

「配信のやり方は分かるのですが、何を話せばいいのか分かりません」「途中で通信が切れて、そのまま終わってしまいました」――配信の実務については、この2つのご相談をよく伺います。
結論からお伝えすると、ライブ配信で差がつくのは始める前の30分です。台本と場所と通信を整えておけば、配信中に迷いません。
solezoreでは、ライブ配信を店頭の実演にたとえて説明しています。実演する人が何を見せるか決めていて、道具が手元にあって、電源が入っている。この3つが揃っていれば、あとは話すだけです。
この記事では、配信を始める手順、配信前の準備、視聴者が集まる時間帯、配信中の演出、コメントへの対応、トラブルへの備え、配信後の作業までを、実際に配信を運用している立場から解説します。
配信を始める手順
結論: 配信の開始自体は、アプリ内から数タップで行えます。ただし、始める前に確認する項目が5つあり、ここを飛ばすと配信中に問題が起きます。
手順を示します。
開始までの流れ
作業の順番は次のとおりです。
- 通信を確認する:同じ場所で1分の試し配信を行う
- 端末の設定を整える:通知を切り、充電を接続する
- カメラの向きと明るさを確認する:三脚に固定して映りを見る
- タイトルを入力する:何を紹介する配信かを書く
- 配信を開始する:アプリ内から開始を選ぶ
- 開始直後に告知を出す:ストーリーズで配信中であることを伝える
準備を含めて30分程度です。
端末側の準備|通知を切り、充電とタイトルを整える
配信中に通知が表示されると、視聴者にも見えることがあります。個人的な連絡が映る事故を防ぐため、通知は切ります。
あわせて、着信も切ります。電話がかかってくると配信が中断されます。
1時間の配信で、端末の電池はかなり消費されます。途中で切れると、そこで配信が終わります。
充電しながら配信できる状態を作ります。三脚と充電の位置を、事前に確認します。
配信のタイトルを設定できます。何を紹介するかを書きます。
「新作のコートを5点紹介します」といった形です。通りがかりで見た人が、参加するかどうかを判断できます。
配信の前にやること
結論: 準備するのは、台本・商品・場所の3つです。台本といっても、話す順番を箇条書きにした紙1枚で足ります。
準備の要点です。
進行と手元の準備
話す順番を書き出します。最初の挨拶、紹介する商品と順番、買い方の案内を入れるタイミング、締めの言葉。
一字一句を書く必要はありません。詰まったときに見返せる程度で足ります。
決めていないと沈黙が生まれます。視聴者は沈黙で離れます。
紹介する商品を、手が届く位置に並べます。配信中に取りに行くと、その間の映像が止まります。
在庫も事前に確認します。配信中に売り切れると、その後の紹介が無駄になります。
映る場所と、映る自分
明るさと音が確保できる場所を選びます。
日中の窓際が最も簡単ですが、夜の配信では照明が要ります。1万円前後の撮影用ライト1台で足ります。
背景も確認します。散らかった棚や、関係のない掲示物が映ると、印象が下がります。
画面越しでは、細かい柄が見づらくなります。無地か、はっきりした柄を選びます。
背景と同じ色の服を着ると、輪郭がぼやけます。背景との差が出る色を選びます。
商品を手に持って見せる場合は、袖の色にも注意します。商品と同系色の袖だと、境目が分からなくなります。
出る人を決めて、一度通す
配信に出る人を、事前に決めておきます。当日に「誰が出ますか」となると、準備のないまま始まります。
出る人は、商品を語れる人を選びます。役職より、その商品を日々扱っている人のほうが、質問に答えられます。
2人で出る形にすると、沈黙が生まれにくくなります。1人が商品を見せ、もう1人が質問役になる形です。
初回は、配信せずに一度通してみます。10分程度で構いません。
話す順番、商品を持ち替えるタイミング、カメラとの距離。実際にやってみると、想定と違う部分が見つかります。

視聴者が集まる時間帯
結論: 想定する相手が画面を見ている時間に合わせます。ただし、1回で判断せず、3回ほど時間を変えて試してから決めます。
時間帯の考え方です。
時間帯と曜日の決め方
| 想定する相手 | 向く時間帯 | 理由 |
