

「3社から見積もりを取ったら、月8万円・月22万円・月38万円と出てきました」「どれが適正なのか判断できません」――相場についてのご相談は、ほぼこの形で寄せられます。
結論からお伝えすると、金額の差は投稿の本数・撮影の有無・企画と分析の有無の3つでほぼ説明がつきます。3社を並べたときに違うのは価格ではなく、含まれている業務です。
solezoreでは、見積もりを比べるときに投稿1本あたりの単価へ割り戻すようお伝えしています。同じ弁当でも、おかずの品数を数えずに値段だけ比べても判断できないのと同じです。
この記事では、相場が広く開く理由から、料金体系の4種類、単価に割り戻す比べ方、見積もりの読み方、費用対効果の考え方、予算別の進め方までを、実際に見積もりを出している立場から解説します。
相場が月5万円から40万円まで開く理由
結論: 相場が広いのは、含まれる業務が会社ごとに違うためです。月5万円は投稿だけ、月38万円は撮影と広告運用まで含む。同じ運用代行という名前でも、中身が別物になっています。
差の内訳を見ます。
差を生む3つの要素
金額を左右するのは、次の3つです。
- 投稿の本数:月4本と月20本では、作業量が5倍になる
- 撮影の有無:カメラマンとディレクターが半日拘束されると人件費が積み上がる
- 企画と分析の有無:何を投稿するか決める作業と、数字を見て次を決める作業
この3つを確認すれば、見積もりの金額はほぼ説明がつきます。逆に、この3つが書かれていない見積もりは、比較の対象になりません。
費用帯ごとの中身・会社の規模による差
| 月額 | 投稿本数の目安 | 含まれる業務 | 撮影 |
|---|---|---|---|
| 5万〜10万円 | 月4〜8本 | 投稿・簡単な編集 | なし |
| 15万〜25万円 | 月12〜16本 | 企画・編集・投稿・分析 | 別途 |
| 25万〜40万円 | 月16〜20本 | 上記に撮影を追加 | 月1回 |
| 40万円以上 | 月20本以上 | 広告運用・ライブ配信も含む | 月2回 |
中心帯は月15万〜30万円です。この範囲であれば、企画から分析まで一通り任せられます。
同じ業務範囲でも、会社の規模で金額が変わります。
10人以下の会社は、月15万〜20万円の水準が多くなります。担当者が直接動くため、間接費が乗りません。
50人規模の会社では、月25万〜35万円になります。ディレクターと制作担当が分かれ、体制は安定しますが、その分の費用が乗ります。
どちらが良いという話ではありません。担当者が辞めたときの継続性を取るか、費用を取るかの判断です。
料金体系の4種類
結論: 料金体系は、月額固定・投稿単価・成果報酬・時間単価の4つです。運用代行では月額固定が主流で、成果報酬は制作単体や広告運用で使われます。
体系ごとに見ます。
月額固定・投稿単価
毎月決まった金額を支払う形です。運用代行の9割以上がこの体系になっています。
利点は、予算が読めることです。月20万円と決まっていれば、年間240万円で計画が組めます。
注意点は、作業量が変動しても金額が変わらないことです。繁忙期に投稿を増やしてほしい場合は、追加料金の扱いを確認します。
1本あたりの金額を決め、本数で精算する形です。1本1万〜2万5,000円が目安になります。
利点は、必要な分だけ発注できることです。閑散期は本数を減らせます。
注意点は、企画と分析が含まれにくいことです。本数で精算する形では、月をまたいだ改善の視点が入りません。
成果報酬・時間単価
フォロワー1人あたり、あるいは売上の何パーセントという形です。運用代行で採用される例は多くありません。
理由は、成果の定義が難しいためです。フォロワー数を成果にすると、質を問わず数を集める方向に動きます。
売上に連動させる場合も、Instagramの貢献だけを切り出すことが難しく、計測の設計から必要になります。
作業時間で精算する形です。1時間8,000〜1万5,000円が目安になります。
スポットの相談や、単発の作業に向きます。継続的な運用では、時間の把握が煩雑になるため、あまり使われません。

投稿1本あたりの単価で比べる
