

「アドバイスだけもらう契約と、全部やってもらう契約のどちらがいいのか判断できません」「前のコンサルは毎月レポートが届くだけで、何も変わりませんでした」――SEOコンサルティングのご相談は、この2つから始まることが多くあります。
結論からお伝えすると、コンサルティングが向くかどうかは費用ではなく、社内に手を動かせる人がいるかどうかで決まります。コンサルティングは方針を作る契約であって、記事を書く契約ではありません。
solezoreでは、コンサルティングをパーソナルトレーニングにたとえて説明しています。指導者は正しいやり方を教えますが、体を動かすのは本人です。ジムに通うだけでは体は変わりません。
この記事では、頼める業務の中身、代行や制作会社との線引き、契約の形、費用の相場と内訳、向く会社と向かない会社、社内に必要な体制までを、実際にコンサルティングを提供している立場から解説します。
SEOコンサルティングとは何か|助言と実作業の線引き
結論: コンサルティングは、何をどの順番でやるかを設計し、実行の結果を見て次を決める契約です。記事を書く、サイトを直すといった実作業は含まれないのが基本形になります。
まず、契約の性質を整理します。
買っているのは判断と設計
コンサルティングで支払っているのは、作業時間ではなく判断です。どのキーワードで戦うか、どの記事から直すか、いつ方針を変えるか。
この判断は、経験のない状態で自社だけで行うと外します。外した場合、半年から1年を失うことになるため、そこを買う契約だと考えると分かりやすくなります。
逆に言えば、判断だけを買っても、実行する人がいなければ何も起きません。アドバイスは実行されて初めて価値になります。
実作業が含まれない理由
コンサルティングと実作業を分けているのは、必要な体制が違うためです。設計は経験のある少人数で行い、制作は人数を揃えて回します。
同じ料金で両方を求めると、どちらかが薄くなります。月20万円で設計から記事10本まで含む提案は、記事の中身が想像できる水準になります。
一括で任せたい場合は、コンサルティングではなく代行の契約を選びます。役割が違うだけで、優劣の話ではありません。
期間の考え方
コンサルティングは、3〜6か月の最低契約期間が設定されることが多くあります。SEOの結果が出るまでに時間がかかるためです。
ただし、最初の1か月で診断と設計が終わり、そこから先は実行の伴走に入ります。最初の1か月に価値が集中するという性質があるため、短期のスポット契約でも成立します。
長く続けるほど良いというものでもありません。社内で回せるようになった時点で、頻度を落とすか終了するのが自然な形です。
頼める業務の中身
結論: コンサルティングで扱うのは、現状の診断、キーワードの設計、記事の計画、公開後の改善指示の4つが中心です。ここに社内向けの教育が加わることもあります。
業務ごとに見ていきます。
診断と現状の把握
最初に行うのは、いま何が起きているかの把握です。管理ツールのデータを見て、どの記事が表示されているか、どこで止まっているかを整理します。
この作業で分かるのは、技術面で止まっているのか、キーワードを外しているのか、記事の中身が足りないのかという切り分けです。原因が違えば打ち手も変わります。
診断だけを単独で依頼することもできます。体制を決める前に、何が足りないかを知りたい場合に向いています。
キーワードと記事の設計
診断のあとに、どのキーワードで戦うかを決めます。検索数、競合の強さ、自社の商材との距離を見て、100〜200語の候補から実際に書く30〜50語を絞り込みます。
絞り込んだら、記事同士の関係を組みます。大きなテーマを扱う親の記事と、その下にぶら下がる子の記事という構造です。
ここまでが最初の1か月の作業になります。この設計図があると、社内の誰が書いても方向がぶれません。
公開後の改善指示
記事が公開されたあとは、数字を見て次の手を決めます。表示はあるのに順位が10位前後の記事、クリック率が低い記事を抜き出し、どこを直すかを指示します。
新しく書くより、既存の記事を直すほうが早く数字が動きます。この判断は経験がないと難しく、コンサルティングの価値が出やすい部分です。
月1回の打ち合わせで、直す記事を3〜5本決める形が標準的です。

代行・制作会社・コンサルの違い
結論: 3つは扱う範囲が違います。コンサルは設計、代行は設計から実作業まで、制作会社は記事の執筆のみ。自社に何がないかで選びます。
違いを表にします。
3つの契約形態の比較・組み合わせる形もある
| 契約の形 | 含まれるもの | 費用の目安 | 向く状況 |
|---|---|---|---|
| コンサルティング | 診断・設計・改善指示 | 月20万〜50万円 | 書ける人が社内にいる |
