

AIを入れれば運用が回るのではないか、というご相談が増えています。ツールの数は年々増え、投稿文も画像も台本も、下書きまでなら数分で出てきます。
ただし、下書きが早く出ることと、成果が出ることは別の話です。実際に導入した会社で起きているのは、作業時間が2〜3割減る一方で、出す前に人が確認する工程がむしろ増えた、という変化です。
この記事では、AIで置き換わる工程と置き換わらない工程を分けたうえで、人に残る判断が何なのかを整理します。媒体側の表示ルール、代行会社がAIを使っている場合の費用の見方、社内で決めておくルールにも触れます。
AIでSNS運用のどこが変わったか
結論: 変わったのは制作の速度であって、何を出すかの判断ではありません。速くなった分をどこに振り向けるかで結果が分かれます。
変わったのは速度で、質ではない
キャプションの下書き、投稿テーマの洗い出し、ハッシュタグの候補。こうした材料をそろえる作業は、以前の3分の1ほどの時間で終わるようになりました。1本あたり20〜40分かかっていた文言づくりは、生成した下書きを手直しする形にすると10〜20分に収まります。
一方で、出てくる文章の水準は平均的です。読み手が知りたいことを外していないという意味では及第点ですが、その業界の人が読んで手が止まる文にはなりません。速度は上がり、質の上限は変わっていないというのが実感です。
3年前との違い
以前は文章だけでしたが、いまは画像の生成、動画の字幕付け、音声の書き起こしまで一続きで扱えます。ショート動画の台本と字幕を同時に用意するといった工程が現実的になりました。
そのぶん、素材のあら探しに使う時間が増えています。生成した画像に不自然な部分がないか、書き起こしの固有名詞が正しいか。作る時間が減って、確かめる時間が増えたという言い方が近い状態です。
人手が要らなくなるわけではない
AIを入れれば担当者を置かなくてよいと思われがちですが、実務では逆で、確認できる人が1人は要ります。下書きの精度が上がったぶん、誤りが自然な文章の中に紛れるためです。
数字の取り違え、商品名の誤り、他社の事例を自社のことのように書いてしまう。いずれも、その分野を知らない人が読むと通ってしまいます。
支援先では、確認にかかる時間が導入前より2〜3割増えた例もあります。それでも合計は減っていますが、担当者を置かずに回る状態にはなりません。
置き換わる作業と、置き換わらない作業
結論: 材料をそろえる工程は置き換わり、選ぶ工程は残ります。この線引きが、導入して効くかどうかを決めます。
| 工程 | AIの効き方 | 残る作業 |
|---|---|---|
| 企画の洗い出し | 大(候補は無限に出る) | どれを選ぶか |
| キャプション作成 | 大(下書きは数分) | 事実の確認と語り口 |
| ハッシュタグ | 大 | 実際に使われているかの確認 |
| 画像の生成 | 中(用途による) | 実物と違わないかの確認 |
| 動画の字幕 | 大 | 固有名詞の修正 |
| 撮影 | 小 | ほぼ全部 |
| コメント対応 | 中(下案まで) | 出すかどうかの判断 |
| 数字の要約 | 大 | 次に何を変えるかの決定 |
| 炎上時の対応 | 小 | 全部 |
置き換わるのは、材料をそろえる工程
候補を並べる、下書きを作る、要約する。この3つは大きく短縮されます。とくに企画の洗い出しは、担当者が煮詰まったときの効きが大きく、20案を出させて2案を選ぶ使い方が実務では定着しています。
いわば料理の下ごしらえと同じで、皮をむき、切りそろえるところまでは任せられます。味を決める工程は残るという分担になります。
置き換わらないのは、選ぶ工程
出てきた20案からどれを選ぶかは、自社の商品と顧客を知っている人にしか決められません。ここを任せると、当たり障りのない案が残り、投稿は平均化していきます。
撮影も残ります。カメラの前に立つ人、撮る時間、場所の確保。人が動く分は、そのまま工数として残ります。
コメントへの返信も同じで、下案までは作れても、出すかどうかは相手との関係を知っている人が決めます。定型の問い合わせだけを自動で返す形にすれば、判断の要る分だけが手元に残ります。
