

「代行を頼めばInstagramのことは全部お任せできると思っていました」「見積もりを取ったら、会社によって書いてある業務がまったく違いました」――代行のご相談では、この2つをよく伺います。
結論からお伝えすると、インスタ代行という言葉は3つの別の契約を指しています。運用代行、投稿代行、コンサルティング。任せられる範囲も、社内に残る仕事も違います。
solezoreでは、この3つを引っ越しにたとえて説明しています。全部お任せの引っ越し、荷物を詰めれば運んでくれる引っ越し、荷造りの手順だけ教わる引っ越し。どれを選ぶかで、自分がやることが変わります。
この記事では、3つの契約それぞれで何を任せられるか、費用の目安、部分的に切り出す方法、契約前に決めておくことまでを、実際に代行している立場から解説します。
インスタ代行という言葉が指す3つの契約
結論: インスタ代行には、運用代行・投稿代行・コンサルティングの3つがあります。どれも代行と呼ばれますが、任せる範囲が違うため、見積もりを比べる前に自社が求めているものを決めます。
3つを整理します。
業務は6つに分けられる
Instagramの運用に必要な業務は、次の6つです。
- 企画:誰に何を伝えるか決め、月の投稿内容を組む
- 撮影:動画と写真の素材を作る
- 編集:素材を投稿できる形に仕上げる
- 投稿:キャプションとハッシュタグを付けて公開する
- 反応対応:コメントとダイレクトメッセージへの返信
- 分析:数字を見て次の月の方針を決める
3つの契約は、この6つのどこまでを任せるかで分かれます。契約書に業務内容が書かれていない場合は、この6項目で確認します。
3つの契約が担う範囲・自社の状況で選ぶ
| 契約 | 任せる業務 | 社内に残る仕事 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 運用代行 | 企画・編集・投稿・分析 | 情報提供・確認(月3〜5時間) | 月15万〜30万円 |
| 投稿代行 | 投稿のみ(編集も含む場合あり) | 企画・撮影・分析 | 月5万〜10万円 |
| コンサルティング | 助言のみ | 実作業のすべて | 月10万〜30万円 |
金額の高さと任せられる範囲は比例しません。コンサルティングは手を動かさないぶん安く見えますが、実作業が社内に残るため、人手が足りない場合は選べません。
決め手は、社内に手を動かせる人がいるかどうかです。
人がいて方針だけ欲しいならコンサルティング、素材はあるが投稿する時間がないなら投稿代行、どちらもないなら運用代行。この分岐で選びます。
「まず安いところから」と投稿代行を選び、半年後に運用代行へ切り替える例をよく見ます。最初から必要な範囲を見極めておくほうが、時間の無駄が出ません。
運用代行|企画から分析まで任せる
結論: 運用代行は、何を投稿するかを決めるところから任せる契約です。企画と分析が含まれるため、数字が動かないときに改善の提案が出てきます。
いちばん高く、いちばん任せられる形です。
企画が含まれることの意味
企画とは、誰に何を伝えるかを決め、月の投稿内容を組む作業です。ここが含まれると、自社で考える負担が消えます。
含まれない契約では、毎月「今月は何を投稿しますか」と聞かれます。答えを用意するのは社内の担当者です。この状態だと、外注しても負担は半分程度しか減りません。
見積もりで確認するのは、月の投稿内容を誰が決めるかです。ここが代行会社側であれば、企画が含まれています。
分析と報告に何が書かれるか
月次の報告書には、数字の一覧、伸びた投稿の分析、次の月の計画。この3つが揃っている必要があります。
数字を並べただけの報告書では、判断の材料になりません。再生数が前月比で何パーセント増えた、という情報だけでは、次に何をすればいいか分かりません。
契約前に、報告書のサンプルを見せてもらいます。実際の案件のものは出せないため、書式の見本で構いません。
撮影は別料金が一般的・立ち上がりまでの期間
運用代行の標準には、撮影が含まれないことが多くあります。撮影は移動と拘束時間が発生するため、他の業務と性質が違うためです。
撮影を含む契約では、月1回の撮影日を設定し、そこで20〜30本分の素材をまとめて撮ります。この形で、月額は25万〜40万円になります。
