

「Amazon全体の運用で月30万円払っていますが、実際にやっているのは広告の入稿だけでした」「頼めば売上が上がると思っていたのに、3か月で何も変わりません」――代行のご相談は、この2つのどちらかから始まります。
先に結論をお伝えすると、業者の質が低かったというより、何をどこまで任せるかを決めないまま契約していることが原因の大半です。Amazon運用代行とは、商品ページの制作、広告の管理、在庫の集計、報告といった作業を外部に任せる契約を指します。任せられるのは手を動かす部分で、何をするかを決める部分は社内に残ります。
solezoreでは、代行を工事の外注にたとえて説明しています。施工は任せられますが、どんな家にするかは施主が決めます。図面を渡さずに任せると、標準的な家が建ちます。
この記事では、任せられる範囲から、検討する時期、会社のタイプ、費用の目安、業者選びで確認する4点、よくある失敗、契約で決めておくこと、依頼後の付き合い方までを順に解説します。
運用代行とは|任せられる範囲と社内に残るもの
結論: 外に出せるのは、判断が要らない作業です。商品の情報を渡すこと、価格と在庫を決めること、公開前に確認することの3つは社内に残ります。
丸投げにできる契約は存在しない、という前提から始まります。
頼める業務の5領域
代行会社が扱う業務は、大きく5つに分かれます。
- 商品ページの制作と改善:タイトル、箇条書き、画像、画像形式のコンテンツ
- 広告の運用:キャンペーンの設計、入札の管理、除外の設定
- 検索対策:キーワードの調査と配置、順位の追跡
- 在庫とFBA周辺:補充計画の作成、納品作業の代行
- 報告と改善提案:月次の数字の集計と、翌月の施策の提示
どこまで含まれるかは会社によって違います。同じ運用代行という名前でも、中身が3倍以上変わります。
社内に残る3つ
外注しても、月3〜5時間は社内に残ります。残るのは次の3つです。
商品の情報を渡すこと。仕様、使い方、想定する場面。これは自社にしかない情報のため、渡さないと一般的な内容のページになります。
価格と在庫を決めること。値下げの判断も、発注の判断も、事業の判断にあたります。
公開前に確認すること。とくに表現の制約がある業種では、社外の担当者だけでは判断できません。
削るなら作業、残すなら判断という切り分けになります。
丸投げにすると起きること
情報を渡さないまま任せると、他社と同じ内容の商品ページができます。競合と並んだときに選ばれる理由がなくなります。
数字を見る役も外に出すと、何が起きているか分からなくなります。報告に書かれたことだけが判断の材料になり、聞くべき質問が出てきません。
最低でも、数字を見る役は社内に残します。ここだけは外に出さないと決めておくと、報告を読む目が変わります。
依頼を検討する時期
結論: 目安は、月10時間を確保できないか、広告の管理ができる人が社内にいないかの2点です。売上の規模より、時間と人で決まります。
金額の大小では判断できない部分です。
検討に入る4つの状態
次のいずれかに当てはまるなら、検討する時期にあたります。
- 商品数が増えて、月次の作業が回らなくなってきた
- 広告の設定を1年以上そのままにしている
- 担当者が1人で、その人が抜けると全部が止まる
- 出品はしているが、何から手を付ければいいか分からない
3番目は見落とされやすい部分です。回っているように見えても、1人に依存している状態は続きません。
依頼しないほうがよい場合
商品そのものに問題がある場合は、先にそちらを直します。利益が1個あたり数十円しか残らない商品では、代行費用を払うと確実に赤字になります。
また、月商が30万円に届かない段階では、代行費用のほうが大きくなります。この段階は、自社で回しながら型を作る時期にあたります。
判断に迷う場合は、代行費用が広告費を上回っていないかを見ます。上回っているなら、規模に対して依頼が早すぎるという合図です。

会社の3タイプ
結論: Amazon専業、EC全般を扱う会社、広告代理店の3つに分かれます。強い領域が違うため、自社の課題に合わせて選びます。
同じ代行でも、成り立ちで得意分野が変わります。
3タイプの違い・カテゴリーの相性
| タイプ | 強い領域 | 向く場面 |
|---|---|---|