人が残る4つの判断
結論: 残るのは、出すかどうか、何を言わないか、次に何を変えるか、誰の名前で出すかの4つです。いずれも責任が伴う判断です。
出すか出さないかの判断
災害や事故が起きた直後、予約投稿がそのまま出て問題になる例が毎年あります。この判断は、外の空気を読むもので、数字にも過去の投稿にも表れません。
予約投稿を使っている場合は、出す前に人が一度見る運用にしておく必要があります。手間はかかりますが、1回の事故で失うもののほうが大きくなります。
予約の本数が多い会社ほど、この確認が抜けます。週に1度、翌週分をまとめて見る時間を決めておくと、手間を増やさずに事故を防げます。
何を言わないかの判断
AIは聞かれたことに全部答えます。競合の名前、価格の根拠、社内の体制。書ける材料があれば書いてしまうため、触れない論点を先に決めておく必要があります。
たとえば効果や効能に関わる表現は、業種によって書ける範囲が法令で決まっています。条件を満たす表現かどうかの判断は、下書きを作る側ではなく、出す側の責任として残ります。
数字を見て次を決める判断
今月の数字を要約させることはできます。前月比、伸びた投稿、落ちた指標。ここまでは自動化の範囲です。
残るのは、その先です。落ちた理由が季節なのか、投稿の型を変えたからなのか、媒体側の仕組みが変わったからなのか。この見立ては、何件の運用を見てきたかで精度が変わる部分です。
要約に理由まで書かせると、それらしい説明が出てきますが、根拠は持っていません。数字の並びから逆算した文章なので、実際の運用と食い違っていても気づけません。
誰の名前で出すかの判断
会社のアカウントとして言えることと、担当者個人として言えることには差があります。この境目は業種と社風で変わり、明文化されていないことがほとんどです。
境目を外した投稿は、内容が正しくても違和感を残します。あわせて、社外の人に運用を任せている場合は、この境目を先に共有しておかないと毎回の確認が長くなります。
AIで作った投稿が伸びない理由
結論: 平均的な文章になること、一次情報が入らないこと、型が既視感を生むこと。この3つが重なると、正しくても読まれない投稿になります。
平均的な文章になる
生成される文章は、多くの人が書いている書き方に寄ります。読みやすく、破綻もありませんが、その分だけ特徴が消えます。
SNSで反応が起きるのは、知らなかったことか、自分に当てはまることのどちらかです。どちらでもない読みやすい文章は、最後まで読まれずに流れます。
同じ指示を出せば、他社も似た文章を得ます。差がつくのは指示の中身で、自社の顧客がどんな言葉で困りごとを口にするかを渡せるかどうかで結果が変わります。
一次情報が入らない
自社で測った数字、現場で聞いた声、実際に起きた失敗。これらは社内にしかない材料で、外から取ってくることはできません。
支援先でも、投稿の反応が伸びた回はほぼ例外なく、社内の人しか知らない話が入っています。AIに渡す材料を用意する工程は、むしろ重要度が上がります。
取材の代わりにはならない、という言い方が近いところです。社内の会議で出た話や、問い合わせで繰り返し聞かれる質問を集めておくと、そのまま投稿の材料になります。
型が既視感を生む
冒頭で問いかけ、3つに整理し、最後に呼びかける。この形は読みやすい反面、同じ形の投稿が並ぶと見飽きられます。
同業のアカウントが同じツールを使っていれば、投稿の形も似てきます。ケースによっては、あえて型を崩したほうが目に留まります。
対策は単純で、月に何本かは型を使わずに書きます。うまくいかない回もありますが、全部が同じ形になるより反応の幅が広がります。数字で比べれば、どちらが合うかは3か月で分かります。
実務での工程ごとの当て方
結論: 全工程に一度に当てると、どこが効いたのか分からなくなります。1工程ずつ入れて、時間の変化を測ります。
企画の洗い出しから始める理由
対象となるのは、投稿に直接出ない工程です。企画の候補出しは失敗しても外に出ないため、まず試す場所として適しています。
やり方は単純で、自社の商品と顧客像を渡して20案を出させ、担当者が2案を選びます。選ぶ理由を言葉にする作業が、そのまま運用の方針を言語化することになります。
