

「1年で100本納品してもらったのに、検索結果で見かけない」「順位は上がったと報告されるが、問い合わせが1件も増えていない」――SEO代行を使った企業から、こうしたご相談をよくいただきます。
ただ、いただいたお話をうかがっていくと、二手に分かれます。本当に手の打ちようがない状態になっている案件と、まだ判断してよい時期に達していないだけの案件です。後者は、契約を切り替えたところで同じ経過をもう一度たどることになります。
当社(solezore)では、SEOの失敗を語るときに月数の確認を最初に置いています。検索で成果が出るまでに時間がかかるという性質上、何か月目に何が起きていれば正常なのかを先に決めておかないと、失敗かどうかを判定する物差しそのものが手元にないためです。
この記事では、失敗と判断する前に確かめること、成果が出ていない状態の切り分け方、代行側と発注側それぞれで起きていること、そして解約や乗り換えで何を失うのかまでを、伸びなかったサイトを引き継いできた立場から整理します。
失敗と判断する前に、経過した月数を確認する
結論: 契約から3か月の時点で成果が出ていないことは、失敗の証拠になりません。SEOは記事を出してから検索エンジンに評価されるまでに時間がかかるため、月数ごとに見るものが変わります。
3か月では、ほとんどの案件がまだ動きません
新しく公開した記事が検索結果で安定した位置に落ち着くまでには、数か月かかるのが普通です。当社では成果の判断を6か月に置いていますが、これは短気だからではなく、3か月時点では記事の型そのものが固まっていないためです。
たとえば月4本の契約であれば、3か月で12本。この本数では、どの切り口が当たってどれが外れたのかを比べる材料がまだ足りません。12本のうち2本だけ表示が伸びていたとして、それが偶然なのか再現できる形なのかを見分けられないのです。
一方で、3か月でも見えるものはあります。記事が検索エンジンに登録されているか、表示回数がゼロから動き出しているか、この2つは初期でも確認できます。順位ではなく、土俵に乗れているかを見る時期です。
6か月で見るもの、12か月で見るもの
6か月を過ぎると、判断できる材料が増えます。このあたりから、表示回数の伸び方に記事ごとの差がはっきり出てきます。伸びる記事と伸びない記事の違いを説明できる状態になっていれば、代行側は仕事をしています。
12か月まで来て、表示回数が最初の3か月と変わらないのであれば、これは時期の問題ではありません。設計そのものが機能していないと判断してよい段階です。
| 経過 | 見るもの | この時点で足りないなら |
|---|---|---|
| 1〜3か月 | 記事が検索エンジンに登録されているか/表示回数が動き出したか | 技術面か、記事の中身の根本を疑う |
| 4〜6か月 | 表示回数の伸び/狙った言葉での掲載順位/記事ごとの差 | 狙う言葉の選び方を見直す時期 |
| 7〜12か月 | クリック数/そこからの問い合わせ/記事を追加した効果 | 設計が機能していないと判断してよい |
早すぎる判定が乗り換えを繰り返させる
3か月ごとに会社を替えている企業を、実際に何社か見てきました。1社目で3か月、2社目で4か月、3社目で3か月。合計10か月かけているのに、どの会社も評価が積み上がる前に外れているため、結果としてゼロが3回続いた形になります。
SEOで積み上がるものは、いわば貯金のようなものです。途中で口座を替えれば、それまでの残高は次に引き継がれません。会社を替えること自体が悪いのではなく、替えるタイミングを月数で決めておかないと、この繰り返しに入ります。
成果が出ていない状態を4つに切り分ける
結論: 成果が出ないと一言でまとめてしまうと、打ち手が決まりません。どこで止まっているかによって、直すべき場所も、直すのにかかる期間もまったく違います。
出ていないのか、出ているが順位が低いのか
サイト名や記事タイトルをそのまま検索しても出てこない場合、記事が検索エンジンに登録されていない可能性があります。原因は技術面にあることが多く、記事の中身をいくら磨いても解決しません。
この状態は、店を開いたのに地図に載っていないようなものです。品ぞろえを増やしても、そもそも人がたどり着けません。
登録はされていて、狙った言葉で30位や50位にいる状態です。これは失敗ではなく、途中経過であることが多い型です。順位が20位より下だと訪問はほぼ発生しないため、数字の上ではゼロに見えてしまいます。
順位が動いているのか止まっているのかで判断が変わります。50位から35位へ動いていれば進んでいますし、6か月間ずっと50位付近であれば、その言葉は諦めて別の言葉に切り替える判断が要ります。
人が来ない、来ても問い合わせにならない
報告書には1位・2位が並んでいるのに、訪問数が増えない。この場合、上位を取っている言葉を検索する人がほとんどいないことが原因です。