| Amazon専業 | 仕様の細部・規約・カテゴリー固有の事情 | Amazonが主力の販路である場合 |
| EC全般を扱う会社 | 楽天や自社ECとの併用設計 | 複数の販路を並行して伸ばしたい場合 |
| 広告代理店 | 広告の設計と入札の管理 | ページは自社で作れて広告だけ弱い場合 |
広告代理店に全体の運用を頼むと、広告以外が薄くなることがあります。配信を止めると数字も止まる状態になりやすい点は、契約前に確認しておきます。
同じAmazon専業でも、扱ってきたカテゴリーによって力の差が出ます。化粧品に強い会社が、家電で同じ結果を出せるとは限りません。
規制のあるカテゴリーではとくに差が出ます。医薬部外品、食品、医療機器などは、書ける表現と要る書類が違うためです。
自社と近いカテゴリーの取り扱いがあるかを、最初に聞きます。
費用の目安と料金体系
結論: 広告運用のみで月5万〜20万円に広告費の15〜30%、全体の運用で月20万〜100万円です。金額は扱う商品数で大きく変わります。
範囲を揃えないと比較になりません。
依頼の範囲別の目安・料金体系の選び方
| 依頼の範囲 | 月額の目安 |
|---|---|
| 商品ページの制作(単発) | 1商品3万〜10万円 |
| 広告運用のみ | 5万〜20万円+広告費の15〜30% |
| ページ制作と検索対策のみ | 10万〜30万円 |
| 全体の運用 | 20万〜100万円 |
全体の運用は、10商品以下で20万〜40万円、31商品以上で70万円を超える水準になります。総額でなく扱う商品数で割り戻すと、実際の手厚さが見えます。
月額固定、成果報酬、その組み合わせの3つがあります。初めて依頼する場合は、月額固定から始めるほうが扱いやすくなります。
成果報酬は、何を成果と数えるかの設定が難しく、揉めやすい形です。売上の増加なのか注文件数なのか、対象はAmazon経由だけなのか。ここが曖昧なまま始めると、初回の請求で認識の違いが出ます。
業者選びで確認する4点
結論: 見るのは、自社と近いカテゴリーの実績、依頼範囲の明文化、報告の中身、実際に動かす担当者の4つです。この4つで判断できます。
金額の比較より先にやることです。
1|自社と近いカテゴリーの実績・2|依頼範囲の明文化
同じカテゴリーでの取り扱いがあるかを聞きます。あれば、そのときに何を変えて何が動いたのかまで確認します。
成功した事例しか出てこない場合は、うまくいかなかった事例も聞きます。答えられる会社は、実際に手を動かして振り返りをしています。
Amazon全体の運用という言い方のままでは契約しません。5つの領域のうち何が含まれ、何が別料金かを一覧にしてもらいます。
とくに確認するのは、商品ページの改善が含まれるか、在庫の管理が含まれるか、画像の制作が含まれるかの3点です。ここが別料金になっている契約は珍しくありません。
月に何本のページを直すか、広告の見直しは何回かも、数字で確認します。適宜や必要に応じてという表現は、実質的に上限がないという意味ではなく、実質的に下限がないという意味です。
3|報告の中身・4|実際に動かす担当者
月次の報告の見本を、契約前に見せてもらいます。数字が並んでいるだけで、翌月に何をするかが書かれていないレポートは判断の材料になりません。
見るのは、前月に何をしたか、その結果どうなったか、翌月に何をするかの3点が書かれているかです。
営業の担当と実務の担当が別であることは普通です。契約前に、実務を担当する人と話せるかを聞きます。
断られる場合は、その理由も判断材料になります。あわせて、その人が何社を兼任しているかも確認します。50社を1人で持っている体制では、定型の作業しか回りません。
よくある失敗と回避策
結論: 失敗の型は3つです。範囲の思い違い、期間の見込み違い、広告費が青天井になること。どれも契約前に防げます。
同じ失敗が繰り返し届きます。
何でもやってもらえると思っていた
全体の運用という認識で契約したところ、実際には広告の入稿だけだった。ページの改善も在庫の提案も別料金だった。この形が最も多く見られます。
防ぐには、契約前に業務を一覧にして書面で確認します。含まれないものも明記してもらうと、後の交渉の根拠になります。
一覧は先方に作らせるのではなく、こちらから項目を出して埋めてもらう形にします。抜けが見つけやすくなります。
成果が出るまでの期間がずれていた
