

「サムネイルを作り込んでいるのですが、再生数が変わりません」「そもそもショート動画にサムネイルは必要なのでしょうか」――サムネイルについてのご相談は、この2つに分かれます。
結論からお伝えすると、ショート動画のサムネイルは、おすすめ欄には影響しません。影響するのはプロフィールの一覧と、検索の結果と、後から見返されるときの3か所です。ここを分けずに考えると、作業量に対して結果が見えなくなります。
solezoreでは、サムネイルを本の背表紙にたとえて説明しています。店頭で平積みされているときは表紙が見えますが、棚に並んだ後は背表紙だけで選ばれます。ショート動画のサムネイルは、この背表紙にあたります。
この記事では、サムネイルが影響する場所、面ごとの仕様、作り方の判断、文字と顔の扱い、一覧での見え方、効果の測り方までを、実際に運用している立場から解説します。
ショート動画のサムネイルが影響する場所
結論: おすすめ欄では動画が自動で再生されるため、サムネイルは表示されません。影響するのは一覧・検索・見返しの3か所です。
まず、どこで見られているかを整理します。
おすすめ欄では表示されない
流れてくる動画は、サムネイルを経由せずに再生が始まります。ここでの勝負は冒頭2秒であり、サムネイルは関係しません。
サムネイルに時間をかけているのに再生数が変わらないのは、この構造が理由です。新規の視聴の大半はおすすめ欄から来るため、サムネイルの改善は数字に表れにくくなります。
これは作らなくていいという意味ではありません。影響する場所が別にある、という話です。
プロフィールの一覧で選ばれる・検索と見返しで表示される
動画を1本見て興味を持った人は、アカウントの一覧を開きます。ここで次に見る1本を選ぶ判断に、サムネイルが使われます。
1本目を見た人が2本目を見るかどうかが、フォローされるかを決めます。一覧が何の話をしているアカウントか分からない状態だと、そこで離れます。
一覧は9本ずつ並ぶ形で見られるため、1本単位ではなく面として設計します。
検索の結果では、タイトルとサムネイルが並びます。ここは、後から探している人が見る場所です。
保存した動画を見返すときも同じです。時間が経ってから価値が出るのは、この2か所です。公開直後の数字には表れないため、効果を測る期間を長めに取ります。
面ごとの仕様と表示のされ方
結論: 3つの面で、サムネイルの扱いが違います。TikTokは動画から1コマを選ぶ形、Instagramは別画像を設定でき、YouTubeショートは後から差し替えできます。
面ごとに作業が変わります。
3つの面の違い・切り取られる範囲を先に把握する
| 面 | 設定方法 | 表示される場所 |
|---|---|---|
| TikTok | 動画内の1コマを選ぶ(文字も追加できる) | プロフィールの一覧・検索 |
| Instagramリール | 動画内のコマ、または別画像を設定 | プロフィールの一覧・検索 |
| YouTubeショート | 動画内のコマ、または別画像(後から変更可) | 検索・関連・チャンネルの一覧 |
Instagramは、フィードとリールのタブで表示される範囲が違います。フィードの一覧では正方形に切り取られるため、文字を中央に置いておかないと切れます。
縦長の動画が正方形に切られる場合、上下が消えます。文字を上端や下端に置くと読めなくなります。
安全なのは、画面の中央3分の1に文字を収めることです。どの面に出しても、この範囲は切られません。
一覧のサイズは小さく表示されるため、文字は本文のテロップより大きくします。指の幅程度の大きさで、はっきり読める状態が目安です。
YouTubeショートは公開後にサムネイルを変更できます。反応を見てから直せる面です。
TikTokとInstagramは、公開後の変更が難しい面です。公開前に確認する工程を入れておくほうが、後で困りません。

作り方|動画から選ぶか作るか
結論: 別画像を作るより、動画の中に映る形を先に設計するほうが速く済みます。本数を出す運用では、作り込みは続きません。
作業量から逆算します。
動画の中に入れてしまう
最も手間がかからない方法は、動画の冒頭に文字を入れた画面を0.5秒だけ置き、そのコマをサムネイルに指定することです。
