
「30本投稿しましたが、どれも再生数が300前後で止まっています」「最初の5本は伸びたのに、そこから落ちたまま戻りません」――伸びないというご相談は、この2つの形で来ます。
結論からお伝えすると、再生数は結果であって、直す場所を教えてくれません。冒頭で止まっていないのか、途中で離脱しているのか、そもそも配信されていないのか。3つのどれかを先に特定します。
solezoreでは、これを水道の点検にたとえて説明しています。水が出ないとき、蛇口を回し続けても意味がありません。元栓、配管、蛇口のどこで止まっているかを順に見ます。
この記事では、伸びない3つの原因の切り分け方、それぞれの直し方、直す順番、本数の設計、やってはいけない伸ばし方までを、実際に運用している立場から解説します。
再生回数が伸びない3つの原因
結論: 原因は、冒頭で止まっていない、途中で離脱している、配信されていないの3つです。この3つは別の数字で見分けられます。
まず、切り分け方を決めます。
3つの原因を、どの数字で見分けるか
| 原因 | 見る数字 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 冒頭で止まっていない | 3秒までの再生の割合 | 最初の2秒(引き) |
| 途中で離脱している | 最後まで見た割合 | 本文の構成・密度・尺 |
| 配信されていない | 表示された回数そのもの | 設定・音源・アカウントの状態 |
3番目を最初に確認します。ここが原因の場合、動画の中身をどれだけ直しても変わりません。
表示された回数が2桁で止まっている場合は、内容以前の問題です。公開範囲、透かし、音源のいずれかを確認します。
再生数は3つの要素の掛け算で決まります。どれが低いのかは、再生数からは読み取れません。
同じ再生数300でも、原因が3つに分かれます。表示は1万回あって冒頭で止まっていない場合と、表示自体が400回しかない場合では、直す場所がまったく違います。
面の分析画面で、表示された回数と3秒までの割合を確認します。この2つがあれば、3つのうちどれかが特定できます。
自社の平均を基準にします。他社の数字と比べても、業種と本数が違うため参考になりません。
直近20本の平均を出して、そこから外れているものを見ます。全体が低い場合は型の問題、一部だけ低い場合はその動画の問題という切り分けになります。
原因①冒頭で止まっていない
結論: 3秒までの再生の割合が低い場合、直すのは最初の2秒だけです。本文をどれだけ良くしても、ここで流されると届きません。
最も多い原因です。
数字の目安
海外の代理店が集計した目安として、3秒までの割合は20〜25%が最低ライン、28%以上で良好、40%以上で上位とされています。公式の発表ではないため、自社の平均を基準に置くほうが実用的です。
この数字は尺の影響を受けません。30秒の動画と90秒の動画を、同じ基準で比べられます。
割合が15%を下回っている場合は、冒頭が機能していない状態です。ここだけを直します。
冒頭に置いてはいけないもの
社名、ロゴ、挨拶、今日の話題の予告。この4つが入っていると、そこで流されます。
知られている会社でも同じです。今は他のものが見たい、という状態で流れてくるためです。前置きは、話している側にとっては必要に感じますが、見ている側には不要です。
代わりに置くのは、届けたい人が使っている単語そのものです。その単語で、自分の話かどうかの判定が起きます。
引きだけを差し替えて比べる
本文を固定して、冒頭2秒だけを4種類作ります。作り直す量が少なく、比較の条件もそろいます。
型は6つあります。名指し、違和感、断言、問いかけ、実演、投稿風。どれが合うかは業種によって変わるため、実際に出して確かめます。
4種類を出して、最も高かった型を基本にします。以降はその型で作り、本文の題材だけを差し替えます。
原因②途中で離脱している
結論: 冒頭では止まっているのに最後まで見られていない場合、原因は密度です。尺を縮める前に、削る作業に戻ります。
2番目に多い原因です。
離脱している場所を特定する
面によっては、何秒目で離脱したかが分かります。ここが最も直接的な材料です。
離脱が集中している箇所があれば、そこに退屈な時間があります。画面が5秒以上切り替わっていない、同じ話を繰り返している、前置きが入っているといった原因が特定できます。