|---|---|---|
| 会社員 | 平日21時前後 | 帰宅後から就寝前 |
| 主婦層 | 平日10時前後 | 送り出しの後の時間 |
| 学生 | 平日17〜19時 | 下校後 |
| 経営者・個人事業主 | 平日8時前後か22時以降 | 業務の前後 |
この表は目安です。自社のフォロワーが実際にいつ画面を見ているかは、分析画面で確認できます。
フォロワーがアクティブな時間帯が分かります。ただし、これはフォロワーの傾向であり、新規に届く相手の傾向とは限りません。
参考にはなりますが、これだけで決めません。実際に3回試して、参加者数と滞在時間を比べます。
平日と土日では、視聴者の層が変わります。
平日の夜は、その日のうちに決められる人が集まります。土日は、時間に余裕がある人が集まり、滞在時間が長くなる傾向があります。
商材によって向く曜日が違うため、こちらも試します。
時間帯が決まったら、固定します。「毎月第2・第4木曜の21時から」という形です。
毎回変えると、覚えてもらえません。固定すると、その時間に見に来る人が生まれます。
配信中の演出
結論: 演出といっても、凝った仕掛けは要りません。手元を見せる、比べて見せる、動かして見せる。この3つで十分に伝わります。
演出の要点です。
大きさと質感を伝える映し方
商品を紹介するとき、手元を画面いっぱいに映します。全身が映った状態では、商品の細部が見えません。
カメラを近づけるか、商品をカメラに寄せます。切り替えるだけで、伝わり方が変わります。
2つを並べて比べると、違いが分かります。色違い、サイズ違い、使用前と使用後。
言葉で説明するより、並べて見せるほうが早く伝わります。
間を作らない進め方
写真では分からない部分を見せます。開閉する、たたむ、着て動く。
質感や動作は、動画でしか伝わりません。ここがライブの利点です。
商品を準備する間、映像が止まります。この時間に、視聴者は離れます。
準備が要る場面では、話しながら手を動かします。あるいは、事前に手元へ揃えておきます。
商品を1点ずつ、時間を区切って紹介します。「次はこの商品です」と言うと、目当ての商品を待つ人が残ります。
複数を同時に見せると、どれの話か分からなくなります。
コメントへの対応
結論: コメントに答えることが、ライブの最大の価値です。名前を呼んで答えると、その人が残り、他の人もコメントしやすくなります。
対応の要点です。
コメントの拾い方と、拾えないとき
コメントをくれた人の名前を読み上げて答えます。
呼ばれた人は残ります。他の人も、答えてもらえると分かるとコメントしやすくなります。
視聴者が増えると、コメントが流れて拾えなくなります。
配信する人とは別に、コメントを見る担当を置くと拾えます。1人で配信する場合は、定期的にコメント欄を読み上げる時間を作ります。
答えにくいコメントへの返し方
在庫の細かい状況、個別の対応、価格の交渉。その場で答えられない質問があります。
「後ほど個別にご連絡します」と伝え、配信後に対応します。曖昧に答えると、後で行き違いが生じます。
まれに、批判的なコメントが入ります。無視するか、短く受け止めて次に進みます。
長く反応すると、配信の流れが止まります。悪質な場合は、コメントを制限する機能を使います。
トラブルへの備え
結論: 起きやすいのは、通信の切断・電池切れ・音が入らないの3つです。いずれも事前の確認で防げます。
備えの要点です。
配信が止まったときの戻し方
配信が途切れると、視聴者の多くは離れます。
すぐに再開し、ストーリーズで「再開しました」と伝えます。ただし、戻ってくる人は半分程度です。
防ぐには、事前の試し配信が最も確実です。同じ場所、同じ時間帯で1分ほど配信してみます。
1時間の配信で、端末の電池はかなり消費されます。
充電しながら配信できる状態を作ります。三脚と充電ケーブルの位置を事前に確認します。
音と映り込みの事故
外付けマイクを使う場合、接続を確認します。配信を始めてから気づくと、その間の内容が伝わりません。
開始前に、10秒ほど録画して音を確認します。
背景に人が映る、関係のない掲示物が映る。事前に背景を確認します。