20案のうち使えるのは2〜3案という感覚です。歩留まりは低く見えますが、担当者が一から考える時間と比べれば大幅に短くなります。
キャプションの下書きに当てる
次に効くのがここです。1本20〜40分が10〜20分になり、月12本なら月2〜4時間が浮きます。
ただし、そのまま出さないことが前提です。事実の確認と、自社の語り口への直し。この2つを飛ばすと、平均的な文章がそのまま並びます。
手直しの量は投稿の型で変わります。商品の紹介はほぼ書き直しになり、告知やお知らせは軽い修正で済みます。型ごとに手直しの量を記録しておくと、次から当てる場所を絞れます。
分析の要約を足す
月次の数字を渡して、変化の大きい項目を挙げさせます。集計と要約にかかっていた時間が半分程度になります。
要約までは任せて、解釈は人が書くという分担にします。要約に解釈を混ぜさせると、もっともらしいけれど根拠のない説明が出てきます。
渡す数字は媒体ごとに分けます。合算した表を渡すと、媒体で意味の違う指標を並べた要約が返ってきて、読んでも判断に使えません。
画像・動画の素材は最後にする
生成した画像は確認の手間が大きく、実物と違う特徴が入り込むことがあります。商品を扱う業種では、この確認を省くと事故につながります。
実体を主張する画像には生成物を使わないというのが原則です。実在の店舗、実際の商品、お客様の様子。これらは撮ったものを使います。
使ってよいのは、概念を示す図や、特定の場所と分からない情景までです。この線を先に決めておけば、作ってから使えないと分かる無駄がなくなります。
媒体側のルールと表示
結論: 主要な媒体はAI生成コンテンツの扱いを定めています。表示の要否は媒体と内容によって変わるため、運用前に確認します。
生成であることの開示
現実の人物や出来事に見える映像・音声を生成した場合、開示を求める媒体があります。判定は自動でも行われ、条件に当たると媒体側でラベルが付きます。
対象外となるのは、明らかに図解と分かるものや、加工の程度が小さいものです。ただし線引きは媒体ごとに違い、更新もされるため、運用開始時に一度は各媒体のヘルプを読んでおきます。
媒体ごとに扱いが違う
同じ内容でも、媒体によってラベルの付き方が変わります。動画中心の媒体は判定が厳しく、静止画中心の媒体は緩い傾向があります。
複数の媒体に同じ素材を配信している場合は、いちばん厳しい媒体に合わせて作るのが手間が少なくなります。媒体ごとに素材を変えると、管理する版が増えて事故が起きます。
運用している媒体が3つを超えると、どれがどの基準だったか覚えていられなくなります。ルールを1枚にまとめて、いちばん厳しい基準を上に書いておくのが実務的です。
守らないと何が起きるか
多くの場合、いきなり削除にはなりません。ラベルが付く、表示が減る、といった形で影響します。繰り返すとアカウント全体の評価に響きます。
影響が出ても通知されないため、伸びなくなった原因として気づきにくいのが厄介な点です。急に表示が落ちた月があれば、この可能性も候補に入れます。
確かめる方法は、同じ形式の投稿を数本並べて表示回数を比べることです。生成物を含む回だけが落ちていれば、その可能性が高いと判断できます。
権利と炎上のリスク
結論: 生成した素材をそのまま出すと、権利と表現の2つで問題が起きます。出す前に通す確認の流れを決めておきます。
学習元に由来する問題
生成された画像が、既存の作品や商標に似てしまうことがあります。意図していなくても、公開した側の責任は残ります。
対策は単純で、そのまま使わないことです。構図の下書きとして使い、最終的な素材は撮影するか、権利の所在がはっきりした素材に差し替えます。
確認の手間を減らしたい場合は、生成した画像を検索にかけて似た作品が出ないかを見ます。1枚あたり1分ほどで、明らかな類似は拾えます。
実在の人物・商品を出すとき
社員、お客様、実際の商品。これらを生成物で表すのは避けます。実体を主張する画像に生成物を使うと、後から指摘されたときに説明できません。
条件を満たす使い方としては、概念を示す図解や、抽象的な情景に限ります。この線を社内で先に決めておけば、毎回の判断が要らなくなります。
