    3. 引用されているかを確かめる
  7. 立て直す順番|語の分類から始める5ステップ
    1. 分類は機械に任せない
    2. 道を作るのは、記事を書くより早い
    3. 厚くする順番は、訪問が多い記事から
  8. 続けるか、やめるかの判断
    1. やめる前に、1回だけ数える
    2. 完全に止めるより、本数を絞る
  9. 社内で「意味がない」と言われたときの説明材料
    1. 訪問数の推移を見せると、かえって説明が苦しくなる
    2. 持っていく3つの数字
    3. 止める案も一緒に出す
  10. solezoreの支援事例|業種別の進め方
    1. アパレル|1位を取っている記事から、売り場へ道がなかった
    2. アプリ|半年で順位が動かず、止める寸前だった
  11. よくある質問
  12. まとめ

SEO対策が意味ないと感じる5つの状況

結論: SEO対策が意味ないと感じる状況は5つに分かれ、原因も対処も別です。順位が付かないのか、順位は付くが人が来ないのか、人は来るが問い合わせに至らないのかで、直す場所がまったく違います。

いちばん多いのは3つ目です。順位も流入も増えているのに受注が動かない状態は、数字の上では成功しているように見えるので、原因を探す場所を間違えやすくなります。

「意味がない」と感じている地点はどこか
SEOに意味を感じられない
検索結果に出てこない
登録されていない、または評価が付いていない。技術面の確認が先
順位が付かない
上位が強すぎる語を狙っている。語の選び直しで解ける
順位は上がったが人が来ない
検索する人がほとんどいない語で1位を取っている
人は来るが問い合わせが来ない
買う手前ではない読者が集まっている。ここが最も多い
何を見ればいいか分からない
測る指標が訪問数だけになっている

順位は上がったのに問い合わせが増えない

上位表示と受注は、別の問題です。検索1位を取れる語と、発注を考えている人が打つ語は、多くの業種で一致しません。前者は情報を集めている段階の語で、後者は業者を探している段階の語だからです。

この状態にあるとき、記事の本数を増やしても解決しません。同じ性質の語を足すことになるので、訪問が増えて問い合わせが増えないという形がそのまま拡大します。

半年続けたが順位が動かない

期間が足りていない場合と、語の選び方が外れている場合があります。Google検索セントラルの『SEOスターターガイド』では、SEOによる変更が検索結果に反映されるまでには数時間で済むものもあれば数か月かかるものもある、と説明されています。

半年で1本も10位以内に入っていないなら、期間ではなく語の側を疑うほうが早いでしょう。上位10件が大手の比較メディアで埋まっている語を選んでいると、記事の質を上げても届きません。

1ページ目が比較メディアとサービスサイトで埋まっている

「〇〇代行」「〇〇 費用」「〇〇 おすすめ」といった語は、比較メディアが先に押さえています。当社が新しい記事を出す前に検索結果を1件ずつ見て判定していますが、この語形は10枠のうち5〜7枠が比較メディアで埋まっているケースが珍しくありません。

枠が2つしか空いていない場所に、後発で入るのは現実的ではない。ここは記事ではなく広告で取りに行くか、比較メディアが作らない語に移るかの判断になります。

AI検索で答えが出て、クリックされない

検索結果の上部にAIによる要約が表示される機会が増え、そこで用が足りる質問は自社サイトまで来なくなりました。駅の改札前に案内板が立ったようなもので、行き先を尋ねるだけの人は、もう窓口まで来ません。

ただし、これはすべての語で起きているわけではない。定義や手順を尋ねる語では起きやすく、業者を探している語では起きにくい傾向があります。窓口に用があるのは、案内板を読んでも決められなかった人です。

記事を出すことが目的になっている

月4本という本数だけが決まっていて、それが何につながるかを誰も説明できない状態です。「毎月出してはいるのですが、これが何に効いているのか、社内の誰も答えられなくて」というご相談は、実際によくいただきます。

この形になると、成果が出ていないことに気づくのが遅れます。公開本数も訪問数も毎月増えているので、進んでいるように見えるからです。止まっていることが数字の上では分からない。