結論: 見積もりを比べるときは、月額を投稿本数で割ります。この単価が1万〜2万5,000円の範囲に収まっていれば、相場の水準です。
比べ方の手順です。
割り戻して並べる・単価に含まれる工程を確認する
冒頭の3社を、単価に割り戻してみます。
| 見積もり | 月額 | 投稿本数 | 1本あたり | 撮影 |
|---|---|---|---|---|
| A社 | 8万円 | 月4本 | 2万円 | なし |
| B社 | 22万円 | 月16本 | 1万3,750円 | なし |
| C社 | 38万円 | 月20本 | 1万9,000円 | 月1回込み |
総額ではA社が最も安く見えますが、単価ではA社が最も高くなります。しかも企画と分析が含まれていません。
C社は総額が高いものの、撮影が含まれているぶん、単価は妥当な水準です。
同じ1本でも、工程が違えば単価も変わります。
素材をそのまま投稿するだけなら3,000〜8,000円、編集を含めれば1万〜1万5,000円、撮影から行えば2万〜3万円。この幅を知っておくと、見積もりの妥当性が判断できます。
本数が書かれていない見積もり
「月額20万円・投稿は適宜」という書き方の見積もりがあります。この場合、本数を確認します。
答えられない、あるいは幅で示される場合は、下限で計算します。月8〜16本と言われたら、8本で単価を出します。
「本数を決めると柔軟に動けない」という説明を受けることがありますが、下限だけでも書面に残してもらいます。
見積もりの読み方
結論: 見積もりで確認するのは、業務範囲・投稿本数・撮影の扱い・初期費用・契約期間の5つです。この5つが書かれていない見積もりは、比較の対象になりません。
読む順番を整理します。
6項目で範囲を確認し、初期費用の内訳を見る
企画・撮影・編集・投稿・反応対応・分析。この6つのうち、どれが含まれるかを1つずつ確認します。
「運用代行一式」という書き方では判断できません。項目ごとに◯×を付けてもらいます。
契約時に10万〜30万円の初期費用が発生する会社があります。内訳は、アカウントの設計、競合の調査、投稿の型づくりです。
この作業は実際に手間がかかるため、請求されること自体は不自然ではありません。ただし、何をするのか明細を出してもらいます。
初期費用がない会社は、その分を月額に含めているか、設計工程を省いています。初月に何をするかを聞けば分かります。
契約後に追加請求が発生しやすいのは、次の場面です。
撮影の回数を増やす、投稿の本数を増やす、広告の運用を追加する、ライブ配信を依頼する、素材の修正を繰り返す。
とくに修正の回数は、契約前に上限を決めておきます。「2回まで無料、3回目以降は1本5,000円」といった形です。
費用対効果の考え方
結論: 費用対効果は、月額を売上で割るだけでは判断できません。Instagramは検討期間が長く、投稿は資産として残るため、6か月から1年の単位で見ます。
考え方を整理します。
短期で判断できない理由
Instagramで商品を知った人が購入するまで、2週間から1か月かかります。高額な商材では、さらに長くなります。
契約1か月目の売上で判断すると、まだ何も起きていない段階で評価することになります。
見るなら、3か月の推移です。フォロワー以外へのリーチ、プロフィールへの遷移、リンクのクリック。この3つが上がっていれば、売上は後からついてきます。
目標を金額で置く
費用対効果を測るには、目標を先に決めます。「月20万円を払って、何がいくら増えれば元が取れるか」を計算します。
客単価1万円・粗利率40%の商材なら、月20万円の費用を回収するには月50件の注文が要ります。この数字が現実的かを、契約前に検討します。
現実的でない場合は、費用を下げるか、客単価の高い商材に絞るか、別の経路を検討します。
投稿が資産になる部分
広告は止めた瞬間に流入も止まります。一方、投稿は残り続けます。
半年前の投稿から注文が入ることがあります。プロフィールを訪れた人が過去の投稿を見て判断するため、時間が経つほど判断材料が増えます。
この部分は、月次の費用対効果には表れません。1年単位で見ると、累積した投稿が効果を持ち始めます。
広告費を別に出している場合は、運用の費用対効果と混ぜずに測ります。判断の基準が違うためです。
