

「月間10万PVを目標にしているのですが、これでいいのか自信がありません」「PVは伸びているのに、営業から問い合わせが増えないと言われます」――オウンドメディアを1年ほど運用している企業から、こうしたご相談をいただきます。
結論からお伝えすると、PV(ページの表示回数)を主なKPIに置くと、事業への貢献と逆方向に進むことがあります。PVを増やしやすい記事と、問い合わせを生む記事は別だからです。前者を増やせばPVの目標は達成できますが、そのぶん受注から遠い読者が増えます。
当社(solezore)は自社のオウンドメディアを225本運用していて、全記事を1本ずつ分類して集計しました。訪問の95%が、問い合わせが1件も出ていない記事に集まっていました。PVを目標にしていたら、この状態を成功と読んでいたはずです。
この記事では、PVをKPIに置くと何が起きるかを実測値で示したうえで、目的別の指標の置き方、立ち上げ期から収穫期までの切り替え方、外注する場合に約束させてよい指標までを、自社メディアを運用している立場から整理します。
PVをKPIに置くと外れる理由
結論: PVを主なKPIに置くと、検索数の大きい語を選ぶ動機が生まれます。検索数が大きい語ほど、読者は情報を集めている段階にいて、発注からは遠い。当社の実測では、訪問の95%を集めていた155本から問い合わせが1件も出ていませんでした。
「PVが伸びていれば、いつか問い合わせにつながるはず」と思われがちですが、実際には別の記事群から問い合わせが出ています。数字の上ではメディア全体が成長しているように見えるので、この構造には気づきにくい。
自社の数字なので、そのまま公開します。2026年7月2日から8月3日までの33日間、記事を受注に近い群と、それ以外の群に1本ずつ手で分類して集計したものです。
| 記事数 | 33日間の訪問 | 問い合わせ | 訪問あたりの問い合わせ率 | |
|---|---|---|---|---|
| 受注に近い記事 | 53本 | 206 | 5件 | 2.43% |
| それ以外の記事 | 155本 | 5,657 | 0件 | 0% |
訪問の95%は、問い合わせ0の記事に集まっていた
5,657対206。訪問数だけを見れば、後者は誤差の範囲です。それでも、問い合わせはすべてこの206の側から出ていました。
PVを追う運用をしていると、伸ばしやすいのは前者です。検索数が大きく、競合も比較的ゆるい。1本書けば数百の訪問が増えます。一方で後者は競合が激しく、書いても2ページ目に沈むことが多い。数字が伸びる方向と、事業が進む方向が食い違う状態が、ここで生まれます。
順位が付きやすい語ほど、受注から遠い
同じ集計で、検索結果での出方も比べました。受注に近い53本は表示の85%が11位以下、それ以外の155本は表示の80%が10位以内に入っていました。
上位を取れている場所と、仕事になる場所が逆になっている。この形は当社に固有のものではありません。業者を探す語には比較メディアと同業他社が集まるので競争が激しく、情報を集める語は競争がゆるいためです。
PVをまったく見ないわけではない
誤解を避けるために書いておくと、PVは測ります。見ないのではなく、達成の判定に使わないという意味です。
参考値として持っておく理由は、異常に気づけるからです。ある月に訪問が半分になっていれば、技術的な問題か、検索結果の変動が起きています。主指標だけを見ていると、この種の事故に気づくのが遅れます。
車の速度計と燃料計の関係に近いと考えてください。目的地に着いたかどうかを決めるのは速度計ではありませんが、針が急に落ちれば何かが起きたと分かる。PVはそういう見方をする数字です。
「PVを目標から外すと、社内に説明できなくなります」というご相談もいただきます。この場合は、PVを報告資料には載せたまま、達成の判定だけを別の指標に移す形をとります。載せる数字と、評価に使う数字を分けるだけで、社内の理解は保てます。
目的別に、置く指標が変わる
結論: オウンドメディアのKPIは、そのメディアが何のためにあるかで変わります。問い合わせを増やすのか、採用の応募を増やすのか、指名検索を増やすのか。目的を1つに絞らないと、指標が増えすぎて判断できなくなります。
問い合わせを増やす場合
主指標は問い合わせ件数です。ただし、立ち上げから半年はこの数字が0のまま動きません。手前の指標として、受注に近い記事の訪問数と平均順位を置いておくと、途中経過が読めます。
商談化した件数まで追えると、さらに判断が正確になります。問い合わせが増えても、対応できない依頼ばかりなら意味がない。当社は問い合わせの内容も分類していて、受けられる依頼かどうかまで見ています。
採用を目的にする場合
