

「3万円で作ってもらったのですが、文字が切れて表示されました」「入れ替えのたびに費用がかかるので、季節の告知を諦めています」――リッチメニューの外注では、この2つの相談が繰り返し届きます。
結論からお伝えすると、外注の失敗はデザインの良し悪しではありません。規格を満たしていないことと、元データを受け取っていないことの2つです。どちらも、依頼の前に決めておけば防げます。
solezoreでは、リッチメニューの外注を看板の発注に近いものだと考えています。絵柄が良くても、枠の寸法が合わなければ取り付けられません。そして版下を預けたままにすると、文字を1行変えるだけで毎回発注することになります。
この記事では、頼める範囲、費用相場、自作との分かれ目、依頼先の選び方、渡すもの、納品時に受け取るもの、失敗する依頼の共通点までを、制作を請け負っている立場から解説します。
リッチメニューの外注で頼めること
結論: 頼める範囲は、画像だけ・画像と設定・設計から一括の3つです。範囲を確認せずに見積もりを比べると、設定が別料金だったという食い違いが起きます。
分類から入ります。
3つの範囲・設計まで頼む価値がある場面
| 範囲 | 含まれるもの | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 画像だけ | デザインと画像の書き出し | 1万〜5万円 |
| 画像と設定 | 上記+管理画面での設定・リンクの紐づけ | 3万〜10万円 |
| 設計から一括 | 項目の選定・導線の設計・画像・設定 | 8万〜20万円 |
1行目だけを頼んで、設定が別料金だったという行き違いが最も多く起きます。管理画面の操作まで含むかどうかを、見積もりの段階で確認します。
3行目は、何を並べるかから決めてもらう形です。項目が決まっていない段階なら、こちらのほうが結果的に安く済みます。
項目の選定は、デザインより結果に影響します。6項目を並べるか3項目に絞るかで、押される回数が変わるためです。
押されない原因のほとんどは、項目が多いことにあります。何を載せるかが決まっていない状態で画像だけを外注すると、要望どおりに6項目が並び、そのまま押されないメニューができます。
自社で項目を決められるなら、画像と設定だけで足ります。迷っている場合は、設計から頼む判断が合理的です。
頼めないこと
リンク先のページそのものは、範囲に含まれません。予約ページや購入ページが用意されていない場合は、別で準備が必要です。
リッチメニューは案内板であって、行き先ではありません。押した先が整っていなければ、押された回数が増えても成果になりません。
外注する前に、4つの項目それぞれの行き先が存在するかを確認します。
費用相場|デザインだけか設定まで含むか
結論: 相場は画像だけで1万〜5万円、設定まで含めて3万〜10万円です。入れ替えを毎回頼むと、年間で初期費用を超えることがあります。
金額を並べます。
費用の内訳・安い見積もりの見分け方
| 項目 | 費用の目安 | 発生の頻度 |
|---|---|---|
| 初回の制作(画像と設定) | 3万〜10万円 | 1回きり |
| 修正(依頼後の変更) | 無料〜1万円 | 依頼の内容による |
| 入れ替え(季節・告知) | 1回1万〜3万円 | 都度 |
| 元データの受け渡し | 無料〜2万円 | 契約による |
3行目が見落とされます。季節ごとに入れ替える運用なら、年4回で4万〜12万円かかります。初回の制作費と同じ水準か、それを超える計算です。
4行目を有料にしている依頼先もあります。契約の前に確認する項目です。
1万円前後の見積もりは、画像だけの範囲であることがほとんどです。加えて、規格の確認が含まれない場合があります。
規格を満たしていない画像は、そもそも登録できないか、表示が崩れます。作り直しになると、結果的に高くつきます。
見積もりを受け取ったら、対応する画像の寸法と、区切りの位置をどう決めるかを聞きます。答えられない相手は、この作業の経験がありません。
年間で比べる
初回3万円で入れ替えが1回2万円、年4回なら年間11万円です。初回8万円で元データを受け取り、入れ替えを自社で行えば年間8万円で済みます。