予算別の進め方
結論: 予算が限られる場合は、範囲を狭めて質を保つほうが結果につながります。全部を薄く外注するより、1つの工程を確実に任せます。
予算ごとに整理します。
3つの予算帯で、外注できる範囲が変わる
全部を任せるのは難しい水準です。この場合、社内でできることを増やし、外注は1点に絞ります。
編集だけを外注する形が最も現実的です。編集は最も時間を取られる工程のため、ここを外すと担当者の負担が大きく減ります。
あるいは、最初の3か月だけ運用代行で型を作り、その後は社内で回す形もあります。
企画・編集・投稿・分析を任せられます。撮影は社内で行い、撮り方だけ指導を受ける形が効率的です。
「撮影も含めてほしい」というご相談をよくいただきますが、店舗や工場に毎日商品がある業種では、社内で撮ったほうが素材が新鮮になります。
撮影を含めた一括の依頼が可能です。素材づくりから任せられるため、社内の負担は情報提供と確認だけになります。
この水準であれば、広告運用も含めて相談できます。ただし、広告費は別枠です。手数料は広告費の20%前後を見込みます。
相場から外れた見積もりの見分け方
結論: 相場より極端に安い見積もりと、極端に高い見積もりには、それぞれ理由があります。理由が説明できるなら問題なく、説明が出てこない場合は避けます。
外れ方ごとに見ます。
月3万円などの極端に安い見積もり
この水準では、実作業に使える時間が限られます。時給換算で考えると、月10時間程度です。
考えられるのは、投稿だけを機械的に行う形、テンプレートを使い回す形、海外に作業を委託する形。いずれも、質が読めません。
「なぜこの金額でできるのか」を聞きます。答えが具体的であれば検討できます。「効率化しているので」という抽象的な回答しか出ない場合は、慎重に判断します。
月60万円を超える見積もり
この水準になると、広告費や大規模な撮影が含まれている場合がほとんどです。
内訳を確認し、運用代行の部分がいくらかを切り出します。広告費が30万円含まれているなら、代行費は30万円ということになります。
代行費だけで月60万円を超える場合は、専属の体制が付くなど、理由があるはずです。何に対する費用かを説明してもらいます。
見積もりが1枚しかない場合
「一式 月20万円」とだけ書かれた見積もりは、比較ができません。
内訳を出してもらいます。企画にいくら、編集にいくら、投稿にいくら。ここまで分けられない会社もありますが、少なくとも業務範囲と本数は書いてもらいます。
出せないと言われた場合、その理由を聞きます。合理的な説明がない場合は、他社と比べる材料がないという状態です。
契約後に費用を下げる方法
結論: 契約後でも、費用は見直せます。撮影を社内に戻す、本数を調整する、範囲を絞る。この3つで、月額の3割から5割が下がる例があります。
見直しの手順です。
内訳を出してもらい、削る順番を決める
まず、いまの月額の内訳を確認します。撮影がいくら、編集がいくら、企画と分析がいくら。
内訳が分かると、どこを削れるかが見えます。多くの場合、撮影が費用の3割から5割を占めています。
見直す順番は次のとおりです。
- 撮影を社内に戻せるか検討する:店舗や工場に商品がある業種なら可能性が高い
- 投稿の本数を実態に合わせる:使い切れていない本数があれば減らす
- 反応対応を社内に戻す:定型の返信だけなら社内でも回せる
- 企画と分析は最後まで残す:ここを削ると改善が止まる
企画と分析を先に削ると、数字が動かなくなります。削る順番を誤ると、費用は下がっても結果も下がります。
「安くしてください」という伝え方では、質を落とす形で調整されることがあります。
伝えるのは、範囲の変更です。「撮影は社内で行うので、その分を外してほしい」。この形であれば、双方が納得できます。
契約更新のタイミングで相談すると、話が進みやすくなります。
solezoreの支援事例|業種別の進め方
結論: solezoreでは、見積もりの段階で範囲を絞る提案をすることがあります。ここでは2つの業種で、費用の考え方を紹介します。
宿泊|他社見積もりを単価で比べ直した
旅館から相談が寄せられました。3社の見積もりを持って来られ、どれを選ぶべきか判断できない状態でした。