| SEO代行 | 設計から記事制作・技術面まで | 月30万〜80万円 | 手も頭も足りない |
| 記事制作代行 | 構成と執筆のみ | 1本3万〜8万円 | 設計は自社でできる |
| 診断のみ | 現状の分析と提案書 | 15万〜50万円 | 体制を決める前の判断材料 |
コンサルティングと代行の金額差は10万〜30万円ですが、含まれる作業量は大きく違います。この差を見て代行を選ぶ企業が多いのは自然な判断です。
設計だけコンサルティングで受け、執筆は別の制作会社に出す、という組み合わせも可能です。費用を抑えつつ、方針の質を確保できます。
ただし、間に立つ人が要ります。コンサルの指示を制作会社に伝え、上がってきた記事を確認する役割です。ここが空くと、指示と成果物がずれます。
社内にその役割を置けない場合は、一括で代行に出すほうが結果的に安く済みます。
契約の形|月額・スポット・研修
結論: 契約の形は3つあります。継続的な月額、期間を区切ったスポット、社内で回せるようにする研修型です。目的によって選びます。
形ごとに見ます。
月額の継続契約
最も一般的な形で、月1〜2回の打ち合わせと、その間のやり取りが含まれます。記事の確認や、数字を見た改善指示も入ります。
期間は3〜6か月からで、更新していく形が多くあります。半年を過ぎたあたりで、社内に判断できる人が育っているかを確認します。
打ち合わせの頻度を月1回にするか月2回にするかで、費用が10万円前後変わります。動きの速い時期は月2回、安定してきたら月1回という調整も可能です。
スポットの依頼・研修型
診断だけ、設計だけ、といった単発の依頼です。1か月から2か月で完結し、そのあとは自社で回します。
すでに社内に経験のある担当者がいて、方針の確認だけしたい場合に向いています。費用も継続契約より抑えられます。
作った設計図が古くなる時期が来るため、半年から1年後にもう一度依頼する使い方もあります。
社内の担当者に、判断の仕方そのものを教える形です。作業を代わりに行うのではなく、できるようにすることが目的になります。
長期的には最も費用が下がりますが、教わる側に時間が要ります。担当者が兼務で月2時間しか割けない状態では成立しません。
solezoreでは、月額の契約に研修の要素を混ぜる形をおすすめしています。実際の自社の記事を教材にするほうが、身につくのが早いためです。
費用の相場と内訳
結論: 相場は月20万〜50万円です。差は打ち合わせの頻度と、記事の確認をどこまで行うかで決まります。
内訳を見ていきます。
費用帯ごとの中身・初期費用がかかる場合
| 月額 | 打ち合わせ | 含まれる作業 |
|---|---|---|
| 5万〜15万円 | 月1回・書面中心 | レポートと質問への回答 |
| 20万〜35万円 | 月1〜2回 | 設計・改善指示・記事の確認 |
| 40万〜60万円 | 月2〜4回 | 上記に加えて競合の追跡と技術面の指示 |
| 60万円以上 | 週次 | 専任体制。競合が強い領域向け |
月5万〜15万円の帯は、レポートの提出が中心になります。何をすべきかは書かれていますが、なぜそうするのかの説明や、実行時の相談までは含まれないことが多くあります。
中小企業が最初に依頼する場合、月20万〜35万円の帯が現実的です。
契約時に、診断と設計の費用として15万〜50万円が別途かかることがあります。この作業は実際に時間がかかるため、請求されること自体は不自然ではありません。
確認すべきは、何が成果物として出てくるかです。キーワードの一覧、記事の設計図、優先順位の付いた改善リスト。この3つが揃っていれば妥当な水準になります。
初期費用がない場合は、その分が月額に含まれているか、設計の工程が省かれているかのどちらかです。初月に何をするかを聞けば分かります。
見積もりの比べ方
金額だけを比べても判断できません。打ち合わせ1回あたりに割り戻してみてください。
月30万円で月2回なら1回15万円、月20万円で月1回なら1回20万円です。総額では前者が高く見えますが、単価では後者のほうが高くなります。
あわせて、打ち合わせ以外の時間に何をしてもらえるかを確認します。記事の確認、数字の分析、質問への回答。ここが含まれるかどうかで、実質的な価値が変わります。
向く会社と向かない会社
結論: コンサルティングが向くのは、社内に書ける人がいて、月10時間以上を割ける会社です。どちらかが欠けている場合は、代行を選ぶほうが結果が出ます。
判断の基準を示します。
向いている条件
- 書ける人が社内にいる:文章を書くことに抵抗がない担当者が1人以上いる
- 月10時間以上割ける:記事の執筆と確認に使える時間がある
- 自社の商材に詳しい:外部には書けない情報を持っている