本数を目標に置くこと自体は、立ち上げ期には合理的です。問題は、その先の指標へ切り替える時期を決めていないことにあります。

感じている状況疑う場所最初にやること
検索結果に出てこない技術面(登録・表示速度・重複)Google Search Console で登録状況を見る
順位が付かない狙った語の競合の強さ上位10件が比較メディアかを目視で数える
順位は上がったが人が来ない語の検索需要月間検索数を語ごとに確認する
人は来るが問い合わせが来ない語と商材の距離記事を受注に近い/遠いで分類する
何を見ればいいか分からない指標の置き方訪問数ではなく問い合わせ件数を主指標にする

上位を取っても問い合わせが来ない構造

結論: 訪問が多い記事と、問い合わせが出る記事は別物です。当社の自社メディア225本を分類したところ、訪問の95%が問い合わせ0件の記事に集まり、問い合わせは訪問全体の3.5%しかない記事群から出ていました。

「記事の本数を増やせば、そのぶん問い合わせも増えていく」と思われがちですが、実際は増える記事の性質によって結果が分かれます。訪問だけが積み上がって、問い合わせが横ばいのまま止まる形が起こりうる。

そう見えるのは、訪問と問い合わせが同じ線の上にあると考えてしまうからです。実際には、記事ごとに読者の状態が違います。情報を集めている人が読む記事と、業者を探している人が読む記事は、同じサイトの中にあっても別の役割を持っています。

自社の数字なので、そのまま公開します。2026年7月2日から8月3日までの33日間、記事を受注に近い群(代行・外注・費用相場など、業者を探している語)とそれ以外の群に1本ずつ手で分類して集計したものです。

記事数33日間の訪問問い合わせ訪問あたりの問い合わせ率
受注に近い記事53本2065件2.43%
それ以外の記事155本5,6570件0%
訪問数を主指標にすると見えなくなる3つ
01
どの記事が仕事を連れてきたか
全体の訪問が伸びていれば良しとするので、5,657対206という偏りに気づけない
02
上位を取れている語の性質
順位が付きやすい語ほど受注から遠い、という逆の関係が見えない
03
記事同士のつながり
人が集まる記事から、仕事につながる記事への導線があるかを誰も見ていない

順位が付きやすい語ほど、受注から遠い

同じ集計で、検索結果での出方も比べました。受注に近い記事は表示の85%が11位以下、つまり2ページ目より後ろにいます。それ以外の記事は表示の80%が10位以内に入っていました。

上位を取れている場所と、仕事になる場所が逆という状態です。これは当社に限った話ではありません。業者を探す語には比較メディアと同業他社が集まるので競争が激しく、情報を集める語は競争がゆるい。順位だけを見て頑張ると、自然に競争のゆるいほうへ流れます。

人が集まる記事から、仕事につながる記事へ行けない

もうひとつ分かったことがあります。訪問の多い155本のうち103本には、受注に近い記事へのリンクが1本もありませんでした。月に782人が読んでいる記事から、費用相場を説明した記事へ移動する道がない状態です。

読者からすると、記事を読み終えて「なるほど」と思ったところで行き先がない。ここは記事を増やさなくても直せる部分なので、当社は先にこちらから手を付けました。

訪問が増えても受注が増えない期間が続く理由

情報を集めている読者は、その時点では発注する気がありません。半年後に検討を始める人もいますが、その頃には別の入口から来ます。つまり、この群の訪問は将来の受注に完全に無関係ではないものの、今月の問い合わせにはほぼ寄与しない。

この時差を計算に入れずに「3か月で問い合わせを増やす」と設計すると、達成できない目標を追い続けることになります。

では、何を主指標に置くか

当社が自社メディアで主指標にしているのは、受注に近い記事群の問い合わせ件数です。全体の訪問は測りますが、達成の判定には使いません。参考値として報告に載せるだけにしています。