依頼すればすぐ売上が上がると考えていて、2か月で解約する。費用だけがかかって終わる形です。
立ち上げには3か月かかります。契約時に、6か月後にどうなっていれば継続かを合意しておきます。 表示回数、注文件数、公開したページ数など、測れる形にします。
成果報酬型で契約したところ、売上を増やすために広告費が大量に投下された。売上は伸びたが、利益は増えていない。
防ぐには、月の広告費の上限を自社が決め、変更するときは事前の承認が要る条項を入れます。売上ではなく利益で評価すると決めておくのも有効です。
契約で決めておくこと
結論: 決めるのは、最低契約期間、解約の条件、成果物の権利、アカウントの名義の4つです。この4つを押さえれば、契約後の揉め事はほぼ防げます。
金額の交渉より先に済ませておく部分です。
期間と解約
立ち上げに3か月かかるため、それより短い契約では判断材料が集まりません。一方で、1年の縛りがあって途中解約できない契約は避けます。
3〜6か月を最低期間とし、以降は月ごとの更新という形が扱いやすくなります。解約を申し出る期限も確認します。
1か月前なのか3か月前なのかで、次の会社を探し始める時期が変わります。解約後にアカウントの権限をいつ戻すかも、同じ場で決めておきます。
権利と名義
制作された画像やページの文章が、契約終了後も自社で使えるかを確認します。会社側に権利が残る契約では、切り替えのときに作り直しになります。
セラーセントラルのアカウントは、必ず自社名義で開設します。代行会社の名義になっていると、契約が終わった時点で売上のデータも商品ページも引き継げません。
すでに他社名義になっている場合は、契約が続いているうちに移管を依頼します。 終了後の交渉は、こじれると数か月かかります。
依頼したあとの付き合い方
結論: 月1回30分の打ち合わせを設定し、そこで自社にしかない情報を渡します。任せきりにすると、作業をすること自体が目的になります。
始めたあとのほうが、結果を左右します。
毎月渡すもの・報告の読み方
打ち合わせで渡すのは3つです。新商品と価格の変更、営業や問い合わせでよく聞かれる質問、在庫の見込み。
とくに2番目が材料になります。購入前に届く質問は、商品ページに書かれていないことの一覧にあたるためです。
受け取った報告は、数字ではなく翌月の予定を読みます。何をするかが書かれていなければ、その場で聞きます。
数字だけの報告が3か月続く場合は、依頼の範囲か依頼先を見直す時期です。あわせて、自社でも管理画面を開いて数字を確認しておきます。報告に書かれたことだけが判断の材料になる状態は避けます。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、契約を替える前に現在の内容と実作業を棚卸しします。ここでは2つの業種で、最初に何を変えたかを紹介します。
アパレル|同じ費用のまま中身を組み替えた例
婦人服を扱うブランドからいただいた相談です。前の代行会社に全体の運用として月30万円を払っていましたが、実際に行われていたのは広告の入稿だけという状態です。
契約書を確認すると、業務の範囲が全体の運用とだけ書かれており、何が含まれるかの記載がありませんでした。ページの改善も在庫の提案も、契約上は義務ではない形です。
solezoreで引き継いだうえで、範囲を書面にし直しました。月に直すページの本数を4本、広告の見直しを月2回、報告に翌月の施策を書くことを明記しています。金額は月30万円のままです。
4か月目に、広告費用対効果が2.2倍から4.7倍になりました。費用ではなく、契約書の中身を変えた事例です。
通信|依頼をやめて自社に戻した例
通信機器の周辺用品を扱う事業者からご相談をいただいた例です。月18万円で広告運用を依頼していましたが、扱う商品が3点で、広告費も月8万円という規模でした。
計算すると、代行費用が広告費の2倍を超えています。この規模では、依頼する意味が金額の面で成立しません。
そこで、依頼を終了し、月次の作業手順を1枚の文書にして社内に引き継ぎました。作業は月30分で、検索用語のレポートから除外を追加し、注文の多い言葉の入札を上げるだけです。
半年後の売上は依頼していた頃と変わらず、代行費用の分がそのまま利益になっています。依頼しないほうがよい規模もあるという判断を、solezoreは最初に出します。

