

「4社から提案を受けたが、書いてある内容がバラバラで比べようがない」「安い会社を選んだら本数が足りず、結局やり直しになった」――比較についてのご相談は、この2つが典型です。
結論からお伝えすると、比較ができない原因は自社の条件が決まっていないことにあります。月に何本必要かが決まっていない状態で見積もりを取ると、各社が思い思いの前提で提案してくるためです。
solezoreでは、比較の前に3つの数字を決めることをおすすめしています。目的、媒体、本数。この3つを各社に同じ形で伝えれば、返ってくる提案は同じ土俵に載ります。
この記事では、比較の前に決めること、比較する7項目、見積もりを揃える質問、会社の種類による強み、提案書の読み方、打ち合わせで見ること、契約前の確認、陥りやすい罠までを解説します。
SNS運用代行を比較する前に決めること
結論: 目的、媒体、本数の3つです。これがないまま見積もりを取ると、各社が違う前提で提案するため比較が成立しません。
準備の段階です。
目的を1つに絞る
認知、集客、採用、販売のどれが主軸かを決めます。複数を同時に追うと、提案の方向も定まりません。
目的が決まると、見る数字も決まります。販売なら遷移数と購入数、採用なら応募数です。この指標を提案の依頼時に伝えると、各社が同じゴールで提案してきます。
社内で目的が割れている場合は、先に合意を取ります。契約後に方針が変わると、費用も期間も無駄になります。
媒体を絞る・本数を決める
1〜2媒体に絞ります。全媒体を対象にすると、各社が違う組み合わせで提案してきて比べられません。
自社の商材と目的から選びます。分からない場合は、その相談自体を提案依頼に含めます。ただし、その場合も各社に同じ条件で聞きます。
もっとも重要な数字です。目安として、Instagramなら月12〜20本、TikTokなら月20〜30本が必要になります。
この本数を提示して見積もりを取ると、各社の金額が同じ条件で並びます。本数を指定しないと、安く見せるために本数を減らした提案が出てきます。
動画と静止画の内訳も指定します。短尺動画は静止画の3倍前後の工数がかかるため、内訳が違うと金額が変わります。
なお、この本数を社内で作れるかどうかを先に確かめておくと、比較の前提が変わることがあります。
比較する7つの項目
結論: 金額、本数、範囲、体制、実績、報告、契約条件の7つです。この順で表にすると、各社の違いが見えます。
比較の軸です。
7項目の中身と、単価への換算
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 金額 | 月額、初期費用、追加費用の条件 |
| 本数 | 月に何本、動画と静止画の内訳 |
| 範囲 | 撮影、編集、投稿、対応、分析のどこまで |
| 体制 | 担当者は誰か、何人で回すか |
| 実績 | 同じ商材カテゴリ、同じ規模の経験 |
| 報告 | 何を、どの頻度で報告するか |
| 契約条件 | 最低期間、解約、制作物の権利 |
この7項目を表にして、各社の回答を埋めていきます。空欄が多い会社は、確認が足りていません。
総額での比較は誤りやすい。投稿1本あたりに直すと、実態が見えます。
月30万円で20本なら1本1万5,000円。月20万円で10本なら1本2万円。総額では後者が安いのに、単価は高い計算です。
動画と静止画は分けて計算します。混ぜると比較を誤ります。
契約後に担当する人と、営業の担当が別であることは珍しくありません。
実際に動かす人が誰か、その人が何件の案件を抱えているかを聞きます。会社としての実績が高くても、担当が新人であれば結果は変わります。
可能なら、契約前に担当予定者と話す機会をもらいます。断られる場合、その理由も判断材料になります。

見積もりを揃える質問
結論: 各社に同じ5つの質問をします。この回答が揃うと、金額の差が何から来ているかが分かります。
質問の内容です。
5つの質問・追加費用の確認
- 月に何本の投稿が含まれるか(動画と静止画を分けて)
- 撮影は含まれるか、月何回か
- 撮影の場所と出演者はどちらが用意するか
- 何を報告するか、頻度はどれくらいか
- 基本料金に含まれない作業は何か
5番目が最も差が出ます。追加費用の条件は会社によって大きく違い、年間で月額の1〜2割に達することもあります。