主指標を1つに絞ると、判断が速くなります。訪問が2割増えて問い合わせが横ばいなら、増えた2割は情報収集の記事に来た人だと分かる。逆に訪問が減って問い合わせが増えているなら、狙う場所が正しくなってきた合図です。訪問と問い合わせが逆に動く時期があることは、あらかじめ関係者に共有しておくほうが安全でしょう。

本当に意味のないSEO対策

結論: 効果が薄いと分かっている対策が4つあります。検索する人がいない語で書く、自社が受けられない仕事の語で書く、被リンクを買う、文字数だけを競う。このうち上2つは、成果が出ないことに気づくまでに時間がかかります。

「意味がないのはSEO全体ではなく、その中の一部の作業」と分けて考えると、やめるべきものが見えてきます。

同じ工数をかけても、結果が分かれる
意味が薄い使い方
誰も検索していない語で1位を取る
自社が受けられない仕事の語を狙う
被リンクを買う
文字数だけを競う
更新日だけ書き換える
効きやすい使い方
発注を検討している語を選ぶ
自社しか書けない実務を書く
訪問の多い記事から受注に近い記事へつなぐ
出した後に順位と問い合わせの両方で測る

検索する人がいない語で1位を取る

月間検索数が10に満たない語で1位を取っても、月10回の表示にしかなりません。クリック率が3割としても月3回の訪問です。ここに8,000字の記事を1本充てるのは、工数の使い方として合っていない。

ただし、検索数の小ささが常に理由になるわけではありません。当社は月間検索70の語で記事を出したことがあります。上位の記事がどれも2,000字程度で、明らかに手が入っていなかったからです。検索数が小さくても競合が薄い場所は、少ない工数で1位が取れます。

自社が受けられない仕事の語を狙う

意外に見落とされるのがこれです。枠が空いていて、検索数もある。それでも、その語で問い合わせが来たときに自社で受けられないなら、書く意味がありません。

当社は動画広告の費用対効果という語を検討して、外しました。検索結果の1ページ目6枠がYouTube広告の運用に関する記事で、そこに入るには広告運用の記事を書くことになる。当社は広告運用の代行を売っていないので、問い合わせが来ても断ることになります。

被リンクを買う

有料リンクは Google のスパムに関するポリシーで明確に禁止されています。一時的に順位が上がったように見えても、評価の対象から外れる、あるいは手動による対策を受ける可能性が残ります。

厄介なのは、後始末の難しさです。買ったリンクは相手のサイトにあるので、自分では外せません。業者との契約が切れた後もリンクが残り続け、削除を依頼して回るところから始めることになります。上がった分を取り戻すより、元に戻すほうが時間がかかる。

「前の業者が何をしていたか分からない」という状態で引き継ぐケースもあります。この場合、まず被リンクの一覧を出して、不自然なものが混ざっていないかを確認するところから入ります。

文字数だけを競う

上位が1万字だから1万2,000字にする、という進め方は効きません。同じことを言い換えて伸ばした分は読まれずに離脱されるだけです。当社が記事の文字数を決めるときは、上位10件の中央値を測ったうえで、足す中身があるかどうかを別に判断しています。

中身の足し方は、論点を増やすことに限ります。業種別の分岐、失敗したときの戻し方、隣接する制度との関係――こうしたものが足りていない記事は短く、足りている記事は自然に長くなります。

更新日だけを書き換える

順位が落ちた記事の日付を新しくして再公開する、という運用を見かけます。中身が変わっていなければ、読者にとって何も変わりません。

古い記事のてこ入れが無駄という意味ではなく、順序の話です。数字が変わっているなら差し替える、状況が変わったなら段落を足す。そのうえで日付が動くのは自然なことですが、日付だけが動いても評価は動きません。

競合の記事構成をそのまま真似る

上位10件の見出しを集めて、その最大公約数で構成を作る進め方があります。網羅性は上がりますが、10件と同じことしか書いていない記事ができあがる。後から入る側が同じ内容で並んでも、先に評価されている記事を追い越す理由がありません。

当社は上位の構成を見るとき、共通して書かれていることよりも、どこにも書かれていないことを探します。実際に業務で見ている手順、断られた理由、外した判断。ここが自社にしか書けない部分になります。