よくある質問
Q. Amazon運用代行に頼めば、社内の作業はなくなりますか?
A. なくなりません。外注しても月3〜5時間は残ります。商品の情報を渡すこと、価格と在庫を決めること、公開前に確認すること。この3つは自社にしかない情報を扱うため、代わりが利きません。情報を渡さないまま任せると、他社と同じ内容のページができます。
Q. 費用の相場はいくらぐらいですか?
A. 広告運用のみで月5万〜20万円に広告費の15〜30%、ページ制作と検索対策のみで月10万〜30万円、全体の運用で月20万〜100万円です。全体の運用は扱う商品数で幅が出ます。総額ではなく、扱う商品数で割り戻して比べます。
Q. どのタイミングで依頼を検討すればいいですか?
A. 月10時間を確保できないか、広告の管理ができる人が社内にいないかの2点です。売上の規模ではなく、時間と人で決まります。ただし、月商が30万円に届かない段階では代行費用のほうが大きくなるため、自社で回しながら型を作る時期にあたります。
Q. 代行会社はどう選べばいいですか?
A. 見るのは4つです。自社と近いカテゴリーの実績があるか、依頼範囲が一覧で明文化されているか、月次の報告に翌月の施策が書かれているか、実際に動かす担当者と契約前に話せるか。金額の比較より先に、この4つを確認します。
Q. 成果が出るまでどのくらいかかりますか?
A. 立ち上げに3か月、判断は6か月です。1〜2か月で成果が出ないと感じて解約すると、費用だけがかかって終わります。契約時に、6か月後にどうなっていれば継続かを、表示回数や注文件数など測れる形で合意しておきます。
Q. 契約書で必ず確認すべき項目はありますか?
A. 最低契約期間、解約の条件、成果物の権利、アカウントの名義の4つです。とくにアカウントの名義は重要で、代行会社の名義になっていると契約終了時に売上データも商品ページも引き継げません。すでに他社名義の場合は、契約が続いているうちに移管を依頼します。
まとめ
Amazon運用代行で失敗しないための要点を整理します。
- 外に出せるのは作業。情報を渡す・価格と在庫を決める・確認するは社内に残る
- 検討の目安は、月10時間を確保できないか、広告を管理できる人がいないか
- 会社はAmazon専業・EC全般・広告代理店の3タイプ。強い領域が違う
- 費用は広告運用のみで月5万〜20万円+広告費の15〜30%、全体で月20万〜100万円
- 業者選びは、カテゴリー実績・範囲の明文化・報告の中身・実務担当者の4点
- 全体の運用という言い方のまま契約しない。含まれないものも書面にする
- 6か月後にどうなっていれば継続かを、測れる形で合意しておく
- アカウントは必ず自社名義。他社名義なら契約中に移管を依頼する
ここまで触れなかったことを1つ挙げると、依頼先を替える前に、範囲の組み替えを試す価値があります。金額を下げる交渉は関係を消耗させますが、範囲を減らす相談は双方にとって無理がありません。
ページの改善が一巡しているなら、そこを外して広告と在庫に絞る。これだけで月40万円が月15万円になることがあります。
もう1つ、依頼している間も自社で管理画面を開く習慣を残します。報告に書かれたことだけが判断の材料になると、聞くべき質問が出てきません。月1回、売上と購入率と在庫の残り日数を見るだけで足ります。
solezoreでは、現在の契約内容と実作業の棚卸しから、範囲の設計、引き継ぎまでを承っています。契約先を替える前提でなくても構いませんので、いまの内訳を整理するところからでもご相談ください。
この記事を書いた solezore に相談する
記事に書ききれない具体策・料金・事例は、無料相談で。SNS/EC/SEO の領域別に専門家が対応します。

