

「毎月の打ち合わせで一般論を聞いて終わっている」「代行とコンサル、どちらを頼めばいいのか分からない」――コンサルについてのご相談は、この2つから始まります。
結論からお伝えすると、コンサルと代行の違いは手を動かすのが誰かです。コンサルは設計と判断を提供し、実作業は自社で行います。社内に手を動かせる人がいない状態でコンサルを頼むと、助言だけが溜まって何も進みません。
solezoreでは、コンサルを設計図を描く仕事だと説明しています。設計図があっても、建てる人がいなければ家は建ちません。まず自社に建てる人がいるかを確認してから、どちらを頼むかを決めます。
この記事では、代行との違いから、頼める業務の中身、費用相場と契約の形、向いている状況、選び方の基準、契約前の確認事項、依頼後の進め方、よくある失敗までを解説します。
SNSコンサルとは|運用代行との違い
結論: コンサルは設計と判断、代行は実作業です。この線引きを理解しないまま契約すると、期待と提供内容が食い違います。
まず、2つの違いを整理します。
提供されるものが違う
コンサルが提供するのは、方針、企画の枠組み、判断の材料、改善の指摘です。打ち合わせと資料が成果物になります。
代行が提供するのは、投稿そのものです。撮影、編集、投稿、コメント対応。手を動かした結果が成果物になります。
同じ月20万円でも、前者は月2回の打ち合わせと分析資料、後者は月16本の投稿。まったく違うものを買っていることになります。
費用の水準・併用という選択
一般に、コンサルのほうが安く見えます。制作の工数がないためです。
ただし、実作業を自社で行う人件費が別にかかります。週10時間を社内で使うなら、その分が実質の費用です。総額で比べると、逆転することも珍しくありません。
両方を組み合わせる形もあります。戦略と分析はコンサル、制作は代行、投稿と対応は社内。
役割が明確になる一方、窓口が増えます。連携がうまくいかないと、双方が相手の領域だと考えて空白ができることがあります。
| コンサル | 運用代行 | |
|---|---|---|
| 提供されるもの | 方針、企画の枠組み、分析 | 投稿、撮影、編集、対応 |
| 手を動かすのは | 自社 | 依頼先 |
| 費用の目安 | 月10万〜40万円 | 月20万〜60万円 |
| 向いている状況 | 社内に実行できる人がいる | 実行する人がいない |
| 蓄積されるもの | 社内に判断力が残る | 制作物が残る |
頼める業務の中身
結論: 方針の設計、企画の枠組み、分析と改善の指摘が中心です。手を動かす作業は含まれないことが前提になります。
コンサルで実際に受けられる支援を挙げます。
方針の設計・企画の枠組み
誰に何を届けるか、どの媒体を使うか、何を数字として見るか。この3つを決めます。
立ち上げ期に最も価値が出る部分です。ここが定まらないまま投稿を始めると、半年経っても何も積み上がりません。
毎回の投稿内容を渡すのではなく、企画を作る型を渡します。5つの型を設計し、社内で中身を入れ替えられる状態にする形です。
これがあると、コンサルの契約が終わった後も自社で企画を出せます。魚を渡すのではなく釣り方を渡す、という表現がそのまま当てはまります。
分析と改善の指摘・表現と法令の確認
月次で数字を見て、何を変えるべきかを指摘します。
自社で数字を見ていても、何が問題かを特定するのは難しい。外から見ると、導線が繋がっていない、対象がずれている、といった構造的な問題が見えることがあります。
化粧品、健康食品、医療関連では、使える表現に制約があります。この線引きを整理し、一覧として渡す支援も含まれることがあります。
制作を社内で行う場合、この確認が抜けやすい。事前に基準を作っておくと、差し戻しや削除を避けられます。
体制づくりの助言・社内向けの研修
誰が何を担当するか、週にどれだけの時間を割くか、担当が変わったときにどう引き継ぐか。ここまで含めて設計する支援もあります。
投稿の内容より、続けられる体制のほうが成果を左右します。実行できない提案を出し続ける相手より、社内の制約を前提に組み立ててくれる相手を選びます。
担当者に対して、企画の作り方や撮影の基本を教える形もあります。1回3〜5時間の研修として提供されることが多い。