2年目以降は差が広がります。前者は毎年8万円かかり続け、後者はゼロです。
入れ替えの頻度が年2回を超えるなら、元データの受け取りを含む形で発注するほうが安くなります。

自作と外注の分かれ目
結論: 判断は、画像を作れるかではなく規格を守れるかです。寸法と区切りの位置を守れるなら、自作でも支障ありません。
条件で分けます。
自作で足りる場合
画像の編集ができる人が社内にいて、寸法と区切りの位置を守れるなら、自作で問題ありません。作業は3〜8時間です。
凝ったデザインは要りません。文字が読めて、押す場所が分かれば機能します。写真の上に文字を置く場合だけ、帯を敷くなどの処理が必要になります。
無料で使える作図の道具でも作れます。テンプレートを1つ作れば、以降の入れ替えは15分で済みます。
外注したほうがよい場合
社内に作れる人がいない、項目の選定から迷っている、写真を多用したデザインにしたい。このどれかに当てはまるなら外注します。
特に、項目の選定から迷っている場合は外注の価値が高くなります。押されるかどうかは、デザインより項目の数と並びで決まるためです。
一度作ってもらい、元データを受け取って、以降の入れ替えを自社で行う形が、費用の面では最も軽くなります。
依頼先の選び方|制作会社・代行会社・個人
結論: 依頼先は制作会社・運用代行会社・個人の3つです。入れ替えの頻度と、設計まで頼むかで選び分けます。
比較します。
3つの依頼先・確認する3つの質問
| 依頼先 | 費用 | 向いている依頼 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 制作会社 | 5万〜20万円 | 品質を揃えたい・複数の面と統一したい | 設計は範囲外の場合がある |
| 運用代行会社 | 3万〜15万円 | 設計から任せたい | 運用契約とセットの場合がある |
| 個人 | 1万〜5万円 | 項目が決まっている・費用を抑えたい | 規格の知識に差がある |
3行目の幅が最も大きくなります。この面の制作経験がある個人と、一般的な画像の制作だけを行ってきた個人で、仕上がりが分かれます。
過去に作ったものを見せてもらい、区切りの位置と実機での表示を確認します。
依頼の前に、次の3つを聞きます。
- 対応する画像の寸法と、区切りの位置をどう決めるか
- 元データを受け取れるか(有料か無料か)
- 管理画面での設定まで含むか
1番目に答えられない相手は、この面の制作経験がありません。寸法の規格は変わることがあるため、直近で作った実績があるかも合わせて確認します。
2番目は、後から交渉すると有料になる場合があります。発注の前に決めておきます。
相見積もりの取り方
3社に同じ条件で見積もりを依頼します。条件として渡すのは、項目の数、行き先のリンク、入れ替えの頻度の3つです。
入れ替えの頻度を伝えると、年間の費用で比べられます。初回の金額だけを比べると、判断を誤ります。
金額の差が3倍以上ある場合は、範囲が違っている可能性があります。何が含まれるかを揃えてから比べ直します。
依頼するときに渡すもの
結論: 渡すのは、項目・行き先のリンク・素材・使わない表現の4つです。ここが曖昧だと、修正の往復が増えます。
準備の話です。
4つの材料・迷ったときの決め方
項目は、押してほしい順に並べて渡します。行き先のリンクは、実際に開いて動くことを確認してから渡します。
素材は、写真とロゴの元データです。画面から取り込んだ画像を渡すと、印刷物のような粗い仕上がりになります。
使わない表現がある業種では、その一覧も渡します。医療や医薬品では、これがないと修正の往復が3〜4回に増えます。
項目が決まらない場合は、過去3か月の問い合わせで多かった内容から3つ選びます。
企業が伝えたいことではなく、聞かれていることを並べます。この基準で選ぶと、外れることがほとんどありません。
4つ目以降は、後から足せます。最初は3つで構いません。
納品時に受け取るもの
結論: 受け取るのは、書き出した画像・元データ・区切りの位置の記録の3つです。元データがないと、入れ替えのたびに費用がかかります。
出口を決めます。
3つを受け取る
