

「6つ並べたのですが、押されているのは1つだけです」「作ったまま1年半、一度も変えていません」――リッチメニューのご相談は、この2つに集まります。
結論からお伝えすると、リッチメニューは配信より見られる回数が多い面です。トーク画面を開くたびに、画面の下半分を占めます。ここに何を置くかが、LINEで動く人の数を決めています。
solezoreでは、リッチメニューを店のレジ横にたとえて説明しています。全員が必ず通る場所なので、何を置くかで手に取られるものが変わります。奥の棚を並べ替えるより、先にここを直します。
この記事では、リッチメニューが見られる理由、置くべき導線、分割のパターン、入れ替えの運用、数字の見方、自社で作るか外注するかの判断までを、実際に運用している立場から解説します。
リッチメニューが最も見られる理由
結論: 配信は届いた瞬間しか見られませんが、リッチメニューはトーク画面を開くたびに表示されます。表示される回数が2桁違います。
まず、位置づけを整理します。
常に画面の下半分を占める
トーク画面を開くと、下半分にリッチメニューが表示されます。閉じることもできますが、初期状態では開いています。
配信を月4回送っても、表示は4回です。一方リッチメニューは、その人がトーク画面を開いた回数だけ表示されます。過去の配信を見返すときにも表示されます。
この差があるため、配信の内容を練るより先に、ここを整えるほうが数字が動きます。
友だちになった直後に見られる
登録した直後の人が、あいさつメッセージの次に見るのがこの面です。
ここが空だと、何ができるアカウントか分からずに離れます。初期状態では未設定なので、開設したまま運用を始めると、集めた友だち全員がこの状態を見ています。
作る手間は1枚あたり2〜3時間です。この投資は、配信を1回増やすより大きく返ってきます。
押される項目は偏る
6項目を置いても、押されるのは上位2つで7割前後を占めます。これは正常な状態です。
均等に押されるように調整する必要はありません。押されない項目を外して、押される項目を大きくするほうが、全体の押された回数は増えます。
偏りを見るには、項目ごとの数字を確認します。3か月分見れば、外していい項目が分かります。
何を置くか|押される導線
結論: 置くのは、実際に使われる導線だけです。会社案内やこだわりの説明は、この面では押されません。
選ぶ基準を決めます。
押される項目
実務で押されているのは、次の順です。
- 予約する・注文する
- 空き状況・在庫を見る
- 相談する(チャットへ)
- クーポン・会員証
- 使い方・よくある質問
- 店舗情報・アクセス
上の2つで7割前後を占めます。今すぐ動ける導線が、最も押されます。
3番目は、チャットで対応できる体制がある場合に置きます。返信できない状態で置くと、返事がない状態が残ります。
押されない項目・業種ごとの置き方
会社概要、理念、スタッフ紹介、SNSへのリンク。これらはほとんど押されません。
知りたいのは自分が次に何をできるかで、こちらの説明ではありません。伝えたいことと、押される項目は別です。
SNSへのリンクは、置いても押されないうえに、押されるとLINEから離れます。載せるなら配信の中で案内します。
| 業種 | 1つ目 | 2つ目 | 3つ目 |
|---|---|---|---|
| 飲食・宿泊 | 予約する | 空き状況 | メニュー・料金 |
| 小売・EC | 商品を見る | 在庫・入荷 | クーポン |
| サロン・クリニック | 予約する | 相談する | 料金・メニュー |
| 士業・BtoB | 相談する | 資料を見る | 事例 |
共通しているのは、1つ目が必ず今日動ける導線であることです。ここを説明の項目にすると、全体の押された回数が落ちます。

分割のパターンと項目数
結論: 項目は6つまでにします。それ以上並べると1つあたりが小さくなり、押しにくくなります。
配置の考え方です。
使える分割
大きい形と小さい形の2種類があり、それぞれ分割のパターンが用意されています。
- 大きい形:1分割・2分割・3分割・4分割・6分割
- 小さい形:1分割・2分割・3分割
6分割が最も多く使われますが、3分割か4分割のほうが押されることがあります。1つあたりが大きくなり、指で押しやすくなるためです。
項目を増やすと、選ぶ手間も増えます。押してほしい導線が決まっているなら、3分割で足ります。
大きさの選び方・押しやすい大きさ
大きい形は画面の占有が大きく、押しやすくなります。小さい形は、トーク画面の会話が見える範囲が広くなります。
チャットで相談を受ける業種では、小さい形が向きます。会話の履歴が見えないと、やり取りしにくくなるためです。
配信と導線が中心の運用では、大きい形にします。押される回数が上がります。
1つの項目は、指の腹より大きい必要があります。6分割にすると、1つあたりが小さくなります。
小さい形の6分割は、押し間違いが起きやすい組み合わせです。この形を選ぶ場合は、項目を3つに減らします。
迷った場合は、大きい形の4分割から始めます。押される項目が分かってから、3分割に絞る形が扱いやすいところです。
作る手順の概要
結論: 画像を1枚作り、押す範囲ごとにリンクを割り当てます。作業自体は30分ほどで終わります。
流れを把握します。
4つの工程・割り当てられる動作
- 画像を作る(規定のサイズで1枚)