お客様の声を紹介する投稿も同じです。似顔絵や架空の人物像で表すと、実在の証言に見えてしまいます。文字だけで出すか、許諾を得た写真を使います。
社内で決めておく線引き
決めるのは3つです。
- 生成物を使ってよい範囲:図解と抽象的な情景まで、など
- 確認する人:出す前に誰が見るか
- 記録の残し方:どのツールで何を作ったかを残すか
3つ目は面倒に見えますが、後から問い合わせが来たときに答えられるかどうかが変わります。
3つとも、A4の1枚に収まる分量で足ります。長い規程を作ると読まれず、結局は担当者ごとの判断に戻ります。
代行会社がAIを使っていたら費用は下がるか
結論: 下がる部分はありますが、費用の大半は人の判断と撮影に紐づいているため、半額にはなりません。
費用の内訳のどこが減るか
月額30万円の運用で、文言と集計にかかっていた工数が半分になったとしても、減るのは全体の2〜3割です。多くの契約では撮影と打合せが費用の中心にあるためです。
代行会社がAIを使っていること自体は、手抜きではなく合理化です。転記や下書きに時間を使うより、企画と確認に時間を使ってもらったほうが受け取る側の利益になります。
減らない部分
撮影、出す前の確認、月次の打合せ、事故が起きたときの対応。これらは人が動く分がそのまま残ります。
むしろ確認の工程は増えます。生成物が混ざるほど、事実と権利の確認に時間がかかるためです。総額が2〜3割下がる交渉であれば現実的というのが相場感です。
撮影を含まない契約であれば、下がる余地はもう少し広くなります。ただし撮影が無い運用は素材が社内から出てくる前提なので、社内側の工数がそのぶん増えます。
聞き方
値下げの交渉としてではなく、工程の確認として聞くほうが話が進みます。どの工程にAIを使っているか、確認は誰がしているか、生成物の扱いを社内で決めているか。
この3点に答えられる会社は、費用の内訳も説明できます。答えられない場合は、値段より先に体制のほうを確認します。
答えを聞いたうえで、社内で決めた線引きの1枚を渡します。先に基準を示しておけば、後から食い違うことがなくなります。
ツールにかかる費用の目安
結論: 文章と画像の生成だけなら月3,000円前後から始められます。ツールを増やすほど管理が重くなるので、まず1つに絞ります。
| 用途 | 月額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 文章の生成 | 3,000円前後 | 無料の範囲でも下書きは作れる |
| 画像の生成 | 3,000〜6,000円 | 用途によっては商用可否の確認が要る |
| 動画の字幕・書き起こし | 2,000〜5,000円 | 精度は日本語の固有名詞で差が出る |
| 投稿管理と予約 | 5,000〜30,000円 | 複数媒体をまとめる場合 |
| 分析の要約 | 上記に含むことが多い | 単体で契約する場面は少ない |
無料の範囲でどこまでできるか
下書きの作成と企画の洗い出しは、無料の範囲でも十分に試せます。まず1か月、無料の範囲で当ててみて、時間がどれだけ減ったかを測ります。
この測定をせずに有料版へ進むと、費用に見合ったかどうかを後から検証できません。着手前の所要時間を記録しておくだけで済みます。
測るのは所要時間だけで構いません。1本あたり何分かかっていたかを、導入前の1か月ぶん記録しておきます。ここが無いと比較のしようがありません。
ツールを増やしすぎない
用途ごとに別のツールを契約すると、それぞれの使い方を覚える手間と、月額の合計が積み上がります。担当者が交代したときの引き継ぎも重くなります。
まずは文章の生成で1つ、必要が出たら画像で1つ。2つを超えたら、本当に要るかを見直すくらいの構えが実務では続きます。
契約しているツールの一覧を、半年に一度は出してみます。使っていないものが2つ以上あれば、選び方そのものを見直す時期です。
導入して効いているかの測り方
結論: 測るのは投稿の反応ではなく、工数です。反応は投稿の中身で決まるため、ツールの効果とは切り分けます。
測る指標は2つでよい
1本あたりの制作時間と、月の投稿本数。この2つだけで、導入が効いているかは判断できます。