営業中の店舗で配信する場合は、お客様が映らない角度を選びます。撮影していることを掲示するか、事前に声をかけておきます。
商品が売り切れたとき
配信中に在庫がなくなることがあります。そのまま紹介を続けると、買えない人が出ます。
売り切れた時点で伝え、次回の入荷予定を案内します。分からない場合は「確認して後日お知らせします」と伝えます。
在庫の残数を配信中に把握できる体制があると、この対応が楽になります。担当者を1人置いて、注文の状況を見てもらう形です。
配信後の作業
結論: 配信後に行うのは、保存・切り出し・個別対応・記録の4つです。この4つで30分程度かかります。
作業の内容です。
終わった配信の使い道
配信した内容を、後から見られる形で残します。ハイライトに追加することもできます。
見られなかった人に届く経路になります。とくに、商品の説明を含む配信は残す価値があります。
反応がよかった部分を、30秒程度に切り出します。これをリールとして投稿します。
ライブは既存のフォロワーが中心ですが、リールは新規に届きます。同じ内容を別の経路で届ける形です。
配信後の個別対応と記録
配信中に答えられなかった質問に、個別に返信します。
その日のうちに対応します。時間が空くと、相手の関心も薄れます。
視聴者数、最大同時視聴者数、コメント数、注文数。この4つを記録します。
3回続けると、どの時間帯とどの商品が合うかが見えてきます。
あわせて、配信の中で何を話したときに視聴者が増えたかも書き留めます。数字だけでは、その理由が残りません。
振り返りを次回に繋げる
配信の直後に、5分だけ振り返ります。話しにくかった場面、準備が足りなかった点、コメントで多かった質問。
コメントで多かった質問は、次回の配信で先に答えます。あるいは、ハイライトに追加します。同じ質問が繰り返されるなら、それは情報が届いていないということです。
この5分を積み重ねると、3回目あたりから配信が安定します。
配信で使える機能
結論: ライブには、他のアカウントと一緒に配信する機能、質問を集める機能、コメントを制限する機能があります。目的に応じて使い分けます。
機能ごとに見ます。
2人配信と、質問を集める機能
2人で話す形にすると、それぞれのフォロワーに届きます。取引先や、同じ業界の別ブランドと組む方法があります。
利点は、新規に接触できることです。相手のフォロワーにとっては、初めて見るアカウントになります。
事前に、話す内容と時間配分を決めておきます。決めていないと、片方だけが話す形になります。
配信の前に、質問を募集できます。ストーリーズの質問スタンプを使う形です。
集まった質問に答える構成にすると、話す内容が決まります。あわせて、質問を送った人が配信に参加します。
質問が集まらない場合は、社内で受けている問い合わせを使います。実際に聞かれていることなので、同じ疑問を持つ人に届きます。
配信中に触れる3つの設定
特定の言葉を含むコメントを表示しない設定があります。悪質なコメントが続く場合に使います。
ただし、最初から制限を強くすると、通常のコメントも弾かれます。問題が起きてから調整する形で足ります。
配信を残すかどうかは、開始前に選べます。残す設定にしておくと、終了後にそのまま保存できます。
商品の説明を含む配信は、残す価値があります。逆に、その日限りの案内を中心にした配信は、残さない判断もあります。
配信中に、現在の視聴者数が表示されます。この数字を見ながら、話す内容を調整できます。
人数が増えたタイミングで、買い方の案内を入れる。この使い方をすると、届く人数が増えます。
使わなくてよい機能
配信の画面には多くの機能が並びますが、事業で使うなら3つで足ります。コメント、商品の表示、保存の設定です。
フィルターや効果は、使っても数字は動きません。操作に気を取られて、話す内容が薄くなるほうが損失になります。慣れるまでは、機能を増やさないほうが結果が安定します。
増やすとしたら、3回配信して進行に慣れてからです。最初から全部を使おうとすると、配信そのものが負担になって続きません。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、配信の実務から支援することがあります。ここでは2つの業種で、何を変えたかを紹介します。