効果が出るまでの期間の目安

結論: SEOの効果は3〜6か月で兆しが出て、受注への影響が読めるまでには6〜12か月かかります。Googleは、変更が検索結果に反映されるまでに数か月かかる場合があると公式に説明しています。3か月で判断すると、ほぼ確実に早すぎます。

何が、どの順で動くか
1
1〜3か月目
記事が登録され、検索結果に出始める。順位は50位前後から。訪問はほとんど動かない
2
4〜6か月目
一部の語で20位前後まで上がる。訪問が増え始めるが、問い合わせはまだ読めない
3
7〜9か月目
競争のゆるい語で10位以内が出始める。受注に近い語は、ここでも2ページ目にいることが多い
4
10〜12か月目
記事同士のつながりが効き始め、問い合わせの件数で判断できるようになる

期間ではなく、本数と質の両方で決まる

月1本と月8本では、同じ6か月でも積み上がるものが違います。当社の内製の実測では、8,000字クラスの記事1本に6〜9時間かかりました。月4本なら24〜36時間、担当者1人の週1日ぶんです。

この時間を確保できないまま「半年やったが効果がない」と結論を出しているケースが、かなりあります。まず、何本出せたかを数えるところから始めるほうが早いでしょう。

時期ごとに、見る指標を変える

立ち上げ初期に問い合わせ件数を見ても、0が並ぶだけです。時期によって、意味のある数字が変わります。

体重を落とすときに、初日から体脂肪率を測っても動かないのと同じで、その時期に動く数字を見るほうが判断できます。最初の3か月で見るべきなのは順位ではなく、そもそも記事が検索エンジンに登録されているかどうか。ここでつまずいているケースは、実際にあります。

切り替える時期は、あらかじめ決めておくほうがよいでしょう。当社は3か月ごとに見る指標を1段ずつ進める形にしていて、報告の様式もそれに合わせて変えています。途中で指標が変わることを先に共有しておかないと、報告のたびに数字の意味を説明し直すことになります。

時期主に見る指標まだ見なくてよい指標
1〜3か月目公開本数、登録されているページ数順位、訪問、問い合わせ
4〜6か月目表示回数、平均順位問い合わせ件数
7〜12か月目受注に近い記事の訪問、問い合わせ件数全体の訪問数(伸びても判断に使わない)

SEOが向く会社と、向かない会社

結論: SEOは商材の検討期間が長いほど効きます。検討期間が短く、その場で決まる商材や、商圏が半径数キロに限られる業種では、SEOより先に手を付けるべき施策があります。自社がどちらかを先に見極めるほうが、記事の質を上げるより効果があります。

「うちの業界でSEOは意味がない」と言われることがありますが、業界ではなく商材の性質で決まります。同じ業界でも、単価と検討期間が違えば結論が変わる。

商材の性質SEOとの相性先に検討したい施策
単価が高く、検討に数週間〜数か月かかる高い。比較・費用の語で拾える
法人向けで、担当者が社内説明の材料を探す高い。資料になる記事が効く
単価が低く、その場で買う低い。検索する前に決まっているSNS、広告
商圏が半径5km以内の店舗低い。全国の検索では拾えないMEO(地図検索の対策)
立ち上げ直後で、3か月以内に売上が要る低い。期間が合わない広告、既存顧客への案内

検討期間が長い商材ほど、記事が働く

数十万円の発注を決めるとき、人は必ず調べます。相場、業者の選び方、失敗例。この調べる時間が長いほど、記事が読まれる回数が増え、比較の土俵に乗る確率が上がります。

家を買うときの動き方に近いと考えてください。いきなり契約する人はおらず、何か月も情報を集めて、複数を見比べて決める。その期間ずっと、記事は営業担当の代わりに働きます。

逆に、1,000円の商品をその場で買う人は検索しません。手に取って、値段を見て、買う。この行動の間に記事が入り込む余地はほとんどないので、ここにSEOの予算を割くと成果が出ないまま時間が過ぎます。