- 管理画面で分割のパターンを選ぶ
- 分割ごとにリンクや動作を割り当てる
- 表示する期間を指定して公開する
時間がかかるのは1番目だけです。デザインの作成に2〜3時間、それ以外の作業は30分で終わります。
画像は1枚にまとめて作ります。分割ごとに別の画像を入れる形ではありません。
分割ごとに、次のどれかを割り当てます。
- 外部のリンクを開く(予約サイト・商品ページなど)
- 決めた文言を送信する(自動応答につなげる)
- クーポンを表示する
- 電話をかける
2番目を使うと、チャットの入口として機能します。「相談する」を押すと決まった文言が送信され、それに自動応答が返る形です。
入れ替えと出し分け
結論: 同じメニューを1年置くと、押される回数が落ちます。固定する枠と入れ替える枠を分けます。
運用の形を決めます。
固定と入れ替えを分ける
予約と相談は固定します。残りの2〜3枠を、季節や販促に合わせて入れ替えます。
全部を変えると、いつも押していた場所が変わって混乱します。位置が動かないことが、押しやすさにつながります。
入れ替えの頻度は、月1回から3か月に1回程度です。期間を指定して自動で切り替える機能があるため、月初にまとめて設定できます。
相手によって出し分ける
条件を設定して、友だちごとに別のメニューを表示する方法もあります。新規の人と既存の人で、必要な導線が違うためです。
新規には使い方や初回の案内、既存には予約や再購入の導線という分け方が扱いやすいところです。
出し分けには外部の配信ツールが必要になる場合があります。月5,000〜3万円程度で、友だち数が多いほど価値が出ます。
数字の見方
結論: 見るのは、項目ごとに押された回数と、そこから予約や購入に進んだ数です。表示回数は多いので参考になりません。
測る対象を決めます。
項目ごとに見る・変えたら5週間見る
管理画面で、分割ごとの押された回数が分かります。3か月分を並べます。
押された回数が全体の5%を下回る項目は、外すか内容を変えます。空いた面積を、押されている項目に回します。
押された後の動きは、リンク先の側で見ます。予約サイトに飛んだ後は、こちら側では追えません。予約時に経路を聞く形にすると補えます。
変更した後は、5週間程度は数字を見ます。1週間では、その週の販促や曜日の影響が混ざります。
変えるのは1つずつです。項目と配置と画像を同時に変えると、何が影響したか分かりません。
比較のときは、変更前の5週間と後の5週間を並べます。同じ長さで見ることで、季節の影響も小さくなります。
自社で作るか外注するか
結論: デザインの作成だけなら外注し、何を置くかは社内で決めます。判断は外に出せません。
分担を決めます。
費用の目安・外注する場合に渡すもの
| 依頼の範囲 | 費用 | 補足 |
|---|---|---|
| デザインのみ | 1枚2万〜5万円 | 構成は自社で決める |
| 構成の提案+デザイン | 1枚5万〜10万円 | 業種の実績がある会社 |
| 設定まで含む | 1枚6万〜12万円 | 管理画面の作業を含む |
| 月次の入れ替え込み | 月3万〜8万円 | 年間の運用契約 |
自社で作る場合も、デザインの作成に2〜3時間かかります。担当者の時給を2,500円とすると5,000〜7,500円で、外注との差は品質の差になります。
渡すのは、置きたい導線の一覧と、それぞれのリンク先です。デザインの好みは後回しで構いません。
「かっこいいものを」と依頼すると、押されないメニューが戻ってきます。押される項目の順番は社内が知っています。
過去の数字がある場合は、それも渡します。押されている項目を大きくする、という設計ができます。
素材と権利を先に決める
デザインを外注する場合、納品されるのは書き出した画像だけということがあります。編集できる元のファイルも受け取る形にします。
元のファイルがあれば、次の入れ替えを自社で行えます。文字を1行変えるだけの修正に、毎回2万円かかる状態を避けられます。
写真素材を使う場合は、使用の範囲も確認します。期間の制限がある素材だと、1年後に差し替えが必要になります。制作の見積もりに素材の費用が含まれているかどうかも、あわせて聞いておきます。
つまずきやすい点
結論: 失敗は、項目を詰め込むことと、作ったまま放置することの2つです。どちらも数字を見れば分かります。
確認の形を決めます。
詰め込まない
伝えたいことを全部載せると、押される項目が小さくなります。載せるのは6つまで、押してほしい導線が決まっているなら3つで足ります。
面積は限られています。1つ足すたびに、他の項目が小さくなるという関係になっています。
外した項目は、配信やあいさつメッセージで案内します。リッチメニューに載せることだけが伝える手段ではありません。
画像だけで判断しない
管理画面の画面上では大きく見えても、実機では小さく表示されます。文字が読めるかどうかは、必ず自分のスマートフォンで確認します。
下書きの状態で自分だけに表示して確認する方法があります。公開してから直すと、その間に見た人には修正前の状態が届いています。
確認するのは3つです。文字が読めるか、押す範囲と見た目の区切りが一致しているか、明るい場所でも色が判別できるか。2番目のずれが最も多い失敗です。見た目の枠線と、実際に押せる範囲が1段ずれていると、押しても違う画面が開きます。