離脱が全体に均等に分散している場合は、特定の箇所ではなく密度そのものの問題です。この場合は削る作業に戻ります。
削る作業に戻る
削る対象は4つです。言いよどみ、セリフ間の0.1〜0.2秒の空白、繰り返し、前置き。
削り終えたら、全体を1.1〜1.2倍速にします。素材が90秒あったものが60秒前後に収まる程度が目安です。3分の1が消えても、内容は減っていません。
削っても短くならない場合は、内容そのものが薄い可能性があります。この場合は編集で解決せず、撮り直します。
尺と一緒に読む
最後まで見られた割合は、尺が短いほど自然に高くなります。30秒の動画と90秒の動画を同じ数字で比べても意味がありません。
目安として、15秒未満なら35〜50%、15〜30秒なら25〜40%が良好の範囲と示されています。比べるときは同じ尺の動画同士で並べます。
短くすること自体を目的にして証明を削ると、再生は伸びても行動が起きなくなります。
原因③そもそも配信されていない
結論: 表示された回数が2桁で止まっている場合、内容以前の問題です。設定と音源とアカウントの状態を確認します。
見落とされやすい原因です。
確認する3つ
- 公開範囲が全体に向けて開いているか
- 編集アプリの透かし(他社のロゴ)が入っていないか
- 使っている音源が、その面で認められた範囲か
1番目は、下書きで確認した後に切り替え忘れる形で起きます。自分のアカウントでは非公開でも見えるため、気づきません。別の端末で見えるかを確認します。
2番目は、無料の範囲で書き出すと入ることがあります。月1,000円前後の課金で除去できます。
アカウントの状態・個人アカウントからの切り替え
短期間に大量の投稿を行った、規約に触れる表現があった、といった場合に表示が制限されることがあります。
心当たりがある場合は、投稿の間隔を空けて様子を見ます。1〜2週間で戻ることが多く、その間に新しい投稿を重ねると判断が難しくなります。
外部のサービスで再生数やフォロワーを購入した場合も、同様の状態になることがあります。ここは元に戻すのに時間がかかります。
個人のアカウントを事業者のアカウントに切り替えると、使える音源の範囲が変わることがあります。
切り替えの後、過去の投稿から音が消えている場合があります。切り替えの前に、使っている音源が引き続き使えるかを確認します。
外部の音源サービスに統一しておくと、仕様が変わっても影響を受けません。
直す順番
結論: 配信、冒頭、本文の順に確認します。逆から手を付けると、直したのに変わらない状態が続きます。
順番を守ります。
3つを順に見る・直さなくていいもの
- 表示された回数を見る(2桁なら設定の問題)
- 3秒までの割合を見る(低ければ冒頭を直す)
- 最後まで見た割合を見る(低ければ削る作業に戻る)
この順番で、1つずつ確認します。すべてを同時に直すと、何が影響したか分かりません。
1つ直したら、同じ型で5本出して確かめます。1本では判断できません。
投稿の時間帯、タグの数、キャプションの長さ。これらは影響が小さい要素です。
上の3つを確認する前に、ここを調整しても成果は変わりません。直す順番としては最後になります。
サムネイルも同様です。おすすめ欄では表示されないため、新規の再生には影響しません。
伸ばし方|本数と型
結論: 直す作業と並行して、本数を出します。本数が判断材料をつくるため、少ない本数で当たりを探すより早く結論が出ます。
数を出す形にします。
同じ型で数を出す・伸びた動画を派生させる
冒頭の言い方、尺、テロップの見せ方、締めの言葉を固定します。変えるのは中身の題材だけです。
同じ条件で作ったものだけが比較できます。1本ごとに作りを変えていると、伸びた理由が分かりません。
週1〜3本を6か月続けるのが最低ラインです。3か月では、まだ型が固まっていない状態で判断することになります。
伸びた動画が出たら、同じ題材で型を変えた派生を4本作ります。既に反応が確認された材料で、見せ方だけを変える形です。
- 同じテーマの別の型(誤解を正す形にする)
- 一段細かくした話
- 一段広げた話
- コメントで聞かれたことへの回答
このうち1番目が最も打率が高い派生です。当たりを1本で終わらせないことが、平均を押し上げます。
落ちる速度を上回る速度で足す
同じ動画を出し続けると、1〜2週間から長くて1か月で反応が落ちます。新しい動画を足す速度が、落ちる速度を上回っている状態を保ちます。