自社で撮影できる体制があるなら、撮影を外す選択肢もあります。スマートフォンで撮った素材でも、編集次第で見られる形になります。
契約してすぐ投稿が始まるわけではありません。最初の2〜4週間は設計に使います。
届ける相手の設定、競合の調査、投稿の型づくり、プロフィールとハイライトの整備。ここを飛ばして投稿を始めると、後で作り直しになります。
投稿が出ない期間があることは、契約前に共有しておきます。

投稿代行|素材を渡して公開してもらう
結論: 投稿代行は、何を投稿するかを自社で決め、公開作業だけを任せる契約です。月5万〜10万円と安く、素材があって人手だけが足りない場合には合理的な選択になります。
向き不向きを見ます。
向いている状況・向いていない状況
すでに撮影した素材がある、投稿の型も決まっている、ただ公開する時間がない。この状態であれば、投稿代行で足ります。
たとえば、店舗で毎日商品の写真を撮っている場合や、社内に映像を作る部署がある場合です。素材を渡すだけで、投稿が回ります。
素材がない、何を投稿すればいいか分からない、数字が動かない理由を知りたい。この場合、投稿代行では解決しません。
「安いほうから試したい」というご相談をいただきますが、企画と分析が含まれない契約では、半年経っても状況が変わらないことがあります。
判断が難しい場合は、最初の3か月だけ運用代行で型を作り、その後に投稿代行へ切り替える形もあります。
費用が安い理由
投稿代行が安いのは、判断を伴わない作業だけだからです。素材を受け取り、キャプションを付けて、決まった時間に公開する。
1本あたり3,000〜8,000円が目安です。月8本で5万円前後という計算になります。
編集が含まれるかどうかで金額が変わります。素材をそのまま投稿するのか、文字入れやカットまで行うのか。ここは見積もりで確認します。
コンサルティング|方針だけ受ける
結論: コンサルティングは、方針と改善点の助言を受けて、実作業は社内で行う契約です。手を動かせる人が社内にいる場合に選びます。
内容を整理します。
何を受け取れるか・費用の目安
受け取るのは、アカウントの設計、投稿の型、改善点の指摘、質問への回答です。
月1〜2回の打ち合わせで、前月の数字を見ながら次の月の方針を決めます。あわせて、投稿の添削を受けられる契約もあります。
実作業はすべて社内です。撮影も編集も投稿も、自社の担当者が行います。
月10万〜30万円が中心です。打ち合わせの回数と、間の質問への対応範囲で変わります。
月1回の打ち合わせだけなら10万円前後、週1回の相談と投稿の添削まで含めると30万円前後になります。
運用代行と近い金額になることもありますが、社内の作業量がまったく違います。この点を見落とすと、契約後に負担が想定を超えます。
向いている企業
社内にSNSの担当者がいて、時間も確保できている企業です。あるいは、将来的に内製化したい企業。
コンサルティングで型を教わり、社内で回せるようになれば、翌年以降の費用は下がります。この形を目指す企業には合っています。
逆に、担当者が兼務で月5時間しか取れない場合は、実作業が回りません。この場合は運用代行を選びます。
業務を部分的に切り出す
結論: 3つの契約以外に、業務を単体で外注する方法もあります。撮影だけ、編集だけ、広告運用だけ。社内でできる部分が明確な場合は、この形が最も無駄が出ません。
切り出し方を見ます。
撮影だけ外注する・編集だけ外注する
月1回、カメラマンに来てもらい、20〜30本分の素材を撮る形です。1回あたり8万〜15万円が目安になります。
企画と編集は社内で行います。撮影の質だけを上げたい場合に選びます。
撮影する内容は、こちらで用意します。何を撮るかのリストがないと、時間内に必要な素材が揃いません。
素材を渡して、投稿できる形に仕上げてもらう形です。1本あたり5,000〜1万5,000円が目安です。
社内で撮影できて、企画も決まっているが、編集に時間がかかる場合に向きます。編集は最も時間を取られる工程のため、ここを外すと担当者の負担が大きく減ります。
広告運用だけ外注する
オーガニックの投稿は社内で行い、広告の配信設計と予算管理だけを任せる形です。
費用は、広告費の20%前後を手数料とする形が一般的です。月30万円の広告費なら、手数料6万円という計算になります。