編集の作業が1つ増えるだけで、別の画像を用意する必要がありません。月8本を出す運用では、この方法でないと続きません。
冒頭に置いた文字は、おすすめ欄で流れてきたときも表示されます。冒頭2秒で何の話か伝える役割も同時に果たします。
別画像を作る場合・統一するか変化をつけるか
作り込む価値があるのは、検索で探される内容を扱っている場合です。長く読まれる内容ほど、後から見つけられる機会が増えます。
この場合も、毎回ゼロから作らずテンプレートを用意します。
- 背景(動画から切り出した画像)
- 文字の位置と書体(固定)
- 色(2色まで)
- ロゴや記号(入れる場合は同じ位置)
この4つを固定すると、1本あたり5分で作れます。作り込みに30分かける運用は、月4本で止まります。
一覧で見たときに、同じ見た目が並ぶほうが分かりやすくなります。書体と色は統一します。
一方で、背景まで同じにすると、どれがどれか分からなくなります。変えるのは背景と文字、固定するのは書体と色と位置という分け方が扱いやすいところです。
文字の入れ方
結論: 文字は10文字前後に絞ります。一覧では小さく表示されるため、それ以上は読まれません。
内容ではなく、読めるかどうかで決めます。
文字数と大きさ
10文字前後、多くても15文字までにします。1行か2行で収めます。
動画のタイトルをそのまま入れると長すぎます。一覧で目に入るのは0.5秒程度なので、その時間で読める量に削ります。
大きさは、画面の幅の3分の2程度を文字が占めるくらいです。小さく作ってしまうと、一覧では読めません。
作ったら、自分の端末の一覧画面で見て確かめます。
何を書くか
書くのは、動画の内容ではなく、見る理由です。「保存方法について」ではなく「常温で置いていませんか」と書きます。
質問の形、数字、否定の形の3つが目に入りやすい形です。一覧の中で、その1本だけ違う言葉が並んでいると目が止まります。
同じ言い回しが9本並ぶと、面として弱くなります。書体と色は揃え、言葉は変えます。
内容の型ごとに言葉を変える
動画の型が決まっていれば、文字の形も型ごとに固定できます。毎回考える必要がなくなります。
| 動画の型 | サムネイルの文字 | 例 |
|---|---|---|
| 質問に答える | 質問をそのまま置く | 常温で大丈夫? |
| 誤解を正す | 否定の形にする | 冷蔵はむしろ逆 |
| 手順を見せる | 数字を入れる | 3ステップで完了 |
| 比べる | 2つを並べる | 通常とプロの違い |
この対応表を作っておくと、サムネイルの文字を考える時間がゼロになります。台本を書いた時点で、入れる文字も決まっている状態になります。
型ごとに文字の形が違うため、一覧に並んだときの見た目にも自然に変化が出ます。意識して変化をつけなくても、区別がつく並びになります。
人の顔を入れるかどうか
結論: 人の顔が入ったサムネイルは目に入りやすい傾向があります。ただし、毎回同じ人の同じ表情が並ぶと、面としては弱くなります。
使い方を分けます。
顔が有利な場面
人の話を聞く動画では、誰が話しているかが分かるほうが選ばれます。表情がある場合はさらに目に入ります。
特に、演者を固定している場合は顔を入れるほうが有利です。一覧を見た人が「この人の動画だ」と認識できるためです。
商品を映す動画では、顔より商品を大きく出すほうが向いています。何の動画かが伝わることが優先されます。
顔を入れないほうがいい場面
手順を説明する動画は、手元や完成した状態を映すほうが伝わります。顔を入れると、何の作業か分からなくなります。
一覧で顔が9本並ぶと、違いが分からなくなります。顔を入れる本と入れない本を交互にすると、面としてのまとまりと見分けやすさが両立します。
交互にするかどうかは、一覧を並べて見てから決めます。9本並べたときの見え方は、1本ずつ作っているときには分かりません。
一覧で見たときの並び
結論: サムネイルは1本ずつでなく、9本並んだ状態で判断します。1本で良く見えても、並ぶと同じに見えることがあります。
面として設計します。
9本の並びを確認する
新しく作ったサムネイルは、プロフィールの一覧で確認します。既存の8本と並べて、区別がつくかどうかを見ます。
同じ背景・同じ文字数・同じ色が並ぶと、どれも同じに見えます。文字を変えているつもりでも、一覧では文字の形しか認識されません。