採用オウンドメディアでは、応募数が主指標になります。ただ、記事を読んでから応募までの期間が長く、月単位では動きが見えにくい。
このケースで有効なのは、応募者に「どの記事を読んだか」を聞くことです。応募フォームに1問足すだけで、どの記事が効いているかが分かります。解析ツールの数字より確実な情報が取れる。
手前の指標としては、採用ページへの遷移数を置きます。記事を読んだ人が、募集要項まで見に行ったかどうか。応募には至らなくても、ここが動いていれば記事は働いています。
指名検索を増やす場合
社名やサービス名で検索されるようになると、その後の商談が進みやすくなります。すでに知っている相手を探しに来ている状態なので、比較の土俵に乗る前から候補に入っている。
この目的では、指名の検索数と直接訪問の件数を見ます。検索コンソールで測れますが、増え方が緩やかなので、月次ではなく四半期で見るほうが変化を読み取れます。
指名検索は、記事だけで増えるものではありません。展示会、広告、SNS、既存顧客の紹介。複数の接点が積み重なった結果として増えるので、メディア単独の成果として切り出しにくい指標でもあります。この目的を主に置く場合は、ほかの施策と合わせて評価する前提を先に共有しておくほうがよいでしょう。
目的を2つ以上置かない
「問い合わせも採用も指名検索も」と欲張ると、記事の方向が定まりません。書く語も、記事の書き方も、目的によって変わります。
採用向けの記事は社内の様子や働き方を書き、問い合わせ向けの記事は費用や選び方を書く。読者がまったく違うので、同じメディアの中で両方を追うと、どちらの読者にも中途半端な記事が並びます。
複数の目的があるなら、四半期ごとに切り替える形が現実的でしょう。当社が支援するときは、まず1つに絞って3か月走らせ、そこで判断してから次を決めます。「両方やりたい」というご要望はよくいただきますが、順番にやるほうが結果的に早く着きます。
立ち上げ期・成長期・収穫期で、見る指標を切り替える
結論: 立ち上げから3か月は公開本数と登録ページ数、4〜6か月は表示回数と平均順位、7か月以降は問い合わせ件数を見ます。立ち上げ期に問い合わせを主指標にすると、0が並ぶだけで改善の手がかりが得られません。
立ち上げ期に、順位を見ない
公開して1か月の記事に順位が付かないのは当然です。ここで順位表を眺めても、打てる手はありません。
見るべきは、記事が検索エンジンに登録されているかどうか。当社が支援に入って最初に確認するのもここで、登録されていないまま数十本を公開していたケースを何度か見ています。書いた記事が検索結果に存在しない状態なので、順位以前の問題です。
切り替える時期を、あらかじめ決めておく
指標を途中で変えることは、後ろめたいことではありません。時期によって動く数字が違うからです。
体重を落とすときに、初日から体脂肪率だけを見ても動きません。最初の数週間は食事の記録が続いているか、次に体重、その後で体脂肪率。見る順番が変わるのは自然なことです。
ただし、変える時期を先に決めておかないと、都合の良いときに都合の良い指標へ乗り換えているように見えます。当社は3か月ごとに1段進める形を最初に共有し、報告の様式もそれに合わせて変えています。切り替えの予定表を初回に配っておくと、毎回の説明が要らなくなります。
| 時期 | 主指標 | 手前の指標 | まだ見ない指標 |
|---|---|---|---|
| 1〜3か月目 | 公開本数 | 登録されたページ数 | 順位、訪問、問い合わせ |
| 4〜6か月目 | 表示回数 | 平均順位 | 問い合わせ件数 |
| 7〜9か月目 | 受注に近い記事の訪問 | 平均順位、クリック率 | 全体の訪問数 |
| 10か月目以降 | 問い合わせ件数 | 受注に近い記事の訪問 | 全体の訪問数(参考値) |
収穫期に入っても、手前の指標は残す
問い合わせ件数だけを見ていると、悪化したときに原因が分かりません。件数が減ったのが、順位が下がったからなのか、フォームが壊れていたからなのかを切り分ける必要があります。
実際、フォームの不具合で数週間ぶんの問い合わせが届いていなかった、という事故は起こりえます。手前の指標を見ていれば、訪問は変わっていないのに件数だけが0になったことに気づけた。
主指標1つに対して、手前の指標を2つ持っておく形が扱いやすい。報告には3つ載せて、達成の判定は主指標だけで行います。手前の指標に目標を置かないのは、そこを追いかけ始めると主指標から意識が離れるためです。
KPIツリーは、掛け算で分解する
結論: 問い合わせ件数は、訪問数×問い合わせ率に分解できます。さらに訪問数は、表示回数×クリック率に分解できる。どの数字が落ちたときに何を直すかが、この分解で決まります。