放置しない
作ったまま1年以上変えていない状態が、最も多く見られます。押される回数は少しずつ落ちていきます。
3か月に1回、項目ごとの数字を見る日を決めます。見る日を決めていないと、他の作業に押されて見なくなります。
季節の商材がある業種では、月1回の入れ替えが機能します。期間を指定しておけば、当日の作業は発生しません。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: リッチメニューの改善は、デザインを変えるより項目を減らすほうが数字が動きます。
2つの事例を挙げます。
アパレル|6項目を3項目に減らした
6分割で、商品・店舗・SNS・会社概要・スタッフ紹介・クーポンの6項目。レディースのブランドで、押される数が伸びないという状態でした。
3か月分の数字を見ると、押されているのは商品とクーポンで、合わせて全体の82%でした。他の4項目は、それぞれ5%を下回っています。
商品・在庫と入荷・クーポンの3分割に変更し、1つあたりの面積を2倍にしています。押された回数は月1,240回から月2,890回に増え、ECサイトへの遷移も1.9倍になりました。デザインの雰囲気は変えていません。
食品|季節で入れ替える運用にした
「作ったきりで、2年触っていません」。食品メーカーの担当者の言葉から始まった案件です。
予約と相談を固定枠にし、残り2枠を季節の商品と特集で入れ替える形に変更しています。期間を指定して自動で切り替わる設定にし、月初に翌月分をまとめて登録する運用です。
作業は月20分程度です。入れ替えを始めてから6か月で、押された回数の月平均が1.6倍になりました。固定枠の予約が押される回数も上がっています。トーク画面を開く回数自体が増えたためです。

よくある質問
Q. リッチメニューの項目はいくつが適切ですか?
A. 6つまでです。ただし押してほしい導線が決まっているなら3つで足ります。6分割にすると1つあたりが小さくなり、押しにくくなります。実務では、押されるのは上位2項目で7割前後を占めるため、少ないほうが全体の押された回数は増えることがあります。
Q. 何を置けば押されますか?
A. 今日動ける導線です。予約する・注文する、空き状況・在庫を見る、の2つで7割前後を占めます。会社概要や理念、スタッフ紹介はほとんど押されません。伝えたいことと、押される項目は別のものとして扱ってください。
Q. どのくらいの頻度で変えればいいですか?
A. 月1回から3か月に1回です。ただし全部を変えず、予約と相談は固定して残り2〜3枠だけ入れ替えてください。位置が動かないことが押しやすさにつながります。期間を指定して自動で切り替える機能があるため、月初にまとめて設定できます。
Q. 自社で作れますか?
A. 作れます。画像を1枚作り、管理画面で分割を選んでリンクを割り当てるだけです。作業は30分ほどで、時間がかかるのはデザインの作成の2〜3時間だけです。外注する場合はデザイン1枚2万〜5万円が目安ですが、何を置くかは社内で決めてください。
Q. 押されているかどうかはどこで分かりますか?
A. 管理画面で、分割ごとの押された回数が確認できます。3か月分を並べて、全体の5%を下回る項目は外すか内容を変えてください。押された後の動きはリンク先の側で見ます。予約時に経路を聞く形にすると、こちら側で追えない分も補えます。
Q. 相手によって違うメニューを出せますか?
A. 出せます。新規の人には使い方や初回の案内、既存の人には予約や再購入の導線、という分け方が扱いやすいところです。出し分けには外部の配信ツールが必要になる場合があり、月5,000〜3万円程度かかります。友だち数が多いほど価値が出ます。
まとめ
LINEリッチメニューについて、要点を整理します。
- 配信は届いた瞬間しか見られないが、リッチメニューは開くたびに表示される
- 登録した直後の人が最初に見る面。空のままだと何ができるか分からず離れる
- 押されるのは上位2項目で7割前後。偏るのは正常な状態
- 置くのは今日動ける導線。会社概要や理念は押されない
- 項目は6つまで。押してほしい導線が決まっているなら3つで足りる
- 小さい形の6分割は押し間違いが起きやすい。迷ったら大きい形の4分割から
- 作業は30分。時間がかかるのはデザインの作成の2〜3時間だけ
- 予約と相談は固定し、残り2〜3枠を入れ替える
- 押された回数が全体の5%を下回る項目は外すか内容を変える
- 外注するのはデザイン。何を置くかは社内が決める
補足すると、いま運用している場合は、自分のスマートフォンで自社のトーク画面を開いてみてください。
そこに見えているものが、友だち全員が毎回見ているものです。押したい導線が下の段にあったり、押されない項目が半分を占めていたりしないか。配信の内容を考える前に、この画面を直すほうが早く数字が動きます。
もう1つ、管理画面で項目ごとの押された回数を3か月分並べてください。5%を下回る項目が2つ以上あるなら、そこを外して残りを大きくする余地があります。デザインを作り直す必要はありません。
solezoreでは、リッチメニューの設計と制作を承っています。まずは既存の数字を見て、外せる項目があるかをお伝えするところからでも構いません。
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