社名や商品名を含む言葉、あるいは誰も競っていない長い言葉であれば、順位は比較的簡単に取れます。順位の数字だけを成果として報告されている場合は、その言葉が月に何回検索されているかを必ず確認してください。
訪問数は増えているのに、問い合わせも申し込みも動かない状態です。これは当社自身が経験した型でもあります。自社サイトの記事を見直したところ、表示の大半が受注につながらない層からのものだったという結果が出ました。人を集める記事と、買う手前の人が読む記事は別物です。
| 止まっている場所 | どこを見れば分かるか | 直すのにかかる期間 |
|---|---|---|
| 検索結果に出ていない | 検索エンジン向けの管理ツールで登録状況を確認 | 技術面の改修で1〜2か月 |
| 順位が低い | 狙った言葉での掲載順位の推移 | 記事の作り直しで3〜6か月 |
| 人が来ない | 上位を取っている言葉の月間検索数 | 狙う言葉の入れ替えで3〜6か月 |
| 問い合わせが増えない | 訪問した人がどの記事から入っているか | 記事の種類を変えて3〜6か月 |
自分で確かめられる3つの数字
結論: 代行会社から届く報告書だけでは、うまくいっているかを判断できません。検索エンジンが無料で提供している管理ツールを見れば、3つの数字は発注側でも確認できます。
記事が検索エンジンに登録されているか
最初に確認するのはここです。納品された記事のURLを検索エンジン向けの管理ツールに入れると、登録されているかどうかが表示されます。ここで登録されていない記事が多数あるなら、技術面に問題があるか、記事の中身が評価に値しないと判断されています。
100本納品されていて、登録されているのが40本という状態も実際にあります。この場合、残り60本分の費用は成果が出ようのないものに払っていることになります。
表示回数が増えているか・掲載順位がどこで止まっているか
表示回数は、検索結果に自社のページが出た回数です。順位より先に動くため、初期の判断に向いています。
3か月前と比べて表示回数が横ばいであれば、新しく出した記事が土俵に乗れていません。逆に表示回数だけが伸びていてクリックが増えないなら、記事の題名と説明文が読まれる形になっていない可能性があります。
管理ツールでは、言葉ごとの平均掲載順位が確認できます。ここで見るのは順位の数字そのものではなく、動いているか止まっているかです。
30位から18位へ動いていれば、施策は効いています。あと一歩で1ページ目に入る位置にいる記事があれば、そこに手を入れるのが最も費用対効果の高い打ち手です。
報告書だけを見ていると分からないこと
代行会社の報告書は、うまくいっている数字を選んで並べることができます。悪意がなくても、成果として説明しやすい指標に寄ります。
そのため、順位が上がった言葉だけが並び、下がった言葉や表示回数の全体像は載らないという形になりがちです。管理ツールの権限を発注側でも持っておけば、この偏りは自分で確かめられます。契約の段階で閲覧権限をもらうことを条件に入れておくのが安全です。
代行側に原因があるとき
結論: 代行側の問題は、記事の本数ではなく中身と設計に出ます。納品物を1本開いて読めば、多くの場合は判断がつきます。
調べれば分かることだけで記事が終わっている
上位に出ている記事を集めて、書かれている内容をまとめ直しただけの記事です。矛盾はなく、体裁も整っています。ただ、同じことがすでに書かれているページが上位に10本ある状態で、11本目として後から出しても評価される理由がありません。
見分け方は単純です。その業界で働いている人が読んで、知らないことが1つも書かれていなければ、それは調べただけの記事です。
狙う言葉が最初から取れない設計になっている
言葉の選び方に問題があるケースです。検索数の大きい言葉ばかりを並べた提案は見栄えがしますが、その言葉の1ページ目が大手メディアと広告で埋まっていれば、記事を何本出しても入る余地がありません。
当社が自社サイトで実際に調べたところ、業種名や地名を組み合わせた言葉ほど比較メディアが上位を占めていて、後発が入る隙がないという結果が出ました。狙う言葉を決める段階で、1ページ目に誰がいるかを見ているかどうか。ここが提案の質を分けます。
技術面の問題を放置したまま記事だけ積んでいる
サイトの表示が遅い、スマートフォンで崩れる、同じ内容のページが複数ある。こうした問題があると、記事を積んでも評価が伸びません。
記事制作だけを請け負う契約の場合、技術面は契約の対象外になっていることがあります。対象となるのは記事の執筆と公開までで、サイトの改修は含まないという形です。これ自体は珍しくありませんが、技術面に問題があると分かった時点で伝えてもらえるかどうかは、会社によって差が出ます。