具体的に聞いてください。投稿の本数を月の途中で増やしたとき。撮影の場所を変更したとき。急ぎの投稿を依頼したとき。修正が規定回数を超えたとき。
いずれも運用の中で普通に起きることです。都度の見積もりになるのか、一定回数まで含むのか。ここが曖昧な会社は、後で請求が膨らみます。
同じ書式で回答をもらう
各社が独自の形式で提案してくると、比較に時間がかかります。
質問を箇条書きにした文書を渡し、それに答えてもらう形にします。手間を惜しむ会社なら、その姿勢自体が判断材料になります。
回答の期限も指定します。1週間ほどが妥当です。期限を守るかどうかも、契約後の対応を推測する材料になります。
比較する相手に個人(フリーランス)を含める場合は、揃える項目が少し変わります。稼働できる時間帯と、止まったときの備えが加わります。
会社の種類で変わる強み
結論: 制作に強い会社、広告に強い会社、EC支援の会社に大別できます。自社の課題がどこにあるかで選び分けます。
種類ごとの整理です。
制作を軸にする会社・広告を軸にする会社
映像や画像の質が高く、企画の引き出しも多い。もともと制作会社だったところが多く、見せ方の設計に長けています。
一方で、売上や在庫の話までは踏み込まないことがあります。良い投稿は作れても、売れる構造は自社で持つ必要があります。
見た目の質を上げたい、世界観を作りたいという課題なら合います。
配信の設計と予算の最適化に強みがあります。広告代理店の出身者が中心の会社です。
有機的な投稿の企画は不得意なことがあります。広告を止めると数字も止まる状態になりやすい点は理解しておきます。
短期で数字を作りたい場合には向いています。
EC支援の会社・併用という選択
商品ページ、価格、在庫、レビューまで含めて設計します。SNSを単体ではなく、購入までの流れの中で捉えます。
制作の質は専門会社に劣ることがありますが、売上と利益の両面で見てくれる点が強みです。
投稿は出ているのに売上に繋がらない、という課題なら合います。
| 会社の種類 | 強み | 弱み | 合う課題 |
|---|---|---|---|
| 制作を軸にする | 映像と企画の質 | 売上の構造まで見ない | 見た目を整えたい |
| 広告を軸にする | 配信の設計、短期の数字 | 有機的な投稿の企画 | 今月の数字を作りたい |
| EC支援 | 購入までの流れの設計 | 制作の質は専門会社に劣る | 投稿はあるが売れない |
| 特定業界に特化 | 業界特有の制約に詳しい | 対応できる業種が限られる | 法規制が厳しい商材 |
4番目は選択肢として見落とされがちです。医療、金融、不動産など制約の多い業種では、業界を熟知した会社のほうが結果的に速く進みます。
1社にすべてを任せる必要はありません。制作を制作会社に、分析をEC支援の会社に、といった組み合わせもあります。
窓口が増えるため管理の手間は上がりますが、それぞれの得意分野を使えます。月の予算が40万円を超える規模なら、検討する価値があります。
提案書の読み方
結論: 一般論の分量と、自社に触れた記述の比率を見ます。どの会社にも出せる内容ばかりなら、契約後も同じ進め方になります。
提案書の評価です。
自社に触れた記述があるか・数字の根拠
商品や顧客について具体的な記述があるかを確認します。競合の分析、既存アカウントの指摘、投稿の具体例。
これらがあると、事前に手を動かして考えていることが分かります。テンプレートに社名を差し替えただけの提案書は、すぐに見分けがつきます。
フォロワーを3か月で1万人に、といった数字が書かれている場合、その根拠を聞いてください。
過去の実績に基づくものか、願望か。根拠を説明できない数字は、契約を取るための表現です。実現しなくても責任は問われません。
現実的な提案ほど、数字に幅を持たせ、条件を明示します。
期間の見通し
SNSは3か月から6か月かけて積み上がります。1か月で成果が出ると書いている提案は、期待を煽っている可能性があります。
逆に、期間の見通しを正直に示す会社は信頼できます。契約を取ることより、続く関係を重視している姿勢が表れます。
提案書という文書そのものを、どこから順に見るかは別の観点です。ここでは会社どうしを比べる軸を扱いましたが、受け取った1通の資料の読み方は次の記事にまとめています。
打ち合わせで見ること
結論: 何を質問されるかで、相手の考え方が分かります。説明ばかりで質問がない場合、どの依頼にも同じ提案をしている可能性があります。