海外では週3〜5本の追加が推奨されていますが、国内の中小規模の現場では週1本追加できれば良いほうです。無理な本数を計画すると、3週間で止まります。
人と時間から先に本数を決めます。月2回の撮影日で5〜6本ずつ撮り、週2本のペースで出す形にすると、2週間分の在庫を持ちながら回せます。1本ずつ作って出す運用は、1本止まった時点で全体が止まります。
本数を増やすときは、1本あたりにかける時間が減っていないかを確認します。本数が3倍になっても、中身が薄くなっていれば判断材料になりません。
数字の見方
結論: 再生数は目的ではありません。見るのは、そこから問い合わせや購入につながった数です。
判断の基準を置き直します。
再生数を目的にしない・出口の数字と並べる
再生数が伸びても、事業と関係のない層が見ているだけなら、その後に何も起きません。流行に乗った動画で起きやすい状態です。
関係のない層が増えると、以降の配信もその層に向かいます。後から戻すのに時間がかかるため、最初から避けます。
判断の基準は、その動画を見た人が自社の顧客になり得るかどうかです。
再生数と、リンクのクリックや問い合わせの数を並べます。逆の順番になっていることがあります。
見られることと動くことは別の数字です。最後まで見られた割合が高いのにクリックが低い場合、直すのは次の行動の示し方です。
月ごとに、再生の合計と問い合わせの件数を並べた表を作ります。3か月分並べると、関係があるかどうかが見えてきます。
| 月 | 再生の合計 | 問い合わせ | 1件あたりの再生 |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 4万2,000 | 3件 | 1万4,000 |
| 2か月目 | 3万1,000 | 7件 | 4,400 |
| 3か月目 | 3万8,000 | 9件 | 4,200 |
この形にすると、再生が減った月に問い合わせが増えていることも見えます。届く相手が変わった結果で、悪い変化ではありません。右端の数字が下がっているほど、無駄なく届いている状態です。
やってはいけない伸ばし方
結論: 購入した再生数とフォロワーは、後から取り返しがつきません。事業と関係のない流行に乗るのも同じ構造です。
避けるものを決めておきます。
数字を購入しない・内容と違う見せ方をしない
外部のサービスで再生数やフォロワーを購入すると、一時的に数字は上がります。ただし、その後の配信に影響が出ます。
関係のない層がフォロワーに入ると、以降の動画がその層に配信されます。反応が返ってこないため、表示そのものが減っていきます。
元に戻すには、購入した分を上回る本数を出し続けることになります。時間も費用も、購入した金額を大きく超えます。
目を引くために、内容と関係のない冒頭を付けると、そこで離脱が起きます。3秒までの割合は上がっても、最後まで見た割合が落ちます。
1本目で離れた人は戻りません。アカウント全体への評価にも影響します。
誇張した表現や断定した言い方は、業種によっては使えません。冒頭を作る段階で確認します。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: 伸びない原因は、直す前に特定します。特定せずに全部を作り直した企業は、時間だけを使っています。
2つの事例を挙げます。
アパレル|冒頭2秒だけを4種類作って比べた
レディースのブランドから、20本投稿したが伸びたのは3本だけというご相談でした。
数字を確認すると、表示は十分にあり、3秒までの割合が18%で止まっていました。冒頭で流されている状態です。本文と編集は問題ありませんでした。
本文を固定し、冒頭2秒だけを名指し・断言・問いかけ・実演の4種類作って並行して出しています。3か月で3秒までの割合が18%から31%に上がり、月あたりの問い合わせも月2件から月8件に増えました。直したのは冒頭だけです。
音楽|表示されていない7本が混ざっていた
音楽関連のサービスを提供する企業から、投稿ごとの差が極端に大きいというご相談をいただきました。
24本のうち7本が、再生数2桁で止まっていました。確認したところ、5本に編集アプリのロゴが入っており、2本は公開範囲が限定のままでした。全体の29%が、内容と関係なく表示されていない状態です。
書き出しの設定を共有し、投稿の直後に別の端末で確認する工程を入れています。以降3か月、同じ失敗は起きていません。平均再生数は、内容を変えずに1.6倍になりました。