納品された記事が下書きのままかを見分ける
結論: 生成した文章をほとんど手直しせずに納品しているケースがあります。読んだ印象では分かりにくいため、確認する場所を決めておくと見分けられます。
生成された文章は、それ自体が悪いわけではありません。当社でも下書きの段階では使います。問題は、そこから先の工程が入っていない状態で納品されているときです。
| 見る場所 | 手が入っている記事 | 下書きのままの記事 |
|---|---|---|
| 事例 | 業種と、何をどう変えたかが具体的 | 「A社では成果が上がりました」で終わる |
| 数字 | 出どころか、自社で調べた旨が書かれている | 数字はあるが、どこから来たのか不明 |
| 構成 | 記事ごとに見出しの並びが違う | 全記事が同じ順番で並んでいる |
| 言い回し | 業界で実際に使われている言葉が出る | 一般名詞だけで書かれている |
一次情報が1つも入っていない
自社で調べたこと、実際に支援した経験、社内の数字。こうした一次情報が1本の記事に1つも入っていなければ、それは検索して集めた内容の並べ直しです。
一次情報を入れるには、発注側から情報をもらう工程が要ります。その工程が契約に入っているかどうかを確認してください。ヒアリングの時間が月1回もない契約で、一次情報の入った記事が上がってくることは、まずありません。
全記事が同じ形をしている・数字に出どころがない
3本開いて、見出しの並びが同じ順序になっているなら、型に流し込んで作っています。読者の疑問は記事ごとに違うため、本来は構成も変わるはずです。
「9割の企業が成果を出しています」といった数字が、出どころなしで書かれている記事です。読者にとっては確かめようがなく、書き手も確かめていない可能性が高いといえます。
発注側に原因があるとき
結論: うまくいかなかった案件を振り返ると、発注側の体制に原因の一部があることが少なくありません。会社を替えても直らない種類の失敗です。
情報が社内から出てこない
代行会社が一次情報を求めても、社内の担当者が忙しく、月1回の打ち合わせが2か月に1回になる。この状態が続くと、記事は調べれば分かる範囲に収まっていきます。
外注しても社内の作業がゼロになるわけではありません。月3〜5時間は残ると考えて、担当を決めておいてください。ここを空けられない場合は、記事の本数を減らしてでも1本あたりの中身を厚くする契約に変えたほうが結果は出ます。
監修と承認で止まる
医療や金融のように、内容の正しさを社内で確認しなければ公開できない業種では、監修が滞ると記事が積み上がりません。納品済みなのに公開されていない記事が20本たまっている、という状態も実際にあります。
この場合、成果が出ていない原因は代行側にありません。確認する人と、その人が使える時間を先に決めることが必要です。
狙う言葉を発注側が決めてしまう
社内で使っている言い方をそのまま狙う言葉にしてしまうケースです。業界内では通じても、お客様がその言葉で検索していなければ、上位を取っても人は来ません。
代行会社が別の言葉を提案してきたら、まずは検索数を見てから判断してください。言葉の選定は代行側の専門領域であり、ここを発注側が押し切る形になると、成果は出にくくなります。
契約の形そのものが失敗を招くことがある
結論: 契約の型によって、起きやすい失敗の種類が変わります。契約書を読み直すことが、原因の特定につながることがあります。
| 契約の型 | 起きやすい失敗 | 契約前に確認すること |
|---|---|---|
| 月額固定(月30万〜80万円) | 作業量が見えにくく、実態が減っても気づかない | 月ごとの作業内訳を報告してもらえるか |
| 成果報酬 | 検索されていない言葉で順位を取り、報酬だけが発生する | 対象の言葉と、その月間検索数 |
| 記事単価(1本3万〜8万円) | 本数は積み上がるが、設計する人が誰もいない | 誰が全体の設計をするのか |
成果報酬で順位だけを買う形・記事単価だけで契約した場合
成果報酬は一見すると安全に見えます。順位が上がったときだけ払うのですから、損はしないように思えます。
ただ、対象の言葉が発注側の事業と関係が薄い場合、順位が上がっても人は来ません。報酬は発生し、成果は出ない。成果報酬で確認すべきは料率ではなく、何を成果と定義しているかです。
1本いくらの契約では、本数の分だけ記事は納品されます。ただ、どの言葉を狙い、どの順番で出し、どこで方向を変えるかを決める人が契約に含まれていないことがあります。
記事は素材で、設計は別の仕事です。削るなら作業、残すなら判断。制作を外に出すのは問題ありませんが、設計まで一緒に外へ出すと、誰も全体を見ていない状態になります。
最低契約期間と自動更新
SEOは成果まで時間がかかるため、6か月や12か月の最低契約期間が設定されていることが一般的です。これ自体は理にかなっています。