面談での判断です。
何を聞いてくるか、断ってくるかを見る
商品や顧客について具体的に聞いてくるか。自社の体制や、使える時間を確認するか。この2つがあると、実行可能な提案が出てきます。
撮影スタッフが3人いる前提の提案は、担当者1人の事業者では実行できません。制約を含めて設計できる相手を選びます。
すべての依頼を引き受ける会社より、この商材にSNSは向かないと言ってくれる会社のほうが信頼できます。
実際、向かない商材はあります。検討期間が数年に及ぶもの、対象者が極端に少ないもの、法規制で言えることがほとんどないもの。
その場合でも、認知だけを取って別の経路につなげる使い方を提案できる会社なら、相談する価値があります。
資料の実績数より、実物のほうが情報量があります。3つのアカウントを挙げてもらい、直近の投稿を見てください。
見るのは、内容の一貫性、説明文の書き方、コメントへの返信の有無。この3点で、日々の仕事ぶりが分かります。
契約前の最終確認
結論: 本数、権利、解約の3点が契約書に書かれているかを確認します。口頭の合意は、担当者が変わると消えます。
最後の確認です。
本数が明記されているか・制作物とアカウントの権利
適宜、必要に応じてといった表現になっている場合は、具体的な数字を入れてもらいます。
月30万円で運用全体を依頼したのに、投稿が月8本しか出てこなかった。この種類のトラブルは、本数の記載がないことが原因です。
作った画像や動画を、契約終了後も使えるかを確認します。契約期間中のみの利用と定められていると、終了とともに全部が使えなくなります。
アカウント自体の管理権限も重要です。業者側が作成したアカウントの場合、権限が移らないことがあります。フォロワーは事業の資産です。
解約の条件
最低契約期間と、解約の通知期限を確認します。半年や1年が最低という条件も珍しくありません。
試験的に始めたい場合は、3か月からの契約が可能かを相談します。SNSは立ち上げに3か月ほどかかるため、それより短い契約では判断材料が集まりません。
抜けるときにどうなるかを先に見ておくと、この条件の重さが分かります。解約のときに実際に起きることを踏まえて比較すると、最低契約期間の長さが判断材料として立ち上がってきます。
比較で陥りやすい罠
結論: 総額で比べる、実績の数で選ぶ、提案の量で判断する。この3つが誤りを生みます。
避けるべき判断です。
総額で比べる
月10万円と月30万円を並べて、安いほうを選ぶ。この判断は、本数を確認していない場合に危険です。
月10万円で8本なら1本1万2,500円。月30万円で24本なら1本1万2,500円。単価は同じで、本数が3倍違うだけです。
本数が足りなければ成果は出ません。安い契約で3か月を失うほうが、結果的には高くつきます。
実績の数で選ぶ・提案の量で判断する
支援実績500社といった数字は、判断材料としては弱い。自社と同じ商材、同じ規模の経験があるかのほうが重要です。
大企業の事例が多い会社が、中小企業の制約を理解しているとは限りません。予算も人員も違うため、提案がそのまま適用できないことがあります。
分厚い提案書が良い提案とは限りません。一般論のページが増えているだけのこともあります。
見るのは量ではなく、自社に触れた記述の比率です。10ページのうち自社の話が1ページなら、実質は1ページの提案です。
相見積もりであることを伝えるか
伝えたほうが、条件が出やすくなります。隠しても、複数社に声をかけていることは相手も想定しています。
ただし、金額だけで競わせる形にすると、本数を削った提案が集まります。同じ条件での比較であることを明示します。
他社の見積もり額を伝えて値引きを求めるのは、避けたほうがよいでしょう。安く受けた分は、どこかで手が薄くなります。
決めた後の伝え方
選ばなかった会社にも、理由を添えて連絡してください。1〜2行で構いません。
断った会社の提案書は、破棄せずに残します。1年後に体制が変わって再検討することは珍しくなく、そのときの比較の土台になります。
発注先が決まった後は、選定に使った条件をそのまま契約書に移します。提案の前提と契約の中身がずれると、開始してから認識の違いが出ます。
将来的に依頼する可能性もあります。丁寧な断り方をしておくと、次に声をかけたときの対応が違います。