書き出した画像だけを受け取っても、文字を1行変えることができません。編集できる形の元データを受け取ります。
区切りの位置をどう設定したかの記録も、あわせて受け取ります。次に作り直すときや、別の担当者が触るときに必要になります。
管理画面の設定を代行してもらった場合は、どこに何を紐づけたかも記録に残します。
受け取れなかった場合に起きること
元データがない状態で入れ替えが必要になると、同じ依頼先にもう一度頼むしかありません。1回1万〜3万円が、その都度かかります。
依頼先と連絡が取れなくなった場合は、ゼロから作り直しです。個人に依頼した場合に起きやすい形です。
納品の時点で受け取っておけば、この事態を避けられます。交渉するのは、発注の前です。
失敗する依頼の共通点
結論: 失敗する依頼は、規格を確認していない・元データを求めていない・項目を6つ並べたの3つに集約されます。
先回りします。
規格と元データ
規格を確認しないまま発注すると、登録できない画像や、表示が崩れる画像が納品されます。作り直しの費用と時間がかかります。
縦横の比率を変えて作られた画像は、文字も写真も歪みます。見本の画面では気づかず、実機で初めて分かる形です。
元データを求めていない場合は、入れ替えのたびに費用が発生します。年4回の入れ替えなら、年間4万〜12万円です。
項目を6つ並べた
要望どおりに6項目を並べてもらうと、押されないメニューができます。項目が多いほど、1つあたりの面積が小さくなるためです。
押される数を増やしたいなら、項目を減らします。3項目に絞ると、1つの面積が2倍になります。
これはデザインの問題ではなく、設計の問題です。制作だけを外注しても解決しません。
発注の前に、何を押してほしいかを3つに絞ります。
作った後の入れ替え
結論: 元データがあれば、入れ替えは15分で終わります。季節や告知に合わせて変えられるかどうかで、リッチメニューの価値が変わります。
運用の話です。
下敷きを作っておく・入れ替える頻度
元データを受け取ったら、文字だけを差し替えられる形に整えておきます。背景と枠は固定し、文字の部分だけを編集する形です。
この下敷きがあると、入れ替えが15分で終わります。毎回ゼロから作ると、3〜8時間かかります。
作る作業は1回で済みます。納品を受けた直後に整えておきます。
季節の商材がある業種なら年4回、告知が多い業種なら月1回でも構いません。
変える必要がないなら、そのままで問題ありません。入れ替えること自体が目的ではありません。押される数が落ちてきたときに、項目を見直します。
変えたときは、押される数の変化を記録します。戻したほうがよい場合もあるためです。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: 外注の相談では、作り直しよりも受け取り方を整えるだけで済む場合があります。次の2件とも、デザインそのものは変えていません。
2つの事例を挙げます。
日用品・家電|安い見積もりで作り直しになった
1万2,000円で制作を依頼したものの、納品された画像が登録できない——そういう相談でした。寸法が規格と合っていなかったのです。
依頼先に伝えて修正を求めましたが、比率を変えて縮小した画像が届きました。文字が横に潰れ、ロゴも歪んでいます。
作り直しをこちらで請け負い、規格に合わせて組み直しました。項目は依頼時の6つから、押してほしい3つに絞っています。
押される数は、作り直しの前後で3.4倍になりました。費用は合計で4万2,000円かかっています。最初から規格を確認して発注していれば、3万円で済んだ計算です。
音楽|元データを受け取って内製に切り替えた
ライブの日程を載せたリッチメニューを、公演のたびに外注していました。年8回、1回2万円で年16万円です。
制作の依頼先とは良好な関係で、品質にも問題はありませんでした。ただし日程の数字を変えるだけの作業に、毎回2万円と3日かかっていたのです。
依頼先に相談し、元データを受け取りました。背景と枠を固定し、日程の文字だけを差し替える下敷きを整えています。
入れ替えは1回15分で済むようになりました。年16万円の費用がなくなり、公演の直前でも当日中に差し替えられます。デザインは以前のまま使っています。