美容|時間帯を3回試して決めた
サロンを運営する企業から相談が寄せられました。ライブを始めたものの、視聴者が集まらない状態でした。
配信は毎回、平日の15時に行っていました。担当者の手が空く時間だったためです。
3回に分けて、10時、15時、21時で試しました。参加者数は、10時が28人、15時が6人、21時が19人でした。滞在時間も10時が最も長い結果です。
以降、10時に固定しています。想定する相手は子育て中の方が中心で、送り出しの後の時間が合っていました。配信の内容は変えていません。
アパレル|手元を大きく映すようにした
ブランドを運営する企業からのご相談です。視聴者は集まっていましたが、途中の離脱が多い状態でした。
配信を見ると、スタッフが全身を映して商品を持って話していました。商品の細部が見えず、質感も伝わりません。
商品を紹介する場面では、手元を画面いっぱいに映す形へ変更しました。カメラを近づけるだけの変更です。
次の配信から、平均の滞在時間が伸びました。写真では分からない部分を見せることが、ライブの価値だと再確認した例です。担当者から「もっと早く気づけばよかった」と言われました。

よくある質問
Q. ライブ配信を始める前に何を準備すればいいですか?
A. 台本・商品・場所の3つです。台本は話す順番を箇条書きにした紙1枚で足ります。商品は手が届く位置に並べ、場所は明るさと音が確保できるところを選んでください。準備を含めて30分程度です。
Q. 視聴者が集まる時間帯はいつですか?
A. 想定する相手によります。会社員向けなら平日21時前後、主婦層向けなら平日10時前後、学生向けなら平日17〜19時が目安です。ただし1回で判断せず、3回ほど時間を変えて試し、参加者数と滞在時間を比べてください。
Q. 配信中は何を話せばいいですか?
A. 紹介する商品を3〜5点決め、それぞれ10分ずつ話す配分にしてください。1時間の配信であれば、これで時間が埋まります。決めていないと沈黙が生まれ、視聴者は沈黙で離れます。
Q. 通信が切れたらどうすればいいですか?
A. すぐに再開し、ストーリーズで再開したことを伝えてください。ただし、戻ってくる人は半分程度です。防ぐには、事前に同じ場所・同じ時間帯で1分ほど試し配信を行ってください。
Q. コメントが多くて拾えないときはどうすればいいですか?
A. 配信する人とは別に、コメントを見る担当を置いてください。2人いれば、片方がコメントを読み上げられます。1人で配信する場合は、定期的にコメント欄を読み上げる時間を作ってください。
Q. 配信後にやることはありますか?
A. 保存・切り出し・個別対応・記録の4つで、30分程度です。反応がよかった部分を30秒に切り出してリールとして投稿すると、新規にも届きます。答えられなかった質問への個別対応は、その日のうちに行ってください。
まとめ
Instagramライブ配信のやり方について、要点を整理します。
- 差がつくのは始める前の30分。台本・商品・場所を整える
- 通知を切り、充電を接続し、試し配信で通信を確認する
- 時間帯は3回試して決める。決まったら固定する
- 演出は3つで足りる。手元を見せる、比べて見せる、動かして見せる
- コメントは名前を呼んで答える。拾う担当を別に置くと安定する
- 配信後は、保存・切り出し・個別対応・記録の4つを30分で行う
補足すると、配信の前に10秒だけ録画して、音と映りを確認してください。
外付けマイクの接続忘れ、逆光で顔が暗い、背景に不要なものが映っている。この3つは、10秒の確認で防げます。
もう1つ、商品を紹介する場面では、カメラを商品に近づけてみてください。全身が映った状態では、質感も細部も伝わりません。近づけるだけで、伝わり方が変わります。
solezoreでは、ライブ配信の企画から配信後の活用まで支援しています。いまの配信で何を直すべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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