提案の作成には、各社とも数時間から数日をかけています。この労力への配慮は、長い目で見て自社の利益になります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは比較の条件づくりから提案の評価、契約条件の確認までを支援しています。詰まる場所は状況によって変わります。
日用品・家電|条件を揃えたら判断が5分で済んだ
4社から提案を受けたが比べられない、という一点でのご相談でした。各社の提案書を見ると、媒体も本数も前提がバラバラです。
まず条件を決めました。目的は購入の獲得、媒体はInstagram1つ、本数は月16本(うち動画6本)。
この条件を各社に伝え直し、同じ書式で回答をもらいました。5つの質問に答える形式です。
返ってきた回答を表にすると、判断は5分で済みました。同じ条件では、月額の差は5万円以内に収まり、違いは体制と報告の内容だけでした。
比較できなかった原因は、各社の提案の質ではなく、こちらが条件を示していなかったことでした。
宿泊|安い提案を選んで6か月を失った
月8万円の提案を選んだ事業者からいただいた相談です。1年契約で、6か月続けても数字が動きません。
投稿を見ると、月6本。1本あたり1万3,000円ほどで、単価としては妥当です。ただし本数が足りていませんでした。
契約書には本数の記載がなく、増やす交渉もできない状態です。解約の通知期限も過ぎており、残り6か月は続けることになりました。
契約前に本数を確認していれば防げた事態です。安いという理由だけで選ぶと、こうした形で費用が無駄になります。
現在は別の会社と月22万円で契約し、月18本の投稿が出ています。3か月で遷移数は12倍になりました。

よくある質問
Q. 何社から見積もりを取ればいいですか?
A. 3社が目安です。それ以上だと比較に時間がかかりすぎます。ただし、各社に同じ条件を伝えることが前提です。条件が揃っていないと、10社集めても判断できません。
Q. 比較の前に決めることは何ですか?
A. 目的、媒体、本数の3つです。とくに本数が重要で、これを指定しないと安く見せるために本数を減らした提案が出てきます。動画と静止画の内訳も指定してください。
Q. 総額が安い会社を選んでもいいですか?
A. 本数を確認してからにしてください。月10万円で8本と月30万円で24本は、単価が同じで本数が3倍違うだけです。本数が足りなければ成果は出ず、安い契約で数か月を失うことになります。
Q. 実績の多い会社が良い会社ですか?
A. 数より、自社と同じ商材や規模の経験を見てください。大企業の事例が多い会社が、中小企業の制約を理解しているとは限りません。予算も人員も違うため、提案がそのまま適用できないことがあります。
Q. 提案書のどこを見ればいいですか?
A. 自社に触れた記述の比率です。競合の分析、既存アカウントの指摘、投稿の具体例があるかを確認してください。10ページのうち自社の話が1ページなら、実質は1ページの提案です。
Q. 契約前に必ず確認すべきことは何ですか?
A. 本数の明記、制作物とアカウントの権利、解約の条件の3つです。本数が適宜といった表現になっている場合は、具体的な数字を入れてもらってください。
まとめ
比較は、条件を揃えることから始まります。この記事の要点です。
- 先に決めるのは目的、媒体、本数の3つ
- 比較する項目は7つ。表にして各社の回答を埋める
- 金額は投稿1本あたりの単価に換算する。動画と静止画は分ける
- 各社に同じ5つの質問をする。追加費用の条件が最も差が出る
- 提案書は量ではなく、自社に触れた記述の比率で見る
- 契約前に本数、権利、解約の3点を必ず確認する
補足すると、比較の過程そのものが社内の整理になります。目的と本数を決める作業を通じて、SNSに何を期待しているのかが言葉になる。この整理ができていれば、どの会社と組んでも成果は出やすくなります。逆に、ここが曖昧なままだと、良い会社を選んでも結果は変わりません。
代行の費用や全体像については、ピラー記事もあわせてご覧ください。
solezoreでは、比較の条件づくりから提案の評価、契約条件の確認までを支援しています。提案が並んで判断できない段階でも構いませんので、現状をお聞かせください。
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