月額は9万円・24万円・36万円。一見すると、真ん中を選ぶのが無難に見えます。
本数を確認すると、9万円が月4本、24万円が月16本、36万円が月18本でした。単価では2万2,500円・1万5,000円・2万円です。
さらに、9万円の見積もりには企画も分析も含まれていませんでした。この事実を整理してお伝えしたところ、24万円の会社を選ばれています。総額ではなく単価と範囲で比べた結果です。
アパレル|撮影を外して月額を下げた
ブランドを運営する企業からのご相談で、月32万円の契約が負担になっていました。
内訳を見ると、月2回の撮影が費用の半分近くを占めていました。ただ、店舗にはスタッフがいて、商品も毎日並んでいます。
撮影を社内に戻し、企画・編集・投稿・分析を任せる形へ変更しました。撮り方は最初の2回だけ同行して指導しています。
月額は17万円まで下がり、投稿の本数はむしろ増えました。スタッフが撮るようになったことで、その日の着こなしのような素材が入るようになったためです。担当者から「外注していた頃より自然な写真になった」と言われました。

よくある質問
Q. Instagram運用代行の相場はいくらですか?
A. 中心帯は月15万〜30万円です。投稿だけを頼む形なら月5万〜10万円、撮影を含めて任せる形なら月25万〜40万円になります。金額の差は、投稿の本数・撮影の有無・企画と分析の有無の3つでほぼ説明がつきます。
Q. 見積もりを比べるとき、何を基準にすればいいですか?
A. 月額を投稿本数で割り、1本あたりの単価に直してください。1万〜2万5,000円の範囲であれば相場の水準です。総額が安くても本数が少なければ、単価では高くなります。
Q. 初期費用は払うべきですか?
A. アカウントの設計、競合の調査、投稿の型づくりが含まれるなら妥当です。10万〜30万円が目安になります。ただし、何をするのか明細を出してもらってください。初期費用がない会社は、月額に含めているか設計工程を省いています。
Q. 成果報酬型の契約はありますか?
A. 運用代行では多くありません。成果の定義が難しいためです。フォロワー数を成果にすると質を問わず数を集める方向に動き、売上に連動させる場合はInstagramの貢献だけを切り出す計測の設計が必要になります。
Q. 予算が月10万円しかない場合はどうすればいいですか?
A. 全部を薄く外注するより、1つの工程に絞ってください。編集だけを外注する形が最も現実的です。編集は最も時間を取られる工程のため、ここを外すと社内の負担が大きく減ります。
Q. 費用対効果はどう判断すればいいですか?
A. 月単位では判断できません。Instagramで商品を知った人が購入するまで2週間から1か月かかるためです。3か月の推移で、フォロワー以外へのリーチ・プロフィールへの遷移・リンクのクリックの3つを見てください。
まとめ
Instagram運用代行の相場について、要点を整理します。
- 中心帯は月15万〜30万円。差は投稿本数・撮影の有無・企画と分析の有無
- 料金体系は月額固定・投稿単価・成果報酬・時間単価の4つ。運用代行は月額固定が主流
- 比べるときは投稿1本あたりの単価に割り戻す。1万〜2万5,000円が相場
- 見積もりで確認するのは、業務範囲・本数・撮影・初期費用・契約期間の5つ
- 費用対効果は3か月から1年の単位で見る
補足すると、契約前に「月20万円を払って、何がいくら増えれば元が取れるか」を計算してみてください。
客単価1万円・粗利率40%なら、月50件の注文が必要になります。この数字を出しておくと、契約後に成果を判断する基準ができます。
もう1つ、撮影を含む見積もりが高いと感じたら、自社で撮れないかを検討してください。店舗や工場に毎日商品がある業種では、社内で撮ったほうが素材が新鮮になり、費用も下がります。
solezoreでは、Instagramの運用代行を月15万円から承っています。他社の見積もりを整理するところからでも構いませんので、現状をお聞かせください。
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