- 中長期で内製化したい:外注し続けるのではなく、社内に残したい
これらが揃っている場合、コンサルティングが最も費用対効果に優れます。設計だけ外から買い、実作業は社内で行う形です。
向かない場合
書ける人がいない状態でコンサルティングを契約すると、毎月の打ち合わせで同じ指摘が繰り返されます。実行されないため、状況が変わりません。
アドバイスをもらえば動けるようになると思われがちですが、書く時間がない状態は助言では解決しません。時間の問題は時間でしか解決できません。
この場合は、記事制作まで含む代行を選びます。費用は上がりますが、実際に記事が公開されます。
社内に必要な体制
結論: 必要なのは、窓口となる担当者1名と、記事を書く体制、そして管理ツールへのアクセス権の3つです。この3つが揃っていないと、契約しても動きません。
準備するものを挙げます。
窓口を1人に決める
複数の人が別々にやり取りすると、指示が伝わりません。窓口を1人に決め、その人が社内へ展開する形にします。
窓口の役割は、コンサルからの指示を受け取り、社内で誰がやるかを割り振り、進捗を戻すことです。実務としては月3〜5時間になります。
この役割が空席のまま契約すると、打ち合わせで決めたことが実行されないまま次の月が来ます。
管理ツールの権限を渡す
検索の管理ツールと、サイトの解析ツールへのアクセス権が必要です。ここが見られないと、数字に基づいた助言ができません。
権限は閲覧のみで構いません。編集権限を渡す必要はなく、そこは自社で持ったままにしてください。
まだ設定していない場合は、契約前に設定を済ませておくと、初月からデータを見た議論に入れます。
うまくいかない依頼の共通点
結論: うまくいかない依頼には共通点があります。実行する人がいない、判断の基準を決めていない、期間が短すぎるの3つです。
繰り返し見るものを挙げます。
実行する人がいない
最も多い形です。毎月の打ち合わせで方針は決まるものの、実行されないまま次の打ち合わせが来ます。
3か月経つと、同じ指摘を3回受けている状態になります。この時点で費用は60万円から100万円かかっており、成果はありません。
避けるには、契約前に「誰が書くか」を決めてください。決められないなら、その時点で代行を検討する合図です。
判断の基準を決めていない
何をもって成功とするかを決めていないと、続けるべきか止めるべきかの判断ができません。
契約時に、6か月後に何がどうなっていれば継続かを合意してください。表示回数、問い合わせ件数、記事の公開本数など、測れる形にします。
順位を基準にするのはおすすめしません。順位は他社の動きでも変わるため、自社の努力と結果が対応しません。
期間が短すぎる
3か月で判断すると、記事が公開されて評価が定まる前に終わります。最低6か月は見ます。
ただし、6か月待たなくても分かることがあります。約束した本数の記事が公開されているか、指摘が具体的か、質問への回答が早いか。これらは1〜2か月目から判断できます。
成果ではなく、進み方を1か月目から確認する、という見方をおすすめします。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、コンサルティングの契約でも最初の1か月を診断と設計に使います。ここでは2つの業種で、何を変えたかを紹介します。
日用品・家電|社内で書ける体制を作った
生活雑貨を扱うメーカーから寄せられた相談です。以前に別の会社へ月18万円で依頼していましたが、レポートが届くだけで何も変わらなかったという経緯がありました。
話を聞くと、レポートの指摘自体は正しいものでした。問題は、それを実行する人が社内にいなかったことです。担当者は3名いましたが、全員が兼務で、記事を書いた経験がありませんでした。
そこで、最初の2か月は記事の型を作る作業に充てました。構成の雛形を1つ作り、その型に沿って3本を一緒に書いています。
3か月目から、担当者が単独で書けるようになりました。現在は月1回の打ち合わせだけで回っています。設計より先に、書ける状態を作る必要があったということです。
音楽|狙う言葉を全面的に入れ替えた
音楽教室を運営する企業からのご相談で、記事は40本あるものの問い合わせにつながっていませんでした。
管理ツールを見ると、楽器の練習方法を扱う記事に表示が集中していました。読んでいるのは独学で練習している人で、教室を探している人ではありません。
キーワードを設計し直し、大人の初心者、教室の選び方、月謝の相場、体験レッスンといった検討段階の言葉に入れ替えました。記事は社内で執筆し、solezoreは構成の作成と公開前の確認を担当しています。
5か月目に体験レッスンの申し込みが月3件から月11件に増えました。記事の総数は12本しか増えていません。狙う言葉を変えただけです。