商圏が狭いなら、地図検索が先

美容室や飲食店のように来店が前提の商売では、全国の検索で1位を取っても意味がありません。100km離れた場所の人が読んでも来店にはつながらないからです。

「ブログを書いているのに予約が増えない」というご相談を店舗業の方からいただくことがありますが、多くは対策の場所が違います。近くで探している人に見つかることが先で、それは地図検索の領域になる。記事はその後、来店を迷っている人の背中を押す役割で効いてきます。

立ち上げ直後は、期間が合わない

3か月後に売上が必要な状況でSEOを始めるのは、時間の使い方として合いません。半年から1年かけて積み上がる施策なので、その間の売上は別の手段で作る必要があります。

当社は、立ち上げ期の企業から相談を受けたときに、SEOを後回しにする提案をすることがあります。順番の問題であって、やらないほうがいいという意味ではありません。

AI検索が出てきて、SEOの意味は変わったか

結論: 検索結果でAIが答えるようになり、定義や手順を尋ねる語ではクリックされにくくなりました。一方で、業者を探している語や費用を比べる語では、まだ人がサイトを見て判断しています。影響の出方が語によって違うので、全体を一括で判断しないほうが安全です。

AI検索の影響は、語によって出方が違う
影響が出やすい語
〜とは
〜の意味
〜のやり方
用語の定義
単純な手順(AIの要約で足りてしまう)
まだ人が見に来る語
〜代行
〜の費用
〜の選び方
失敗例
実際にいくらかかったか(判断材料を自分で確かめたい)

定義を尋ねる語から、先に減っている

用語の意味を調べる検索では、AIによる要約で用が足ります。この種の記事だけでメディアを組んでいると、影響が直接出ます。

当社のメディアでも、解説型の記事で表示回数と実際の訪問の差が開いてきました。検索結果には出ているのに、クリックされない。順位が落ちたわけではないので、順位だけを見ていると変化に気づけません。

「順位は維持しているのにアクセスが減っている」という状態は、この形であることが多いでしょう。確認するときは、順位ではなく表示回数とクリック率の推移を並べて見ます。順位が同じでクリック率だけが下がっていれば、検索結果の上でクリックが吸われていると判断できます。

引用されるための書き方に寄せる

AI検索は、ページ全体ではなく段落を抜き出して引用します。各見出しの直下で結論を短く言い切り、その段落だけを切り出しても意味が通る形にしておくと、拾われやすくなります。数値や出典を本文に入れることも同じ方向の対策です。

これは検索エンジン向けの小細工ではありません。Googleは『有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成』のガイダンスで、検索エンジンのためではなく人のために作ることを一貫して求めています。読み手が答えを取り出しやすい形は、そのままAIが引用しやすい形になります。

引用されているかを確かめる

順位は計測ツールで追えますが、AIの回答に自社が出てくるかは別に確認が要ります。方法は素朴で、自社が狙っている語を生成AIの検索機能に打ち込み、回答の中に自社名や自社サイトが出るかを見るだけです。

当社は月に一度、主要な10語ほどで手作業で確認しています。自動で測る仕組みはまだ確立していないので、件数の記録は手集計です。ここは正直なところ、精度の高い測り方が業界全体でも定まっていません。

立て直す順番|語の分類から始める5ステップ

結論: 記事を増やす前に、いまある記事を受注に近い群とそれ以外に分けます。当社はこの分類を1本ずつ手で行い、正規表現で機械的に分けたときは53本中38本を取り違えました。ここを間違えると、以降の判断がすべてずれます。

立て直しの手順
1
1. 記事を2つの群に分ける
業者を探している語で書いた記事と、情報を集める語で書いた記事。1本ずつ目で見て分ける
2
2. 群ごとに訪問と問い合わせを数える
33日程度の同じ窓で測る。どちらの群から仕事が来ているかがここで出る
3
3. 訪問の多い記事から、受注に近い記事へ道を作る
記事を増やさずにできる。当社は103本のうち20本から先に張った
4
4. 受注に近い記事を厚くする
本数を増やすより、いまある記事を上位10件の中央値まで書き足すほうが早い
5
5. 主指標を問い合わせ件数に変える
訪問数は参考値に落とす。3か月ごとに同じ窓で測り直す