背景の明るさを交互にする、文字の位置を上下で分ける、といった単純な変化で区別がつきます。
上段3本が最も見られる・古い投稿の扱いを決める
一覧を開いたとき、最初に目に入るのは上段の3本です。ここに、最も見てほしい動画が来るように配置します。
固定できる機能がある面では、代表的な3本を固定します。新しい投稿より、内容が伝わる3本を上に置くほうが、初めて訪れた人には親切です。
投稿が50本を超えると、初期の動画が一覧の下に埋もれます。ここをそのままにするか、整理するかを決めます。
内容が古くなっているもの、いまの作り方と大きく違うものは非表示にするという判断もあります。ただし、再生が続いている動画は残します。判断の基準は見た目の統一感ではなく、いまも見られているかどうかです。
一方で、初期の動画を消すと、これまでの視聴の履歴も一緒に消えます。迷ったら残す側に倒すほうが安全です。並び替えができる面では、非表示にせず順番だけを変える方法もあります。
古い動画を残す場合も、上段3本には最新の作り方のものを置きます。初めて訪れた人が最初に見るのはそこだけなので、下に何があるかはほとんど判断に影響しません。
効果の測り方
結論: サムネイルの影響は、再生数ではなく1人が見た本数に表れます。一覧から次の1本が選ばれたかどうかが判断の材料です。
測る場所を間違えないようにします。
見る数字・変えるときは1つずつ
確認するのは3つです。
- プロフィールへの遷移から、次の再生に進んだ割合
- 検索から来た再生の数
- 保存された後に見返された数
1番目が最も直接的な数字です。おすすめ欄からの再生数を見ても、サムネイルの影響は分かりません。
面によって取得できる数字が違うため、取れる範囲で構いません。取れない場合は、フォローの増え方で代用します。
文字と背景と色を同時に変えると、何が影響したか分かりません。変えるのは1つずつです。
期間も揃えます。公開から2週間分で比べると、投稿のタイミングによる差が小さくなります。1本ずつの比較では判断できないため、5本単位で見ます。
つまずきやすい点
結論: 失敗の多くは、作り込みすぎて続かなくなることです。品質より、同じ形で出し続けられるかを優先します。
続けられる形にします。
作り込みに時間をかけすぎない・内容と違うものを出さない
1本30分かけて作ると、月4本で止まります。5分で作れる形にして、月8本を出すほうが結果が出ます。
サムネイルの品質差より、本数の差のほうが大きく影響します。テンプレートを1つ用意して、背景と文字だけを入れ替える形にします。
目を引くために、内容と関係のない画像や文字を使うと、見た人が離れます。1本目で離れた人は戻りません。
再生数は伸びても、その後の数字が落ちます。判断の基準は、見た人が期待した内容と一致しているかどうかです。
誇張した表現や断定した言い方は、業種によっては使えません。文字を入れる段階で確認します。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: サムネイルの改善は、単体でなく一覧の設計として行います。1本ずつ直しても、面が変わらなければ数字は動きません。
2つの事例を挙げます。
美容|冒頭0.5秒に文字を入れる形に変えた
サロンを運営する企業から、サムネイルの作成に1本30分かかっているという相談です。別途デザインを作り、投稿時に設定する運用でした。
動画の冒頭に文字を入れた画面を0.5秒だけ置き、そのコマを指定する形に変更しています。編集の中で完結するため、追加の作業は3分程度です。
作業時間が1本あたり27分減り、月6本だった投稿が月10本になりました。プロフィールから次の動画に進んだ割合も、11%から18%に上がっています。作業を減らしたことで本数が増え、結果として数字が動いた形です。
宿泊|一覧の並びを設計し直した
宿泊施設から、動画は見られているがフォローにつながらないというのが相談の中身でした。
一覧を確認したところ、全24本が同じ構図の外観写真で、文字も同じ位置に同じ色で入っていました。どれも同じ動画に見える状態です。
背景を客室・食事・周辺・スタッフの4種類に分け、文字の位置も上下で交互にしました。書体と色は統一したままです。プロフィールから次の動画に進んだ割合が9%から21%に上がり、フォローの増加も月18人から月47人になりました。