時間が減って本数が保てていれば成功です。時間は減ったが本数も減っている場合は、浮いた時間が別の作業に吸われています。どこに吸われたかを見ると、次に当てる工程が見えます。
記録は表計算ソフトの1シートで足ります。日付、本数、合計時間の3列だけを埋めていけば、3か月で判断できる材料になります。
反応の数字で判断しない
保存数やクリック数は、投稿の中身と時期で動きます。ツールを入れた月に伸びたとしても、それが原因かどうかは分かりません。
判断に使うなら、3か月以上の傾きで見ます。それでも因果は確定しないため、あくまで参考値として扱うのが実務的です。
投稿の中身を変えずにツールだけを入れ替える、という比較は現実には組めません。因果を確かめようとするより、工数で判断するほうが早く結論が出ます。
3か月で一度見直す
導入して3か月たったら、使っている工程と使っていない工程を並べます。ほとんどの場合、当初想定した工程の半分しか使っていません。
使っていない工程は、当て方が合っていないか、そもそも工数が小さかったかのどちらかです。この整理を挟むと、次に契約するツールの選び方が変わります。
見直しの場では、使っていない工程を責めないことが要点です。合わなかった当て方が分かること自体が成果で、次に試す場所を絞り込めます。
AIに任せてはいけない場面
結論: 謝罪、法令が絡む表現、採用の発信。この3つは下書きの段階から人が書きます。直したつもりでも、元の型が残るためです。
謝罪とお詫び
整った文章が、かえって誠意のなさとして読まれる場面です。定型的な言い回しが並ぶほど、対応した人の顔が見えなくなります。
加えて、謝罪文には事実関係の確認が要ります。何がいつ起きて、いま何が分かっていて、何が分かっていないか。この整理は社内でしかできません。
文面の型を平時に用意しておくのは有効です。ただし用意するのは項目の並びまでで、実際の文章は起きたときに人が書きます。
効果や効能に触れる表現
医療、健康食品、金融、法律。これらの領域では、書ける表現の範囲が法令で決まっています。生成された文章は、この線を知らずに踏み越えることがあります。
対象となる業種であれば、下書きの段階から社内の確認を通す形にします。後から直すより、最初から書ける範囲で作るほうが早く済みます。
指示の段階で、書いてはいけない言葉を並べて渡す方法もあります。それでも漏れるので、確認の工程を省く理由にはしません。
採用の発信
実態と違う言葉が混ざりやすい領域です。風通しがよい、成長できる、裁量が大きい。どれも生成されやすい言葉ですが、実態と離れていれば入社後の齟齬になります。
採用の発信は、実際に働いている人の言葉のほうが伝わります。下書きを作らせるより、社内の声を集めるほうに時間を使うのが結果につながります。
使うとすれば、集めた声を読みやすく整える工程です。言葉を作らせるのではなく、あるものを並べ替える使い方に留めます。
社内のルールをどう決めるか
結論: 決めるのは、使ってよい工程、確認する人、記録の残し方の3つです。長い文書は要りません。
3項目を1枚に書く
使ってよい工程、出す前に確認する人、生成物の記録。この3つをA4の1枚に書けば、社内の運用としては足ります。
ルールが長いほど守られなくなります。読まれない文書は、無いのと同じという前提で作ります。
書式は問いません。社内で共有している文書の形式に合わせ、いつでも見られる場所に置きます。探さないと出てこない場所に置くと、使われなくなります。
外注先にも同じものを渡す
代行会社に運用を任せている場合も、同じ1枚を渡します。渡していないと、生成物の扱いは相手の基準で決まります。
ただし渡すだけでは守る義務が生まれません。契約書の業務範囲から参照する形にしておくと、実効性が出ます。
渡す時期は契約前です。運用が始まってから渡すと、すでに作られた素材の扱いを遡って決めることになり、話が複雑になります。
半年に一度だけ見直す
媒体のルールもツールの性能も変わります。半年に一度、使ってよい工程の範囲を見直す回を設けます。
見直しのたびに文書を厚くしないことが要点です。足したら、使っていない項目をひとつ外すくらいの運用にすると1枚のまま保てます。