確認しておきたいのは、期間終了後の扱いです。自動更新であれば、解約の申し出は何日前までか。この条項を読んでいないと、失敗に気づいてから解約できるまでに数か月かかることになります。
解約したときに消えるもの、残るもの
結論: 代行を止めたときに、これまでの成果がそのまま残るとは限りません。何が自社に残るのかは、契約の内容によって変わります。
記事の権利とデータ
自社サイトに公開した記事は、通常そのまま残ります。ただし、記事の著作権が誰にあるかは契約書で決まります。譲渡の条項がない場合、記事の権利は制作した側に残るのが原則です。
実務上、公開済みの記事を取り下げるよう求められることはめったにありませんが、記事を大きく書き換えたい場合に確認が必要になることはあります。契約時に譲渡の条項を入れておくのが安全です。
借りている被リンク
外部のサイトから自社サイトへ向けたリンクを、代行会社が用意している場合があります。このリンクが代行会社の持つサイト群から出ているとき、契約を止めるとリンクも外れます。
順位がリンクによって支えられていた場合、解約した翌月に順位が落ちることになります。これは失敗というより、最初からそういう仕組みの契約だったということです。契約中に、外部からのリンクがどこから来ているかを確認してください。
管理画面の権限
サイトの管理画面、検索エンジン向けの管理ツール、アクセス解析。これらが代行会社の名義で作られていると、解約時に引き継げないことがあります。
過去のデータが失われると、次の会社は前がどうだったかを知らないまま始めることになります。引き継ぎで最も重要なのは記事そのものではなく、記事がどう評価されてきたかの記録です。
失敗に気づいたあと、最初にやる3つ
結論: 会社を替えるかどうかを決める前に、やっておくことがあります。この3つを先にやらないと、次の会社でも同じところから始めることになります。
- 現状の数字を保存する。 表示回数・掲載順位・訪問数・問い合わせ件数を、いまの時点で書き出しておきます。ここを飛ばすと、立て直しが効いたのかどうかを後から判断できません。
- 権限を自社名義に戻す。 解約を伝えたあとでは、対応してもらいにくくなります。まだ契約が続いているうちに済ませるのが確実です。
- 契約書の条項を読む。 解約の申し出期限、最低契約期間、記事の権利、データの返却。この4点を確認します。
この3つは、続けると決めた場合でも無駄になりません。次に判断するときの材料になるためです。
立て直しの道は3つある
結論: 失敗の原因がどこにあったかによって、選ぶ道が変わります。原因を特定しないまま次の会社を探すと、同じ結果になります。
いまの会社と作り直す
情報が社内から出ていなかった、監修が止まっていた、狙う言葉を発注側が決めていた。原因が発注側にあった場合は、会社を替えても再発します。この場合は、担当者と時間を決め直したうえで、いまの会社と設計からやり直すのが早道です。
すでに納品された記事も、書き直せば使えるものが混じっています。当社が引き継いだ案件では、既存の記事のうち上位に近づいている数本を先に手直しして、そこから始めることが多くあります。
別の会社へ移す・社内に戻す
狙う言葉の設計が機能していない、記事が調べただけの内容で終わっている。この場合は移す判断が妥当です。
移す先を選ぶときは、前の会社で何が起きたかを説明したうえで、それをどう変えるかの提案を出してもらうのが確実です。前の状況を聞かずに一般的な提案を出してくる会社は、同じことを繰り返す可能性があります。
記事を書ける人が社内にいる場合、制作を内側に戻す選択もあります。外注していた工程のうち、設計と判断だけを外部の助言に切り替える形です。
ただ、社内に戻したあとに更新が止まる例も見てきました。書ける人が一人しかいない状態で戻すと、その人が忙しくなった時点で止まります。戻すのであれば、記事1本に何時間かかるかを先に測って、月に何本出せるかを決めておく必要があります。
費用の掛け方を段階に分けて失敗を減らす
結論: 最初から本格的な契約を結ぶより、段階を分けて始めるほうが失敗の規模が小さく済みます。立て直しのときも同じです。
失敗した案件の多くは、最初から月50万円以上の契約で始めて、半年後に何も残っていなかったという形をしています。これは金額の問題ではなく、確かめる前に本数を積んだことが原因です。
| 段階 | やること | 費用の目安 | 判断すること |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 診断のみ | 15万〜50万円(単発) | 技術面の問題があるか/狙える言葉があるか |
| 第2段階 | 少ない本数で試す | 月10万〜20万円 | 出した記事が土俵に乗るか |