分類は機械に任せない

当社は最初、記事のURLの文字列で分類しようとしました。代行や費用という単語が入っていれば受注に近い、という考え方です。結果は53本のうち38本が誤りでした。費用相場を扱っているのにURLにその語が入っていない記事を落とし、ツールの紹介記事を受注に近い側に拾っていた。

分類は結論を左右します。ここだけは手で見るほうが確実です。

道を作るのは、記事を書くより早い

3の作業は、既存記事の締めの手前に1段落足すだけです。当社は20本に差し込んで、その日のうちに反映まで終えました。新しく記事を1本書く時間で、20本分の導線が作れる計算になります。

差し込む場所は、記事の途中ではなく締めの手前にしています。読み終えて次の行動を考えるタイミングに置くほうが、押される率が高いためです。文中に何本も入れると、読んでいる途中で離脱を促すことになりかねません。

装飾も付けないほうがよいでしょう。当社は目立つボタンではなく、本文の中の1文としてつないでいます。広告に見えた瞬間に読み飛ばされる、というのが実際に見てきた感覚です。

厚くする順番は、訪問が多い記事から

受注に近い記事が10本あるなら、全部を同時に直す必要はありません。表示回数の多い順に並べて、上から3本を先に厚くする。当社は7,396字だった費用の記事を10,303字まで書き足し、タイトルも検索者の言葉に合わせて変えました。

順番を表示回数で決める理由は、効果が出るまでの時間が短いからです。すでに検索結果に出ている記事は、内容を足せば数週間で順位が動くことがあります。まだ表示されていない記事を直しても、反応が返ってくるまでに数か月かかる。

書き足す中身は、上位10件を見て決めます。当社が費用の記事を直したときは、上位10本のうち9本が使っていた言い回しに合わせてタイトルを変え、料金の早見表と、費用が会社によって違う理由を新しく足しました。足したのは論点で、言い換えではありません。既存の説明を長くしただけの改稿は、順位に反映されにくいと考えています。

続けるか、やめるかの判断

結論: 半年から1年やって、受注に近い語で1本も10位以内に入っていないなら、いったん止めて語を選び直します。全体の訪問が伸びているかどうかは、この判断に使いません。伸びていても受注が0のまま続く形があるからです。

続けるか、止めるか
6〜12か月続けて成果が読めない
受注に近い語で10位以内が1本もある
続ける。その記事を厚くして、周辺の語に広げる
順位は付いているが受注に近い語が0本
語を選び直す。記事は止めず、狙う場所だけ変える
半年で公開が4本以下
判断を保留。まず本数を出せる体制を作る
商材の検討期間が数日以内
止める。広告やSNSに予算を移す
何を測っていたか思い出せない
止める前に、上の分類を1回だけやる

やめる前に、1回だけ数える

止める判断をする前に、記事を2つの群に分けて数える作業だけは済ませておくと、次の判断が変わることがあります。当社の場合、この集計で「一般記事を厚くしてクリックを増やす」という方針が実測でひっくり返りました。

数えるのに必要なのは、Google Search Console とサイトの解析ツールの2つだけです。1日あれば終わります。

完全に止めるより、本数を絞る

外注していて費用が負担なら、本数を減らして続けるという選択もあります。月8本を月2本にすれば、費用は4分の1になり、積み上げたものは残る。完全に止めるとサイトの更新が止まり、再開時にまた立ち上げからやり直しになります。

本数を絞るときは、新規の執筆ではなく既存記事の手入れに配分を寄せる形が現実的です。すでに検索結果に出ている記事のほうが、反応が早く返ってくるためです。月2本の枠を、新規1本と既存の手入れ1本に分ける会社もあります。

契約を切り替える場合は、記事の権利と、これまでに作ったデータの引き渡しを確認しておく必要があります。分析ツールの管理権限が代行会社側にあると、過去の数字を持ち出せません。ここは解約の話を始める前に見ておくところです。