よくある質問
Q. SEOコンサルティングの費用相場はいくらですか?
A. 月20万〜50万円が中心です。差は打ち合わせの頻度と、記事の確認をどこまで行うかで決まります。月5万〜15万円の帯もありますが、この場合はレポートの提出が中心になり、実行時の相談までは含まれないことが多くあります。
Q. コンサルティングと代行はどちらを選ぶべきですか?
A. 社内に書ける人がいて、月10時間以上割けるならコンサルティングです。どちらかが欠けている場合は代行を選んでください。書く時間がない状態は、助言では解決しません。
Q. フリーランスのコンサルタントに依頼してもいいですか?
A. 実績が確認できれば選択肢になります。月5万〜20万円と費用を抑えられる点が利点です。ただし、担当が1人のため、繁忙期や体調不良で止まるリスクがあります。あわせて、対応できる範囲を契約前に確認してください。
Q. 成果を保証してもらえますか?
A. 保証は難しいと考えてください。検索結果は他社の動きや検索エンジン側の変更でも動くため、外部から確約できる性質のものではありません。順位や件数を保証する提案は、条件の定義を細かく確認したうえで判断することをおすすめします。
Q. 契約期間はどのくらいが適切ですか?
A. 最低6か月を見てください。3か月では記事の評価が定まる前に終わります。ただし、進み方は1〜2か月目から判断できます。約束した本数が公開されているか、指摘が具体的かを早い段階で確認してください。
Q. 社内に何を準備しておけばいいですか?
A. 窓口となる担当者1名、記事を書く体制、管理ツールの閲覧権限の3つです。とくに窓口は重要で、ここが空席だと打ち合わせで決めたことが実行されません。実務としては月3〜5時間を見込んでください。
まとめ
SEOコンサルティングについて、要点を整理します。
- 買っているのは判断と設計。記事を書く作業は含まれないのが基本
- 相場は月20万〜50万円。差は打ち合わせの頻度と記事の確認の範囲
- 診断と設計は最初の1か月に集中する。スポットでの依頼も成立する
- 向くのは、書ける人がいて月10時間以上割ける会社
- 書ける人がいない場合は、代行を選ぶほうが結果が出る
- 準備するのは、窓口1名・書く体制・管理ツールの閲覧権限
- 判断は6か月。ただし進み方は1〜2か月目から確認できる
- 順位を成功の基準にしない。他社の動きでも変わるため
補足すると、契約前の打ち合わせで、自社サイトの問題点を1つ具体的に指摘してもらってください。
一般論しか出てこない相手は、事前にこちらのサイトを見ていません。逆に、記事のタイトルや順位を具体的に挙げてくる相手は、契約後も同じ密度で見てくれます。
もう1つ、契約後に最初に受け取る成果物が何かを確認してください。ここが曖昧なまま始まると、1か月目に何も残らないことがあります。
solezoreでは、SEOのコンサルティングから記事制作までを承っています。まずは診断だけ、社内で書ける体制を作りたい、といったご相談にも対応していますので、いまの状況の整理からでも構いません。
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