| 第3段階 | 本数を積む | 月30万〜80万円 | 伸びる型が見えてから増やす |
第1段階の診断は、立て直しのときこそ効きます。前の会社が何を残したのか、技術面に問題があるのか、狙っていた言葉は妥当だったのか。ここを確かめないまま次の契約に入ると、原因が分からないまま費用だけが積み上がります。
診断だけを別の会社に頼むこともできます。制作を頼む会社と診断する会社を分けると、いまの状態を利害のない立場から見てもらえます。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
前の会社から引き継いだ案件を2つ挙げます。どちらも記事は納品されていましたが、成果に届いていませんでした。
アプリ|120本あったうち、手を入れたのは18本
前の会社から1年半で約120本の記事が納品されていた案件です。順位の報告書も毎月届いていましたが、問い合わせは増えていませんでした。
引き継いで最初にやったのは、記事を書くことではなく、120本の状態を1本ずつ確認することでした。検索エンジンに登録されていたのは約7割。表示回数が月に一度でも発生していたのは、さらにその半分でした。
そのうえで、11位から25位に止まっている18本を先に選び、そこだけ書き直しました。新しく書くより早く動くと考えたためです。半年後、この18本のうち複数が1ページ目に入り、問い合わせが月2件から月7件になりました。残りの記事には手を付けていません。
医薬品|技術面を先に片付けたら、既存の記事が動いた
記事の中身は悪くないのに、まったく評価されていない案件でした。調べたところ、同じ内容のページが複数の異なるURLで存在していて、検索エンジンがどれを正とすべきか判断できない状態になっていました。
この案件では、記事の追加をいったん止めて、技術面の整理を先に行いました。重複したURLを1つに集約し、表示速度の問題も併せて対応しています。
その結果、新しい記事を1本も出していない期間に、既存の記事の表示回数が伸び始めました。ここで初めて記事制作を再開しています。順序を逆にしていたら、書いた記事も同じように評価されずに終わっていたはずです。
よくある質問
Q. SEO代行を頼んで何か月で成果が出ないと失敗と判断すべきですか?
A. 6か月を一つの目安にしています。ただし、6か月時点で見るのは順位や問い合わせ件数ではなく、表示回数の伸びと、記事ごとの差を代行側が説明できるかどうかです。12か月経っても表示回数が動かないのであれば、設計が機能していないと判断してよい段階です。
Q. 順位は上がっているのに問い合わせが増えないのはなぜですか?
A. 上位を取っている言葉を検索する人が少ないか、検索している人が買う段階にいないかのどちらかです。報告書に並んでいる言葉の月間検索数と、その言葉で調べている人が何を求めているかを確認してください。当社が自社サイトを見直したときも、人が多く集まる記事からの問い合わせはほとんど発生していませんでした。
Q. 途中で解約すると、これまでに払った費用は無駄になりますか?
A. 自社サイトに公開した記事と、蓄積された評価は残ります。無駄になりやすいのは、代行会社が外部から用意していたリンクと、代行会社の管理画面にしかないデータです。解約を決める前に、外部からのリンクがどこから来ているかを確認しておいてください。
Q. 記事は納品されているのに公開が進んでいません。これは代行会社の問題ですか?
A. 社内の監修と承認で止まっている場合は、代行会社の問題ではありません。確認する人と、その人が使える時間を決めることが先です。この状態のまま会社を替えても、同じところで止まります。
Q. 前の会社の失敗を伝えたうえで、次の会社を選ぶべきですか?
A. 伝えたほうが確実です。何が起きたかを説明して、それをどう変えるかの提案を求めてください。前の状況を聞かずに一般的な提案を出してくる会社は、原因を特定しないまま同じ進め方をする可能性があります。
まとめ
SEO代行がうまくいかないとき、最初にやることは会社を探し直すことではありません。経過した月数を確認し、どこで止まっているのかを切り分けることが先です。
3か月での判断は早すぎます。6か月で表示回数の伸びを見て、12か月で事業に届いているかを見る。この物差しを持っていれば、まだ待つべき案件と、本当に止まっている案件を区別できます。
そして、止まっていると判断したなら、原因が代行側と発注側のどちらにあるのかを決めてください。情報が出ていなかった、監修が止まっていた。この種の原因は、会社を替えても直りません。
判断より先に、現状の数字を保存し、権限を自社名義に戻し、契約書を読む。この3つを済ませておけば、続けるにしても移すにしても、次は同じところでつまずかずに済みます。
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