投稿で反応が出た型がある段階で始めます。反応が出ていない段階で広告に予算をかけても、届く人数が増えるだけです。
契約前に決めておくこと
結論: どの契約を選ぶ場合も、業務範囲・アカウントの名義・素材の権利・報告の形・解約条件の5つを書面に残します。ここを決めていないと、契約後に揉めます。
順に見ます。
業務範囲を6項目で確認する・アカウントは自社名義で作る
先ほどの6つの業務のうち、どれが含まれるかを1つずつ確認します。「運用代行一式」という書き方では、後で認識が食い違います。
とくに、反応対応と分析は会社によって扱いが分かれます。含まれるかどうかを明示してもらいます。
代行会社にアカウントを作らせないでください。自社名義で開設し、代行会社には権限を付与します。
この形なら、契約が終わってもフォロワーと投稿は残ります。逆にすると、引き渡しの交渉から始まります。
素材の権利を決める・解約の条件を確認する
制作した動画と写真を、契約終了後も使えるか。原本のデータをもらえるか。この2点を書面にします。
決めていないと、1年分の素材を作ったのに、契約終了とともに使えなくなります。
最低契約期間、解約の申し出の期限、途中解約の違約金。この3つを確認します。
6か月の縛りがある場合、3か月目で機能していないと分かったときの扱いを、あらかじめ話しておきます。
契約後に社内が担う役割
結論: どの契約を選んでも、社内には情報を渡す役割と確認する役割が残ります。運用代行で月3〜5時間、投稿代行で月5〜8時間、コンサルティングでは実作業のすべてです。
丸投げにできる契約は、この中にありません。
情報を渡す役割
新商品の情報、キャンペーンの予定、在庫の状況、社内の出来事。これらは社内にしかない情報です。
渡されない情報については、代行会社も個人も投稿できません。結果として、どこにでもある一般的な内容が並びます。
月1回、30分程度の打ち合わせを設定し、そこで来月の情報を渡す形にしておくと安定します。チャットで随時渡す方法もありますが、まとめて渡すほうが漏れが出ません。
確認する役割・判断する役割
投稿前の確認は社内で行います。価格、成分、効能に関わる表現は、代行側では判断できません。
化粧品、食品、医薬品、医療。表現の制約がある業種では、この工程を省けません。
確認に時間がかかると投稿が止まるため、返答の期限を決めておきます。2営業日以内、といった形です。「担当者が確認できるのは週1回」という状況であれば、投稿の計画もそれに合わせます。
数字が動かないときに方針を変えるかどうか、予算を増やすかどうか。この判断は社内に残ります。
代行会社は提案を出しますが、決めるのは依頼側です。ここを曖昧にしたまま進めると、誰も決めないまま半年が過ぎます。
四半期に1回、方針を見直す場を設定しておくと、判断が後回しになりません。
契約の組み合わせで起きる失敗
結論: 複数の会社や個人に分けて頼む場合、方針を決める役割を社内が担います。この役割を誰も担わないと、それぞれが別の方向に動きます。
起きやすいものを挙げます。
制作と運用を別々に頼んだ
映像は制作会社、投稿と分析は運用会社。この分け方をした結果、制作会社が作る動画と、運用会社が求める内容がずれる。
「もっと冒頭で商品を見せてほしい」という運用側の要望が、制作側に伝わらない。間に立つ人がいないためです。
分けるなら、どちらかに主導権を渡します。あるいは、社内が毎月両者を交えた場を作ります。
広告とオーガニックを別々に頼んだ
広告は代理店、投稿は代行会社。この場合、広告に使う素材の権利が問題になります。
代行会社が作った動画を広告に使えるか。契約書に書かれていないと、使えないという回答が来ることがあります。
契約時に、素材の二次利用を明記しておきます。
投稿代行に月8万円、編集の外注に月6万円、撮影に月10万円。個別には安く見えますが、合計すると月24万円です。
しかも、それぞれの間を取りまとめる作業が社内に残ります。この時間を人件費に換算すると、一括で任せるより高くつくことがあります。
「安いところを組み合わせたい」というご相談をいただきますが、総額と社内工数の両方で比べてください。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、相談の段階で3つの契約のどれが合うかを整理します。ここでは2つの業種で、契約の形を変えた例を紹介します。