社内で「意味がない」と言われたときの説明材料

結論: 社内で打ち切りの話が出たとき、訪問数の推移だけを持っていくと止められます。説明に要る数字は3つで、受注に近い記事の順位、その群の訪問、そこから出た問い合わせ件数です。全体の訪問はこの場面では使いません。

「上から成果を聞かれるたびに、グラフを見せて終わっています」というお話をよくうかがいます。グラフが右肩上がりでも、受注が動いていなければ次の質問が来る。そこで答えられないと、予算の話になります。

訪問数の推移を見せると、かえって説明が苦しくなる

訪問が伸びているのに問い合わせが0という状態は、見せ方によっては「効果がないのに続けている」と受け取られます。伸びていることが、そのまま反論の材料になってしまう。

先に群を分けて出すと、話の筋が変わります。訪問の大半が情報収集の記事に集まっていること、受注に近い記事はまだ2ページ目にいること。この2つが並ぶと、問題は施策の有無ではなく配分だと共有できます。

持っていく3つの数字

判断する側が知りたいのは、投じた費用が回収できる見込みがあるかどうかです。その1点に答える数字だけを持っていくと、話が短く済みます。

数字何を示すか出し方
受注に近い記事の平均順位あと何段で1ページ目に届くかGoogle Search Console でその記事群だけを抽出
受注に近い記事の訪問発注を考えている人が何人来ているか解析ツールで記事単位の訪問を合計
そこから出た問い合わせ件数実際の商談につながった数フォームの完了ページに入口の記事を記録しておく

3つ目は、あらかじめ計測の設定をしておかないと後から遡れません。当社も過去に遡れない期間があり、その部分は問い合わせメールの日時から手で突き合わせました。半年ぶんを手作業で照合するのは骨が折れるので、いま設定していないなら、この記事を読み終えた日に済ませておく価値があります。

止める案も一緒に出す

続ける前提の提案だけを持っていくと、判断する側は比べる材料を持てません。当社が提案書を作るときは、続ける案・本数を半分にする案・止めて広告に移す案を並べ、それぞれの費用と、判断できるようになる時期を書きます。

止める案が入っていると、続ける案の説得力が上がります。逆説的ですが、比較対象を自分で用意するかどうかで、社内の通り方が変わる。

solezoreの支援事例|業種別の進め方

支援に入るとき、当社はまず記事を増やす前に、いまある記事がどこに人を集めているかを数えます。2つ紹介します。

アパレル|1位を取っている記事から、売り場へ道がなかった

コーディネートの記事が複数の語で1位を取っていて、月間の訪問は伸びていました。ただ、そこから商品ページへ移動する人がほとんどいない。

見てみると、記事の中に商品への案内が1つもありませんでした。読み終えた読者は、そのまま検索結果に戻っていた。新しい記事を止めて、既存記事の中から反応の良い20本を選び、記事の内容に合う商品への導線を差し込むところから始めました。同時に、購入を検討している人が打つ語(サイズの選び方、素材の違い、返品の条件)で記事を追加しています。

3か月後、訪問の総数はほぼ変わらないまま、商品ページへの移動が増えました。

アプリ|半年で順位が動かず、止める寸前だった

「もう半年です。1本も上位に入っていないので、来月で終わりにしようと思っています」という状態からのご相談でした。

記事を見ると、質は悪くありませんでした。狙っていた語のほうに問題があり、上位10件のうち7件が大手の比較メディアで埋まっている語ばかりを選んでいた。後発で入る余地がほとんどない場所です。

検索数は10分の1でも競合が薄い語に切り替えて、記事の本数はそのまま月2本で続けました。4か月目に最初の10位以内が出て、そこから同じ性質の語を足しています。止めずに済んだのは、記事の質ではなく語の選び方が原因だと切り分けられたからでした。