よくある質問
Q. 再生数が300前後で止まっているのはなぜですか?
A. まず表示された回数を確認してください。表示が十分にあるのに再生が伸びていないなら、冒頭2秒の問題です。表示自体が少ない場合は、公開範囲・透かし・音源のいずれかを確認します。再生数だけを見ても、原因は分かりません。
Q. 最初の5本は伸びたのに、そこから落ちたのはなぜですか?
A. 新しいアカウントは初期に表示されやすい傾向があります。そこで反応が返らないと、以降の表示が減ります。落ちた後は、冒頭2秒と密度を直したうえで、同じ型で本数を出してください。1本ずつ作りを変えると、何が原因か分からなくなります。
Q. 投稿の時間帯を変えれば伸びますか?
A. 影響はしますが、内容や冒頭に比べると小さい要素です。直す順番としては最後になります。表示された回数、3秒までの割合、最後まで見た割合の3つを先に確認してください。この3つが問題ない状態で、初めて時間帯の調整が意味を持ちます。
Q. フォロワーを増やせば再生数も伸びますか?
A. 新規の再生はおすすめ欄から来るため、フォロワー数と直接は連動しません。むしろ、購入したフォロワーが入ると反応が返らず、表示が減ります。増やすなら、1本見た人が2本目を見る状態を作ってください。プロフィールの一覧の設計が関わります。
Q. 何本投稿すれば結果が見えますか?
A. 週1〜3本を6か月が最低ラインです。3か月では型が固まっていません。同じ型で数を出すことが前提で、1本ずつ作りを変えていると本数を重ねても判断材料になりません。伸びた動画が出たら、同じ題材で派生を4本作ってください。
Q. 伸びない動画は消したほうがいいですか?
A. 消す必要はありません。過去の投稿があること自体が、訪れた人の判断材料になります。ただし、内容が古くなっているものや、いまの作り方と大きく違うものは非表示にする選択もあります。判断の基準は、いまも再生が続いているかどうかです。
まとめ
ショート動画の再生回数について、要点を整理します。
- 再生数は結果であって、直す場所を教えてくれない
- 原因は、冒頭で止まっていない・途中で離脱している・配信されていないの3つ
- 表示された回数が2桁なら、内容以前に設定の問題
- 3秒までの割合は尺の影響を受けない。20〜25%が最低ラインの目安
- 冒頭に社名・ロゴ・挨拶・予告を置くと、そこで流される
- 途中の離脱は密度の問題。尺を縮める前に削る作業に戻る
- 直す順番は、配信・冒頭・本文。1つ直したら5本出して確かめる
- 投稿の時間帯やタグの数は、影響が小さく直す順番は最後
- 数字を購入すると、関係のない層に配信されて表示が減る
- 再生数は目的ではない。問い合わせや購入の数と並べて見る
補足すると、伸びないと感じたら、直近20本を再生数ではなく表示された回数の順に並べてみてください。
表示が極端に低いものが混ざっていれば、それは内容の問題ではありません。設定か音源で失っている分です。ここを取り除いてから平均を出し直すと、本当の実力が見えてきます。
もう1つ、上位3本の冒頭2秒だけを書き出してみてください。共通する形が1つ見つかるはずです。それが自社に合う引きの型です。次の10本は、その型だけで作ってみてください。
solezoreでは、原因の切り分けから改善までの支援を承っています。まずは既存の動画の数字を見て、3つのうちどれで止まっているかをお伝えするところからでも構いません。
この記事を書いた solezore に相談する
記事に書ききれない具体策・料金・事例は、無料相談で。SNS/EC/SEO の領域別に専門家が対応します。