通信|運用代行から投稿代行へ切り替えた
通信サービスを扱う企業のご相談を取り上げます。最初は運用代行で、月20万円の契約でした。
半年で投稿の型が固まり、社内の担当者も作り方を覚えていました。ただ、投稿する時間だけが取れない状態が続いていました。
そこで、企画と編集を社内に戻し、投稿と分析だけを任せる形へ変更しました。月額は8万円まで下がっています。
型が固まるまでは運用代行、固まった後は投稿代行。この切り替えを最初から想定して契約すると、費用の総額を抑えられます。担当者から「教わりながら移行できたのがよかった」と言われました。
食品|撮影だけを切り出した
菓子メーカーからのご相談で、企画と編集は社内でできるが、写真の質に不満があるという状況でした。
全体を代行に出すと月25万円ほどかかります。ただ、必要なのは撮影だけでした。
月1回のカメラマン手配だけを契約し、1回12万円で20〜30本分の素材を撮る形にしました。企画と編集は社内のままです。
翌月から、投稿の見た目が変わりました。全体を任せるより費用は半分以下です。何が足りないかが明確な場合は、この形が最も無駄が出ません。

よくある質問
Q. 運用代行と投稿代行は何が違いますか?
A. 何を投稿するかを誰が決めるかが違います。運用代行は企画から任せるため、月の投稿内容を代行会社が組みます。投稿代行は自社で決めた素材を公開してもらう形です。費用は運用代行が月15万〜30万円、投稿代行が月5万〜10万円になります。
Q. コンサルティングと運用代行、どちらを選べばいいですか?
A. 社内に手を動かせる人がいるかで決まります。担当者がいて時間も確保できているならコンサルティング、兼務で月5時間しか取れないなら運用代行です。コンサルティングは実作業がすべて社内に残るため、人手がない状態では回りません。
Q. 一部の業務だけ外注できますか?
A. できます。撮影だけなら1回8万〜15万円、編集だけなら1本5,000〜1万5,000円、広告運用だけなら広告費の20%前後が目安です。社内でできる部分が明確な場合は、この形が最も無駄が出ません。
Q. 安い投稿代行から始めても問題ありませんか?
A. 素材と投稿の型が既にあるなら問題ありません。ただし、何を投稿すればいいか決まっていない段階で選ぶと、半年経っても状況が変わらないことがあります。最初の3か月だけ運用代行で型を作り、その後に投稿代行へ切り替える形もあります。
Q. 契約書で最初に確認すべき点はどこですか?
A. 業務範囲・アカウントの名義・素材の権利・報告の形・解約条件の5つです。とくにアカウントの名義は、自社で開設して代行会社に権限を付与する形にしてください。代行会社の名義で作ると、契約終了時に引き渡しの交渉から始めることになります。
Q. 代行を頼めば社内の作業はなくなりますか?
A. なくなりません。運用代行でも月3〜5時間は残ります。新商品の情報を渡す、投稿前の確認をする、撮影の場所と商品を準備する。この3つは社内でないとできない仕事です。
まとめ
インスタ代行の種類について、要点を整理します。
- インスタ代行は運用代行・投稿代行・コンサルティングの3つを指す
- 業務は企画・撮影・編集・投稿・反応対応・分析の6つ。どこまで任せるかで契約が分かれる
- 運用代行は月15万〜30万円、投稿代行は月5万〜10万円、コンサルティングは月10万〜30万円
- 撮影・編集・広告運用は単体で切り出せる
- 契約前に決めるのは、業務範囲・名義・素材の権利・報告・解約の5つ
補足すると、契約を1つに固定して考えないでください。
型が固まるまでは運用代行、固まった後は投稿代行、という切り替えは実際に機能します。契約時に「半年後に範囲を見直す」と伝えておけば、切り替えの相談もしやすくなります。
もう1つ、社内の担当者が何時間使えるかを先に測ってください。この数字が決まれば、3つのうちどれを選ぶかは自動的に決まります。
solezoreでは、運用代行から部分的な外注まで対応しています。どの範囲を任せるべきかの整理からでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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