よくある質問

Q. SEO対策はもう時代遅れですか?

A. 時代遅れではありませんが、効く語の範囲は狭くなっています。用語の意味や単純な手順を調べる検索はAIの要約で完結するようになり、そこに寄せていたメディアは影響を受けます。一方で、業者を探す語や費用を比べる語では、いまも人がサイトを見て判断しています。全体を一括で判断せず、自社が狙っている語がどちらかを確かめるほうが実際的です。

Q. 3か月やって効果がありません。失敗ですか?

A. 3か月では判断できません。Googleも、変更が検索結果に反映されるまでに数か月かかる場合があると説明しています。ただし、この3か月で何本公開できたかは確認する価値があります。月1本しか出せていないなら、期間の問題ではなく体制の問題です。

Q. 記事を増やせば、いつか問い合わせは来ますか?

A. 語の選び方が同じままなら、来ない可能性があります。当社の実測では、情報を集める語で書いた155本に月5,657回の訪問がありましたが、問い合わせは0件でした。同じ性質の記事を足すと、この形が拡大するだけです。増やす前に、いまの記事がどちらの群に入っているかを数えることをおすすめします。

Q. 順位が上がらないのは、記事の質が低いからですか?

A. 質より先に、狙っている語の競合を見てください。上位10件が比較メディアやポータルサイトで埋まっている語では、記事の質を上げても届きません。1ページ目を実際に開いて、自社と同じ立場の会社が何社入っているかを数えると判断できます。2社以下なら、その語は避けたほうが早いでしょう。

Q. 競合は同じ語で伸びているのに、うちだけ上がらないのはなぜ?

A. 先に始めているサイトは、同じ語で書かれた記事の数と、そこに集まった評価の蓄積で先行しています。同じ語で正面から並ぶより、その競合が書いていない周辺の語から入るほうが早い場合があります。競合の記事一覧を見て、扱われていない論点を探すところから始めると、入口が見つかることがあります。

Q. 外注していますが、成果が出ているかどうかはどこで見ればいい?

A. 報告書に訪問数や順位しか書かれていない場合、受注につながっているかは分かりません。記事を受注に近い群とそれ以外に分けて、群ごとの問い合わせ件数を出してもらうと、実態が見えます。この分類を代行会社が持っていないなら、そこから作り直す話になります。

まとめ

SEO対策が意味ないと感じるとき、原因は施策そのものではなく、狙っている語の側にあることがほとんどです。

  • 順位・流入・問い合わせのどこで止まっているかを先に切り分ける
  • 上位を取れる語ほど受注から遠い、という逆の関係が起きやすい
  • 記事を増やす前に、いまある記事を受注に近い群とそれ以外に分けて数える
  • 判断の期間は6〜12か月。3か月で結論を出すと早すぎる
  • 商材の検討期間が数日以内なら、SEOより先に手を付ける施策がある

最初にやることを1つだけ選ぶなら、記事の分類です。増やすのも止めるのも、いまどこに人が集まっているかを数えてからで遅くありません。1日あれば終わります。

逆に、この段階でやらないほうがよいことが2つあります。ひとつは、順位が落ちた記事をまとめて削除すること。順位が低いことと価値がないことは別で、受注に近い記事は順位が低いまま問い合わせを生んでいる場合があります。もうひとつは、狙う語を全面的に入れ替えること。何が効いていたのか分からなくなり、次の判断の材料が消えます。

止める場合も、いきなり全部を止めない形があります。本数を絞って残す、既存記事の手入れだけ続ける、計測だけ生かしておく。半年後に再開する可能性があるなら、この3つのどれかは残しておくほうが、立ち上げ直すときの負担が軽くなるはずです。

solezoreでは、記事の分類と語の選び直しから引き受けています。いまある記事がどちらの群に偏っているか、次に狙える語がどこに空いているかまでをお出しします。料金は公開しているので、比較の段階でお問い合わせいただければそのままお伝えします。

この記事を書いた solezore に相談する

記事に書ききれない具体策・料金・事例は、無料相談で。SNS/EC/SEO の領域別に専門家が対応します。

無料相談を申し込む サービス一覧を見る
無料相談
タイトルとURLをコピーしました