分解しておくと、原因の切り分けが速い
問い合わせが月5件から2件に減ったとき、何を直すかは数字を分解しないと決まりません。表示回数が半分になっているなら順位の問題ですし、表示が同じでクリック率だけ落ちているならタイトルの問題です。
分解した各段を毎月記録しておくと、変化があった段だけを見ればよくなります。当社は月次の記録を1枚のシートにまとめていて、そこに4段すべての数字を並べています。
掛け算の各段に、目標を置きすぎない
分解した数字すべてに目標を設定すると、追う数字が10個を超えます。全部を同時に改善することはできないので、目標を置くのは主指標1つと、手前の指標2つまでにとどめる。
残りは記録するだけです。異常が出たときに見に行く材料として持っておきます。
「せっかく分解したのだから、全部に目標を置きたい」と考えたくなりますが、目標が多いほど達成率の平均を上げる動きが出ます。伸ばしやすい段だけを改善して、報告上は良く見える状態になりうる。分解は原因を探すための道具であって、目標を増やすための道具ではありません。
外注する場合、何を約束させてよいか
結論: 外注先に約束させてよいのは、制作会社が自分で動かせる指標だけです。公開本数、順位、表示回数までは約束できます。問い合わせ件数や売上は、記事以外の要素が大きく影響するため、約束させると無理な運用を招きます。
「先方から、6か月で月間3万PVを保証すると言われました」というお話をうかがったことがあります。PVは保証しやすい数字です。検索数の大きい語で本数を出せば届くので、達成はできる。ただ、そのメディアから問い合わせが来るかは別の話になります。
PVの保証は、達成できてしまうから危ない
達成できない約束より、達成できてしまう約束のほうが厄介です。PVは、検索数の大きい語を選べば届きます。その語で書かれた記事が事業に貢献するかは、契約の中では問われません。
契約書に数字を入れるなら、PVではなく対象キーワードの順位にするほうが安全です。どの語を狙うかを事前に合意しておけば、方向がずれません。
| 約束の内容 | 達成しやすさ | 事業への貢献 | 契約に入れるか |
|---|---|---|---|
| 月間PV○万を保証 | 達成しやすい | 貢献しないことがある | 避ける |
| 指定した10語の順位 | 中くらい | 語の選び方次第で高い | 入れてよい |
| 月○本の公開 | 達成しやすい | 本数だけでは決まらない | 入れてよい(他と併用) |
| 問い合わせ○件 | 記事以外の要素が大きい | 高い | 入れない |
語の選定を、どちらが持つかを決める
順位を約束させる場合、その語を誰が決めるかが重要になります。制作会社に任せると、上げやすい語を選ぶ動機が働く。
当社が受けるときは、語の候補を出したうえで、最終的にどれを狙うかは発注者と一緒に決めています。上げやすさと事業への近さは相反するので、そこを共有せずに進めると後から食い違います。
語を選ぶ場に、営業の担当者を1人入れておくと精度が上がります。商談で実際に聞かれる質問は、営業がいちばん知っている。当社が支援に入るときも、最初の語の選定には営業部門に同席してもらうことが多くあります。マーケティング側だけで決めた語と、営業が挙げる語は、驚くほど食い違うことがあります。
報告の様式も、契約時に決める
毎月何を報告するかを決めておかないと、良く見える数字だけが並んだ資料が届きます。当社が発注側の立場で確認するときは、下がった指標について説明があるかを見ています。
上がった数字だけの報告書は、情報としては半分です。何が下がって、その原因を相手がどう見ているか。ここが書かれている報告書は、翌月の打ち手も具体的になります。
測れるようにする準備
結論: KPIを決めても、計測の設定がなければ後から数字を取り出せません。最低限、問い合わせフォームの完了を記録する設定と、その入口になった記事を記録する設定の2つが要ります。この設定は遡って適用できません。
いちばん抜けているのは、入口の記録
問い合わせが来ても、その人がどの記事から入ってきたかを記録していなければ、どの記事が効いたか分かりません。当社も過去に遡れない期間があり、その部分は問い合わせメールの日時から手で突き合わせました。
半年ぶんを手作業で照合するのは骨が折れます。まだ設定していないなら、KPIを決めるより先にここを済ませておく価値があります。
エンゲージメントの定義を確認しておく
解析ツールの指標には、それぞれ定義があります。GA4(Googleアナリティクス4)のヘルプでは、エンゲージメントのあったセッションを、10秒を超えて継続したセッション、コンバージョンイベントが発生したセッション、2回以上のページビューが発生したセッションのいずれかと定義しています。