これを受けると、外部への依存が下がります。長期的には費用も抑えられるため、社内で続ける方針があるなら組み込む価値があります。

費用相場と契約の形
結論: 月10万円から40万円が中心です。打ち合わせの頻度と、分析の深さで金額が変わります。
費用の目安を整理します。
月額の分布と、単発か継続かの選び方
| 月額 | 内容 | 想定される規模 |
|---|---|---|
| 5万〜10万円 | 月1回の打ち合わせ、簡易な分析 | 個人事業、小規模店舗 |
| 10万〜20万円 | 月2回の打ち合わせ、月次の分析資料 | 中小企業 |
| 20万〜40万円 | 週次の相談、複数媒体、体制設計まで | 成長期の企業 |
| 40万円〜 | 経営層への報告、組織づくりまで | 中堅以上 |
方針の設計だけを単発で依頼する形もあります。20万〜50万円で、1〜2か月かけて設計図を作る形です。
その後の運用は自社で行い、必要になったら再度相談する。予算が限られる場合は、この形が現実的です。
継続の場合、最低契約期間が設定されていることがあります。3か月から6か月が一般的です。SNSは成果が出るまで時間がかかるため、短すぎる契約では判断できません。
月1回では、疑問が生まれてから次の相談まで4週間空きます。立ち上げ期は判断が頻繁に必要になるため、月2回以上を推奨します。
軌道に乗った後は、月1回に減らして構いません。契約の途中で頻度を変えられるかは、事前に確認しておきます。
コンサルが向いている状況
結論: 社内に手を動かせる人がいることが前提です。この条件を満たさない場合、代行を選ぶほうが結果につながります。
判断の目安です。
向いている状況・向いていない状況
- 制作できる人が社内にいるが、方向性に自信がない
- 過去に運用していたが、成果が出ずに止まっている
- 代行を使っているが、成果を評価できない
- 社内に知見を溜めたい方針がある
3番目は見落とされやすい形です。代行の成果が良いのか悪いのか判断できないとき、第三者に見てもらう使い方があります。
- 社内に手を動かせる人がいない
- 担当者が完全な兼任で、週に数時間も取れない
- すぐに数字を動かしたい
最後の点は重要です。コンサルは設計を整える仕事なので、成果までの距離が代行より遠くなります。今月の数字を作りたいなら、広告や代行のほうが直接的です。
途中で切り替える
立ち上げの3か月だけコンサルを使い、方針が固まったら契約を終える。この形が費用に対する効果としては高くなります。
逆に、1年以上続けているのに毎回同じような助言が出ている場合は、役割が終わっている可能性があります。年に1度、契約を続ける意味を確認します。
契約を終えるときは、それまでの資料を1つにまとめてもらうと後で困りません。方針、企画の型、表現の一覧、数字の推移。この4点があれば、社内だけで継続できます。
選び方の基準
結論: 実績の数より、同じ規模と同じ商材での経験を見ます。大企業の事例が多い相手が、中小企業の制約を理解しているとは限りません。
比較の軸を持って臨みます。
確認する5点と、初回の打ち合わせで見るところ
- 同じ商材カテゴリの経験があるか
- 同じ規模の事業者を支援した経験があるか
- 打ち合わせの頻度と、間の相談は可能か
- 何を成果物として受け取れるか
- 実際に担当する人は誰か
2番目が意外に重要です。撮影スタッフが3人いる前提の提案は、担当者1人の事業者では実行できません。実行可能性を含めて提案できるかを見ます。
何を質問されるかで、相手の考え方が分かります。
商品や顧客について具体的に聞いてくるか。自社の体制や、使える時間を確認するか。この2つがあると、実行可能な提案が出てきます。
逆に、一般論の説明が中心で質問がない場合、どの事業者にも同じ提案をしている可能性があります。
打ち合わせだけで終わるのか、資料が残るのか。ここを確認してください。
口頭の助言だけだと、社内で共有できません。担当者が変わったときに、何も残っていない状態になります。
月次の分析資料、企画の型を整理した文書、表現の一覧。形として残るものがあるかを事前に聞いておきます。
契約前に確認すること
結論: 揉めやすいのは、業務範囲と、間の相談の可否です。打ち合わせ以外の質問に答えてもらえるかを確認します。