よくある質問
Q. ショート動画にサムネイルは必要ですか?
A. おすすめ欄では表示されないため、新規の再生には影響しません。ただし、プロフィールの一覧と検索と見返しの3か所では表示されます。1本見た人が2本目を見るかどうかを決める場所なので、作らないという選択にはなりません。作り込む必要はないという整理です。
Q. 別画像を作るのと動画から選ぶのは、どちらがいいですか?
A. 本数を出す運用では、動画の冒頭に文字を入れてそのコマを指定する形が現実的です。作業が3分で済みます。別画像を作るのは、検索で探される内容を扱っている場合です。その場合もテンプレートを用意して、5分で作れる状態にしてください。
Q. 文字は何文字まで入れられますか?
A. 10文字前後、多くても15文字までです。一覧では小さく表示され、目に入るのは0.5秒程度なので、それ以上は読まれません。動画のタイトルをそのまま入れると長すぎます。書くのは内容ではなく、見る理由です。
Q. 人の顔は入れたほうがいいですか?
A. 人の話を聞く動画では入れたほうが選ばれます。演者を固定している場合はとくに有利です。一方、手順を説明する動画は手元や完成した状態のほうが伝わります。顔を入れる本と入れない本を交互にすると、一覧としても見分けがつきます。
Q. サムネイルを変えた結果はどう測ればいいですか?
A. 再生数ではなく、プロフィールから次の動画に進んだ割合で測ってください。おすすめ欄からの再生を見ても、サムネイルの影響は分かりません。変えるのは1つずつ、比較は5本単位、期間は公開から2週間で揃えます。
Q. 公開した後にサムネイルを変えられますか?
A. YouTubeショートは変更できます。TikTokとInstagramは公開後の変更が難しいため、公開前に一覧での見え方を確認する工程を入れてください。既存の8本と並べて、区別がつくかどうかを見ます。
まとめ
ショート動画のサムネイルについて、要点を整理します。
- おすすめ欄では表示されない。影響するのは一覧・検索・見返しの3か所
- 1本見た人が2本目を見るかどうかを決めるのが、プロフィールの一覧
- 縦長が正方形に切られる面があるため、文字は中央3分の1に収める
- 動画の冒頭に文字を0.5秒置き、そのコマを指定するのが最も速い
- 別画像を作る場合も、背景・文字・色・位置をテンプレート化する
- 文字は10文字前後。書くのは内容ではなく見る理由
- 顔は演者を固定している場合に有利。手順の説明では手元を映す
- 一覧は9本並んだ状態で判断する。1本で良くても並ぶと同じに見える
- 数字は再生数でなく、プロフィールから次に進んだ割合で見る
- 作り込みに30分かけると月4本で止まる。5分で作れる形にする
補足すると、いま運用しているアカウントのプロフィールを、他人のスマートフォンで開いてみてください。
自分の端末では内容を覚えているため、区別がついてしまいます。初めて見る人の目には、9本が同じに見えているかもしれません。区別がつかないなら、直すのは1本のサムネイルではなく、一覧全体の並び方です。
もう1つ、上段の3本に何が来ているかを確認してください。最新の3本が並んでいるだけなら、最も見てほしい3本に入れ替える余地があります。初めて訪れた人は、その3本で見るかどうかを決めています。
サムネイルは1枚あたりの手間が小さい代わりに、本数の分だけ積み上がります。編集を外注したときの相場と自分の作業時間を並べると、どこから外に出すかが見えてきます。
solezoreでは、一覧の設計を含めた運用の支援を承っています。まずは既存のアカウントを開いて、9本並びで何が伝わっているかをお伝えするところからでも構いません。
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