よくある質問
Q. リッチメニューの外注はいくらかかりますか?
A. 範囲によって変わります。画像だけなら1万〜5万円、管理画面での設定まで含めて3万〜10万円、項目の選定から一括で頼むと8万〜20万円が目安です。加えて、入れ替えを依頼するたびに1回1万〜3万円かかります。年4回の入れ替えなら、初回の制作費と同じ水準になります。
Q. 自分で作るのと外注するのはどちらがいいですか?
A. 画像の編集ができる人が社内にいて、寸法と区切りの位置を守れるなら自作で足ります。作業は3〜8時間です。社内に作れる人がいない場合や、項目の選定から迷っている場合は外注してください。凝ったデザインは必要なく、文字が読めて押す場所が分かれば機能します。
Q. 安い依頼先に頼んで大丈夫ですか?
A. 寸法と区切りの位置を説明できるかで判断してください。1万円前後の見積もりは画像だけの範囲であることが多く、規格の確認が含まれない場合があります。規格を満たしていない画像は登録できないか表示が崩れ、作り直しになると結果的に高くつきます。
Q. 納品時に何を受け取ればいいですか?
A. 書き出した画像、編集できる形の元データ、区切りの位置の記録の3つです。元データがないと、文字を1行変えるだけでも依頼先に頼むことになり、1回1万〜3万円かかります。受け取れるかどうかは発注の前に確認してください。後から交渉すると有料になる場合があります。
Q. 項目はいくつ載せればいいですか?
A. 3つを目安にしてください。項目が多いほど1つあたりの面積が小さくなり、押される数が落ちます。要望どおりに6項目を並べてもらうと、そのまま押されないメニューになります。何を載せるか迷う場合は、過去3か月の問い合わせで多かった内容から3つ選ぶと外れません。
Q. どのくらいの頻度で入れ替えるべきですか?
A. 変える必要がなければ、そのままで問題ありません。季節の商材がある業種なら年4回、告知が多い業種なら月1回でも構いません。元データを受け取り、文字だけを差し替える下敷きを作っておけば、入れ替えは15分で終わります。年2回を超えるなら、元データの受け取りを含めて発注してください。
まとめ
LINEリッチメニューの外注について、要点を整理します。
- 頼める範囲は画像だけ・画像と設定・設計から一括の3つ
- 相場は画像だけ1万〜5万円、設定まで含めて3万〜10万円
- 入れ替えは1回1万〜3万円。年4回で初回の制作費に並ぶ
- 失敗の原因はデザインでなく、規格の未確認と元データの未受領
- 見積もりでは寸法と区切りの位置を説明できるかを聞く
- 自作の分かれ目は、画像を作れるかではなく規格を守れるか
- 依頼時に渡すのは、項目・行き先のリンク・素材・使わない表現
- 納品時に受け取るのは、画像・元データ・区切りの位置の記録
- 項目は3つが目安。6つ並べると押される数が落ちる
- 下敷きを作れば、入れ替えは15分で終わる
補足すると、外注の前に決めておくと交渉が楽になることが1つあります。入れ替えを年に何回行うかです。
年1回以下なら、都度の依頼で構いません。年2回を超えるなら、元データの受け取りを条件に入れて発注します。この一言を最初に伝えるかどうかで、2年目以降の費用が変わります。
もう1つ、すでに外注して運用している場合は、元データが手元にあるかを確認してください。ないなら、今のうちに依頼先へ相談するほうが穏やかに進みます。関係が続いているうちは、無料または少額で応じてもらえる場合が多くあります。連絡が取れなくなってからでは、作り直すしかありません。
solezoreでは、リッチメニューの設計と制作を承っています。元データをお渡しして、以降の入れ替えは社内で行っていただく形でも構いませんので、今の運用を伺うところからでも構いません。
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