後の認識違いを防ぐ項目です。
打ち合わせ以外の相談と、実作業の線引き
月2回の打ち合わせ以外に、日々の疑問を相談できるかを確認します。
実務では、投稿の直前に判断に迷うことがよくあります。次の打ち合わせまで待てない内容です。
チャットでの相談が含まれるか、回数の上限はあるか。ここが決まっていないと、遠慮して聞けないまま進むことになります。
コンサルの契約でも、一部の作業が含まれることがあります。プロフィールの文言作成、企画の一覧、表現の一覧。
どこまでが含まれ、どこからが追加費用かを明確にします。曖昧だと、依頼のたびに交渉が発生します。
最低契約期間と、解約の通知期限を確認します。3か月から6か月が一般的です。
方針が固まった時点で終えられる形が理想です。自動更新の条項がある場合は、更新のタイミングも確認しておきます。
依頼した後の進め方
結論: 助言を受け取るだけでは何も変わりません。次の打ち合わせまでに何を実行するかを、毎回決めます。
契約後の関わり方です。
宿題を3つ決め、できなかった理由まで伝える
助言を聞いて終わりにすると、翌月も同じ話になります。
打ち合わせの最後に、次回までに実行することを3つ決めてください。誰が、いつまでに、何をするか。この形にすると進みます。
宿題が終わらないことは頻繁にあります。このとき、できませんでしたで済ませずに、理由を伝えてください。
時間が取れなかったのか、判断に迷ったのか、そもそも実行の方法が分からなかったのか。理由によって、次の提案が変わります。
良いコンサルは、実行できない提案を出し続けません。社内の制約を伝えるほど、提案の精度が上がります。
数字を毎回持ち込む・議事録を社内に残す
打ち合わせに、投稿の本数と反応の数字を持っていきます。感覚で話すと、助言も一般論になります。
記録するのは4項目で足ります。投稿日、型、反応の数、遷移の数。この表があるだけで、打ち合わせの中身が変わります。
打ち合わせの内容を、その場で参加していない人にも分かる形で残してください。担当者が変わったときに、それまでの経緯が消えるのを防げます。
記録は、決まったことと決まらなかったことを分けて書きます。保留にした論点が消えると、数か月後に同じ議論を最初からやり直すことになります。
あわせて、その判断をした時点の前提も残します。フォロワー数や体制が変われば、同じ条件で同じ結論になるとは限りません。
書くのは3点で足ります。何を指摘されたか、何を実行すると決めたか、次回までの担当は誰か。A4で半ページほどです。
コンサル側が議事録を作る契約になっている場合もありますが、社内の言葉で書き直したほうが実行されます。受け取った資料をそのまま回覧しても、読まれないことが多い。
よくある失敗
結論: 相談を受ける失敗は、実行する人がいなかったことと、助言が一般論で終わったことの2つです。どちらも契約前に防げます。
実際に起きた例です。
実行する人がいなかった
月20万円で半年間コンサルを受けたものの、投稿がほとんど増えなかった事例です。
担当者は他業務と完全な兼任で、週に1時間も取れない状態でした。助言は溜まりましたが、実行されないまま契約が終わっています。
この場合、必要だったのは代行でした。手を動かせない状態でコンサルを頼むと、設計図だけが残ります。
契約の前に、週に何時間取れるかを担当者本人に確かめます。
助言が一般論で終わった
毎月の打ち合わせで、投稿頻度を上げましょう、動画を増やしましょうといった話が続いた事例です。
自社の商材や体制に触れた助言がありません。担当者に聞くと、こちらの状況を伝える機会がなかったとのことでした。
原因は双方にあります。数字も制約も共有しなければ、相手は一般論しか出せません。打ち合わせに材料を持ち込む習慣が要ります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは方針の設計から企画の型づくり、月次の改善提案までを支援しています。求められる形は業種によって変わります。
医療|表現の線引きから整理した
クリニックを運営する事業者から寄せられた相談です。SNSを始めたいが、何を書いていいのか分からないという段階です。