定義を知らずに数字だけ見ると、改善したのか計測が変わったのかが分かりません。KPIに使う指標については、その定義を1度確認しておくほうが安全です。
記事単位で見られる形にする
サイト全体の数字だけでは、どの記事を厚くするかが決まりません。記事ごとの訪問、記事ごとの表示回数、記事ごとの問い合わせ。この3つが記事単位で出せる状態にしておきます。
意外に手間がかかるのは、記事のURLと記事のタイトルを対応させる作業です。解析ツールが出すのはURLなので、200本を超えると、どの数字がどの記事のものか分からなくなります。当社は記事の一覧表を1枚持っていて、URL・タイトル・狙った語・分類を並べています。集計のたびにこの表と突き合わせる形です。
表を作るのは面倒ですが、これがないと毎回URLを目で追うことになります。記事が増えるほど、先に作っておいた効果が出てきます。
KPIを変えるときの手続き
結論: KPIは途中で変わります。時期が進めば見るべき数字が変わりますし、事業の方針が変われば目的そのものが変わる。変えること自体は問題ありませんが、変える手続きを決めておかないと、達成できそうな指標へ乗り換えているように見えます。
数字が悪い月に変えない
未達の月にKPIを変えると、社内での信頼が落ちます。指標そのものが正しくなかったとしても、変えるタイミングが悪いと言い訳に見える。見直す時期を四半期の初めに固定しておけば、こうした疑いを避けられます。
当社は、四半期の切り替えのタイミングで指標を見直す形にしています。悪い月があっても、その月には触りません。どうしても途中で変える必要があるときは、変える理由と、その判断をした人を記録に残します。
前の指標も記録し続ける
新しい指標に切り替えても、前の指標の記録は残します。途中で測るものが変わると、1年を通した比較ができなくなるためです。
年度の振り返りで「去年と比べてどうか」を聞かれたときに、測っていた指標が途中で入れ替わっていると答えられません。前の指標を残しておけば、両方の物差しで説明できます。
記録を続ける手間は小さい。解析ツールの数字を月に一度書き写すだけで、後から振り返れる材料になります。
変えた理由を1行残す
「4〜6月は表示回数、7月から問い合わせ件数に変更。受注に近い記事が10位以内に入り始めたため」――この程度の記録があると、半年後の振り返りで判断の経緯が追えます。
記録がないと、当時なぜその指標にしたのかを誰も思い出せません。担当者が交代した後は特にそうなります。「前任者がこの数字を追っていたので、そのまま続けています」という状態は、実際に何度も見てきました。
置き場所は、報告資料の最後に1行足す程度で十分です。専用の記録簿を作ると、それ自体が続かなくなります。
KPIが形だけになるとき
結論: KPIを決めたのに機能しない状態には、共通の形があります。数字を集める作業だけが残り、それを見て何かを変えることがなくなる状態です。報告のための報告になっていないかは、打ち手が変わったかどうかで判断できます。
「毎月レポートは作っているのですが、それを見て何かを決めたことがなくて」というお話は、実際によくうかがいます。作る側も読む側も、慣れてくると数字を眺めるだけになりがちです。
打ち手が変わらない指標は、外す
3か月続けて同じ報告をしていて、そのあいだ何も変えていないなら、その指標は判断に使われていません。見る数字を減らして、動かせるものに絞るほうが実用的です。
判断の材料にならない数字は、健康診断で毎回同じ項目を測り続けるのに似ています。値が動かないなら、測る意味を問い直す時期でしょう。
見直すときは、その指標が悪くなったときに何をするかを言葉にしてみます。答えが出てこないなら、その数字は主指標に向いていません。「表示回数が2割落ちたら、順位の落ちた記事を上位10件と見比べて書き足す」――ここまで言えて初めて、追う意味のある数字になります。
集計に時間がかかりすぎていないか
月次の数字を作るのに丸2日かかっている、という状態も見かけます。集計そのものは価値を生まないので、ここに時間を使うほど本来の作業が削られます。
当社が最初にやるのは、解析ツールの画面を毎回開き直すのをやめて、必要な数字だけが並ぶ形を作ることです。1時間で終わる仕組みにしてから、指標の中身を議論します。順番が逆になると、議論の途中で集計に疲れてしまう。
誰の指標かを決める
KPIを誰が追うかが決まっていないと、未達でも誰も動きません。担当者が追う指標、上長が見る指標、外注先に約束させる指標。この3つは同じ数字でなくてよく、むしろ分けるほうが機能します。
担当者に問い合わせ件数の責任を持たせても、フォームの改善権限がなければ動かせない。その人が動かせる範囲の指標を持たせることが、形骸化を防ぐ条件になります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