見直しの担当も1人に決めておきます。全員で見る形にすると、誰も見ない状態になりがちです。四半期の報告に合わせると忘れません。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでも文言と分析の工程にAIを使っています。どこまで任せるかは、業種と確認の体制によって変わります。
産業機械|専門用語の確認に時間がかかった
生成した文章の専門用語が実際の呼び方と違う、という状態でお声がけいただきました。業界内で通用する言い方と、一般的な言い方が食い違う分野でした。
用語の対応表を先に作り、下書きの段階で当てる形に変えています。確認にかかっていた時間はおおむね半分になり、企画の候補出しに回せるようになりました。
対応表は50語ほどから始め、いまは120語になっています。あわせて、社内でしか通じない略語も入れたことで、社外向けの文章に略語が混ざる問題も収まりました。
学習塾|生成した画像を使わない範囲を決めた
教室の様子を生成画像で表していたところ、実際の教室と印象が違うという指摘が社内から出た事例です。実体を主張する画像に生成物を使っていたことが原因でした。
生成物は図解と抽象的な情景に限る、という線を引き直し、教室と講師は撮影したものに差し替えています。あわせて、確認する人を1人に決めたことで、判断のばらつきも収まりました。
よくある質問
Q. AIで作った投稿だと、媒体に表示されにくくなりますか?
A. 生成であること自体が直接の理由になるわけではありません。ただし、現実の人物や出来事に見える映像はラベルの対象になり、その場合は表示に影響することがあります。文章の下書きに使う範囲であれば、実務上の影響はほとんど見られません。
Q. 無料のツールだけでSNS運用は回せますか?
A. 下書きと企画の洗い出しに限れば回せます。制限にかかりやすいのは、画像の生成と長い文章の処理です。まず無料の範囲で1か月試し、どの工程で足りなくなったかを見てから有料版を検討すると無駄がありません。
Q. 代行会社がAIを使っているかどうかは聞いてよいですか?
A. 聞いて構いません。むしろ、どの工程に使っていて誰が確認しているかを説明できる会社のほうが、体制が整っています。隠す会社より、使っていると明言して確認の流れまで説明できる会社のほうが安心して任せられます。
Q. 生成した画像を商用で使ってよいかは、どこで分かりますか?
A. 各ツールの利用規約に書かれています。ただし規約上は可でも、生成物が既存の作品に似ていた場合の責任は使う側に残ります。実体を主張しない図解や抽象的な情景に限る、という運用にしておくのが現実的です。
Q. 担当者が1人でも、AIを使えば複数媒体を運用できますか?
A. 媒体を増やすほど確認の工程が増えるため、無理に広げないほうが結果は安定します。1人で回すなら、主力を2媒体までに絞り、残りは同じ素材の転用に留める形が現実的です。
まとめ
AIで置き換わるのは、材料をそろえる工程です。企画の候補出し、キャプションの下書き、数字の要約。ここは大きく短縮され、1本あたりの制作時間は3割ほど減ります。
置き換わらないのは、選ぶ工程です。出すか出さないか、何を言わないか、次に何を変えるか、誰の名前で出すか。この4つは、自社の商品と顧客を知っている人にしか決められません。
導入するなら、投稿に直接出ない工程から1つずつ当てます。効いているかは反応の数字ではなく、1本あたりの制作時間と月の本数で測ります。反応は投稿の中身で決まるため、ツールの効果とは切り分けたほうが判断を誤りません。
社内のルールは、使ってよい工程、確認する人、記録の残し方の3つで足ります。外注している場合は同じ1枚を渡し、契約書の業務範囲から参照する形にしておけば実効性が出ます。
solezoreでは、AIを使う工程と人が見る工程を分けたうえで運用を引き受けています。いまお使いのツールを前提に、どの工程を任せられるかだけを整理することも可能です。料金は公開しているので、比較の段階でお問い合わせいただければそのままお伝えします。
この記事を書いた solezore に相談する
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