医療の分野では、広告に関する規制があり、書ける内容に制約があります。まずここを整理しました。
作ったのは3つです。書いてよい内容の一覧、避ける表現とその言い換え、判断に迷ったときの確認先。A4で3枚ほどの資料です。
この土台ができてから、投稿の型を5つ設計しました。院内の設備紹介、よくある質問への回答、スタッフの紹介、診療の流れ、季節の注意点。
制作は院内のスタッフが担当しています。6か月後、予約の1割強がSNS経由になりました。表現の基準があることで、担当者が迷わず投稿できる状態になったことが大きい。
食品|代行の成果を評価できなかった
別の会社に運用代行を依頼していた事業者から届いた相談です。月30万円を1年間払っているが、この成果が妥当なのか判断できないとのことです。
数字を見せていただくと、投稿は約束どおり出ており、フォロワーも増えていました。ただ、商品ページへの遷移がほぼ発生していません。
指摘したのは2点です。プロフィールのリンクが企業サイトのトップに向いていること。投稿の内容が商品の紹介に偏り、購入前の疑問に答えていないこと。
この2点を代行会社に伝えてもらい、3か月後に遷移は月5件から70件になりました。代行会社の力量ではなく、見ている数字が売上と切り離されていたことが原因でした。
第三者が入ることの価値は、こうした構造の指摘にあります。

よくある質問
Q. コンサルと運用代行はどちらを選ぶべきですか?
A. 社内に手を動かせる人がいるかどうかで決まります。制作できる人がいて方向性に迷っているならコンサル、実行する人がいないなら代行です。手を動かせない状態でコンサルを頼むと、助言だけが溜まります。
Q. SNSコンサルの費用はいくらですか?
A. 月10万円から40万円が中心です。打ち合わせの頻度と分析の深さで変わります。方針の設計だけを単発で依頼する形もあり、その場合は20万〜50万円が目安になります。
Q. 打ち合わせは月何回が適切ですか?
A. 立ち上げ期は月2回以上を推奨します。月1回だと、疑問が生まれてから次の相談まで4週間空きます。軌道に乗った後は月1回に減らして構いません。頻度を途中で変えられるかを事前に確認してください。
Q. 契約はどれくらい続けるべきですか?
A. 方針が固まるまでが目安で、3〜6か月が一般的です。1年以上続けているのに毎回同じような助言が出ている場合は、役割が終わっている可能性があります。年に1度、続ける意味を確認してください。
Q. 助言が一般論ばかりなのですが、どうすればいいですか?
A. こちらから材料を出していない可能性があります。投稿の本数と反応の数字、社内の制約、使える時間。これらを打ち合わせに持ち込むと、助言の中身が変わります。実行できなかった理由も共有してください。
Q. 代行を使っていてもコンサルは必要ですか?
A. 代行の成果を評価できない場合には有効です。第三者が見ると、導線が繋がっていない、見ている数字が売上と切り離されているといった構造的な問題が見つかることがあります。
まとめ
コンサルと代行の違いは、手を動かすのが誰かです。この記事の要点です。
- コンサルは設計と判断、代行は実作業。提供されるものが違う
- 社内に手を動かせる人がいることが、コンサルの前提条件
- 費用は月10万〜40万円。単発の設計なら20万〜50万円
- 選ぶときは、同じ規模と同じ商材の経験を見る
- 打ち合わせごとに宿題を3つ決める。実行できなかった理由も共有する
- 1年以上続けて同じ助言が出るなら、役割が終わっている
補足すると、コンサルを終えた事業者から後で聞くのは、社内の判断が速くなったという話です。方針と型が言葉になっていると、担当者が変わっても迷いません。設計図は建物ができた後も残ります。この点が、制作物だけが残る代行との違いになります。
代行の費用や選び方については、ピラー記事もあわせてご覧ください。
solezoreでは、方針の設計から企画の型づくり、月次の改善提案までを支援しています。代行とコンサルのどちらが合うかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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