KPIの置き方を作り直した例を2つ紹介します。
医薬品|問い合わせを主指標にできない事情があった
商品の効果に触れられない制約があり、記事から直接の購入や問い合わせにつなげにくい業種でした。それでも社内では問い合わせ件数を目標にしていて、毎月の報告が0件の説明で終わっていた。
主指標を、資料請求と会員登録の件数に変えました。読者が次の情報を求めて動いた行動を、事業への貢献と定義し直した形です。あわせて、記事ごとにどの資料が請求されたかを記録できるようにしました。
半年後、どの記事が資料請求を生んでいるかが分かるようになり、記事の企画がその周辺に寄っていきました。数字が動いたというより、何を書けばいいかが決まったことの効果が大きい。
通信|PV目標を達成しながら、商談が動いていなかった
月間5万PVという目標を掲げ、外注先が達成していました。それでも営業から「メディア経由の商談がない」という声が上がっていた。
記事を見ると、業界の解説記事が中心でした。検索数は大きく、PVは伸びる。ただ、読んでいるのは同業他社と学生が多かった。
やったことは2つです。まず、記事を受注に近い群とそれ以外に分け、群ごとの数字を出しました。次に、外注先との契約を月間PVから、指定した12語の順位に変えています。語は営業部門と一緒に選び、実際に商談で聞かれる質問から拾いました。
契約を変えてから記事の本数は減りましたが、資料請求のフォームに記事経由の流入が入り始めています。
よくある質問
Q. PVはKPIにしてはいけないの?
A. 主指標に置くと外れやすい、という意味です。測ること自体は続けてよく、当社も参考値として毎月記録しています。異常に気づくためには有効な数字だからです。避けたいのは、PVの達成が評価につながる形にすること。そうすると、検索数の大きい語を選ぶ動機が生まれ、受注から遠い読者が増えていきます。
Q. KPIはいくつ置けばいい?
A. 主指標を1つ、その手前の指標を2つまでが扱いやすい形です。目標を置く数字が増えるほど、どれを優先するかで迷います。それ以外の数字は記録だけ続けて、異常が出たときに見に行く材料として持っておきます。
Q. 立ち上げたばかりで何も数字が動かないときは、何を見ればいい?
A. 1〜3か月目は公開本数と、記事が検索エンジンに登録されているかを見ます。順位も訪問も、この時期は動きません。登録されていない状態で数十本を公開していたケースもあるので、まずそこを確認すると手がかりが得られます。
Q. 外注先が提示してきたKPIをそのまま受けていい?
A. 中身を確認してから決めるほうがよいでしょう。PVや記事本数のように達成しやすい数字だけが並んでいる場合、達成しても事業が動かないことがあります。順位を約束するなら、どの語を狙うかを発注側も一緒に決めると、方向のずれを防げます。
Q. 目標に届かなかったとき、どうすればいい?
A. 掛け算に分解して、どの段が落ちたかを先に見ます。表示回数、クリック率、問い合わせ率のどこで止まっているかで、打つ手が変わります。数字が悪いタイミングでKPI自体を変えるのは避けたほうが無難です。見直す時期は四半期の初めなど、あらかじめ決めておく形をおすすめします。
まとめ
オウンドメディアのKPIは、PVを主指標に置いた時点で方向が決まってしまいます。
- PVを追うと検索数の大きい語を選ぶ動機が生まれ、受注から遠い読者が増える
- 目的は1つに絞る。問い合わせ・採用・指名検索で、置く指標が変わる
- 時期によって主指標を切り替える。切り替える時期は先に決めておく
- 外注先に約束させるのは、相手が自分で動かせる指標まで
- 計測の設定は遡れない。KPIを決める前に済ませておく
最初にやることを1つ選ぶなら、いまある記事を受注に近い群とそれ以外に分けて数えることです。KPIの設計より前に、いまどちらに人が集まっているかが分かります。
逆に、この段階でやらないほうがよいのは、指標を一度に増やすことです。追う数字が10個を超えると、どれも改善されないまま報告だけが厚くなります。1つに絞って3か月走らせるほうが、次の判断材料が手に入るはずです。
solezoreでは、自社メディアを内製で運用しながら、クライアントのオウンドメディアも支援しています。いまのKPIが事業とつながっているか、記事の分類から確認してお出しします。料金は公開しているので、比較の段階でお問い合わせいただければそのままお伝えします。
この記事を書いた solezore に相談する
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